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第二部第一章 act.43
懺悔~翔と蓉子~
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10数分が経過した頃、泣き疲れたのか、
そのまま翔の身体にすがりつくように
横になっている蓉子であった。
翔はベットの上で壁に寄り掛かるように座り
蓉子の事を見つめていた。
「あんた…優しいね…?こんな…私を…
慰めてくれるなんて…。
ごめんね…変なこと頼んで…。
でも優しく抱いていてくれて…
嬉しかったよ……」
蓉子は起き上がりながら、翔の頬に
キスをしてお礼を言う。
そしてそのまま、膝を抱えて座りなおし
静かに話はじめた。
「私ね。中学の時に華那恵ちゃんと
仲良かったんだ…。仲良くしてたのは
私の他に二人いたんだけど…。
その時は…友達だと…思っていた…。
だけど…それは…一方的な押しつけの
友情だったの…。私達…華那恵ちゃん
に憧れていて…華那恵ちゃんが付き合う
男の子も自分たちが納得できる人じゃ
なきゃ…嫌だって思い込んでたの…。
華那恵ちゃん本人の意思なんかお構い
なしに…勝手に格好いい人と付き合わせ
ようとして……。
それが彼女のためだって信じちゃって。
非道いよね……?
本人の知らないところで華那恵ちゃん
に言い寄ってくる男の子達を集団で
責めたり…。
いろんな事……してた……。
まるでアイドルの親衛隊のようにね…。
それだけならまだしも……
私達は華那恵ちゃんの…
側にいる男の子にもヒドイことしたの…
その子華那恵ちゃんの幼なじみの
男の子だったんだけど…
その子にまで手を出し始めたの
『華那恵ちゃんに相応しくない!』
って言って…非道い事したの……。
その子の事をみんなで虐めたり…
普通なら……学校に来たく無くなる位
の事をしたのに…その子……いつも…
学校に来てた。
いつもと変わらない態度で……
華那恵ちゃんと話しているのを見て…
私達どんどんエスカレートしていって…。
たしか……その子が華那恵ちゃんと
デートしてたってクラスの子から…
聞いたときだったと思う……。
私達……その子の事を呼び出して…
…みんなで……みんなで……
その子に制裁を加えちゃったの…。
その子…それでも黙って殴られて……
みんなが疲れていなくなるまで……
じっと地面に蹲っていて……。
だけどその子。そのまま……
教室には戻ってこないで……
だれにも…華那恵ちゃんにも
行き先を告げずに…黙って
転校しちゃって……。
学校側もその時のケガが元でいじめが
発覚したのかな?転校先を教えてくれ
なくて…行方が解らなくなって……。
その後……華那恵ちゃん……
すごく落ち込んで……。
私達……華那恵ちゃんに泣きながら
責められて…それで…私…初めて
華那恵ちゃんの気持ちがわかって…。
それから華那恵ちゃん……。
卒業するまで……ずっと…
ずっと一人だった……。
その子に悪いからってクラスの誰とも
仲良くしなかった……。
もちろん……私達に…ううん…
クラスメートの…誰にも近づいて
来なかった…。
私達に話もしてくれなかったの……
……うっ……。
いつも……一人で沈んでいる
華那恵ちゃんを見てた。
私……その時……。本当に悪いことを
したんだなって……罪を犯したんだな
……って……思ったの……」
「蓉子……」
(そうか……あの後……華那恵は自分の
ことを責めて…馬鹿だよ……俺のこと
なんか忘れちゃえばいいのに……)
蓉子から聞かされる華那恵の話に驚き、
思わず蓉子の顔を見る翔。
「それから…私…その罪を少しでも
償えるようにって…
ボランティアなんかもして…
そのおかげで…私…自分よりも弱い
立場の人の気持ちが少し解ってきたの…
そしたら…その男の子も…ずっと一人
だったのを思い出して…。
その子…クラスのみんなに虐められても
華那恵がいるから学校に来てたんだって
華那恵が傷つくのを見るのが嫌で……
絶対に華那恵に気づかれないように
していた事に……気が付いたの……。
その子…どんなに辛くても華那恵の前
では笑っていた。
そしたら…私達が…その男の子にした事
が…すごく気になっちゃって…
……会いたくて……」
翔に話をしながら自分の両膝に顔を
押しつける蓉子だったがそのまま翔の方に
顔を向けて話をつづけた。
「それから…その子の事…探しに沖縄にも
何回か行ったんだ…。人の噂で…
沖縄に転校したって…聞いたから…
先生に聞いても…親に口止めされてる
って言って…転校先の学校名を教えて
くれなかったの」
「何回も…沖縄に?…なにしに?
…その子に会って…どうするのさ?」
翔の問いに話を続ける蓉子。
「どうするって…。ただ…会いたくて…
会ってその子にちゃんと謝りたくて…
その子が許してくれなくてもいいから
…とにかく…一言…謝りたかったの…
そして…その子に…お願いして…
華那恵ちゃんに…連絡を入れて
もらおうと…それだけを頼もうと…
思ってたの……」
「だけど…会えなかったんだ…。
その子…親が再婚してて…名前が…
変わっていて…新しい名字がわかん
なくて…でも特徴のある子だったから…
その子に直接…会えれば…きっと…
解るって思っていたんだけど…
その子が転校しそうな中学校に…
何回も足を運んで…転校生を探したん
だけど…何人か転校生に会えたけど…
全部違う人で…その子には会えなかった。
…沖縄って…広いんだね…
私…知らなかった」
蓉子は顔を埋めながら泣いている
ようだった。
翔は蓉子の肩を抱き、聞いてみた。
「今でも…その子に会いたい?」
「会いたい!会ってきちんと謝りたい!
それが私のけじめだと思っているし…。
ああ、あなた…沖縄から来たんだっけ…
まさか…知ってるの?
…その子の事?
…だったら…お願い!…教えて!
…その子に会わせて…お願いだから」
蓉子は顔を上げ翔に頼んできた。
「………蓉子」
(そんなに……会いたかったのか?
…俺はどうしたらいいんだろう……?
…………………。
蓉子に話すべき何だろうか?)
困ったように蓉子の名前を呼ぶ翔。
その翔の表情で翔が知らないと思い
蓉子はまた顔を埋める。
「そんな…都合良く行かないよね…?
ありがとうね…
こんなくだらない愚痴を聞いてくれて…
少し…すっきりした…。
たぶん会っても…あの子は私たちのこと
許してくれないだろうけれどね…
それでも……きちんと……
謝りたかったんだ……。
謝って済む事じゃないけど……
それでも………わたし
ちゃんと…ちゃんと……
謝り…た…かっ…た…うっ」
(蓉子の気持ちがいたいほど伝わって
くる……恵子や絵里の時に感じた……
もやもや感と違って……
なんかこの上手く言えないけど…
なんなんだこの気持ち…)
「…………うっうっうぅぅぅ」
蓉子の瞳からは大粒の涙が
次々と零れ落ちていく。
(………不思議だ…俺…蓉子のこと…
許しちゃってる……。
俺にとっての復讐っていったい……)
蓉子の告白を受けたときに、翔は自分の
思いが昇華されていった気がした。
(…………………………。
ああ……俺は…彼女達から…
謝ってほしかったんだ…。
ただ……それだけだったのかも
知れない……。
……だとしたら…俺は…蓉子に…
…すべてを……)
翔は蓉子にだけには本当のことを話す
べきだと悟った。
「許すよ……許すよ……蓉子…」
「えっ?」
思わず翔の方を振り返る蓉子。
翔は蓉子の顔を見ながら話し続ける。
「だから…もう、昔のことは…
気にしなくていいよ…蓉子!
たとえ…華那恵が蓉子の事を
許さなくっても…
俺が…蓉子の事だけは許してあげるよ。
もうその子の事…華那恵の幼なじみの…
松本の事は、気にしなくていいよ?」
「えっ?…うそ?
私…松本くんの名前…一言も言って
ないのに…どうして?
まさか…あなたが松本くん?
…松本…翔くんなの?」
翔の告白に驚く蓉子。
「ああ…そうだよ…。誰にも…告白する
つもりはなかったんだけどね?」
翔は小さく頷きながら蓉子に伝えた。
「だって…こんなにも…変わっている
なんて…信じられない?
でも…どうして?…それなら…
華那恵ちゃんにも」
「蓉子…華那恵には言わないでくれ!
俺は…お前達に…仕返しを復讐を
するために…この街に戻ってきたんだ!」
「復讐?」
「ああ…俺はこの街を離れるときに…
お前達に…仕返しを復讐を誓った!
そして、この二年間。それだけの為に
費やしてきたんだ」
「そのおかげで、力を付け容姿もかなり
変わったと思う。生まれ変わった
つもりで、この街に戻ってきた。
誰も…華那恵さえも…俺の事に
気が付かない位に変わってしまった」
「そして、俺は…俺に気づかずに言い
寄ってきた恵子に非道い事をして脅した。
絵里も二度と…俺達に近づけないように、
男達に襲わせた」
「俺はそんな非道い事が平気で出きる男に
なったんだ。
俺の心は汚れきっている。
…もう、華那恵には相応しくないくらい
汚れてるんだ!
だから、華那恵には言って欲しくない!
…俺は…俺は…華那恵に相応しくない」
(熱い…頬に…熱い物が滴り落ちていく
のが……わかる……)
翔は涙を流しながら語っていた。
蓉子は体を起こし翔の頭を優しく抱いた。
ぎゅっ……
「………………うっ」
(不思議だ……。俺は……蓉子の胸に
顔を埋めながら泣いているんだ…)
「松本くん…ごめんね…?
本当に…ごめんなさい」
「蓉子?」
蓉子は泣きながら謝ってきた。
「松本くんをそこまで追いつめた
のは…私たちね…でも…そこまで…
華那恵ちゃんの事思っているなら…
そんな事…気にしなくってもいい…
相応しいとか、相応しくないとか、
そんな事、関係ないの…
大切なのは…気持ちだけ…。
松本くんがそこまで言うなら…
私からは絶対に、
華那恵ちゃんには言わない…
だけど…約束して…。
いつかきっと、
松本くんから華那恵ちゃんに、
本当のこと話してあげて……。
華那恵ちゃん…
本当に苦しんでいたんだから」
「蓉子…。約束は…できないけど…
いつか…話すよ」
蓉子は翔の事を誰にも話さないと約束した。
・
・
・
そのまま翔の身体にすがりつくように
横になっている蓉子であった。
翔はベットの上で壁に寄り掛かるように座り
蓉子の事を見つめていた。
「あんた…優しいね…?こんな…私を…
慰めてくれるなんて…。
ごめんね…変なこと頼んで…。
でも優しく抱いていてくれて…
嬉しかったよ……」
蓉子は起き上がりながら、翔の頬に
キスをしてお礼を言う。
そしてそのまま、膝を抱えて座りなおし
静かに話はじめた。
「私ね。中学の時に華那恵ちゃんと
仲良かったんだ…。仲良くしてたのは
私の他に二人いたんだけど…。
その時は…友達だと…思っていた…。
だけど…それは…一方的な押しつけの
友情だったの…。私達…華那恵ちゃん
に憧れていて…華那恵ちゃんが付き合う
男の子も自分たちが納得できる人じゃ
なきゃ…嫌だって思い込んでたの…。
華那恵ちゃん本人の意思なんかお構い
なしに…勝手に格好いい人と付き合わせ
ようとして……。
それが彼女のためだって信じちゃって。
非道いよね……?
本人の知らないところで華那恵ちゃん
に言い寄ってくる男の子達を集団で
責めたり…。
いろんな事……してた……。
まるでアイドルの親衛隊のようにね…。
それだけならまだしも……
私達は華那恵ちゃんの…
側にいる男の子にもヒドイことしたの…
その子華那恵ちゃんの幼なじみの
男の子だったんだけど…
その子にまで手を出し始めたの
『華那恵ちゃんに相応しくない!』
って言って…非道い事したの……。
その子の事をみんなで虐めたり…
普通なら……学校に来たく無くなる位
の事をしたのに…その子……いつも…
学校に来てた。
いつもと変わらない態度で……
華那恵ちゃんと話しているのを見て…
私達どんどんエスカレートしていって…。
たしか……その子が華那恵ちゃんと
デートしてたってクラスの子から…
聞いたときだったと思う……。
私達……その子の事を呼び出して…
…みんなで……みんなで……
その子に制裁を加えちゃったの…。
その子…それでも黙って殴られて……
みんなが疲れていなくなるまで……
じっと地面に蹲っていて……。
だけどその子。そのまま……
教室には戻ってこないで……
だれにも…華那恵ちゃんにも
行き先を告げずに…黙って
転校しちゃって……。
学校側もその時のケガが元でいじめが
発覚したのかな?転校先を教えてくれ
なくて…行方が解らなくなって……。
その後……華那恵ちゃん……
すごく落ち込んで……。
私達……華那恵ちゃんに泣きながら
責められて…それで…私…初めて
華那恵ちゃんの気持ちがわかって…。
それから華那恵ちゃん……。
卒業するまで……ずっと…
ずっと一人だった……。
その子に悪いからってクラスの誰とも
仲良くしなかった……。
もちろん……私達に…ううん…
クラスメートの…誰にも近づいて
来なかった…。
私達に話もしてくれなかったの……
……うっ……。
いつも……一人で沈んでいる
華那恵ちゃんを見てた。
私……その時……。本当に悪いことを
したんだなって……罪を犯したんだな
……って……思ったの……」
「蓉子……」
(そうか……あの後……華那恵は自分の
ことを責めて…馬鹿だよ……俺のこと
なんか忘れちゃえばいいのに……)
蓉子から聞かされる華那恵の話に驚き、
思わず蓉子の顔を見る翔。
「それから…私…その罪を少しでも
償えるようにって…
ボランティアなんかもして…
そのおかげで…私…自分よりも弱い
立場の人の気持ちが少し解ってきたの…
そしたら…その男の子も…ずっと一人
だったのを思い出して…。
その子…クラスのみんなに虐められても
華那恵がいるから学校に来てたんだって
華那恵が傷つくのを見るのが嫌で……
絶対に華那恵に気づかれないように
していた事に……気が付いたの……。
その子…どんなに辛くても華那恵の前
では笑っていた。
そしたら…私達が…その男の子にした事
が…すごく気になっちゃって…
……会いたくて……」
翔に話をしながら自分の両膝に顔を
押しつける蓉子だったがそのまま翔の方に
顔を向けて話をつづけた。
「それから…その子の事…探しに沖縄にも
何回か行ったんだ…。人の噂で…
沖縄に転校したって…聞いたから…
先生に聞いても…親に口止めされてる
って言って…転校先の学校名を教えて
くれなかったの」
「何回も…沖縄に?…なにしに?
…その子に会って…どうするのさ?」
翔の問いに話を続ける蓉子。
「どうするって…。ただ…会いたくて…
会ってその子にちゃんと謝りたくて…
その子が許してくれなくてもいいから
…とにかく…一言…謝りたかったの…
そして…その子に…お願いして…
華那恵ちゃんに…連絡を入れて
もらおうと…それだけを頼もうと…
思ってたの……」
「だけど…会えなかったんだ…。
その子…親が再婚してて…名前が…
変わっていて…新しい名字がわかん
なくて…でも特徴のある子だったから…
その子に直接…会えれば…きっと…
解るって思っていたんだけど…
その子が転校しそうな中学校に…
何回も足を運んで…転校生を探したん
だけど…何人か転校生に会えたけど…
全部違う人で…その子には会えなかった。
…沖縄って…広いんだね…
私…知らなかった」
蓉子は顔を埋めながら泣いている
ようだった。
翔は蓉子の肩を抱き、聞いてみた。
「今でも…その子に会いたい?」
「会いたい!会ってきちんと謝りたい!
それが私のけじめだと思っているし…。
ああ、あなた…沖縄から来たんだっけ…
まさか…知ってるの?
…その子の事?
…だったら…お願い!…教えて!
…その子に会わせて…お願いだから」
蓉子は顔を上げ翔に頼んできた。
「………蓉子」
(そんなに……会いたかったのか?
…俺はどうしたらいいんだろう……?
…………………。
蓉子に話すべき何だろうか?)
困ったように蓉子の名前を呼ぶ翔。
その翔の表情で翔が知らないと思い
蓉子はまた顔を埋める。
「そんな…都合良く行かないよね…?
ありがとうね…
こんなくだらない愚痴を聞いてくれて…
少し…すっきりした…。
たぶん会っても…あの子は私たちのこと
許してくれないだろうけれどね…
それでも……きちんと……
謝りたかったんだ……。
謝って済む事じゃないけど……
それでも………わたし
ちゃんと…ちゃんと……
謝り…た…かっ…た…うっ」
(蓉子の気持ちがいたいほど伝わって
くる……恵子や絵里の時に感じた……
もやもや感と違って……
なんかこの上手く言えないけど…
なんなんだこの気持ち…)
「…………うっうっうぅぅぅ」
蓉子の瞳からは大粒の涙が
次々と零れ落ちていく。
(………不思議だ…俺…蓉子のこと…
許しちゃってる……。
俺にとっての復讐っていったい……)
蓉子の告白を受けたときに、翔は自分の
思いが昇華されていった気がした。
(…………………………。
ああ……俺は…彼女達から…
謝ってほしかったんだ…。
ただ……それだけだったのかも
知れない……。
……だとしたら…俺は…蓉子に…
…すべてを……)
翔は蓉子にだけには本当のことを話す
べきだと悟った。
「許すよ……許すよ……蓉子…」
「えっ?」
思わず翔の方を振り返る蓉子。
翔は蓉子の顔を見ながら話し続ける。
「だから…もう、昔のことは…
気にしなくていいよ…蓉子!
たとえ…華那恵が蓉子の事を
許さなくっても…
俺が…蓉子の事だけは許してあげるよ。
もうその子の事…華那恵の幼なじみの…
松本の事は、気にしなくていいよ?」
「えっ?…うそ?
私…松本くんの名前…一言も言って
ないのに…どうして?
まさか…あなたが松本くん?
…松本…翔くんなの?」
翔の告白に驚く蓉子。
「ああ…そうだよ…。誰にも…告白する
つもりはなかったんだけどね?」
翔は小さく頷きながら蓉子に伝えた。
「だって…こんなにも…変わっている
なんて…信じられない?
でも…どうして?…それなら…
華那恵ちゃんにも」
「蓉子…華那恵には言わないでくれ!
俺は…お前達に…仕返しを復讐を
するために…この街に戻ってきたんだ!」
「復讐?」
「ああ…俺はこの街を離れるときに…
お前達に…仕返しを復讐を誓った!
そして、この二年間。それだけの為に
費やしてきたんだ」
「そのおかげで、力を付け容姿もかなり
変わったと思う。生まれ変わった
つもりで、この街に戻ってきた。
誰も…華那恵さえも…俺の事に
気が付かない位に変わってしまった」
「そして、俺は…俺に気づかずに言い
寄ってきた恵子に非道い事をして脅した。
絵里も二度と…俺達に近づけないように、
男達に襲わせた」
「俺はそんな非道い事が平気で出きる男に
なったんだ。
俺の心は汚れきっている。
…もう、華那恵には相応しくないくらい
汚れてるんだ!
だから、華那恵には言って欲しくない!
…俺は…俺は…華那恵に相応しくない」
(熱い…頬に…熱い物が滴り落ちていく
のが……わかる……)
翔は涙を流しながら語っていた。
蓉子は体を起こし翔の頭を優しく抱いた。
ぎゅっ……
「………………うっ」
(不思議だ……。俺は……蓉子の胸に
顔を埋めながら泣いているんだ…)
「松本くん…ごめんね…?
本当に…ごめんなさい」
「蓉子?」
蓉子は泣きながら謝ってきた。
「松本くんをそこまで追いつめた
のは…私たちね…でも…そこまで…
華那恵ちゃんの事思っているなら…
そんな事…気にしなくってもいい…
相応しいとか、相応しくないとか、
そんな事、関係ないの…
大切なのは…気持ちだけ…。
松本くんがそこまで言うなら…
私からは絶対に、
華那恵ちゃんには言わない…
だけど…約束して…。
いつかきっと、
松本くんから華那恵ちゃんに、
本当のこと話してあげて……。
華那恵ちゃん…
本当に苦しんでいたんだから」
「蓉子…。約束は…できないけど…
いつか…話すよ」
蓉子は翔の事を誰にも話さないと約束した。
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