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第二部第二章〈2学期編〉act.29
-決闘-~戦う理由は我にあり…4~〈-SHIAI-死合〉
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〈-SHIAI-死合〉
身長が2メートル程のがっしりした体付きの
厳つい男を先頭に、その男よりは背の低く
見える体を少し鍛えている感じの男と
さらに背が低くどちらかというと
痩せ型の男が続いて入って来る。
その男達は三人とも空手胴着を
身に纏っていた。
最後に制服姿の光一が土足でゆっくりと
入って来た。
「中条!
それになんだお前達! 道場に土足で!」
その男達の暴虐無人な振る舞いに思わず
立ち上がり叫ぶ菜緒であった。
「お前達空手部の奴らだな?
関係ない奴は道場からでて行け!」
竹刀を手にし男達に文句を言いながら
近づいて行く。
翔はゆっくりと立ち上がり光一の顔を
睨みつける。
光一は入り口近くの壁に寄り掛かり
ニヤニヤと笑いながら翔達を見ていた。
「うるせえ! お前は引っ込んでろ!」
くってかかる菜緒に拳をあげ、
払いのける男。
「!?」
バッシィィーッ!
ゲシッ!!
男の攻撃に反応し、竹刀を上げて受け止めた
であったが、踏ん張りが利かない所為か
竹刀越しに衝撃をまともに体で受け止めて
しまう。
「きゃあぁぁぁ!!」
悲鳴を上げながら吹っ飛ばされ、
壁に激突しようとする菜緒。
「菜緒!」
ガッシィッ!
翔は壁にぶつかる寸前で菜緒の身体を
受け止めた。
自分の胸に顔を埋める菜緒に翔は
ホッとした表情を見せ覗き込むように
聞いてきた。
「だいじょうぶか菜緒?」
菜緒は不思議そうに顔を上げて
翔の顔を見る。
「おまえ…? うぅ……くそ……離せ!」
そして両の手に力を入れて翔の胸から
体を離し、振り返りながら男達を
睨みつけてまた向かって行こうとする。
翔はその腕を掴み菜緒を止める。
「待てよ。その足で動こうとするな。
ここは俺に任せてくれ。
菜緒はそこを動くんじゃないぞ」
振り返り翔の顔を見あげる菜緒の表情は
不満に満ちていた。
「し、しかし……」
「任せろって」
「…………解った」
翔は菜緒に向かって微笑んで言った。
その瞳には強い力が込められている。
翔の気迫に押され、不服そうに頷く菜緒に
優しく微笑みかける翔。
そして翔はその顔を上げて光一と男達を
鋭い眼つきで睨みつけた。
「てめえが…高村 翔か?」
体の大きな男がニヤニヤと笑いながら
一歩前に出て翔に向かって話してきた。
「……そうだが?」
翔は一歩前に出てを背中で菜緒を守るように
立って返事をした。
「へへ……お前、ずいぶんと目立っている
らしいじゃないか。
中条さんがお怒りだ!
よって、俺達がお前に制裁を加えてやる!
覚悟しな!」
男は光一が立っている方をチラリと見てから
翔の顔をみる。
不敵な笑みを浮かべながら
大きな男はさらに前に出てきた。
「……覚悟ねぇ」
翔は呆れたように呟きながら無造作に
前に歩み出る。
それを止めようとする菜緒。
「や、やっぱりだめだ!
あいつらは、あいつらは、空手部の
猛者達だ! お前一人じゃ無理だ!」
それを聞いた大きな男は、菜緒に向かって
言ってきた。
「もちろんお前にも制裁を加えさせて
もらうよ明神!
先日も中条さんの誘いを断った
そうだからな?」
「なっ!?」
驚く菜緒にさらに話かけてくる大きな男。
「そうだな…お前には一晩、中条さんの
相手をしてもらおうか?
そしてその後は、当然俺達の相手もだ!」
大きな男はニヤニヤと笑いながら菜緒の
身体を上から下へと舐めまわすように
見てきた。
その男の視線に思わず自分の身体を両腕で
隠すようにしてから柳眉を吊り上げて
大きな男を睨みつける菜緒であった。
「な、なんの……相手だ?」
「へへ……わかってるくせに」
男はさらに笑い声を高める。
「へっへっへっへへ…」
「ヒャッハッハハ…」
大きな男の笑い声に誘われいやらしく笑う
他の男達。
光一もその様子をニヤニヤと笑って
見ていた。
「お、おまえたち……」
その視線に自分の胴着の襟元をさらに
押さえ警戒する菜緒。
「おいっ!お前達は明神の相手をしてやれ!
俺は此の男の相手をする!」
大きな男は二人の男に菜緒に命令すると
同時に翔の前に立ちはだかった。
命令された二人の男は、大きく廻り込み
菜緒を取り囲んだ。
「へっへっへへ…。
大人しく俺達の相手をしてもらおうか?
…ついでに夜もな!」
「ちょっとくらい抵抗してもかまわないぜ?
ヒャッハハハハ…」
いやらしく笑いながら菜緒に言ってくる男達。
「だっだれが!お前達の相手なんか!」
怒りで顔を赤らめながら叫ぶ菜緒であった。
「おいっ!」
「あぁ?」
翔は体の大きな男を視界に入れながら菜緒を
取り囲む男の一人を睨みつけて言った。
「おまえら、寝言は俺を倒してから
言ってくれ!俺が眠くなる!」
翔にバカにされた男達は叫んできた。
「な、なんだと!
なんかおまえ、めざわりだぞ!
ふん。もともとおまえが目的なんだし、
先にやっとくか!」
「明神! こいつを倒したら
ゆっくり相手してやる。
中条さんも少しぐらいなら許してくれる
だろうからな?」
男の一人が菜緒に向かって叫んだ時には
翔はその男にゆっくりと近づいていた。
「……ふざけんなコラッ!」
ゴキッ
翔の拳が男の顔面を打ち抜いた。
「あぎゃっ」
バタッ
男は短い悲鳴と共にその場に倒れ込み
翔を見上げて叫んだ。
「い、いきなり?卑怯じゃないか!」
「卑怯?馬鹿かおまえ。対峙した瞬間から
戦いは始まってるんだよ。
それに、大勢で襲う様なバカにそんなこと
いわれたくはないね?」
翔は文句を言ってきた男を見下すように
言った。
「なにぃっ?」
男は悔しそうに叫びその場で立ち上がろうと
片膝を立てた。
ヒュン
バキッ!
「ウガヤァァアッ!」
翔の回し蹴りが立ち上がろうとしていた
男の体に決まり、男は壁際まで吹っ飛んで
行く。
「ち、畜生…」
壁にぶつかりながらヨロヨロと
立ち上がる男。
翔は怒っていた。
光一の卑劣なやり方に。
そして武道家の誇りを忘れ、
光一の言いなりになっている此の男達に。
「きゃあぁぁっ!
やめろ!はなせ!」
ケガをしているためか、あっけなく
もう一人の男に腕を捕まえられる菜緒。
「おいっ!菜緒には手を出すな!
俺がまとめてお前達の相手になってやる!」
「なっ、おまえ!無理だ!こいつらは…」
翔の男達に対する挑発に慌てる菜緒。
「大丈夫!こんな女を人質に取らなきゃ
戦えない男達よりも俺の方が強い!
それよりも…菜緒…。
俺のことを呼ぶとき…お前じゃなくて…
翔って…名前で呼んでくれ!
菜緒はおとなしくそこで見ていろ!」
菜緒に背中を向け、ワザと隙を作り、
手を挙げながらさらに挑発を繰り返す翔。
大きな男はチラリと壁側に腕を組んで
立っている光一の顔を見た。
光一は黙って大きく頷く。
翔の正面に立つ大きな男は叫びながら
二人の男に命令する。
「生意気なやつめ!
てめえら!やっちまえ!」
「おおぉぉ!」
男達は翔の態度に腹を立て菜緒の手を
離して一斉に翔に襲いかかってきた。
バキッィ!
ガッキィ!
ドッカッ!
一瞬だった。
二人の男達が拳を上げて翔に襲い掛かろう
とした瞬間に翔は振り返り、
前に一歩踏み出す。
相手の攻撃に合わせ、その拳を避けながら
瞬時に体重を乗せた蹴りを繰り出す翔。
翔の繰り出した三発の蹴りの2発は男の頭に
叩き込まれ、残りの1発は綺麗に男達の
顔面に決まっていった。
翔の一撃で意識を刈り取られたように
ほぼ同時に床に転がる男達。
その様子に光一が「チッ!」と舌打ちを
するのが聞こえた。
「きっ、きっ、きっさまぁぁ!」
光一が不満そうにしているのと自分の
仲間達が瞬時に倒されるのを見て、
慌てて翔に近づき蹴りを入れてくる
体の大きな男。
バッシィ!
翔の体に男の蹴りが決まる。
「翔!」
男の攻撃をまともに受けた翔を心配して、
思わず翔の名前を叫ぶ菜緒。
翔は男の蹴りを両腕で受け止めていた。
「初めて俺の名前を呼んでくれたな菜緒!」
戦いの最中でさえ菜緒の方を見て笑いかける
余裕を見せる翔であった。
その様子は蹴りを繰り出した男をバカにする
以外なにものでもなかった。
男は怒りで顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
「何処を見ている!貴様!」
「翔!危ない!」
よそ見をしている翔に拳を振り下ろして
くる男。
ガッキイィィ!
ズゥゥゥゥン!
道場内に大きな音が響きわたる。
「!?な、なにぃ!」
思わず身を乗り出して驚く光一の
姿があった。
そこに倒れているのは翔ではなく男の方が
床に転がっていた。
「きっきっさまぁ…!」
なぜ投げられたか判らないままよろけながら
立ち上がる男にさらに蹴りを加える翔。
「お前達の攻撃は怖くない!
お前達の空手は踊りだ!」
翔は転校初日に伸の案内で空手部の練習を
見ていた。
そして、この学校の空手は寸止め空手で
あることを知っていたのだ。
正しい型から綺麗に繰り出される打突で
当たる寸前で止める事により勝ち負けを
決める寸止め空手は、打撃力よりも
スピードを優先している所があり、
その為か相手に当たる寸前の間合いで技を
繰り出してしまう。
翔は僅かな動きでその攻撃を交わしていた。
翔にとってその技は見切り易い攻撃だった。
実際に倒すために相手の急所に打突を
繰り出す翔の習ってきた戦術格闘技に
比べれば、怖くないのである。
「きゃあぁぁ!」
男に攻撃を加えている翔の耳に菜緒の悲鳴が
聞こえた。
「菜緒?」
翔が攻撃の手を休め振り返ると、
そこには菜緒を後ろから抱きかかえ、
ナイフを首に当てている先ほど倒した
はずの男が立っていた。
「動くな!動くとこの女が、
どうなってもしらねえぞ!」
「やめろ!…離せ!」
菜緒は身動きを最低限に抵抗している
ようだった。
「はははは。いいぞおまえ!
高村判っているな? 抵抗すると明神君が
どうなっても知らないぞ?」
両手を叩きながら嬉しそうに笑う光一で
あった。
「きっきさまー…」
翔の前にヨロヨロと立ち上がる大きな男。
「てめえ!俺の空手が踊りだと!」
さっきまで翔の攻撃を受けていた体の
大きい男は、叫びながら翔に攻撃を
仕掛けてきた。
バキィ!
バシッ!
黙って男の攻撃を両腕でガードを上げて
受ける翔。
「はははは。いいぞ!もっとやれ!!」
翔が殴られる音と光一の笑いが道場内に
響き渡る。
ガードをしてるとはいえ、男の攻撃が
翔の顔面に身体に当たっていく。
そのせいか塞ぎかかっていた菜緒に受けた
頭頂部の傷口が開き、翔の額には血が
流れ落ちていく。
男の攻撃を受ける度に道場の床にその血が
飛び散って行く。
翔は男の攻撃を受けながら、ゆっくりと
菜緒の方に下がっていった。
「いやぁぁー! 翔!翔ー!」
自分のために男の攻撃を受けて血だらけに
なっている翔を見て泣き叫ぶ菜緒。
血だらけの翔の姿が菜緒の死んだ兄を
思い出させていた。
「泣くな菜緒!俺は大丈夫だから!」
菜緒の方を振り返り、血だらけに
なりながら微笑む翔。
その笑顔がさらに死んだ兄の姿と
重なって見える菜緒であった。
「に…兄様…?」
菜緒は涙を流しながら呟いていた。
「なあ…あんた?
いいかげん遊びの時間は終わりに
しようぜ?
これ以上、菜緒を泣かしたくないんだ…」
男の攻撃を受けながら、涼しい顔をして
さらに男を挑発をする翔。
「翔?」
菜緒の涙で溢れた瞳がさらに
大きく開かれた。
「何!遊びだと!それだけ血だらけに
なりながらまだ言うか?
これでもくらいやがれ!」
翔の挑発に男は右拳を高く上げ、思い切り
振り下ろしてくる。
翔は男の拳打を半歩下がり身体を捻って
避けながらその伸びきった腕を自分の脇
に挟んだ。
さらに半歩前に出て襟と袖を掴み肘の関節
を決めながら身体を半回転させて、相手の
懐に潜り込む。
翔が身体を捻ることにより男の体は
打ち下ろした力と併せて完全に前屈みに
なっていく。
翔は肘の関節を決めたまま相手の突進力を
利用して投げ降ろした。
ズゥゥゥゥン!
ボキイィィィ!
廻りからは男が攻撃を繰り出したと同時に
男の体が宙に舞い床に落ちたようにしか
見えなかった。
それと同時に道場内に男が倒れこむ音と
何かが折れる音が響いた。
「ウガァァアァッァァァ!」
喚き声と共に右腕があらぬ方向に曲がり、
床に転がり激しくのたうち廻る男の
姿があった。
その姿を見た光一の驚く声が聞こえた。
「!?ば、ばかな!!」
「翔?」
「何!?」
突然、菜緒達の目の前に翔に攻撃を加えた
はずの男が転がってきた。
菜緒とナイフの男は一瞬何が起こったか
解らなかった。
その隙に翔は素早く動き菜緒達の前に立ち、
菜緒の首に当てられているナイフを手で
掴んでいた。
「!?…てっ、てめえっ!ぐっえぇ!」
バキイィ!
男が叫ぶと同時に翔は、片手で菜緒を
引き寄せながら抱きかかえ、自分の蹴り
を男の側頭部にぶち込んでいた。
男はナイフを手離し、壁際まで飛んでいく。
壁に激突し完全に動かなくなる男。
翔は掴んでいたナイフを遠くに転がし、
光一の方を振り向きながら言った。
「さて中条…。どうする?
これでお前一人だけど?」
「ち、ちくしょう!覚えて置けよ高村!」
光一は顔を引き攣らせながら慌てて
道場から逃げ出していった。
光一の去っていく後姿を見て大きく溜息を
吐いた後、菜緒の顔を見て微笑みながら
話しかけた。
「やれやれ…だいじょうぶか? 菜緒?」
「し、翔ー!」
ぎゅっ……
菜緒は泣きながら翔に抱きついてきた。
「おいおい、らしくないぜ」
菜緒に突然抱きしめられて驚く翔は
頭を掻こうと手を上にあげる。
「心配したんだぞ!
あんなに相手をあおって―お、おまえ?」
菜緒がパッと離れ翔の手を掴み掌を見る。
「ああ。ちょっと甘くみてた。
さすが有段者。精神的に追いこまれても、
空手家ってのは得物を持つと強いよね」
「なにを呑気なこと言ってるんだ!
はやく手当てしないと――きゃっ!?」
ぐいっ…
翔はそのまま菜緒を両手で抱きかかえ
持ち上げて言った。
「いいんだよ俺のはかすり傷だから。
それより、菜緒の治療のほうが先だ」
「だ、だからって、抱き上げること
ないじゃないかっ!」
顔を真っ赤に染めながら恥ずかしそうに
睨みながら言ってくる菜緒に翔は笑いながら
返事をした。
「まあまあ。
姫を守った王子さまって役、
一度やってみたかったんだ」
「…………ばか」
菜緒は翔の顔を見ながら小さな声で
一言呟いた。
「さてと…」
「翔…何を?」
菜緒を抱きかかえたまま歩き出す翔に
菜緒は翔のシャツを掴みながら聞いてきた。
「とりあえず、保健室にいこ!
もう、暴れるなよ!」
「ば、ばか!」
翔がニコッと笑いながら菜緒に返事をする。
菜緒は照れながら、翔の胸に顔を埋めた。
・
・
・
身長が2メートル程のがっしりした体付きの
厳つい男を先頭に、その男よりは背の低く
見える体を少し鍛えている感じの男と
さらに背が低くどちらかというと
痩せ型の男が続いて入って来る。
その男達は三人とも空手胴着を
身に纏っていた。
最後に制服姿の光一が土足でゆっくりと
入って来た。
「中条!
それになんだお前達! 道場に土足で!」
その男達の暴虐無人な振る舞いに思わず
立ち上がり叫ぶ菜緒であった。
「お前達空手部の奴らだな?
関係ない奴は道場からでて行け!」
竹刀を手にし男達に文句を言いながら
近づいて行く。
翔はゆっくりと立ち上がり光一の顔を
睨みつける。
光一は入り口近くの壁に寄り掛かり
ニヤニヤと笑いながら翔達を見ていた。
「うるせえ! お前は引っ込んでろ!」
くってかかる菜緒に拳をあげ、
払いのける男。
「!?」
バッシィィーッ!
ゲシッ!!
男の攻撃に反応し、竹刀を上げて受け止めた
であったが、踏ん張りが利かない所為か
竹刀越しに衝撃をまともに体で受け止めて
しまう。
「きゃあぁぁぁ!!」
悲鳴を上げながら吹っ飛ばされ、
壁に激突しようとする菜緒。
「菜緒!」
ガッシィッ!
翔は壁にぶつかる寸前で菜緒の身体を
受け止めた。
自分の胸に顔を埋める菜緒に翔は
ホッとした表情を見せ覗き込むように
聞いてきた。
「だいじょうぶか菜緒?」
菜緒は不思議そうに顔を上げて
翔の顔を見る。
「おまえ…? うぅ……くそ……離せ!」
そして両の手に力を入れて翔の胸から
体を離し、振り返りながら男達を
睨みつけてまた向かって行こうとする。
翔はその腕を掴み菜緒を止める。
「待てよ。その足で動こうとするな。
ここは俺に任せてくれ。
菜緒はそこを動くんじゃないぞ」
振り返り翔の顔を見あげる菜緒の表情は
不満に満ちていた。
「し、しかし……」
「任せろって」
「…………解った」
翔は菜緒に向かって微笑んで言った。
その瞳には強い力が込められている。
翔の気迫に押され、不服そうに頷く菜緒に
優しく微笑みかける翔。
そして翔はその顔を上げて光一と男達を
鋭い眼つきで睨みつけた。
「てめえが…高村 翔か?」
体の大きな男がニヤニヤと笑いながら
一歩前に出て翔に向かって話してきた。
「……そうだが?」
翔は一歩前に出てを背中で菜緒を守るように
立って返事をした。
「へへ……お前、ずいぶんと目立っている
らしいじゃないか。
中条さんがお怒りだ!
よって、俺達がお前に制裁を加えてやる!
覚悟しな!」
男は光一が立っている方をチラリと見てから
翔の顔をみる。
不敵な笑みを浮かべながら
大きな男はさらに前に出てきた。
「……覚悟ねぇ」
翔は呆れたように呟きながら無造作に
前に歩み出る。
それを止めようとする菜緒。
「や、やっぱりだめだ!
あいつらは、あいつらは、空手部の
猛者達だ! お前一人じゃ無理だ!」
それを聞いた大きな男は、菜緒に向かって
言ってきた。
「もちろんお前にも制裁を加えさせて
もらうよ明神!
先日も中条さんの誘いを断った
そうだからな?」
「なっ!?」
驚く菜緒にさらに話かけてくる大きな男。
「そうだな…お前には一晩、中条さんの
相手をしてもらおうか?
そしてその後は、当然俺達の相手もだ!」
大きな男はニヤニヤと笑いながら菜緒の
身体を上から下へと舐めまわすように
見てきた。
その男の視線に思わず自分の身体を両腕で
隠すようにしてから柳眉を吊り上げて
大きな男を睨みつける菜緒であった。
「な、なんの……相手だ?」
「へへ……わかってるくせに」
男はさらに笑い声を高める。
「へっへっへっへへ…」
「ヒャッハッハハ…」
大きな男の笑い声に誘われいやらしく笑う
他の男達。
光一もその様子をニヤニヤと笑って
見ていた。
「お、おまえたち……」
その視線に自分の胴着の襟元をさらに
押さえ警戒する菜緒。
「おいっ!お前達は明神の相手をしてやれ!
俺は此の男の相手をする!」
大きな男は二人の男に菜緒に命令すると
同時に翔の前に立ちはだかった。
命令された二人の男は、大きく廻り込み
菜緒を取り囲んだ。
「へっへっへへ…。
大人しく俺達の相手をしてもらおうか?
…ついでに夜もな!」
「ちょっとくらい抵抗してもかまわないぜ?
ヒャッハハハハ…」
いやらしく笑いながら菜緒に言ってくる男達。
「だっだれが!お前達の相手なんか!」
怒りで顔を赤らめながら叫ぶ菜緒であった。
「おいっ!」
「あぁ?」
翔は体の大きな男を視界に入れながら菜緒を
取り囲む男の一人を睨みつけて言った。
「おまえら、寝言は俺を倒してから
言ってくれ!俺が眠くなる!」
翔にバカにされた男達は叫んできた。
「な、なんだと!
なんかおまえ、めざわりだぞ!
ふん。もともとおまえが目的なんだし、
先にやっとくか!」
「明神! こいつを倒したら
ゆっくり相手してやる。
中条さんも少しぐらいなら許してくれる
だろうからな?」
男の一人が菜緒に向かって叫んだ時には
翔はその男にゆっくりと近づいていた。
「……ふざけんなコラッ!」
ゴキッ
翔の拳が男の顔面を打ち抜いた。
「あぎゃっ」
バタッ
男は短い悲鳴と共にその場に倒れ込み
翔を見上げて叫んだ。
「い、いきなり?卑怯じゃないか!」
「卑怯?馬鹿かおまえ。対峙した瞬間から
戦いは始まってるんだよ。
それに、大勢で襲う様なバカにそんなこと
いわれたくはないね?」
翔は文句を言ってきた男を見下すように
言った。
「なにぃっ?」
男は悔しそうに叫びその場で立ち上がろうと
片膝を立てた。
ヒュン
バキッ!
「ウガヤァァアッ!」
翔の回し蹴りが立ち上がろうとしていた
男の体に決まり、男は壁際まで吹っ飛んで
行く。
「ち、畜生…」
壁にぶつかりながらヨロヨロと
立ち上がる男。
翔は怒っていた。
光一の卑劣なやり方に。
そして武道家の誇りを忘れ、
光一の言いなりになっている此の男達に。
「きゃあぁぁっ!
やめろ!はなせ!」
ケガをしているためか、あっけなく
もう一人の男に腕を捕まえられる菜緒。
「おいっ!菜緒には手を出すな!
俺がまとめてお前達の相手になってやる!」
「なっ、おまえ!無理だ!こいつらは…」
翔の男達に対する挑発に慌てる菜緒。
「大丈夫!こんな女を人質に取らなきゃ
戦えない男達よりも俺の方が強い!
それよりも…菜緒…。
俺のことを呼ぶとき…お前じゃなくて…
翔って…名前で呼んでくれ!
菜緒はおとなしくそこで見ていろ!」
菜緒に背中を向け、ワザと隙を作り、
手を挙げながらさらに挑発を繰り返す翔。
大きな男はチラリと壁側に腕を組んで
立っている光一の顔を見た。
光一は黙って大きく頷く。
翔の正面に立つ大きな男は叫びながら
二人の男に命令する。
「生意気なやつめ!
てめえら!やっちまえ!」
「おおぉぉ!」
男達は翔の態度に腹を立て菜緒の手を
離して一斉に翔に襲いかかってきた。
バキッィ!
ガッキィ!
ドッカッ!
一瞬だった。
二人の男達が拳を上げて翔に襲い掛かろう
とした瞬間に翔は振り返り、
前に一歩踏み出す。
相手の攻撃に合わせ、その拳を避けながら
瞬時に体重を乗せた蹴りを繰り出す翔。
翔の繰り出した三発の蹴りの2発は男の頭に
叩き込まれ、残りの1発は綺麗に男達の
顔面に決まっていった。
翔の一撃で意識を刈り取られたように
ほぼ同時に床に転がる男達。
その様子に光一が「チッ!」と舌打ちを
するのが聞こえた。
「きっ、きっ、きっさまぁぁ!」
光一が不満そうにしているのと自分の
仲間達が瞬時に倒されるのを見て、
慌てて翔に近づき蹴りを入れてくる
体の大きな男。
バッシィ!
翔の体に男の蹴りが決まる。
「翔!」
男の攻撃をまともに受けた翔を心配して、
思わず翔の名前を叫ぶ菜緒。
翔は男の蹴りを両腕で受け止めていた。
「初めて俺の名前を呼んでくれたな菜緒!」
戦いの最中でさえ菜緒の方を見て笑いかける
余裕を見せる翔であった。
その様子は蹴りを繰り出した男をバカにする
以外なにものでもなかった。
男は怒りで顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
「何処を見ている!貴様!」
「翔!危ない!」
よそ見をしている翔に拳を振り下ろして
くる男。
ガッキイィィ!
ズゥゥゥゥン!
道場内に大きな音が響きわたる。
「!?な、なにぃ!」
思わず身を乗り出して驚く光一の
姿があった。
そこに倒れているのは翔ではなく男の方が
床に転がっていた。
「きっきっさまぁ…!」
なぜ投げられたか判らないままよろけながら
立ち上がる男にさらに蹴りを加える翔。
「お前達の攻撃は怖くない!
お前達の空手は踊りだ!」
翔は転校初日に伸の案内で空手部の練習を
見ていた。
そして、この学校の空手は寸止め空手で
あることを知っていたのだ。
正しい型から綺麗に繰り出される打突で
当たる寸前で止める事により勝ち負けを
決める寸止め空手は、打撃力よりも
スピードを優先している所があり、
その為か相手に当たる寸前の間合いで技を
繰り出してしまう。
翔は僅かな動きでその攻撃を交わしていた。
翔にとってその技は見切り易い攻撃だった。
実際に倒すために相手の急所に打突を
繰り出す翔の習ってきた戦術格闘技に
比べれば、怖くないのである。
「きゃあぁぁ!」
男に攻撃を加えている翔の耳に菜緒の悲鳴が
聞こえた。
「菜緒?」
翔が攻撃の手を休め振り返ると、
そこには菜緒を後ろから抱きかかえ、
ナイフを首に当てている先ほど倒した
はずの男が立っていた。
「動くな!動くとこの女が、
どうなってもしらねえぞ!」
「やめろ!…離せ!」
菜緒は身動きを最低限に抵抗している
ようだった。
「はははは。いいぞおまえ!
高村判っているな? 抵抗すると明神君が
どうなっても知らないぞ?」
両手を叩きながら嬉しそうに笑う光一で
あった。
「きっきさまー…」
翔の前にヨロヨロと立ち上がる大きな男。
「てめえ!俺の空手が踊りだと!」
さっきまで翔の攻撃を受けていた体の
大きい男は、叫びながら翔に攻撃を
仕掛けてきた。
バキィ!
バシッ!
黙って男の攻撃を両腕でガードを上げて
受ける翔。
「はははは。いいぞ!もっとやれ!!」
翔が殴られる音と光一の笑いが道場内に
響き渡る。
ガードをしてるとはいえ、男の攻撃が
翔の顔面に身体に当たっていく。
そのせいか塞ぎかかっていた菜緒に受けた
頭頂部の傷口が開き、翔の額には血が
流れ落ちていく。
男の攻撃を受ける度に道場の床にその血が
飛び散って行く。
翔は男の攻撃を受けながら、ゆっくりと
菜緒の方に下がっていった。
「いやぁぁー! 翔!翔ー!」
自分のために男の攻撃を受けて血だらけに
なっている翔を見て泣き叫ぶ菜緒。
血だらけの翔の姿が菜緒の死んだ兄を
思い出させていた。
「泣くな菜緒!俺は大丈夫だから!」
菜緒の方を振り返り、血だらけに
なりながら微笑む翔。
その笑顔がさらに死んだ兄の姿と
重なって見える菜緒であった。
「に…兄様…?」
菜緒は涙を流しながら呟いていた。
「なあ…あんた?
いいかげん遊びの時間は終わりに
しようぜ?
これ以上、菜緒を泣かしたくないんだ…」
男の攻撃を受けながら、涼しい顔をして
さらに男を挑発をする翔。
「翔?」
菜緒の涙で溢れた瞳がさらに
大きく開かれた。
「何!遊びだと!それだけ血だらけに
なりながらまだ言うか?
これでもくらいやがれ!」
翔の挑発に男は右拳を高く上げ、思い切り
振り下ろしてくる。
翔は男の拳打を半歩下がり身体を捻って
避けながらその伸びきった腕を自分の脇
に挟んだ。
さらに半歩前に出て襟と袖を掴み肘の関節
を決めながら身体を半回転させて、相手の
懐に潜り込む。
翔が身体を捻ることにより男の体は
打ち下ろした力と併せて完全に前屈みに
なっていく。
翔は肘の関節を決めたまま相手の突進力を
利用して投げ降ろした。
ズゥゥゥゥン!
ボキイィィィ!
廻りからは男が攻撃を繰り出したと同時に
男の体が宙に舞い床に落ちたようにしか
見えなかった。
それと同時に道場内に男が倒れこむ音と
何かが折れる音が響いた。
「ウガァァアァッァァァ!」
喚き声と共に右腕があらぬ方向に曲がり、
床に転がり激しくのたうち廻る男の
姿があった。
その姿を見た光一の驚く声が聞こえた。
「!?ば、ばかな!!」
「翔?」
「何!?」
突然、菜緒達の目の前に翔に攻撃を加えた
はずの男が転がってきた。
菜緒とナイフの男は一瞬何が起こったか
解らなかった。
その隙に翔は素早く動き菜緒達の前に立ち、
菜緒の首に当てられているナイフを手で
掴んでいた。
「!?…てっ、てめえっ!ぐっえぇ!」
バキイィ!
男が叫ぶと同時に翔は、片手で菜緒を
引き寄せながら抱きかかえ、自分の蹴り
を男の側頭部にぶち込んでいた。
男はナイフを手離し、壁際まで飛んでいく。
壁に激突し完全に動かなくなる男。
翔は掴んでいたナイフを遠くに転がし、
光一の方を振り向きながら言った。
「さて中条…。どうする?
これでお前一人だけど?」
「ち、ちくしょう!覚えて置けよ高村!」
光一は顔を引き攣らせながら慌てて
道場から逃げ出していった。
光一の去っていく後姿を見て大きく溜息を
吐いた後、菜緒の顔を見て微笑みながら
話しかけた。
「やれやれ…だいじょうぶか? 菜緒?」
「し、翔ー!」
ぎゅっ……
菜緒は泣きながら翔に抱きついてきた。
「おいおい、らしくないぜ」
菜緒に突然抱きしめられて驚く翔は
頭を掻こうと手を上にあげる。
「心配したんだぞ!
あんなに相手をあおって―お、おまえ?」
菜緒がパッと離れ翔の手を掴み掌を見る。
「ああ。ちょっと甘くみてた。
さすが有段者。精神的に追いこまれても、
空手家ってのは得物を持つと強いよね」
「なにを呑気なこと言ってるんだ!
はやく手当てしないと――きゃっ!?」
ぐいっ…
翔はそのまま菜緒を両手で抱きかかえ
持ち上げて言った。
「いいんだよ俺のはかすり傷だから。
それより、菜緒の治療のほうが先だ」
「だ、だからって、抱き上げること
ないじゃないかっ!」
顔を真っ赤に染めながら恥ずかしそうに
睨みながら言ってくる菜緒に翔は笑いながら
返事をした。
「まあまあ。
姫を守った王子さまって役、
一度やってみたかったんだ」
「…………ばか」
菜緒は翔の顔を見ながら小さな声で
一言呟いた。
「さてと…」
「翔…何を?」
菜緒を抱きかかえたまま歩き出す翔に
菜緒は翔のシャツを掴みながら聞いてきた。
「とりあえず、保健室にいこ!
もう、暴れるなよ!」
「ば、ばか!」
翔がニコッと笑いながら菜緒に返事をする。
菜緒は照れながら、翔の胸に顔を埋めた。
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