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第二部第二章〈2学期編〉act.42
雪乃-YUKINO-3-Ⅴ
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「……翔さん。 笑いすぎです…」
楽しそうに笑う3人を見て、
なぜか翔だけにジト目を向けて
小さな声でボソッと言う雪乃だった。
「ごめんごめん。
もう笑わないから…」
翔はそんな雪乃の顔を覗き込みながら
笑顔で答えた。
「もう知らない…」
雪乃は拗ねるように顔を逸らし
横を向いてしまう。
「ごめんな雪乃。楽しかったからついな…」
翔はそんな雪乃の手を握り締めて、
もう一度謝った。
「…………」
雪乃は黙ったまま頬を紅く染めて
小さく頷く。
隆二と玲子はそんな二人を笑顔で
優しく見守っていた。
ピンポーン…
そんな時、訪問を告げるチャイムが
鳴り響いた。
「おっ、来たか…。玲子入れてやってくれ」
隆二は待っていたと言わんばかりに
顔を上げて真剣な表情を見せて
玲子に伝えた。
「うん」
玲子がソファーから立ち上がりインター
フォン越しに訪問者を確認してから
正面玄関のオートロックを開いた。
翔と雪乃には、訪ねてきた人物を確認した
玲子の表情が、一瞬曇ったように見えた。
翔と雪乃はお互いに顔を見て『玲子さんが
あんな表情をするなんて誰が来たんだろう?』
と考えて頭を傾げた。
ピンポーン…
もう一度チャイムが鳴り響き玲子は
不機嫌そうに黙って玄関に向かって行った。
『入って…』
『姉(あね)さん。 お久しぶりです」
『玲子さん。相変わらずお綺麗で…』
『…ハク君…康くん。
いいから黙って入って…』
玄関から明るい感じで喋る男の声と
それと対照的な不機嫌そうな玲子の声が
聞こえて来る。
『『お邪魔します~』』
慣れているのかそんな玲子の不機嫌そうな
声を気にしない感じの明るい声で男達の
返事が聞こえた。
リビングの扉が開き180cmぐらいの
若い男が二人部屋に入って来た。
「隆二さんお久しぶりです」
「遅くなってすみません」
その男達は入り口のところに並んで隆二に
深々と頭を下げてきた。
「ハク。久しぶりだな?
康介も元気だったか?」
隆二が少し嬉しそうに二人に声を掛ける。
「ホント久しぶりですね?
たまに事務所の方にも顔を出して
くださいよ?」
ハクと呼ばれたスーツに身を固めた男が
照れながら返事をする。
「変らないですね?元気って言えば
元気ですけど…」
その後に慶介と呼ばれたTシャツに
ジャケット、ジーパン姿の男も
隆二に向かって答えた。
「二人共…ジャマよ?さっさと中に入って
座ってちょうだい」
その二人の後ろから飲み物を持った玲子が
不機嫌そうに話してくる。
「す、すみません姉(あね)さん。
すぐに座ります」
「ハク君…。 姉(あね)さんって
呼ばないで…っていつも言ってるよね?
慶くんも…ちゃらちゃらしないの!
いいからすぐに座りなさい!」
慌てて頭を下げるハクに柳眉を吊り上げて
怒る玲子だった。
二人は『はいっ!』と姿勢を正しながら
返事をして慌てて隆二の斜め前…
翔と雪乃の正面に座る。
玲子は『まったく…相変わらずなんだから』
とブツブツ言いながら二人の前に冷たい
ウーロン茶を置いて隆二の横に座った。
翔と雪乃は普段見ない玲子の様子に
驚きながら見ていた。
「はじめまして。
キミが翔君で彼女が雪乃ちゃんだね?
僕は今井白(いまいはく)隆二さんの
後輩なんだ」
「俺は藤川康介(ふじかわこうすけ)。
君等が翔君に雪乃ちゃんか?
雪乃ちゃん…可愛いね?
でもしっかりと手なんか繋いで翔君と
仲良しなんだ?……残念だな?」
ハクと康介は手を繋ぎながら自分達を
唖然とした表情で見ている翔と雪乃に
笑顔で話しかけて来る。
「「あっ!?」」
翔と雪乃は康介に言われ、慌てて手を
離して返事を返した。
「はじめまして。高村翔です」
「長谷川雪乃です…」
座ったまま姿勢を正して威風堂々と頭を
下げる翔と少し緊張気味に強張った表情で
軽く頭を下げる雪乃。
ハクと康介はそんな二人を優しい眼で
見つめながら微笑んでいた。
緊張気味な表情で、二人の前に座る翔と
雪乃に隆二は笑いながら話し掛ける。
「ははは…二人共そんなに緊張すんなよ。
こいつらは俺の昔からの仲間なんだ。
今回、雪乃ちゃんのガードに
来てもらった」
「えっ? あたしのガードですか?」
雪乃は驚きながら翔の顔を見てきた。
翔は黙って頷き、雪乃の顔を見つめ返した。
「今回の相手はカメラ小僧達だからな…。
陰ながら雪乃ちゃんを守るのも難しい。
だったら側に居てしっかりと守って
もらおうと考えたんだ…。
こいつらなら信頼できるし…。
何よりも慣れているからな」
「えっ? 慣れてるって…」
隆二の説明を聞いて顔を上げ聞き返す翔に、
隆二はさらに説明を加える。
「ああ。 ハクと慶介はこの街で探偵と
ボディーガードの会社を経営している
んだよ…。表向きは『なんでも屋』
なんだけどな…」
ハクが微笑みながら自分達の説明を
補足する。
「僕はそのなんでも屋…『ジライ屋』の
代表なんだ…。ちなみにこっちの康介は
副代表なんだよ…」
「改めてよろしくね?雪乃ちゃんに翔くん」
康介はニコニコと笑いながら雪乃と翔に
話しかけた。
雪乃と翔は緊張気味に二人にもう一度
頭を下げる。
「あ、はい。よろしくお願いします。
でも…あたしのガードってご迷惑じゃ…」
雪乃は顔を上げて申し訳なさそうに
言ってくる雪乃に康介は笑いながら答えた。
「ははは。迷惑なんてとんでもない。
雪乃ちゃんみたいな可愛い子の
ガードができて、むしろ大歓迎だよ」
「…………」
雪乃は真っ赤になって下を向いてしまう。
「ははは。そんな反応が可愛いよね?」
そんな雪乃の反応を見て康介はさらに
笑って話し掛けた。
「康くん…。
いいかげんにしないと…私怒るわよ?
雪乃ちゃん困ってるでしょ?」
玲子が柳眉を吊り上げて康介を
睨みつけるように言ってきた。
「はは…い、いやだなぁ~。
冗談に決まってるじゃ…ないですか?
怒んないでくださいよ…」
玲子の怒気を感じたのか、康介はビクッと
体を震わせ引き攣った顔を見せて玲子の
方に振りかえる。
玲子は『ふぅー』と大きく溜息を吐いた。
その溜息を聞いて康介の大きな体がさらに
大きく『ビクッ』と跳ね上がった。
康介が大人しくなったのを確認した玲子は
雪乃に優しく微笑みかけ話し掛けた。
「雪乃ちゃん。 こんなチャラ男だけど…
仕事はできるヤツだから安心して…。
私が眼を光らせているから絶対に
変なことはさせない…大丈夫だからね?」
「……はい」
雪乃は玲子の笑みに釣られるように自分も
笑って返事を返した。
「康くん…。二度目はないからね?」
玲子はそのままの笑顔を康介に向けて
念を押すように話し掛けた。
こくこくこくこく
顔は笑っていても眼が笑っていない
玲子の表情を見て康介は引き攣りながら
何度も頷いて見せた。
「姉さん…そのへんで許してやって
ください。康介も解ってるよな?」
こくこく
ハクが康介に助け舟を出すように
口を開いた。
康介は黙って2回頷いて見せた。
玲子はハクの方を見ながら康介に見せた
笑顔のままで話し掛ける。
「ハクく~ん。姉さんって呼ばないでって
何回も行っているよね?
あと…何回言えば…
理解できるのかなぁ~?」
「ヒッ!す、すみません!!」
ハクは玲子から逃げるように後ずさりを
しなながら謝ってきた。
玲子は『まったくもう!』と呆れたように
二人を見下ろしていた。
「まあ…玲子もそのへんにしといてやれよ?
ハクの『姉さん』は今始まった事じゃ
ないし、たぶん一生直んねえと思うぞ?」
隆二は片手で口元を押さえて笑いを
堪えながら、そんな玲子を宥めるように
話しかけて来た。
「でもね隆二。私の方が年下なのに…
『姉さん』って呼ばれるのはイヤなの!」
玲子は不満そうに隆二の横に座りながら
文句を言っていた。
「わかったわかった。ハク…お前も
気をつけて玲子の事を呼んでやれ…。
あと康介。雪乃ちゃんにちょっかい
出したら…この俺も黙ってないからな?」
隆二は両手を上げて玲子を宥めながら、
ハクと康介の方に振り返って話し掛ける。
「「はい! わかりました!!」」
二人は『ビシ!』と音が聞こえるんじゃ
ないか?と思えるぐらい姿勢を正して
勢い良く返事をする。
「…………」
(な、なんだ…この軍隊的なノリは……。
隆二さんの昔って…いったい…なにを
やってたんだ?)
翔はそんな事を思いながら引き攣った
笑いを浮かべて隆二達を見ていた。
ぎゅっ
翔の膝の上にある手を雪乃が
握り締めてくる。
翔は雪乃の突然の行動に驚きながら
雪乃の方に振り返った。
その翔の隣に座る雪乃は驚いた表情を
見せていた。
心配そうに覗き込む翔に雪乃は小さく頷き、
『心配しないで…』と小さく呟き笑って
見せた。
翔も安心したように微笑んでもう一度
隆二達の方に視線を戻した。
座ったまま微動だにしないで固まっている
ハクと康介の二人の態度を見て玲子は
『しょうがないわね…』と諦めたように
呟いていた。
隆二は玲子の頭を優しくポンポンと
2回叩いて微笑んでいた。
頭を押さえながら顔を上げ『分かったわよ』
と呟き隆二の顔を見て仕方なく微笑む
玲子だった。
そんな玲子の言動を見て、緊張が解けたのか、
安心した表情に変り『ホッ』と安堵の溜息を
つくハクと康介であった。
隆二は『よし!』と言ってから、
ハクと康介の方に振り返った。
「ところでハク。準備は整ったのか?」
隆二は笑顔から一転、真剣な表情を見せて
ハクに話し掛ける。
そんな隆二の態度を見て、ハクも一瞬で
真面目な表情に変り隆二に答えた。
「あ、はい。 大丈夫です。
隆二さんと打ち合せ通り、美月と仲間と
部下を配置してます。
車も用意してますし、全て手筈は
整っています。いつでも行動可能です」
ハクの報告を聞いて、『そうか…』と頷く
隆二。
その隆二の反応を見たハクは少し嬉しそうに
笑ってから説明を続けた。
「それとあいつ等の事も調べられました。
今回中心となっているのが丸山と内野、
そして太田と名のっているアイドルの
追っかけをしてる3人です。
この3人が中心となって、雪乃ちゃん
の事をREINで仲間内に流した
みたいです。
それに呼応するような形で雪乃ちゃん
ファンの追っかけが7人ほど集まって
きてます。
中には車を出してるヤツもいるみたい
ですね?」
ハクの報告を聞いて、隆二は少し考えて
康介に話し掛ける。
「車か…?ちょっとやっかいだな…。
康介、そっちは頼めるか?」
「はい大丈夫です。
ハルのヤツが今日たまたま出勤だった
んで…ハルに詳しい状況を説明した後、
別ルートから『出動要請』を連絡済み
です。
ハルは上手く『出動当番』に入り込んだ
そうです。
さっき連絡が入ったんでもうそろそろ
パトカーでここ(マンション前)に
着いてると思います。
そのまま車組のヤツラの職質に入ると
思うんで、かなりの足止めはできます」
康介は時間を確認してから隆二に状況を
答えた。
「そうか。動くなら今だな?」
康介の話を聞いて隆二はハクと康介と
玲子を見渡してから口を開く。
三人は隆二に向かって大きく頷いて見せた。
「えっ?」
その言葉を聞いて翔は驚きの声をあげた。
雪乃も緊張したように握っている翔の手を
強く握り締めていた。
翔と雪乃の緊張を感じた隆二は二人に笑顔を
見せた後、玲子の方に顔を向けて話した。
「玲子。 雪乃ちゃんを例の服に着替え
させてくれ」
「うん、わかった。雪乃ちゃん私と一緒に
あっちの部屋に行こう。出かけるための
着替えの服を用意しているから…」
玲子は頷いた後立ち上がり、雪乃の側に
近づき手を差し伸べる。
「は、はい」
雪乃は少し戸惑いながら返事をしてから
握り締めていた翔の手を離し、玲子の手を
取って立ち上がった。
玲子はその手をしっかりと握り締めたまま、
自分達の寝室に雪乃を連れて行った。
「隆二さん。今から何を…」
雪乃が玲子と一緒に扉の向こうに
消えてから翔は隆二に質問をぶつけた。
隆二は真面目な表情を翔に見せたまま、
説明をしはじめた。
「ああ、雪乃ちゃんは一旦自宅に戻って
泊まる用意をさせないといけないからな。
着替えももちろんだが…制服とか教科書
とか…学校に通える荷物を待ってこない
とダメだろ?
玲子もさすが…神女の制服までは
こっちに持って来てないからなぁ…」
隆二の説明を聞いて翔は心配そうな表情を
しながら隆二に確認する。
「それはそうですけど…でも今動いたら、
雪乃の自宅があいつらにバレるんじゃ
ないですか?」
隆二は『そりゃそうだ…』と言わんばかり
に頷いて翔に説明を続けた。
「このまま、まともに自宅に向かったら
バレるだろうな。
安心しろ…。
その為の作戦は考えているよ」
隆二は翔の顔を見ながらニコッと微笑んで
見せた。
翔は隆二の笑顔につられて
翔も安心したように笑顔になる。
翔は身を乗り出すように
隆二に近づき聞いてみた。
「隆二さん。どんな作戦ですか?」
「ああ。車で外にいるヤツラを撒いてから
雪乃ちゃんを自宅まで届けようと思う。
後はヤツラがこっちの陽動に乗って
くれれば…いいんだが…」
「…陽動?」
隆二の含みのある言い方に翔は疑問を覚え、
不思議そうに聞いてきた。
「なあに…。今日中にさっきハクから
報告があった3人の身柄を押さえようと
思っている」
隆二はシレっととんでもない言葉を口に
出して答えた。
翔は驚いたように隆二に聞き返した。
「えっ! 身柄を押さえるって…」
「いつまでも雪乃ちゃんを
不安な状態にしとけないだろ?
こう言う事は早めに解決するべきなんだ。
幸いにも主犯格の3人さえ
押さえられれば、後はハク達がちょっと
動けば何とかなるだろう。
まあ、明日中には解決できるんじゃ
ないかな?」
「ちょっと動けば…って」
隆二の説明を聞いて、翔は引き攣りながら
ハク達をチラリと横目で見た。
ハクと康介はニコニコと笑顔を
浮かべていた。
「…………」
(軽く言ってるけど…絶対に力づくで
解決するんだろうな…?
主犯格の身柄を押さえるってのも
なんだか…無理やりっぽいし…)
翔は『はぁー』と大きく溜息を吐いてから
顔を上げて、真剣な表情で隆二の顔を見て
口を開いた。
「それで隆二さん。作戦って言うのは…
どんな感じなんですか?
俺も何か手伝えますか?」
「ああ、もちろん翔にも手伝ってもらう
から…。作戦の内容なんだが…」
隆二は笑顔を浮かべ、翔の方に体を
寄せながら作戦の内容を話し出した。
・
・
・
楽しそうに笑う3人を見て、
なぜか翔だけにジト目を向けて
小さな声でボソッと言う雪乃だった。
「ごめんごめん。
もう笑わないから…」
翔はそんな雪乃の顔を覗き込みながら
笑顔で答えた。
「もう知らない…」
雪乃は拗ねるように顔を逸らし
横を向いてしまう。
「ごめんな雪乃。楽しかったからついな…」
翔はそんな雪乃の手を握り締めて、
もう一度謝った。
「…………」
雪乃は黙ったまま頬を紅く染めて
小さく頷く。
隆二と玲子はそんな二人を笑顔で
優しく見守っていた。
ピンポーン…
そんな時、訪問を告げるチャイムが
鳴り響いた。
「おっ、来たか…。玲子入れてやってくれ」
隆二は待っていたと言わんばかりに
顔を上げて真剣な表情を見せて
玲子に伝えた。
「うん」
玲子がソファーから立ち上がりインター
フォン越しに訪問者を確認してから
正面玄関のオートロックを開いた。
翔と雪乃には、訪ねてきた人物を確認した
玲子の表情が、一瞬曇ったように見えた。
翔と雪乃はお互いに顔を見て『玲子さんが
あんな表情をするなんて誰が来たんだろう?』
と考えて頭を傾げた。
ピンポーン…
もう一度チャイムが鳴り響き玲子は
不機嫌そうに黙って玄関に向かって行った。
『入って…』
『姉(あね)さん。 お久しぶりです」
『玲子さん。相変わらずお綺麗で…』
『…ハク君…康くん。
いいから黙って入って…』
玄関から明るい感じで喋る男の声と
それと対照的な不機嫌そうな玲子の声が
聞こえて来る。
『『お邪魔します~』』
慣れているのかそんな玲子の不機嫌そうな
声を気にしない感じの明るい声で男達の
返事が聞こえた。
リビングの扉が開き180cmぐらいの
若い男が二人部屋に入って来た。
「隆二さんお久しぶりです」
「遅くなってすみません」
その男達は入り口のところに並んで隆二に
深々と頭を下げてきた。
「ハク。久しぶりだな?
康介も元気だったか?」
隆二が少し嬉しそうに二人に声を掛ける。
「ホント久しぶりですね?
たまに事務所の方にも顔を出して
くださいよ?」
ハクと呼ばれたスーツに身を固めた男が
照れながら返事をする。
「変らないですね?元気って言えば
元気ですけど…」
その後に慶介と呼ばれたTシャツに
ジャケット、ジーパン姿の男も
隆二に向かって答えた。
「二人共…ジャマよ?さっさと中に入って
座ってちょうだい」
その二人の後ろから飲み物を持った玲子が
不機嫌そうに話してくる。
「す、すみません姉(あね)さん。
すぐに座ります」
「ハク君…。 姉(あね)さんって
呼ばないで…っていつも言ってるよね?
慶くんも…ちゃらちゃらしないの!
いいからすぐに座りなさい!」
慌てて頭を下げるハクに柳眉を吊り上げて
怒る玲子だった。
二人は『はいっ!』と姿勢を正しながら
返事をして慌てて隆二の斜め前…
翔と雪乃の正面に座る。
玲子は『まったく…相変わらずなんだから』
とブツブツ言いながら二人の前に冷たい
ウーロン茶を置いて隆二の横に座った。
翔と雪乃は普段見ない玲子の様子に
驚きながら見ていた。
「はじめまして。
キミが翔君で彼女が雪乃ちゃんだね?
僕は今井白(いまいはく)隆二さんの
後輩なんだ」
「俺は藤川康介(ふじかわこうすけ)。
君等が翔君に雪乃ちゃんか?
雪乃ちゃん…可愛いね?
でもしっかりと手なんか繋いで翔君と
仲良しなんだ?……残念だな?」
ハクと康介は手を繋ぎながら自分達を
唖然とした表情で見ている翔と雪乃に
笑顔で話しかけて来る。
「「あっ!?」」
翔と雪乃は康介に言われ、慌てて手を
離して返事を返した。
「はじめまして。高村翔です」
「長谷川雪乃です…」
座ったまま姿勢を正して威風堂々と頭を
下げる翔と少し緊張気味に強張った表情で
軽く頭を下げる雪乃。
ハクと康介はそんな二人を優しい眼で
見つめながら微笑んでいた。
緊張気味な表情で、二人の前に座る翔と
雪乃に隆二は笑いながら話し掛ける。
「ははは…二人共そんなに緊張すんなよ。
こいつらは俺の昔からの仲間なんだ。
今回、雪乃ちゃんのガードに
来てもらった」
「えっ? あたしのガードですか?」
雪乃は驚きながら翔の顔を見てきた。
翔は黙って頷き、雪乃の顔を見つめ返した。
「今回の相手はカメラ小僧達だからな…。
陰ながら雪乃ちゃんを守るのも難しい。
だったら側に居てしっかりと守って
もらおうと考えたんだ…。
こいつらなら信頼できるし…。
何よりも慣れているからな」
「えっ? 慣れてるって…」
隆二の説明を聞いて顔を上げ聞き返す翔に、
隆二はさらに説明を加える。
「ああ。 ハクと慶介はこの街で探偵と
ボディーガードの会社を経営している
んだよ…。表向きは『なんでも屋』
なんだけどな…」
ハクが微笑みながら自分達の説明を
補足する。
「僕はそのなんでも屋…『ジライ屋』の
代表なんだ…。ちなみにこっちの康介は
副代表なんだよ…」
「改めてよろしくね?雪乃ちゃんに翔くん」
康介はニコニコと笑いながら雪乃と翔に
話しかけた。
雪乃と翔は緊張気味に二人にもう一度
頭を下げる。
「あ、はい。よろしくお願いします。
でも…あたしのガードってご迷惑じゃ…」
雪乃は顔を上げて申し訳なさそうに
言ってくる雪乃に康介は笑いながら答えた。
「ははは。迷惑なんてとんでもない。
雪乃ちゃんみたいな可愛い子の
ガードができて、むしろ大歓迎だよ」
「…………」
雪乃は真っ赤になって下を向いてしまう。
「ははは。そんな反応が可愛いよね?」
そんな雪乃の反応を見て康介はさらに
笑って話し掛けた。
「康くん…。
いいかげんにしないと…私怒るわよ?
雪乃ちゃん困ってるでしょ?」
玲子が柳眉を吊り上げて康介を
睨みつけるように言ってきた。
「はは…い、いやだなぁ~。
冗談に決まってるじゃ…ないですか?
怒んないでくださいよ…」
玲子の怒気を感じたのか、康介はビクッと
体を震わせ引き攣った顔を見せて玲子の
方に振りかえる。
玲子は『ふぅー』と大きく溜息を吐いた。
その溜息を聞いて康介の大きな体がさらに
大きく『ビクッ』と跳ね上がった。
康介が大人しくなったのを確認した玲子は
雪乃に優しく微笑みかけ話し掛けた。
「雪乃ちゃん。 こんなチャラ男だけど…
仕事はできるヤツだから安心して…。
私が眼を光らせているから絶対に
変なことはさせない…大丈夫だからね?」
「……はい」
雪乃は玲子の笑みに釣られるように自分も
笑って返事を返した。
「康くん…。二度目はないからね?」
玲子はそのままの笑顔を康介に向けて
念を押すように話し掛けた。
こくこくこくこく
顔は笑っていても眼が笑っていない
玲子の表情を見て康介は引き攣りながら
何度も頷いて見せた。
「姉さん…そのへんで許してやって
ください。康介も解ってるよな?」
こくこく
ハクが康介に助け舟を出すように
口を開いた。
康介は黙って2回頷いて見せた。
玲子はハクの方を見ながら康介に見せた
笑顔のままで話し掛ける。
「ハクく~ん。姉さんって呼ばないでって
何回も行っているよね?
あと…何回言えば…
理解できるのかなぁ~?」
「ヒッ!す、すみません!!」
ハクは玲子から逃げるように後ずさりを
しなながら謝ってきた。
玲子は『まったくもう!』と呆れたように
二人を見下ろしていた。
「まあ…玲子もそのへんにしといてやれよ?
ハクの『姉さん』は今始まった事じゃ
ないし、たぶん一生直んねえと思うぞ?」
隆二は片手で口元を押さえて笑いを
堪えながら、そんな玲子を宥めるように
話しかけて来た。
「でもね隆二。私の方が年下なのに…
『姉さん』って呼ばれるのはイヤなの!」
玲子は不満そうに隆二の横に座りながら
文句を言っていた。
「わかったわかった。ハク…お前も
気をつけて玲子の事を呼んでやれ…。
あと康介。雪乃ちゃんにちょっかい
出したら…この俺も黙ってないからな?」
隆二は両手を上げて玲子を宥めながら、
ハクと康介の方に振り返って話し掛ける。
「「はい! わかりました!!」」
二人は『ビシ!』と音が聞こえるんじゃ
ないか?と思えるぐらい姿勢を正して
勢い良く返事をする。
「…………」
(な、なんだ…この軍隊的なノリは……。
隆二さんの昔って…いったい…なにを
やってたんだ?)
翔はそんな事を思いながら引き攣った
笑いを浮かべて隆二達を見ていた。
ぎゅっ
翔の膝の上にある手を雪乃が
握り締めてくる。
翔は雪乃の突然の行動に驚きながら
雪乃の方に振り返った。
その翔の隣に座る雪乃は驚いた表情を
見せていた。
心配そうに覗き込む翔に雪乃は小さく頷き、
『心配しないで…』と小さく呟き笑って
見せた。
翔も安心したように微笑んでもう一度
隆二達の方に視線を戻した。
座ったまま微動だにしないで固まっている
ハクと康介の二人の態度を見て玲子は
『しょうがないわね…』と諦めたように
呟いていた。
隆二は玲子の頭を優しくポンポンと
2回叩いて微笑んでいた。
頭を押さえながら顔を上げ『分かったわよ』
と呟き隆二の顔を見て仕方なく微笑む
玲子だった。
そんな玲子の言動を見て、緊張が解けたのか、
安心した表情に変り『ホッ』と安堵の溜息を
つくハクと康介であった。
隆二は『よし!』と言ってから、
ハクと康介の方に振り返った。
「ところでハク。準備は整ったのか?」
隆二は笑顔から一転、真剣な表情を見せて
ハクに話し掛ける。
そんな隆二の態度を見て、ハクも一瞬で
真面目な表情に変り隆二に答えた。
「あ、はい。 大丈夫です。
隆二さんと打ち合せ通り、美月と仲間と
部下を配置してます。
車も用意してますし、全て手筈は
整っています。いつでも行動可能です」
ハクの報告を聞いて、『そうか…』と頷く
隆二。
その隆二の反応を見たハクは少し嬉しそうに
笑ってから説明を続けた。
「それとあいつ等の事も調べられました。
今回中心となっているのが丸山と内野、
そして太田と名のっているアイドルの
追っかけをしてる3人です。
この3人が中心となって、雪乃ちゃん
の事をREINで仲間内に流した
みたいです。
それに呼応するような形で雪乃ちゃん
ファンの追っかけが7人ほど集まって
きてます。
中には車を出してるヤツもいるみたい
ですね?」
ハクの報告を聞いて、隆二は少し考えて
康介に話し掛ける。
「車か…?ちょっとやっかいだな…。
康介、そっちは頼めるか?」
「はい大丈夫です。
ハルのヤツが今日たまたま出勤だった
んで…ハルに詳しい状況を説明した後、
別ルートから『出動要請』を連絡済み
です。
ハルは上手く『出動当番』に入り込んだ
そうです。
さっき連絡が入ったんでもうそろそろ
パトカーでここ(マンション前)に
着いてると思います。
そのまま車組のヤツラの職質に入ると
思うんで、かなりの足止めはできます」
康介は時間を確認してから隆二に状況を
答えた。
「そうか。動くなら今だな?」
康介の話を聞いて隆二はハクと康介と
玲子を見渡してから口を開く。
三人は隆二に向かって大きく頷いて見せた。
「えっ?」
その言葉を聞いて翔は驚きの声をあげた。
雪乃も緊張したように握っている翔の手を
強く握り締めていた。
翔と雪乃の緊張を感じた隆二は二人に笑顔を
見せた後、玲子の方に顔を向けて話した。
「玲子。 雪乃ちゃんを例の服に着替え
させてくれ」
「うん、わかった。雪乃ちゃん私と一緒に
あっちの部屋に行こう。出かけるための
着替えの服を用意しているから…」
玲子は頷いた後立ち上がり、雪乃の側に
近づき手を差し伸べる。
「は、はい」
雪乃は少し戸惑いながら返事をしてから
握り締めていた翔の手を離し、玲子の手を
取って立ち上がった。
玲子はその手をしっかりと握り締めたまま、
自分達の寝室に雪乃を連れて行った。
「隆二さん。今から何を…」
雪乃が玲子と一緒に扉の向こうに
消えてから翔は隆二に質問をぶつけた。
隆二は真面目な表情を翔に見せたまま、
説明をしはじめた。
「ああ、雪乃ちゃんは一旦自宅に戻って
泊まる用意をさせないといけないからな。
着替えももちろんだが…制服とか教科書
とか…学校に通える荷物を待ってこない
とダメだろ?
玲子もさすが…神女の制服までは
こっちに持って来てないからなぁ…」
隆二の説明を聞いて翔は心配そうな表情を
しながら隆二に確認する。
「それはそうですけど…でも今動いたら、
雪乃の自宅があいつらにバレるんじゃ
ないですか?」
隆二は『そりゃそうだ…』と言わんばかり
に頷いて翔に説明を続けた。
「このまま、まともに自宅に向かったら
バレるだろうな。
安心しろ…。
その為の作戦は考えているよ」
隆二は翔の顔を見ながらニコッと微笑んで
見せた。
翔は隆二の笑顔につられて
翔も安心したように笑顔になる。
翔は身を乗り出すように
隆二に近づき聞いてみた。
「隆二さん。どんな作戦ですか?」
「ああ。車で外にいるヤツラを撒いてから
雪乃ちゃんを自宅まで届けようと思う。
後はヤツラがこっちの陽動に乗って
くれれば…いいんだが…」
「…陽動?」
隆二の含みのある言い方に翔は疑問を覚え、
不思議そうに聞いてきた。
「なあに…。今日中にさっきハクから
報告があった3人の身柄を押さえようと
思っている」
隆二はシレっととんでもない言葉を口に
出して答えた。
翔は驚いたように隆二に聞き返した。
「えっ! 身柄を押さえるって…」
「いつまでも雪乃ちゃんを
不安な状態にしとけないだろ?
こう言う事は早めに解決するべきなんだ。
幸いにも主犯格の3人さえ
押さえられれば、後はハク達がちょっと
動けば何とかなるだろう。
まあ、明日中には解決できるんじゃ
ないかな?」
「ちょっと動けば…って」
隆二の説明を聞いて、翔は引き攣りながら
ハク達をチラリと横目で見た。
ハクと康介はニコニコと笑顔を
浮かべていた。
「…………」
(軽く言ってるけど…絶対に力づくで
解決するんだろうな…?
主犯格の身柄を押さえるってのも
なんだか…無理やりっぽいし…)
翔は『はぁー』と大きく溜息を吐いてから
顔を上げて、真剣な表情で隆二の顔を見て
口を開いた。
「それで隆二さん。作戦って言うのは…
どんな感じなんですか?
俺も何か手伝えますか?」
「ああ、もちろん翔にも手伝ってもらう
から…。作戦の内容なんだが…」
隆二は笑顔を浮かべ、翔の方に体を
寄せながら作戦の内容を話し出した。
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