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人狼と眼鏡男子魔法使い4話
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「それにしたって、担任に疑われないために、トーナメントに出場するとはね……。」
観客席で頬杖をついて、トーナメントの試合風景を眺めるジーニアス。
「まぁ、僕としては、執事姿の二人を見るのは、正直、ちょっとキラキラしすぎて辛かったので、こっちでもアリと言ったらアリなんだけどね……。」
制服に戻り、眼鏡をかけた僕の足の間には、布で覆い隠した僕の魔法銃がある。一応装備しておこうと、持ってきたのだった。ジーニアスもいつもの服に着替えているので、制服と白衣の間に二丁拳銃を隠し持っている。武装した人間が観客席にいるとは興奮して見ている観客には気づかないだろう。
「あら、ここにいたの。」
綺麗な声が降ってきて、見上げると、観客席にシェーンさんが。おいおい向こうの男ども、戦いじゃなくて、シェーンさんを見ているよ。
「ええ。あと何試合かしたらノヴァとエダルベルトの試合です。隣どうぞ。」
「ありがとう。」
座る姿も絵になる人だ。
「……このまま何事も無ければいいんですけどね。」
「それは同感だ。」
聞こえてきた声に、ぎょっとする。
「父さん!?来れないんじゃなかったのか!?」
飛空挺乗りの格好をした父さんの姿があった。顎髭がまばらにある顎をざりざりと手で触りながら言う。
「コレでも仕事の最中だ。なんでも、運んで欲しい大事な代物があると、ここの先生からな。お嬢さん隣、良いですか?」
「ええどうぞ」
よっこらせと座る父さん。よくココに僕たちが居るとわかったものだ。手紙にはノヴァとエダルベルトがトーナメント戦に出るとは書いたけれども。
「こんな学園祭がやっている最中に……。なんかおかしくない?」
「まぁ、な。人様の事情を邪推しても仕方ないんだが、どうだ、暇なら手伝わないか?こちらとしても魔法の修行を積んだ者がいるのに越したことはない。」
「あいにく手伝いする暇は……。」
ジーニアスの言葉を制して、僕はこくりとうなづき。
「どっちにしろ待つしか無かったんだ。僕たちも手伝うよ。」
「僕たちってことは、私も手伝うわ。」
「シェーンさん!?」
朗らかな口調で何気なく言ってるけど、この人名家のお嬢さんなんだけど!!
「あら、私だけ仲間外れ?ノヴァとエダルベルトの試合なんて、この後何度だって見るチャンスはあるわ。それよりもその怪しいお仕事。そちらの方が気にはなるし、狐の手も借りたいぐらいでしょ?」
「狐のって……。」
「まぁ、お嬢さんが手伝うんなら、別に止めはしないが……。ほぼ見てるだけになるかもしれないんだが、それでも良いのかい?」
「ええ。コレでも国の魔法学園ではそれなりに優秀な成績で卒業してますもの。」
うふふと、楽しげに笑うシェーンさんと共に、僕達はトーナメント会場を後にした。
観客席で頬杖をついて、トーナメントの試合風景を眺めるジーニアス。
「まぁ、僕としては、執事姿の二人を見るのは、正直、ちょっとキラキラしすぎて辛かったので、こっちでもアリと言ったらアリなんだけどね……。」
制服に戻り、眼鏡をかけた僕の足の間には、布で覆い隠した僕の魔法銃がある。一応装備しておこうと、持ってきたのだった。ジーニアスもいつもの服に着替えているので、制服と白衣の間に二丁拳銃を隠し持っている。武装した人間が観客席にいるとは興奮して見ている観客には気づかないだろう。
「あら、ここにいたの。」
綺麗な声が降ってきて、見上げると、観客席にシェーンさんが。おいおい向こうの男ども、戦いじゃなくて、シェーンさんを見ているよ。
「ええ。あと何試合かしたらノヴァとエダルベルトの試合です。隣どうぞ。」
「ありがとう。」
座る姿も絵になる人だ。
「……このまま何事も無ければいいんですけどね。」
「それは同感だ。」
聞こえてきた声に、ぎょっとする。
「父さん!?来れないんじゃなかったのか!?」
飛空挺乗りの格好をした父さんの姿があった。顎髭がまばらにある顎をざりざりと手で触りながら言う。
「コレでも仕事の最中だ。なんでも、運んで欲しい大事な代物があると、ここの先生からな。お嬢さん隣、良いですか?」
「ええどうぞ」
よっこらせと座る父さん。よくココに僕たちが居るとわかったものだ。手紙にはノヴァとエダルベルトがトーナメント戦に出るとは書いたけれども。
「こんな学園祭がやっている最中に……。なんかおかしくない?」
「まぁ、な。人様の事情を邪推しても仕方ないんだが、どうだ、暇なら手伝わないか?こちらとしても魔法の修行を積んだ者がいるのに越したことはない。」
「あいにく手伝いする暇は……。」
ジーニアスの言葉を制して、僕はこくりとうなづき。
「どっちにしろ待つしか無かったんだ。僕たちも手伝うよ。」
「僕たちってことは、私も手伝うわ。」
「シェーンさん!?」
朗らかな口調で何気なく言ってるけど、この人名家のお嬢さんなんだけど!!
「あら、私だけ仲間外れ?ノヴァとエダルベルトの試合なんて、この後何度だって見るチャンスはあるわ。それよりもその怪しいお仕事。そちらの方が気にはなるし、狐の手も借りたいぐらいでしょ?」
「狐のって……。」
「まぁ、お嬢さんが手伝うんなら、別に止めはしないが……。ほぼ見てるだけになるかもしれないんだが、それでも良いのかい?」
「ええ。コレでも国の魔法学園ではそれなりに優秀な成績で卒業してますもの。」
うふふと、楽しげに笑うシェーンさんと共に、僕達はトーナメント会場を後にした。
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