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5話 女神と過去と復讐と
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「…………」
あら、ここって。
「…………」
やっぱり。転生の女神様? 何かご用です?
「何かじゃないわよぅ! なにこれ!? なにちゃんと出来ちゃってるの!? なにしっかり悪役令嬢やっちゃってるの!? やっぱ知ってたの!?」
ん、いや。なんとなく。
「なんとなくであれ!? 天才、いや、天然? てか性格、最初と変わってない!?」
ああ、最初の時は何がなんだかわかっていなかったのと。
「いなかったのと?」
初対面の相手はじっくり観察して弱みを握れというパパの教えで。
「観察させられてたの!? てか弱みを握れって、恐ろしい子……!」
はい、しっかり観察させてもらいました。
「え、てことは弱みも?」
当然です。
「ば、ばっきゃろい! この女神ちゃんに弱点なぞないわー! ふはは怖かろう! 強靭、無敵、最強の女神ちゃんとはわたしのことだー!」
…………。
「ふふふ、なんなら弱点の1つや2つ、言ってもらっても構わないのよー? ま、ないけどねー」
…………。
「え、ちょっと何か反応しない? それともフリーズしちゃった? 魂のクラッシュ? 叩けばなおる?」
…………。
「やだ、この子! ちょっと怖い! 何か言って! 喋ってよぅ!」
はい、これが弱点の1つです。極端に無視されるのを嫌う。まるで女子高生ですね。
「だ、誰が女子高生じゃー! あ、いや女子高生の女神ってのもあり? いえーい、わたし女神ちゃん永遠の17歳よ、きゃぴるん!」
じゃ、そういうことで。
「だから無反応やめて! 帰らないでー」
だって無意味なんで。
「無意味じゃないです、女神です! はぁ、ほんとこの子は。てかこんなことを教えたパパって何者よう」
あら、前パパを知らない? 全知全能とか言ってなかったっけ?
「ぐさっ! し、調べてなかったんだよー、だって転生候補の取り違えだったしー、初回から失敗したからもう無理だーってなってたしー。てか前パパと今パパってやめて? 色々危ないから!」
はぁ。てか取り違えって。
「ほんとは隣の家のみっちゃんが候補だったんだけどね! 何の取り違えか住所を1つ間違えちゃったってわけ! あー、ほんとやらかしだよ。百条委員に呼び出しだよ……わたしの女神オブザイヤーがぁ……」
ああ、そう。みっちゃんが。
「そうそう、みっちゃんなのよー、本命はー」
よかった。
「へ? よかったって何が? あ、そういえば知り合い?」
うん。お隣さんですから、数年前からお付き合いさせてもらってました。
「あ、そう。世間は狭いわねー」
そのみっちゃんの代わりってことは、みっちゃんはまだ生きてるってことですよね?
「うん? まぁそうだけど?」
そう。だからこんな私よりみっちゃんが生きてた方が数百倍マシだろうから。だから良かった、って。
「なにこの子! めちゃくちゃいい子! 純情すぎる! でもダメよ!? 私の代わりはいるもの的な感じで命を粗末にしちゃ! はい、それを連れてきたお前が言うなーっていうね! でもしょうがないじゃん、仕事だもの! ああ、もう! この子の純粋さに100億女神ポイントあげちゃいます!」
うん。本当に良かった。
これで心置きなく前パパの教えを色々試せるから。
「……え?」
さすがにあの日本で試すのは、まだ経験と年齢と人脈と経済力が足りないからね。その点、今のこの世界はみんなほんとぬるくてぬるくて。
年齢と経験に人脈は、今パパの経済力と影響力でなんとかできそうだし、色々やってやりたい目標もできたことだし。
うん、だから転生の女神様には感謝してるよ?
「なにこの子! ってこの発言、私今日何回目よ。いや、ほんとなにこの子!? わたし、ヤバい子を転生させちゃった!? これはもう――」
あ、だからって私を消すとかそういうのはナシでね?
だって女神様も困るでしょ?
「え、な、なんでそれが……いや、なにが?」
だって最初に言ってたじゃないですか。第1万なん回の転生グランプリでしたっけ? それって要はテレビ企画的なノリですよね? ってことは視聴者とかもいるわけでここまで特に落ち度のなかった私をここで途中退場させたらそれこそ大ヒンシュク者ですよねだってこれから面白くなりそうというところなのに都合が悪くなったら即打ち切りって視聴者舐めてんのって話になりまっすよ私だったらそんな番組二度と見なくなってネットで炎上させてプロデューサーを退陣させるくらいはしますよそれって困りますよねそれに女神さまは女神オブザイヤーとかいう名誉ある賞を狙ってるんですからそういうスキャンダルは――
「分かった! 分かったからもうやめちくりー!! なにその立て板に流しそうめん的な脅迫!? てか女神を脅す人間なんてありえなくない? はい、分かりました! 二度と変なこと言いません!」
そう、良かった。これで心置きなく復しゅ――いえ、頑張ることができる。
「今、復讐って言おうとしたよね? 完全にアヴェンジャーズ入ろうとしてたよね?」
いえ。勉強の方の復習ですよ? あの世界はまだまだ知らないことがたくさんあるから、いっぱい復習しておかないとって。
…………復讐のために。
「言っちゃった! 結局復讐って言っちゃった! てかなにこれ! わたしがツッコミになってる!? え、新しいわたしデビューってやつ!?」
お気に召して何よりです。良かったですね、女神様。にっこり。
「お、おおお。何から何まで掌のうえ。これが前パパの教え……恐るべし」
なんか良く分からないけど、分かってもらえて何よりでした。
あら、ここって。
「…………」
やっぱり。転生の女神様? 何かご用です?
「何かじゃないわよぅ! なにこれ!? なにちゃんと出来ちゃってるの!? なにしっかり悪役令嬢やっちゃってるの!? やっぱ知ってたの!?」
ん、いや。なんとなく。
「なんとなくであれ!? 天才、いや、天然? てか性格、最初と変わってない!?」
ああ、最初の時は何がなんだかわかっていなかったのと。
「いなかったのと?」
初対面の相手はじっくり観察して弱みを握れというパパの教えで。
「観察させられてたの!? てか弱みを握れって、恐ろしい子……!」
はい、しっかり観察させてもらいました。
「え、てことは弱みも?」
当然です。
「ば、ばっきゃろい! この女神ちゃんに弱点なぞないわー! ふはは怖かろう! 強靭、無敵、最強の女神ちゃんとはわたしのことだー!」
…………。
「ふふふ、なんなら弱点の1つや2つ、言ってもらっても構わないのよー? ま、ないけどねー」
…………。
「え、ちょっと何か反応しない? それともフリーズしちゃった? 魂のクラッシュ? 叩けばなおる?」
…………。
「やだ、この子! ちょっと怖い! 何か言って! 喋ってよぅ!」
はい、これが弱点の1つです。極端に無視されるのを嫌う。まるで女子高生ですね。
「だ、誰が女子高生じゃー! あ、いや女子高生の女神ってのもあり? いえーい、わたし女神ちゃん永遠の17歳よ、きゃぴるん!」
じゃ、そういうことで。
「だから無反応やめて! 帰らないでー」
だって無意味なんで。
「無意味じゃないです、女神です! はぁ、ほんとこの子は。てかこんなことを教えたパパって何者よう」
あら、前パパを知らない? 全知全能とか言ってなかったっけ?
「ぐさっ! し、調べてなかったんだよー、だって転生候補の取り違えだったしー、初回から失敗したからもう無理だーってなってたしー。てか前パパと今パパってやめて? 色々危ないから!」
はぁ。てか取り違えって。
「ほんとは隣の家のみっちゃんが候補だったんだけどね! 何の取り違えか住所を1つ間違えちゃったってわけ! あー、ほんとやらかしだよ。百条委員に呼び出しだよ……わたしの女神オブザイヤーがぁ……」
ああ、そう。みっちゃんが。
「そうそう、みっちゃんなのよー、本命はー」
よかった。
「へ? よかったって何が? あ、そういえば知り合い?」
うん。お隣さんですから、数年前からお付き合いさせてもらってました。
「あ、そう。世間は狭いわねー」
そのみっちゃんの代わりってことは、みっちゃんはまだ生きてるってことですよね?
「うん? まぁそうだけど?」
そう。だからこんな私よりみっちゃんが生きてた方が数百倍マシだろうから。だから良かった、って。
「なにこの子! めちゃくちゃいい子! 純情すぎる! でもダメよ!? 私の代わりはいるもの的な感じで命を粗末にしちゃ! はい、それを連れてきたお前が言うなーっていうね! でもしょうがないじゃん、仕事だもの! ああ、もう! この子の純粋さに100億女神ポイントあげちゃいます!」
うん。本当に良かった。
これで心置きなく前パパの教えを色々試せるから。
「……え?」
さすがにあの日本で試すのは、まだ経験と年齢と人脈と経済力が足りないからね。その点、今のこの世界はみんなほんとぬるくてぬるくて。
年齢と経験に人脈は、今パパの経済力と影響力でなんとかできそうだし、色々やってやりたい目標もできたことだし。
うん、だから転生の女神様には感謝してるよ?
「なにこの子! ってこの発言、私今日何回目よ。いや、ほんとなにこの子!? わたし、ヤバい子を転生させちゃった!? これはもう――」
あ、だからって私を消すとかそういうのはナシでね?
だって女神様も困るでしょ?
「え、な、なんでそれが……いや、なにが?」
だって最初に言ってたじゃないですか。第1万なん回の転生グランプリでしたっけ? それって要はテレビ企画的なノリですよね? ってことは視聴者とかもいるわけでここまで特に落ち度のなかった私をここで途中退場させたらそれこそ大ヒンシュク者ですよねだってこれから面白くなりそうというところなのに都合が悪くなったら即打ち切りって視聴者舐めてんのって話になりまっすよ私だったらそんな番組二度と見なくなってネットで炎上させてプロデューサーを退陣させるくらいはしますよそれって困りますよねそれに女神さまは女神オブザイヤーとかいう名誉ある賞を狙ってるんですからそういうスキャンダルは――
「分かった! 分かったからもうやめちくりー!! なにその立て板に流しそうめん的な脅迫!? てか女神を脅す人間なんてありえなくない? はい、分かりました! 二度と変なこと言いません!」
そう、良かった。これで心置きなく復しゅ――いえ、頑張ることができる。
「今、復讐って言おうとしたよね? 完全にアヴェンジャーズ入ろうとしてたよね?」
いえ。勉強の方の復習ですよ? あの世界はまだまだ知らないことがたくさんあるから、いっぱい復習しておかないとって。
…………復讐のために。
「言っちゃった! 結局復讐って言っちゃった! てかなにこれ! わたしがツッコミになってる!? え、新しいわたしデビューってやつ!?」
お気に召して何よりです。良かったですね、女神様。にっこり。
「お、おおお。何から何まで掌のうえ。これが前パパの教え……恐るべし」
なんか良く分からないけど、分かってもらえて何よりでした。
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