政治家の娘が悪役令嬢転生 ~前パパの教えで異世界政治をぶっ壊させていただきますわ~

巫叶月良成

文字の大きさ
15 / 68

14話 ああ?女神様?

しおりを挟む
「………」

 あら、ここは。
 女神様ごきげんよう。

「……なんかお嬢様が板について来たね」

 それはもう。元からお嬢様ですから。

「うわー、これがリアルお嬢様の余裕。かーっ、憎いね」

 憎かろうが辛かろうが殺意があろうが叛意があろうがなんだろうが。
 立っている者は親でも使え、寝ている者は病人でも使え、が前パパの教えなので。

「前から思ってるけど、前パパ最強じゃない?」

 いえ、これでも何度かは負けてますよ。選挙。

「あ、そうなの?」

 ええ。ですが、新しく決まった議員さんはなぜか体調不良で辞退。繰り上げ当選で前パパが収まってましたけど。

「まさか盛ってないよね!? 一線超えたお人じゃないよね!?」

 まさか。たまたまその時期に体調を崩して、たまたま比例で次点にいた前パパがたまたま跡を継いだってだけなのに。それがたった7回起きただけで、みんな騒ぎすぎよ」

「そんなたまたま続くわけないよね!? てかそんなのが7回もたまたまあったら、もっと宝くじ当たってるわー!」

 大丈夫です。全部グレーゾーンですから。

「それって完全ホワイトじゃないってことじゃーん! なにこの子、恐ろしい子! やっぱ一番怖いのは人間様の際限なき欲望ってことじゃーん!」

 女神様、良く分かってらっしゃる。

「うぅーん。なんだろう。やっぱこの子、独特の雰囲気よね。ま、嫌いじゃないけど!」

 光栄です。

「てかそう! あの子なに!? アーニィだっけ!? とんだチートじゃない!?」

 さぁ、ただのメイドですけど?

「いやいや、ただのメイドじゃないって。なに、メイド流暗殺術って。暗殺するの? あの子?」

 さぁ、ただのメイドですけど?

「しかもロープと手錠完備って……何に使う予定だったのかな!?」

 さぁ、ただのメイドですけど?

「その受け答えあってる?」

 さぁ、ただのメイドですけど?

「なんか壊れたレディオっぽい! 怖い!!」

 ふふ、まぁ冗談です。

「そっか、冗談ならいっか! じゃなくて!」

 あら。ダメでしたの?

「てかあなた、何を企んでるの?」

 別に。
 気になるなら心を読んでみればいいじゃないですか。だって私、声を発してないのに会話してるってそういうことでしょう?

「うぅ、そうなんだけどなんかほら。ちょっち怖いっていうか」

 まぁ心外。私が暗躍ばかりの外道みたいな言い方。

「うん、違うの?」

 違います。前パパはしっかり人道に沿って策を弄して他人を蹴落として、自分の利益をむさぼるように生きてましたから。その娘である私が、そんなこと……怖くてちょっとしか真似できませんよ?

「うん、そういうの外道って言うよね? そしてちょっと真似してる時点で外道だよね?」

 あら、お褒め頂き光栄です。

「褒めてないけどね! だーかーらー! この子だとわたしがツッコミになるんだよー! うぅ、辛い。でも芸人として、ボケとツッコミの二刀流ができてこそ! 次世代のエンターテイナーとしての資格が問われるのです!」

 へぇー、すごいですねぇ。

「違うのぉ! そこは『お前、女神だろ!』ってマスクマンの正体を暴く感じでツッコミが欲しかったのー!!」

 ツッコむだなんて、はしたない真似できませんわ。

「はしたないの!? うう、こうなったら順風満帆でうまく行ってると思ってるだろう、琴音ちゃんに呪いの言葉を送ってやるー」

 女神のくせにやること、こすいですね。

「こすいって言うなー! さかさまに言うなー! もう! 本気で怒りますよ! 怒ったらもう、ほんと、怖いよ? もう女神オブザイヤーとか関係なしにバンバンいっちゃいますから!」

 まぁそれは怖い。

「絶対怖がってないやつー! もういいです! そんな琴音ちゃんはもう色々崩壊しちゃえばいいんだもん! ふっふっふ、人間万事塞翁が馬、一寸先は闇に怯えろ! 竦め! なにもできぬまま死んでゆけー!」

 あ、ガーヒルのこと?
 彼が何かこそこそ罠を張ってるだろうから、それに私が足をすくわれるってことを言ってるんでしょう?

「え? えと、いや。それは……えぇ……なんで知ってるの?」

 あ、やっぱり本当なんですね。

「カマかけたなー! この女神ちゃんにペテンをかけるなんて! 神をも恐れぬ所業!」

 ま、だいたいそんな気もしたんで。あの下町しもまちの連中を裏で操っていい気になってるたかが二世のボンボンごときがどこまでやれるか楽しみですわ。

「おおぅ。どす黒い。どす黒いオーラが琴音ちゃんから出てはる……! てか二世のボンボンはブーメランね」

 私、三世なので。

「そうだったー! おじいちゃんまで議員さん! なんて一家! って変わらないよ! 二世も三世もどうせ七光りのボンボンでしょ!?」

 まぁ否定はしません。
 けど相手が仕掛けてくるのを知っていれば、対処のしようはありますよ。

「おおぅ、どこぞの軍師ばりの頭脳派……」

 ふむ。ガーヒルのことは助言として受け取っておきましょう。ええ。相手の罠を逆用して嵌めるくらいのことは考えてみますから。

「うわー、やっぱこの子。腹黒だわー。ほんとある意味最高の人選した? さすが女神ちゃん。ミスっても挽回できる。いい子できる子女神ちゃん!」

 あら、それってつまりまわりまわって私の功績ってことですよね?
 じゃあもちろん私にも何かもらえますよね? 公明正大な女神さまは、人様の功績を奪うみたいな真似は当然しませんよね? ね?

「琴音ちゃん、女神を脅迫するとか……マジパナいって」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。

彩世幻夜
ファンタジー
「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」 お嬢様はご不満の様です。 海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。 名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。 使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。 王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。 乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ? ※5/4完結しました。 新作 【あやかしたちのとまり木の日常】 連載開始しました

処理中です...