政治家の娘が悪役令嬢転生 ~前パパの教えで異世界政治をぶっ壊させていただきますわ~

巫叶月良成

文字の大きさ
30 / 68

28話 立っている者は女神でも使え

しおりを挟む
「はいはーい、というわけで女神ちゃんなわけだけどー。……え? てかなに? 琴音ちゃん無双? てかバランスブレイカーすぎない? と、い、う、わ、け、で!! 大バランス調整大会を始めまーす!」

 あら、女神様。お久しぶりです。

「お久しぶりちゃんーって、そうじゃないっての! ちょっとやりすぎってね、琴音ちゃん。フフフ、女神ちゃんを怒らせたらどうなるか教えてしんぜよう」

 わぁー、すごいすごい。とても恐ろしくて足がガクブルです。

「全然怖がってねー。ここまで心も何もない棒読み初めてだわ。むしろ喜んでる!? うん、まぁそういうわけでちょっとバランス調整しますよ。やっぱゲームは公平性がたもててこそだと思うんだよね! というわけでガーヒルくんの知力と政治力のパラメータを2倍にしてみましたぁん! さらにボーナスでスーパーお助けキャラ登場の巻! いぇいいぇい!」

 はぁ。

「もうちょっと驚いてくれいなかー。せっかく準備したのに」

 いえ、パラメータとかよくわからないんで。

「え? ゲームとかやったことない? キャラの強さとかそういうのを数値化しているやーつ」

 ああ。つまりその人間の強さを数値に置き換えたものってことですね。例えて言うなら偏差値みたいな。

「ジャス・ドゥ・イッ! そのとーり! ふふふー、これでわかっちゃったー? 敵が2倍の強さになっちゃうんだよー? さらにお助けキャラだよー? もうこれは降伏宣言まったなしじゃないかな!?」

 なにがです?

「……なんで驚かないのかな、この子。てかすごい嫌な予感しかしないんだけど、なんでそんな平静にしてられるか、理由聞いてもいー?」

 ええ。簡単ですわ。ゼロにいくつかけてもゼロにしかならないので、2倍になったところで何も変わらないからです。

「うわぁい! 強キャラムーブのゼロ除算! っていやいや、そんなわけないって! パラメータの下限は1だかんね! それはありえないのよ」

 じゃあ1が2倍になっても2。ゴミですわね。

「だからなんでそんな自信満々!?」

 今までの彼の動きからしてアレがそう賢くはないことは明らかでしょう? 私、これでも人を見る目はあるんで。

「いやいやいやいや! ガーヒル君のパラメータ的に、確かにそう賢くなくて。知力なんて43だけど、それが2倍になったら86だよ? 全武将ランキングでトップ50入りするレベルだよ!? てかよくそんな平均以下のパラメータのやつがラスボスポジションにいたわね……これは反省だわ。うん」

 それでも問題ありません。

「だからなんで!?」

 前パパより薫陶を受けた私が、たかがあの男相手に劣るわけないからです。

「うわぁ、すごい自信。キミの自信銀行の預金残高はいくらなのかな」

 53億ですが?

「そんな私の戦闘力みたいに言われても!?」

 それにお助けキャラでしたっけ?

「うん! スーパーお助けキャラだよ! これはもう凄いよ。裏から表から琴音ちゃんの邪魔をしまくって、ガーヒルくんを超強化しちゃう感じの……うん、ごめん。やっぱりラスボスの人選間違ってるよね」

 それも問題ありませんわ。

「だからなんで!? 大事なことなので、同じツッコミにしました!」

 パラメータが2倍になっただけですわよね、知力と、政治力でしたっけ?

「え、あ、うん。それが?」

 なら簡単です。あの男にそのような人物を扱える器量はないからです。
 将来自分の地位を脅かす存在を、手を打って迎え入れるほどの度量はあの男にありませんわ。
 それで器量は増えないわけですから、あとはおしてしかるべし。

 よってそんな人が来ても、逆にマイナスにしかならないわけですQ.E.D(証明終了)。

「それは的を射ているね!! って、うわー、やっちゃったー、女神様痛恨の凡ミスー!」

 まぁそもそもこの考えは女神様がおっしゃっていたことですよ?

「どういうこと?」

 だって女神様はさっきこうおっしゃったじゃないですか。ゲームは公平性が保たれてこそ、と。
 つまりあの男の力が2倍になろうが、お助けキャラなるものが出ようが、それであちらが圧倒的有利になるわけではないってことですよね。
 そうしたら、私が一方的に負けるだけのワンサイドゲームになってしまいますから。
 そういった要素を排除して、それでなおギリギリ、白熱するだろうレベルに調整された女神様の絶妙なバランス設計ということになるかと思いまして。

「お、おおお。そう! その通り! いやー、分かっちゃう? この女神ちゃんの超絶技巧のバランス設計。そこに気づいちゃうなんてオタク、渋いねー」

 ええ。今の私は女神様あってのことですから。

「むふふー、いやいや、やっぱ分かってるね琴音ちゃんは。どっかの女装変態フェチツッコミ魔神野郎とは大違いだよ。いやー、これは今年も取っちゃう? 女神オブザイヤー、またまた女神ちゃんの時代来ちゃう?」

 ええ。もちろんですとも。
 ところで1つ提案なんですが。このゲームをもっと面白くするための。

「お、ん? いいね、そういうのどんどん頂戴!」

 私、思うんですけど私とガーヒルの接点少なすぎません? せっかく、ガーヒルが(一応)強くなっても、私との接点がなければその様子というのは伝わらないのでは? それは見ていてつまらないものですよね?

「む、確かに。ガチンコの殴り合いバトルだったら分かりやすいけど、頭脳戦的なものだとそれはそれで弊害になるか。うぅーん。やっぱり現場の意見? ていうか新しい風を取り込むのは重要だね! よし、分かった! じゃあガーヒルとのエンカウント率をもっとあげちゃおう!」

 それについて。私もそろそろ朝議(国王の前で毎朝行う重臣会議)に出ていいかなと思うんです。今パパも色々大変でしょうし、そこならガーヒルとの対決も期待できるのでは?。

「んん。まぁそうかも。うーん、けどそこに入るっていってもねぇ。他の貴族様とかそういうのの反発すごいと思うけどいいの?」

 何事もやってみなければわかりませんわ。それに、それで潰れれば私もそれまでということ。何ら問題はないでしょう。

「む。そう、かな。そうだね。うん、じゃあそうしよう。ちょっとルールと因果律をいじくれば……オッケー! これで琴音ちゃんも朝議参加できるよー」

 ありがとうございます…………(ちょろい)。

「ん、なんか言ったー?」

 いえ、ただ女神様が優しい方でよかったと。

「うんうん、わたし優しいからね! それなのにまったく、鬼だ鬼畜だ黒幕だなんだってやっかみばっかしてさ。ほんと、琴音ちゃんだけだよ、人間で味方してくれるの」

 ええ、私は受けた恩は絶対に忘れませんから。

「うんうん。そういうの大事よね」

 そして受けた仇も絶対に忘れない。

「げぇ!? やっぱりアヴェンジャーズ! 恐ろしい子!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。

彩世幻夜
ファンタジー
「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」 お嬢様はご不満の様です。 海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。 名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。 使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。 王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。 乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ? ※5/4完結しました。 新作 【あやかしたちのとまり木の日常】 連載開始しました

処理中です...