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34話 選挙開催!
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「……せんきょ?」
アード伯爵が首をひねりそうつぶやく。
あら? この世界、選挙なんてないのかしら。
当然あるものと思ったけど、そういえば中世って選挙ってあったのかしら。世界史なんて知らないから放置してたけど。
仕方ない。
私は内心のため息を押し殺して選挙について説明した。
「ああ、議会制のことだな。政策の是非を問う投票ではなく、誰が次の筆頭大臣になるかを決めるということか」
なんだ、あるんじゃない。それなら話が早くて済む。
「ええ、それで一番得票の高い人が次の筆頭大臣になるというのであれば、恨みもなく事は収まりましょう?」
「ふむ、なるほど」
納得した様子のアード伯爵。
けどそんなの嘘だ。
選挙なんてものは、所詮は利権争いの極致。勝ったものは全てを得、負けた者は全てを失う。オールオアナッシングの極致。
しかもここは閉じられた貴族の世界。敗者は勝者に対して何もできないし、対立したという枷はいつまでも消えない。
そしてここで一刺し。
「これならはっきりと、アード伯爵とガーヒル様のどちらが次期大臣にふさわしいかがはっきりしましょう」
「なっ!」
「おお、おお。その通りだな。このような若造に年季の差というものを見せてくれよう」
ガーヒルの顔が驚愕にゆがみ、アード伯爵は鷹揚に頷く。
嵌った。
これでガーヒルとアード伯爵とやらが対立することになった。これまでガーヒル派だとか、反今パパ派とかでまとまっていたのが、今やその屋台骨が2つに別れてしまったということ。
敵がいなくなった後は内紛ってのは当然の流れとはいえ、ここまで簡単に誘導されるなんて。そんなことに気づかず、なにが年季よ。馬鹿じゃないの。
「では、一応私も立候補だけはしておきます。これは選挙という仕組み上、3組以上の候補がいなければ進まないための措置ですので。それに私に投票の権利はありませんし」
嘘だけど。
けどこの仕掛けが後で生きてくる……はず。
「む、そうか。ふむ、まぁいい。ならば私とこの小僧の一騎討ちということだな!」
「ア、アード伯! 自分は――」
「ええい、うるさい! この私に歯向かった罰、償ってもらわなければ腹の虫がおさまらん! 陛下、もうこれにて朝議はしまいですな! では私は先に失礼する!」
そう言って絨毯を踏み鳴らしながら、国王の認可も得ずにホールを扉へと去っていくアード伯爵。なんともまぁ身勝手なおじ様だこと。
「あー、えー、では今日はここまでだな。その、選挙とやら。とりまとめを頼むぞ。では解散」
そう言ってそそくさと立ち去る国王を皮切りに、参加した誰もがようやく終わったとため息ついでに退室していく。
その中で1人ぽつりと残ったガーヒルの姿。それを横目で哀れに見たけど、別に憐れむ必要はないものね。彼にはもっと絶望を味わってもらわないと。
そしてその前に、残念なおじ様を葬らないと。あのアード伯爵とかいう勘違いさんを。
さてさて、本職の選挙にようやくもっていけた。これからとっても忙しくなるわね。うん、楽しみ。
アード伯爵が首をひねりそうつぶやく。
あら? この世界、選挙なんてないのかしら。
当然あるものと思ったけど、そういえば中世って選挙ってあったのかしら。世界史なんて知らないから放置してたけど。
仕方ない。
私は内心のため息を押し殺して選挙について説明した。
「ああ、議会制のことだな。政策の是非を問う投票ではなく、誰が次の筆頭大臣になるかを決めるということか」
なんだ、あるんじゃない。それなら話が早くて済む。
「ええ、それで一番得票の高い人が次の筆頭大臣になるというのであれば、恨みもなく事は収まりましょう?」
「ふむ、なるほど」
納得した様子のアード伯爵。
けどそんなの嘘だ。
選挙なんてものは、所詮は利権争いの極致。勝ったものは全てを得、負けた者は全てを失う。オールオアナッシングの極致。
しかもここは閉じられた貴族の世界。敗者は勝者に対して何もできないし、対立したという枷はいつまでも消えない。
そしてここで一刺し。
「これならはっきりと、アード伯爵とガーヒル様のどちらが次期大臣にふさわしいかがはっきりしましょう」
「なっ!」
「おお、おお。その通りだな。このような若造に年季の差というものを見せてくれよう」
ガーヒルの顔が驚愕にゆがみ、アード伯爵は鷹揚に頷く。
嵌った。
これでガーヒルとアード伯爵とやらが対立することになった。これまでガーヒル派だとか、反今パパ派とかでまとまっていたのが、今やその屋台骨が2つに別れてしまったということ。
敵がいなくなった後は内紛ってのは当然の流れとはいえ、ここまで簡単に誘導されるなんて。そんなことに気づかず、なにが年季よ。馬鹿じゃないの。
「では、一応私も立候補だけはしておきます。これは選挙という仕組み上、3組以上の候補がいなければ進まないための措置ですので。それに私に投票の権利はありませんし」
嘘だけど。
けどこの仕掛けが後で生きてくる……はず。
「む、そうか。ふむ、まぁいい。ならば私とこの小僧の一騎討ちということだな!」
「ア、アード伯! 自分は――」
「ええい、うるさい! この私に歯向かった罰、償ってもらわなければ腹の虫がおさまらん! 陛下、もうこれにて朝議はしまいですな! では私は先に失礼する!」
そう言って絨毯を踏み鳴らしながら、国王の認可も得ずにホールを扉へと去っていくアード伯爵。なんともまぁ身勝手なおじ様だこと。
「あー、えー、では今日はここまでだな。その、選挙とやら。とりまとめを頼むぞ。では解散」
そう言ってそそくさと立ち去る国王を皮切りに、参加した誰もがようやく終わったとため息ついでに退室していく。
その中で1人ぽつりと残ったガーヒルの姿。それを横目で哀れに見たけど、別に憐れむ必要はないものね。彼にはもっと絶望を味わってもらわないと。
そしてその前に、残念なおじ様を葬らないと。あのアード伯爵とかいう勘違いさんを。
さてさて、本職の選挙にようやくもっていけた。これからとっても忙しくなるわね。うん、楽しみ。
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