606 / 627
第6章 知力100の美少女に転生したので、世界を救ってみた
第39話 帰還と和解と来客と
しおりを挟む
帝国軍を蹴散らすと、王都の北門が開いた。
他の敵が集まる前に、アーク率いる歩兵と共に入城した。
クロエたち2千は城の外に置いて、敵国軍の残党を掃討したのち、これまで外で戦ってきたブリーダの隊と連動して動かすことにした。
騎馬隊を籠城させるより、外で駆け回らせておいた方が敵に対するけん制になると見ての配置だ。
そんなわけで北門を通過したのだが――途端、熱烈な歓迎に包まれた。
「ジャンヌ様ー!」「我らが救世主が帰還されたぞ!」「もう敵を倒しちゃった! さすがジャンヌ様!」
どうもこそばゆい感じもするけど、籠城している人たちはまだ顔色もよく元気だった。
そう時間もなかったはずだけど、それなりに籠城の準備は整えてくれたんだろう。
その立役者は熱気あふれる民衆の中で、そこだけ台風の目のように泰然自若として立っている。
「ジル、よくやってくれた」
「おかえりなさいませ、ジャンヌ様」
うやうやしく挨拶してくるのは相変わらずだな。
「状況は?」
「3日前に敵が攻撃してきたところ、ブリーダの隊が敵の砲兵部隊を蹴散らしました。それ以降、敵は鉄砲を主力に押してきていますが、こちらも改修された出丸や挟間での反撃がうまく行っており、膠着しております」
「そうか。クロエたちを外に置いてきたから、ブリーダももう少し楽できるだろう。アーク、兵たちは今日は休ませる。明日からは籠城兵と交代で休みながら戦うよう配置を決めてくれ」
「はっ!」
アークに命令を出し終えると、俺はそのまま馬を進めた。
ジルもついてくる。
ただ、人々が街道に集まっているのでなかなかすすめない。
そこへ――
「おねえちゃん!」
懐かしい声が聞こえた。
「リン!」
馬を降りて、声のした方へ行く。
それまでもみくちゃにされたが(胸を触ってきた奴には蹴りを入れてやった)、なんとかリンを見つけた。
その後ろには花屋のおばさんがいるが、どうもやつれている様子で目を白黒させて落ち着きがない。
「おねえちゃん、おかえりなさい!」
「ああ、ただいま、リン」
飛び込んできたリンを抱きしめる。
よかった、無事で。
本当に心からそう思う。
「あのね、おばさんがどうしてもおねえちゃんにあいたいって。でもね、リンのほうがもっとあいたかったの!」
「うん、そうだな。ありがとう」
けど、おばさんが?
なんだろうと思い視線を向けると、花屋のおばさんはさらに狼狽した様子になる。
「あ、いえ。その。本当に、ジャンヌ・ダルク様?」
「ん、ああ。そうだけど」
「ご、ご無礼をしました!」
突然、その場で五体投地――じゃない、土下座をするおばさん。
「ジャンヌ・ダルク様のお知り合いと知らず、その、リンには、あの、無体なことを……なにより、ジャンヌ・ダルク様本人も無礼なことを言ってしまい申し訳ありませんでした! ば、罰ならばなんでもお受けしますので、ど、どうぞご容赦を……」
あぁ、そういう。
一応、俺としては身分を隠していたわけだから、リンに辛く当たっていたことがバレたと知って罰せられると思ったんだろう。
そんなことしないのに。
むしろ逆だ。
だから俺はリンに聞いた。
「リン、おばさんは好きか?」
「うん! きびしいけど、とってもやさしいひと! だからリン、すき!」
彼女にとって、働くということは生きること。
だから恨みとかそういう感情とは完全に無縁なのだ。
そしてそれを子ども扱いせず、やっかい者として除外せずに扱ってくれからこそ、そのリンの心が真っすぐ育ったとも言える。
だから俺はリンを抱いたままおばさんのそばによって、その肩に手を置く。
「おばさんがしっかりとリンを大人として扱ってくれたので、リンがここまでちゃんと元気に育ったんです。感謝こそすれ、罰するなんてありえませんよ」
「お、おおおお……ありがとう、ございます」
おばさんは顔を上げたが、途端に涙を流してまたうずくまってしまった。
周りにいた人たちが、その光景に何かを感じたのか、急に拍手の渦が――そして喝采が巻き起こる。
あぁ、こういうの嫌なんだけどなぁ。
若干、芝居がかってたし。
てかジルと里奈が少し離れて、うんうん、と頷いているのが恥ずかしい。
はぁ……とにかくもうさっさと戻ろう。
「じゃ、リン。また花を買いに行くから」
「うん! いってらっしゃい!」
リンに別れを言って、そのまま王都の中心へ。
王宮。
ほんの一か月しか経っていないのに、なんだかひどく懐かしい気がする。
「マリアは無事なんだな?」
「はい。ニーアと共に、お客様の相手をしておられます」
「客?」
誰だろう? こんな時に。
「ジャンヌ様がよくご存じのお方のはずです」
さらに分からない。
ともあれ行ってみれば分かること。
防衛線の指揮に戻るというジルと別れ、俺と里奈は王宮にそのまま入っていく。
王宮の中もそれほど煩雑はしていない。
籠城に慣れたというべきか。本来はそうならないのがベストなんだけど。
通りすがる人たちに挨拶しながらマリアの部屋へとたどり着く。
そしてノックの後にドアを開くと、
「ぐわっ!」
「ジャンヌに姉さま、おかえりなのじゃー!」
ドアを開けて早々、マリアのボディアタックを食らった。
里奈は少しよろける程度。
俺は派手にしりもちをついた。
それでも生きているマリアのぬくもり。
それを感じてホッとする。
「あははっ! さすが貧弱ねー。ごはん食べてる?」
部屋の奥からニーアの笑い声が聞こえる。
あぁ、本当にこの2人は。
変わらずにいてくれる。
それがなんだかうれしい。
ところで客が来ているというのだけど、見る感じどこにも人がいないみたいだけど。
なんて思っていると、
「……明彦くん」
立ったままの里奈が部屋の奥を見ながら愕然としている。
俺はマリアが伸ばしてくれた手をつかんで立ち上がると、やはりその奥にいる人物を見て目が点になった。
「…………なんで?」
「さくさくさくさく…………」
部屋の中央。
ニーアとマリアの席に挟まれていたのは、小さい体をさらに小さくした状態で、無言で無表情に、ただひたすらリスのようにクッキーをむさぼり食う少女――シータ王国の四峰である大山雫がそこにいた。
他の敵が集まる前に、アーク率いる歩兵と共に入城した。
クロエたち2千は城の外に置いて、敵国軍の残党を掃討したのち、これまで外で戦ってきたブリーダの隊と連動して動かすことにした。
騎馬隊を籠城させるより、外で駆け回らせておいた方が敵に対するけん制になると見ての配置だ。
そんなわけで北門を通過したのだが――途端、熱烈な歓迎に包まれた。
「ジャンヌ様ー!」「我らが救世主が帰還されたぞ!」「もう敵を倒しちゃった! さすがジャンヌ様!」
どうもこそばゆい感じもするけど、籠城している人たちはまだ顔色もよく元気だった。
そう時間もなかったはずだけど、それなりに籠城の準備は整えてくれたんだろう。
その立役者は熱気あふれる民衆の中で、そこだけ台風の目のように泰然自若として立っている。
「ジル、よくやってくれた」
「おかえりなさいませ、ジャンヌ様」
うやうやしく挨拶してくるのは相変わらずだな。
「状況は?」
「3日前に敵が攻撃してきたところ、ブリーダの隊が敵の砲兵部隊を蹴散らしました。それ以降、敵は鉄砲を主力に押してきていますが、こちらも改修された出丸や挟間での反撃がうまく行っており、膠着しております」
「そうか。クロエたちを外に置いてきたから、ブリーダももう少し楽できるだろう。アーク、兵たちは今日は休ませる。明日からは籠城兵と交代で休みながら戦うよう配置を決めてくれ」
「はっ!」
アークに命令を出し終えると、俺はそのまま馬を進めた。
ジルもついてくる。
ただ、人々が街道に集まっているのでなかなかすすめない。
そこへ――
「おねえちゃん!」
懐かしい声が聞こえた。
「リン!」
馬を降りて、声のした方へ行く。
それまでもみくちゃにされたが(胸を触ってきた奴には蹴りを入れてやった)、なんとかリンを見つけた。
その後ろには花屋のおばさんがいるが、どうもやつれている様子で目を白黒させて落ち着きがない。
「おねえちゃん、おかえりなさい!」
「ああ、ただいま、リン」
飛び込んできたリンを抱きしめる。
よかった、無事で。
本当に心からそう思う。
「あのね、おばさんがどうしてもおねえちゃんにあいたいって。でもね、リンのほうがもっとあいたかったの!」
「うん、そうだな。ありがとう」
けど、おばさんが?
なんだろうと思い視線を向けると、花屋のおばさんはさらに狼狽した様子になる。
「あ、いえ。その。本当に、ジャンヌ・ダルク様?」
「ん、ああ。そうだけど」
「ご、ご無礼をしました!」
突然、その場で五体投地――じゃない、土下座をするおばさん。
「ジャンヌ・ダルク様のお知り合いと知らず、その、リンには、あの、無体なことを……なにより、ジャンヌ・ダルク様本人も無礼なことを言ってしまい申し訳ありませんでした! ば、罰ならばなんでもお受けしますので、ど、どうぞご容赦を……」
あぁ、そういう。
一応、俺としては身分を隠していたわけだから、リンに辛く当たっていたことがバレたと知って罰せられると思ったんだろう。
そんなことしないのに。
むしろ逆だ。
だから俺はリンに聞いた。
「リン、おばさんは好きか?」
「うん! きびしいけど、とってもやさしいひと! だからリン、すき!」
彼女にとって、働くということは生きること。
だから恨みとかそういう感情とは完全に無縁なのだ。
そしてそれを子ども扱いせず、やっかい者として除外せずに扱ってくれからこそ、そのリンの心が真っすぐ育ったとも言える。
だから俺はリンを抱いたままおばさんのそばによって、その肩に手を置く。
「おばさんがしっかりとリンを大人として扱ってくれたので、リンがここまでちゃんと元気に育ったんです。感謝こそすれ、罰するなんてありえませんよ」
「お、おおおお……ありがとう、ございます」
おばさんは顔を上げたが、途端に涙を流してまたうずくまってしまった。
周りにいた人たちが、その光景に何かを感じたのか、急に拍手の渦が――そして喝采が巻き起こる。
あぁ、こういうの嫌なんだけどなぁ。
若干、芝居がかってたし。
てかジルと里奈が少し離れて、うんうん、と頷いているのが恥ずかしい。
はぁ……とにかくもうさっさと戻ろう。
「じゃ、リン。また花を買いに行くから」
「うん! いってらっしゃい!」
リンに別れを言って、そのまま王都の中心へ。
王宮。
ほんの一か月しか経っていないのに、なんだかひどく懐かしい気がする。
「マリアは無事なんだな?」
「はい。ニーアと共に、お客様の相手をしておられます」
「客?」
誰だろう? こんな時に。
「ジャンヌ様がよくご存じのお方のはずです」
さらに分からない。
ともあれ行ってみれば分かること。
防衛線の指揮に戻るというジルと別れ、俺と里奈は王宮にそのまま入っていく。
王宮の中もそれほど煩雑はしていない。
籠城に慣れたというべきか。本来はそうならないのがベストなんだけど。
通りすがる人たちに挨拶しながらマリアの部屋へとたどり着く。
そしてノックの後にドアを開くと、
「ぐわっ!」
「ジャンヌに姉さま、おかえりなのじゃー!」
ドアを開けて早々、マリアのボディアタックを食らった。
里奈は少しよろける程度。
俺は派手にしりもちをついた。
それでも生きているマリアのぬくもり。
それを感じてホッとする。
「あははっ! さすが貧弱ねー。ごはん食べてる?」
部屋の奥からニーアの笑い声が聞こえる。
あぁ、本当にこの2人は。
変わらずにいてくれる。
それがなんだかうれしい。
ところで客が来ているというのだけど、見る感じどこにも人がいないみたいだけど。
なんて思っていると、
「……明彦くん」
立ったままの里奈が部屋の奥を見ながら愕然としている。
俺はマリアが伸ばしてくれた手をつかんで立ち上がると、やはりその奥にいる人物を見て目が点になった。
「…………なんで?」
「さくさくさくさく…………」
部屋の中央。
ニーアとマリアの席に挟まれていたのは、小さい体をさらに小さくした状態で、無言で無表情に、ただひたすらリスのようにクッキーをむさぼり食う少女――シータ王国の四峰である大山雫がそこにいた。
0
あなたにおすすめの小説
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる