精霊術学院の死霊魔術使い

ワガドゥー男子

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第8話:初めての仲間

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「す、すごい…」



予想はしたけど、まさかにこんなに壮観な作りとなっているだなんて……



俺の前にあるのは、4階建ての横長い建物で、配色は他のと同じで白と灰色を混ぜたもの。ここは学院敷地内の東側であり、学生寮のところだ。



「まあ、ぽかんとしてても意味ないし、早速入ろう!」



王侯貴族の令息と令嬢が通うような学院だし、ここまで堂々とした外観で作られていても別に不思議じゃないはず。



「オケウェーさん、ですね?昨日から既に伺いましたけど、本当に南大陸からの方なんですねー?」



俺が寮の玄関を潜るや否や、親切そうに出迎えてくれる女性がいる。銀髪セミロングを後ろで一括りにしてメイド服も着ているようだけれど、どこか品位の高さが窺えるような立ち居ぶるまいで俺を中へと案内してくれそうだ。





ん?というか、俺が【南大陸】からやってきた留学生であると知っておいても、差別のような眼差しいや言葉を全然感じられないようだが?



「オケウェー・ガランクレッド。今日からこの学院に入学するフェクモ大陸からの生徒だ。自分の名前は既に昨日から知っていたと言ってるみたいだけれど、一応学生としての礼儀のために自分からでも名乗っておいたよ」



控えめな表情を浮かべて会釈しながらそう自分のことを紹介すると、



「ふふ……何故かこちらを見て疑ってそうな表情してるんだけど、大丈夫ですよ、オケウェーさん。私は他と違って、偏見な目で人を見たりしないんですっ!だって、同じ人間ですから」



先を歩きながら優しい目を俺に向けてくるメイド服の女性だ。ふむ。どうやら彼女は本当に裏表なく、差別を好まないタマらしい。よって、俺の出身地がどこからだろうと気にしない系の人間だ。なんか嬉しいね、初めてこの学院で担任先生以外にこう親切に扱われると。



「ああ、すみませんっ!私の自己紹介はまだですね?では、私はこの学院の寮母であるマティールダですよ。マティールダ・オールブライトと言います。よろしくお願いしますね」



歩いていたのを中断して俺の方に向き直ってから丁寧にお辞儀してくれる寮母のマティールダさん。なんか年齢は学院長とさほど離れてないというのに、反対に優しくされるとなんかくすぐったいというか照れるな。



………



「では、ここはオケウェーさんの部屋となりますよ。一応、オケウェーさんは男性ですからそれに配慮する形で、ここの廊下に並んでいる部屋すべてを誰にも住まわせないようにしているんですけど、ここは元々女学生だけが住んでいい寮だったのでそれも忘れないで下さいね。こちらの廊下に女学生がやってくることは滅多にないはずですが一応自分が男であるということも心掛けて行動して下さいね」



「分かった。じゃ、夕食まで部屋にいるけど、その時間が来たら呼んでくれていいのか?俺、晩飯の後は午後8:00時に入学試験を受ける予定があるんだ」



「それならいいですよ。では、その時になったら呼びにくるからそれまではごゆっくり寛いで下さいね」



「はい」



これなら安心だね。たとえ夕方に横になっている時にうっかり眠ってしまったとしても、夕食前に誰かが起こしてくれるはず。



それから、俺は部屋に入るなり、ここを隅々まで見て回った。



「簡素な拵えでありながらもいくつかの調度品は上品なものが多いなぁ。それにベッドもふかふかだし、至れり尽くせりだな」



こればかりは有難い限りだ。



だって、ベッドが堅いとか言い心地悪いなら毎日は寝不足ばかりになっておじちゃんの病を直すための【精霊術】を勉強するのに集中できないからね。



「よしっ!寝よう!」



時刻を見てたらまだ午後3:00時なのでさっきのいざこざから心身ともに自分を癒すために横になって目を閉じてみることにした。



すう……すう………



…………



「いよいよ時間だな!」



それから軽い睡眠時間を終えた俺は起き上がり、明日の俺にとっての初の授業に出てくる科目の予習と勉強をしておいた。



初日の寮に知り合いとか友達が出来そうもないので、マティールダ寮母に呼ばれるまでもなく自力で下の購買部でソーセージの入ったパンを外で食いながら入学試験が行われるであろうあの忘れ得ぬ【訓練場】へと再び向かっていく。



「こ、こんばんわ。あ、あの、お、お...肌がそうなっているなら、あなたがお昼の食堂にいたって耳にした【フェクモ大陸】からの新入生の男子生徒ですね?」



「そうだが、あんたは?」



俺が訓練場に着いて入学試験が開始される舞台へ上がっていくと、中央から俺に気づいて小走りに近づいてきた娘がいる。



ストレートヘアな濃いオレンジ色のセミロング髪の毛をしているその好奇心旺盛な少女はキラキラと眩しい笑顔を浮かべるだけじゃなくてどこか控えめで清純そうな雰囲気も纏っており、上手い具合にその前向き過ぎる性格に見えるアクセントを加減良く軽減できたもの。つまり、自制の利くタイプの陽キャラ女子ってこと?



「ジュディ・トームプソンです!私は平民の子だけど、普通の中等魔法学院から【聖魔力】の【魔術行使】への変換速度がずば抜けて早いって言われてたからここの【聖エレオノール精霊術学院】への入学奨学金をもらえたんです」




「へえー。すごいな!奨学金っていうと、もしかして国家政府から?」



「はい!国王陛下様から直々に頂いたんですよ!ふふ~!」



よほど高く買ってもらっているんだろうなぁ、 ジュディの『魔術の発動までの速度』って。【聖魔力】の【魔術行使】への変換速度が早いって言っていったし。



「僕も会話に混ぜていいっすか?」



「ん?」



俺とジュディが話し合いに花を咲かせていると、横から男の子の声が聞こえた。茶髪ショートヘアをしている彼はにっこりと微笑みながら、こちらの方に向かってくる途中だ。



「ほえ?」



「『ほえ』とはご挨拶だな、あははは!ジェームズだよ、僕の名は。ジェームズ・リッチモンドといって、そこのジュディと同じく平民の出の子ってことっすね!」



「さ、さっきの聞いてたんですか!?えっと、 ジェー、ジェームズさん!」



「あははは!!悪い悪い、つい近くにいたから否が応でも耳に入ってくるものっすよー!」



どうやら二人ともこの訓練場で初めて初対面で合う新入生同士なのだろう。俺と同様に入学試験を受けるためにここへきたようだ。



そして、きっとそのジェームズっていう男の子は俺に並んで二人目の男子生徒なのだろう。今年は共学になったばかりだと聞いたし、俺以外に男がいても不思議じゃない。...うん?



二人が話に興じるのを見てるとつい聞きたくなった、



「二人ともここで入学試験を受けるために来たんだよね?俺ならともかく、なんで元々【北大陸】の住民であるあんた達が他の学籍入り済みな生徒と違って、まだ入学試験を受けてないんだ?俺の方はやってくる時期が数日間遅かったってのもあって、先に試験を受けるのは不可能だったが二人はここの王都の者だろう?」



「そ、それに関してはそ、そのぅ……なん~っていうのかな、あはははぁ...」



ん?妙に歯切れが悪いな、ジュディの返答って。



「そうっすね……まあ、あそこでまだ試験の内容を決めてる最中の講師達がいるし、時間がありそうなので少しばかり話してやってもいいっかあー」



それだけ前置きしたジェームズは、次にこういうことを言った、



「...差別だよ。多分そうっすね!」



「へえー?」



言われた言葉の意味がそのまま信じることができず、つい聞き返した俺。



「だから、きっと差別だって言ってるんっすよ!だって僕達、平民の子だからか他のご立派な令息令嬢と同じ日で試験を受けさせてもらえなかったに違いなかったんっす!」



俺の耳元近くまで声をちょっとだけ上げたジェームズが自分の思ったことを言ってきた。



「その根拠はー?」



そう訪ねた俺に、今度はジェームズではなくジュディの方が真剣な顔になって答えてくれた、



「根拠も何も、数日前で入学試験が行われるここで、当時はまだ授業初日もまだ始まってないここの学院へ呼ばれてきたのは貴族の出の子達ばかりだったから。私と彼、…ジェームズ君は呼ばれてなかったんですよ?」



「ふむ...」



確かにわざと試験の日を先延ばしにしただろう、『平民』だからってだけで。



「既に授業が始まっている今日の夜であんた達に試験を受けさせるなんて、学院側も案外、名前の通りに【聖】がつく程にそこまで神聖って理念を持ち合わせていないようで、がっかりだよ」



「「ーー!?」」



俺の言葉に目を見開く二人。



「しーーっ!オケウェーさん!そんなことを堂々と言わないで!『彼ら』に聞かれてしまいますよー!?」



「そうだそうっすよ!僕達のために憤慨してくれるのは嬉しいけど、トラブルに巻き込まれるの嫌だかんねー!?」



慌てて俺を黙らせるために鬼の形相で至近距離まで迫ったきた二人。まったく!大袈裟だよ、二人とも。別にあそこまで聞こえるような声で言ったわけじゃないのに……



「それなら言葉を謹んで話すけど、学院はもっと身分差ではなく公平に実力だけで測るべきだ。試験が始まる前では実力の測りようがないのだからな」



こればかりは正論を言ったつもりだ。



「あはは...そうですけど、この国では身分の方はーああ、いけません!これ以上はー」



「オケウェー・ガランクレッド!前へ進みなさい!」



ジュディが言葉を言い終える前に、俺を呼ぶ声が聞こえた。教官っぽいベレー帽と軍服を身に着いた学院関係者の女性だ。恐らく教師陣の一人なんだろう。



「はい!」



言われた通り、前へ出た俺。闘技場の中心まで進んだ俺はあそこで立っている教官の指示を待つと、



「前には三つの訓練用のための的がある。【四元素】の魔術のどちらかを使い、それら全てに当てるつもりで撃ってみろ!」



「承知した!」



軽く承諾の意を示したら、直ぐに【四元素】の魔術の発動に気を集中する。



【聖魔力】を使うのはここの大陸にきて初めての日になったな。



さっきのドタバタみたいな状況の中でまぐれ的に物理法則無視とかなんとかって類の方まで使えちゃったっぽいんだけど、今は基礎魔術の実力がどこまでなのかを測るためだから落ち着いた状況での魔術使用の練度を試すってことも試験の狙いの一つなんだろう。



よし!



【四元素魔術】というのは、【火】、【水】、【風】や【地】といった四種類構成の魔術で分類され、自然界にある元素に似た形の【聖魔力の放出】を的や対象物に向けて攻撃するための魔術だ。



つまり、【火】系の魔術なら、普通の非魔術的な原因で発生した火の形や効果と同じか、それ以上の規模や力を誇って業火と化し、攻撃力最高の魔術にもできるってこと。



今回、あれらの的を撃つのに俺が使うことにしたのは【風】の魔術だ。昔、おじちゃんの本のコレクションで拝読したことによれば【火魔術】は一般的に多く使われている、いわゆる『テンプレ』的なものだから俺の実力を測る上ではあまり使われてなかったっぽい【風魔術】を使うのが手っ取り早いだろう。



「はあああーーー!」



聖魔力の行使に集中している今の俺の身体を包み込んでくるのは淡くて白い光のオーラだ。



四元素魔術を一秒で発動するなら、なんか今の俺でもできる気がするんだけど一応『彼ら』に向かって『普通な学生です』ってアピールするためには普通に力を貯める『茶番』もしておかなくてはな。



体内に宿る【死の息吹】をすべて心臓の一か所のみに集束しておいたから、身体中に【聖魔力】の微細的な量を活発化し、増やすことに対する障害もあるまい。がら空きだったんだからなあー!俺の体内は!



「切り裂け、【翔刃烈風斬ウィンド・ブレイド】!」



足元に魔術の発動に伴う魔法陣が浮かぶと同時に、右掌から風の刃を出現させる俺は的の三つに向けて、次々と連続で3回の風の刃を撃ちだした。



バサーー!バサーー!バサーー!!



狙い通りに、全てが命中したようだ。風の刃で正確で綺麗な断面を残しながら両断された【浮遊性小柱フライング・ピーラー】という的の役割を果たしていろ訓練用の魔道具が地面に落下し、動きを停止しているようだ。



本来ならもっと詠唱が長かったはずのあれを俺が短縮させるための【詠唱破棄】を試してみて成功させてみせた(まあ、さっきのオードリーとの一件も詠唱破棄してしまったけど)。



ちなみに、【翔刃烈風斬(ウィンド・ブレイド)】というのは【四元素魔術】のすべてにおける第一階梯の【魔技マジック・アーツ】なので、一応【詠唱破棄】することを選んでもあまり異常だと怪しまれることもないだろう、多分...(あはは)。



ちなみに、【四元素魔術】に関する第一階梯の【魔技マジック・アーツ】情報は本屋で売られてる【四元素魔術の入門者へ】って本を読むことで既に一般的に唱えれるようになった詠唱なので、非魔術使いでもその第一階梯【魔技マジック・アーツ】に使われる詠唱ぐらい知っていても不思議じゃないだろう。



詠唱の言葉についてはおじちゃんの本で読んだことがあるということで、自分の記憶力を駆使してそれ一つひとつを思い出しながらも敢えて【詠唱破棄】を選んだ。



「これですべて命中したよ?次は?」



たとえ魔術を使えても、自動的に追跡して的に当たるようにできた類の【魔技】ではないので自分の感とターゲット捕捉の能力だけで当たらせる必要があった。これも何年か森の中で狩りをした経験を活かして成功に導けたものだ。



「……あっ……あぁ...っ」



そこで、言葉も発せずにいる教官がいるけど、何でなんだよー!?自分の使っていた【魔技】は第一階梯で派手にやったつもりはなかっただろうに!



も、もしかして今までの新入生は【翔刃烈風斬(ウィンド・ブレイド)】を使っていても、さっきの大きさと正確さと切れ味抜群なものを撃ってしまった俺のほどじゃないってことー!?



「……わ、わおー」



「いやいや、めっちゃくちゃすぎんだろう、あいつ...」



ふと、後ろの二人に向き直れば彼らも似たような反応で俺を見て感嘆としているようだ。まったく、ただの第一階梯のものだってのに騒ぎ過ぎだぞ、どいつもこいつも!



俺の【死霊魔術】の数々を目撃でもしてしまったら卒倒するだろうな、あの二人。



…………



……



それから、次はジュディの番のようだ。どうやらさっきの試験は最初で最後だ。あれだけで採点をするつもりのようらしい。



後から二人に聞いてきたけど、どうやら過去の学院歴史書を参照していても、普通に試験を受けてきた一年の新しい学生は殆ど【翔刃烈風斬】を使う時があってもただ小さな風の刃を生成し、当たっていても両断までとはいかず、ただの小さな切り傷ができた程度で小柱を撃ち落とすまでには至らないらしい。



つまり、俺のやったことが如何に極稀で、珍しい快挙だったかを物語る。



「では、行ってきますね!オケウェー程にめっちゃくちゃすぎて【詠唱破棄】するまでとはいかないけど、しっかり見ていてね!ガッツんってやっちゃいますからー!」



意気揚々と闘技場の中心に向かっていったジュディに、



「あははは……元気そうな子で何よりっす。なあ、オケウェー?」



「まあなあ」



軽く言葉を交わすと、ジュディの放とうとする魔技に注目する俺達。



「やあああーーー! 我が敵を滅さんがため声に応じるべし!小炎なりても我の元にはせ参じ給え!【小炎火災砲(スモール・フーレムズ・オブ・インフェルノキャノン)】!!!」



ジュディの右手から火の砲がごとく、手のひら先から放たれたのが一直線に真っ直ぐと的の一つに向かっていった一線の火砲だ。まるでビームかのように伸びていくその火の直線性火炎は用意された新しい的の一つを小さな穴を開けながら通過していく。



バー――ン!



まあ、舞台の外へと飛び越えようとした【小炎火災砲(スモール・フーレムズ・オブ・インフェルノキャノン)】は安全用の【小規模防衛障壁】って【物理法則無視】っぽい魔技らしき障壁で止められちゃったけど。きっと、学院長かさっきの生徒会長が事前に発動してくれたんだろう。



ここで放たれた魔技が闘技場の外へと越えていけないように施された安全保障の措置として。



「えへへへ.....これでどうでしょう?最後の【浮遊性小柱(フライング・ピーラー)】はかすり傷の程度で前のと違って穴が出来るほど貫けてないようですけど、悪くない出来でしょー?」



「確かにすごいな。さっきジュディが話した【聖魔力】を即座に【魔術】へと変換する速度が早いというだけあって、やっぱりあの【第一階梯の魔技】の長かった詠唱言葉をも2行程度で短縮できたことは実に上出来だと思うぞ?」



「えへへ...まあ、オケウェーさん程じゃないですけどね!たった最後の一行の『切り裂け、【翔刃烈風斬(ウィンド・ブレイド)】で発動できたなんて!いくら何でも新入生として規格外すぎでしょー!」



あははは……そう言われると返す言葉もないか。って、まだそのことについてツッこんでくるつもりかよー!?



「じゃ、僕の番のようっすね。お二人のように上手く出来るといいんっすけどなあー」



「ジェームズ!頑張れよー!俺以外に唯一の男の友達になったばかりそうだからな、あんたと」



「頑張ってきて、ジェームズさん!平民の私達の維持を彼らに見せつけてきてよねー!」



励ましの言葉をもらったジェームズは俺達と違って、少し緊張しながらも試験を受けるべく中心位置に歩いて行った。



「はああーー! 石よ集いし群れよ、小さな球となりて敵に襲いかかれ。力を合わせて飛び出せ、敵を打ち砕け !【少額小球撃礫(スモールサイズ・タイニー・アタックロック)】!!」



ジェームズの右手から発されるのはいくつかの小さな礫で、それが少額の浮遊してる群を成して、宙を翔けて的に向かって飛び襲っていく。



「ガチャガチャガチャふがちゃ―――!!」



一つの的に当たった。見事に数々の小さな礫の集団を的に命中できた。



「ガチャガチャガチャ!」



次の再びの【魔技】の発動もまた当たって。



「すーーーううーーバチャーバチャーん!」



どうやら最後のは上手くいかなくて、的の横を横切って行った小さな礫の群れは前方の障壁に当たり、粉々に砕かれているだけだ。



……………



………



「あははは……最後のみっともないもの見せてしまったっすね」



「いいえ、いいえ、十分に凄いと思いますよ、ジェームズさん!これでも平民だからって実力であっても一部の下手そうな貴族家のお嬢様お坊ちゃまに遅れを取ることはないって証明できたんですからね!」



「まあ、落ち着け、ジュディ。平民差別らしき対応で日付をずらされてまで試験を受けさせられる不満があるだろうが、あまり貴族さんを舐めて大口を叩きすぎると後から痛い目を見ることになるぞ?」



「えへへ~。まあ、それもそうかあー。ごめんね、オケウェーさん。少々舞い上がってしまっていました!」



「分かればいい。今この学院において、平民の出は俺達3人しかいなさそうだから、これからも仲良くやっていこうぜーー!」



「そうっすね!僕達、育ても出身地も、そしてオケウェーに至っては産まれの大陸と肌色さえ違う者までいるけど、貴族家のお坊ちゃん嬢ちゃんではないってことに関しては僕達3人は同じだかんねー!お互い、これからも良くサポートし合いながらやってこうっす!」



「もちろん!」



芽吹いた新たな友情を確かめ合った俺達3人は、仲良くワイワイとお互いを励まし合いながら、笑い声を伴った軽いお喋りに興じるまま、3人そろって寮へと向かっていく。



……………



……



試験の採点が終わる予定は明日の早朝らしい。



その時点になったら、俺の入学する資格が正式に認められるかどうか、学院長室で結果を聞かされるらしい、それも一時限目の授業が始まる一時間前の御前7:00時で。



昨夜の俺達に対する教官の驚愕具合を見た限り、落胆させるような採点を残すはずが0.0001ミリも無いはずだ。



俺の風の刃も見事にすべての的を両断しちゃったし、落第する可能性がもしあろうとすればただの学院長の卑劣で不当な妨害によるものだけだろう……



前に学院長と話していた時、氷の竜を討伐することになった件については俺の参加を『学院の客人』ということで承諾してくれたことがあったからな。



だからそんな妨害みたいな事してくるつもりはなさそうだとは思うのだが、果たしてどんな結果になるのか、早く明日になればいいと思い、寮の自室に帰るなりぐっすりと眠りに落ちた俺だった。





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