精霊術学院の死霊魔術使い

ワガドゥー男子

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第81話:転換点

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『みゅううぅぅ~~~~!?みゅみゅうぅぅぅ~~~~!!!?』



ブシューーーーーーーーーーーー!!!



クレアリスの【 レインボンバー・ザ・リシャー】にて放たれた巨大な青色の矢が真上の宙へ向かってジュディとクレアリスを囲んでいる一部の『薔薇の兵士』が軌道上にあるので、当たらないために避けていた『薔薇の兵士』2体がいるがーー!



「せやああーーーー!!!」



バコオオオオオオーーーーーーー!!!

「ひゃああーーーーん!!」



ゴドー!ゴドオオーーー!!



その矢を撃つことに全神経を集中させたクレアリスだったので、成す術もなくジュリアからの奇襲の飛び蹴りを背中にくらい、包囲網を突破しているように見えても実際はそこへ吹き飛ばされていったことにより、複数の『薔薇の兵士』が好機とばかりに吹き飛んだクレアリスの身体に自身達を付着させて、今はあそこで地面に転がっているクレアリスにたくさん群がる『薔薇の兵士』がいるのだー!



「ひゃああーーん!?ひゃうーー!?今のなし~!くすぐったいからもうやめー!?~~あはははは~~!?あはあはははああはははは~~!?」



ター!ター!



「もう止めてよ~~!?あーはははは~~!?んー?」



ター!ター!



「クレアさんー!」



どうやら、『薔薇の兵士』が全身の上を這いまわることにくすぐったさを感じてるクレアリスのようだが、実はその間にもその小さな薔薇たちからの【浸食】が進んでいて、オードリー同様に聖魔力も体力も吸い出されていってる模様!



クレアリスのことが心配で助けにいきたいジュディなのだが、残っている13体の『薔薇の兵士』がさらに包囲網を狭くしてジュディをじりじりに追い詰めている最中なので、【炎の盾ファイ―シールド】でぶんぶん振り回し、どうにか近づかせないよう頑張る彼女がいるだけで一杯だった!



「どうだ?効くだろう?わたしの【捕食薔薇獣化恐撃ザルクトゥー・アゼールサイノス】は…」



「はァァ……はぁぁ……はァァ…」



ちょこんとクレアリスの身体の上に座ってやっとおとなしくなった『薔薇の兵士』達みたいだが、なぜかクレアリス自身が脱力した後みたいに地面に上向きに横たわっていて立ち上がろうとしない様子!さっきのオードリーみたいに【聖魔力】も【体力】も薔薇たちに吸い出され、動くのに億劫そうに見えるだろう!



ター!ター!



「さ~て。……青髪の子……いいえ、『クレアリス』だったか…、まずはお前から退場してもらうが覚悟はいいのだなー?」



「……」



そこには『薔薇の兵士』達によって聖魔力と体力を奪われながら組み敷かれているクレアリスがいる!



そして、ジュディも未だに別の『薔薇の兵士』達による包囲網が狭まった中から抜け出せない様子だ!



挙句の果てに、あそこにもさっきから『薔薇の兵士』達により聖魔力が多く吸い取られただけじゃなくて倦怠感にも襲われ、体力も弱まっているオードリーがやっとの思いで立ち上がれたのに、歩くのも怠そうでとても戦闘できる状態じゃないー!



彼女達3人の劣勢に、更にー!



「これで終わりだー!【敵全身四角茨覆尽聖魔吸収ファーノイ・ルミナ=アールネグマイーズ】」



シュルルルルルルルルルル--------!!!



「くーッ!ぎ~!」



恐らくジュリアの鞭の一部が抜け落ちた一欠けらから発生させたか、地面から成長し増殖しつつ生え出てきた茨の蠢きだしている触手で四角い茨の檻が徐々にクレアリスの周囲で展開され、やがてー!



「き~ヴぃーひびゃゃああーーぅん!!」



徐々に四角い茨の檻が狭まって、狭まって、包囲網が完成されたので、クレアリスは抗う術も持たぬまま人一人がぴったりとぎっしりで入れる小さな箱型の茨に閉じ込められたようだー!



ズーー!!ズーー!!ズズズズズズズズズウウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!



「--!?さっきのあれかー!?」



どうやら、さっきからクレアリスが大きな矢を天高く放って、光が雲の中で炸裂してから1分後か2分後も延期された【 レインボンバー・ザ・リシャー】という魔技の最終展開である空からの100発の魔矢が降り注ぎ始めるようだがー!



「はあああーーーーーー!!!【千線茨触手槍ネルトアー・アギネイサッス】--!!」



鞭の先端を地下に潜らせたジュリアがそう唱えると、いきなり地面を突き破って、千まで及ぶ茨の触手達が天高く真上へと伸ばされていって、クレアリスが放って降り注いできた計100発の魔矢を見事に圧倒して迎撃できたようだ!



「終わりだな、クレアリスー!!」



魔矢が当たれば、どんな効果を着弾した対象にもたらすか、分からなそうな顔してるジュリアだったが、すべてを迎撃できたことからそれを知る必要もないと思うはずだから勝ち誇った両手を腰に当てるポーズをし出してるジュリアがそう宣言するとー



「さて、それはどうでしょうねー?」



バコオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!



「---!?」



驚愕の顔で振り向いたジュリア!



それもそのはずー!



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ-----------!!!!



卵の形みたいな隆々と燃え盛るオレンジ色の紅炎が後ろから炸裂して、轟音を鳴り響かせた―!


「まだ私がいますよー!これからは私の訓練の成果、見せてあげるから良~く見ていて下さいね、ジュリアさんー!」


どうやら、なにかの精霊魔術を発動させ、さっきからジュディを取り囲んでいた13体の薔薇の兵士達が燃やし尽くされたようだー!



前にジュディは【大火暴砲撃バランディーガン・フォヌ 】も試しに撃ってみたようだが、『薔薇の兵士』達によって夥しいほどの赤い葉っぱが薔薇から炸裂した後、炎のビームを素早く自動的に食い止めてみせたので包囲網が崩れることなかったが、今回の卵の紅炎だけは全てを燃やし尽くすことができるようだ!



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーー!!!



プシュウウーーーーー!



卵の形をした炎が一瞬で消え、ジュディが出てくると、



「お前―!そんなバカな―!?最初に戦った時のお前からはそんなに聖魔力が多く要るような強力な精霊魔術を使えないだろうと踏んだのに、どうしてそんなことがー!?」



「えへへへ~。【卵形爆焔大紅炎撃ニシャタシャー・フレーユテー】だって言いますよ、これ~!自身の身体を中心に展開し、卵の形をしている紅炎が私の位置から半径8メートルに炸裂し、さっきの薔薇のバケモノ達を跡形もなく消し炭に出来ちゃいましたよー!」



「そーそんなバカな―――!?」



ジュリアが侮っていたジュディからそんなすごい精霊魔術が発動されたことが信じられないのか、やっと余裕の顔が崩されたジュリアが一瞬垣間見えたが、すぐにー!



「(にやーッ!)はー!それがどうした、オレンジ髪の少女!だって、お前の仲間のこいつはもうお終いなんだぞー!」



「えー?」



ゴード!



バサーー!!



「………」



「~!?く、クレアさんーーーーーー!!!」



手遅れだったのか、さっきから茨の檻に閉じ込められていたクレアリスは凄まじい勢いで聖魔力を吸い出され、空っぽになって意識を失った青色の髪をしている彼女が檻から解除されたと共に、あそこで倒れて起き上がれそうにないようだー!



「意識を失っいる模様!カウントダウンするぞ!10-!9-!8-!」



「そ、そんな……クレアさんーー!!」



「うぅぅぅ……」



訓練の成果もあって、【聖魔力】をたくさん吸い出されたオードリーでも徐々に聖魔力量の回復が進みながらふらふら状態でも起き上がってジュディの方へと歩いていく様子だが、クレアリスが気絶しているっぽい様子を見て不安を募らせているジュディが耐えられずクレアリスが起き上がれるよう名前を叫ぶ……





………………………………………………………………………………





…………………………………………





クレアリスの視点:



「5-!4-!3-!」



(これで、やっとこの戦いから不自然に疑われることなく抜け出すことができるのね……)



「2-!1-!ジュリアの手により、クレアリス・フォン・シュナイダーは脱落!『チーム・オケウエー』!残るのはまだ戦える状態にあるオードリーとジュディ!そしてあの巨大な真っ白い『聖霊魔術』たる球体が未だに発動されてるその中で戦っているだろうオケウエーだけだー!『チーム・純粋なる淑女』残りのジュリアとクリスティーナ、ジュリアがこれから敗れても戦闘終了にはなれず、あの巨大な球体が解けてからリーダーのどっちかが勝ってから確認するまで終わらぬのだ!」



(うち、確かにさっきの茨の檻の吸い取る威力がこれほど強力なのは初めてよって感じだったけれど、普段、オケウエー達に見せてきた聖魔力はうちの10分の1しか見せないようなものばかりで、大半はうちのこの『股間』で集束して【真っ黒の楔】で打ち込まれているから吸い出されづらくしておいたからね~)



(…で、これでうちが【異常な子】だってバレずに済んだけれど、難点はすぐにスタミナ切れしたり、こうして『股間以外』の全身からの聖魔力を吸い出され易かったりといったような物ばかりだけど、今回ばかりは好都合なのよー!なぜならー!)



これからの『2分間だけ』起き上がれないのは確かのようだけど、『気絶しているふり』をしているクレアリスが横たわりながら、次に脳内で思い浮かぶ考えはこうだー!



(さっきから、シャルロットがジェームズ君に向かって、歩き出そうとした【意思】があの装置から伝わって確認できたから、恐らくハニートラップを仕掛けに行っているはずの『彼女』は、今頃ジェームズ君を『冤罪』の事件にでも巻き込もうとしてるシャルロットでしょうから、すぐに彼女を止めにいく必要のあるうちからすればこれほど恰好の芝居は他にないのよね~~ふふふ……)



(大丈夫よ、ジュディ……そしてオードリー嬢…うちがひとり脱落していなくなっても、きっと勝てるのよ!今のうちの役目は、クリスティーナの謀略を打ち砕くことが先決よ!あの男に何かあれば、同性の友達も気に入ってる【漆黒の魔王】の正常な思考力が感情によって揺れ出しちゃうでしょうし……そしたら、【黒絶の魔女】であるうちまで面倒見しきれるかどうか、……分からないんだもの…)



2年生の【特別治療遊撃隊】の子達に担架で運びこまれていくクレアリスの脳内に、残されているジュディとオードリーに勝利を託しながら、そんな思惑があるようだ!





……………………………………………………





……………………………





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