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第95話:イーズベリアの失言ならぬ『失念』
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1月30日の土曜日、午後6:55時の王都クレアハーツの『エルノイン地区』という貴族街にあるオケウエー男爵の屋敷に向かっている途中のイルレッドノイズ姉妹:
「彼の家、ここで並んでいる邸宅のすぐ奥の方にあるなのかしら?」
「ウむ。場所は丁寧にこの地図を渡されてまで教えてもらったからな。間違えるはずがないデスぞ」
クリスティーナとリーリスが連れ立って歩いていくと、確認のためにそんな言葉を交わした。
「……しかし、姉者についてもびっくりしたのですね。…あれほど大の男嫌いだった姉者が、……いきなりオケウエー様に負けたからっといって、すぐに男性である彼ひとりだけを認めて、これから培ってきた【純粋なる淑女研鑽会】での理念も方針も姿勢も誇りも全部ドブに捨てるとは.....そして、一人の男子と良好な関係を築こうとするなんて……もしかして、オケウエー様の大聖霊のお力により、過去でも覗き込まれてしまったからなのですか?…ほら、エールム様のことが…」
妹の問いに、一瞬深刻そうに何か考え込んでいたクリスだったが、やがて微笑を浮かべると、
「…ウん、…モう過去に起きた最悪な経験に翻弄されずに、影響されぬように新たな人生への第一歩でも踏み出すべき時期がやってきたなって自覚させられた良い勝負デシタ。……ダが、決め手はやはり、キミの言う通りにオケウエーくんに『あれ』を見られたからな。デないと、キっとなんとか誤魔化して、お互いが持っていた姿勢を崩せないまま不器用で石頭なんデシタな、アタクシが…」
目を閉じて何か真剣に思いを馳せる姉に対し、
「でも、そのお陰で、リリはこうして、普通に姉者と話せるようになったのですし、いつも『リリの過去』のせいで嫌悪感ばかり向けてくることもなく今はその吹っ切れた感じの方が…好き、なのですよー?」
妹の言葉の意味が脳内で吸収されると、クリスはたちまち赤面して、そっぽを向きながらこういう、
「……アあぁ…ソのことに関しては、……今までキミにきつく当たっていたこと、…………済まないな。モうやらないって、モう犬も鳥も殺さないって、酷い扱いもしないって一キミが誓って、ソして一所懸命に【残虐なる衝動】を抑え込もうと頑張っているキミの努力を、……嘲笑ったりしてきたことを謝ろう。…確かにあまりにも愚かデシタ。……アタクシが自分の過去に対して、エールムくんを上手いこと更生させる努力も手放しながら、男性全てにい対して責任転嫁ばかりして嫌っているだけでなく、自分に対する嫌悪感も苦労していたキミの【残虐なる衝動】に対しても全てきつく当たり過ぎていて、事あるごとにキミを我が家の者として扱っていないことも詫びる。ドうか、……過去のことを忘れて、一度からやり直していかないデスか?姉妹として......」
切実そうな表情で斜め右の前を歩いているリーリスに訊いたクリスに、
「姉者がそう望んでいるのなら、リリも断る意味がないというか……まあ、とりあえず!好きにするがいいなのですよ。……うん!」
「ソう。ソう、…デスな……」
お互いの姉妹としての関係の修復はこれからも大変らしくて、片方が俯き、片方が両目を閉じて過去の出来事でも後悔するような浮かない顔になり、どっちでも急に沈黙し出すようだ。そんなギクシャクな様子を見せる二人は、
「ああー!ここなのですね、オケウエー様の家は!」
辛気臭い雰囲気を出している二人から気分転換にでもする最大の機会に、やっとオケウエー男爵のものと思しき屋敷がもうすぐ左にあるゲートの向こうに見えたので、そう声を弾ませたリーリスがいるのだった。
姉のクリスティーナもこう反応する、
「サっそく鈴を鳴らそう」
キーン!コーン!
門の横に設置されている鈴を鳴らしたクリス。続いて、
バ―タ!
「クリス先輩ー!リーリスちゃん!来てくれたんだね、俺の家へ!」
鈴の音につられるように、白髪の後ろ髪が冠みたいに三つ編みで締めくくられたショートヘアの小柄な女の子に伴われているオケウエーが出てきて、クリスティーナ達を出迎える!
………………………………………
オケウエーの視点に切り替わった:
「さあ、上がって下さいね、クリス先輩にリーリスちゃん」
門を開けて中へ入るように手招きすると、クリス先輩が遠慮がちに足を踏み入れながら、控えめな表情で中へ入ってきたけど、リーリスちゃんに至っては姉よりも朗らかに笑みを見せながら、こう返事した、
「ありがとうございます、オケウエー様。さっき試合が終わったばかりなのに敵対チームであるリリ達をそちらが開催するパーティーにまでご招待してもらえるなんて嬉しいなのですよ~。……(ほら、姉者ー!なんとか言ってくださいよー!人の家なのですよ!)」
なにやら小声でクリス先輩とひそひそ話して囁き合っているリーリスちゃんのようだが、少し固まっている二人を見ていたら、
「ーソ、ソうデスな…。デは、コホン―!…オケウエーくん、喧嘩を売っていたアタクシ達にも関わらず、親切までに自分達をキミら【チーム・オケウエー】が開いている祝勝会へ招いてくれて感謝するんデスぞ。…約束した通り、妹のリーリスも連れてきたのデスし、コれからは良好な関係を築き上げられるよう尽力するつもりデスぞよ」
クリス先輩に面と向かって、スカートの裾を摘まみながら改まったような挨拶をされると、さすがにくすぐったいと感じるので、
「もう、クリス先輩ー、そんなに畏まって挨拶する必要はないだろうに~。俺達、もう友達だろうー?...さあ、気軽に入ってきて、入ってきて~!みんなが待っているよー!」
精一杯満面な笑みを浮かべて家の中へ入るようにドアの方へと歩き出していく俺に、
「それは楽しみなのです、オケウエー様~!ひひひ~。……あ、ところで、オケウエー様。貴公の側に付き添っているその子、誰なのかしら?内の学院の制服を着ているようですが、見ない顔なのですね…でも可愛い~なのですよ~!」
イーズのことかぁー。…緊張していたクリス先輩を見ていたから、俺まで慌てて彼女が笑顔になれるようにみんながいる中へと連れていきたいばかりで紹介するの忘れてしまったな!
よし!
「この子か?それなら彼女のことも紹介させてもらうね。何を隠そう、俺の自慢の契約精霊、大聖霊イーズベリアの【真体姿トゥール・フォーム】なのだからね?ほら、イーズ!お前からも彼女達に挨拶してやれ」
「了解……。では、クリス姉ちゃんとリー姉ちゃん、イーズこそはマイ―マスター、……オケ兄ちゃんの契約精霊である......イーズベリアだよー。……今後とも、よろしくお願いするね......」
淡々とした挨拶に見えるけれど、実際には伝えたい言葉をきっちりと丁寧に伝え終えたイーズに対して、
「わああおー!その子供っぽいたどたどしくて愛くるしい言葉遣いと言い、お人形さんみたいに可愛すぎるなのですよ~~!オケウエー様の大聖霊様の【真体姿】、素敵すぎて羨ましいなのですね~!」
イーズの愛らしい姿がたまらんのか、それだけ言いながら嬉しそうにイーズと握手したりハグしたりするリーリス。
...........
さっき、午後の5:17時辺りの時刻に保健室を訪れたが、ジェームズの奴が起き上がったばかりなので、急いでみんなと一緒に学院の敷地内を出て、俺の屋敷へとお風呂に入ったり、パーティーに向けての色々な準備を整っていた。
クリス先輩も参加すると皆に教えたら、最初は戸惑ったり、ヒルドレッドに至っては猛反対してきたメンバーもいたが、やってくるのはイルレッドノイズ姉妹だけだと知り、矛を収めたヒルドレッド。
「(やっぱり、レイーザリンもジュリアも来なくてほっとするよね……)」
なにせ、レイーザリンはまだ起き上がれないままで保健室で寝たきり状態だって聞かされたし、ジュリアに至っても、最後はオードリーの究極奥義によって氷漬けにされたがその後は気絶したままの身体を【特別治療遊撃隊】が女性用の保健室へと運んでいったそうなので、たとえ万が一にもジュリアまで来たいと言われても来られないんだが、未だにわだかまりが消えぬ中で二人が不在なのはいいことだと思う。
「(まだレイーザリンとヒルドレッドの仲は険悪のままだしな……)」
学則の規定により負けた方が勝った方のお願いごとを一度だけで聞く義務が『特殊な場面』だけで定められているので、学院の授業がある平日の月曜日になったら、レイーザリンは渋々ながらもヒルドレッドの要求を聞きにヒルドレッドのところへいく必要があるはず。
それまではずっと険悪のままかもしれないので、今は二人が出会わずに済むのは何よりだ。
ター!ター!ター!
「わあおー!ここはオケウエー様のお屋敷なのですねー!思ったより広いなのですね、リビングルームとキッチンとダイニングルームがあるだけの一階にしてはー!」
興味津々に目をキラキラさせながら家の中を見回しているリーリスだが、
「コら、リーリス!初めて戦ったことある人の家への訪問になるんデスし、少し自重しろー!」
「あ、~いたたた~~!」
右耳を摘ままれながら怒られたリーリスちゃんを見て可哀想だと思いながらもなんか微笑ましい姉妹だなってなって見ていると、
「あ、オケウエー!……『あいつら』、…本当に来ちゃったわよねー?…てっきり、最後は尻ごみでもしてすっぽかすかと思ってたわ」
「ほ、本当ですねー!な、なんか不思議ですよね、ついさっきの何時間前に戦ったばかりの……ただの敵対チームがこうして私達のパーティーに参加するなんて…あ、あ~はははは……」
ん?
さっき、ダイニングルームでみんなが色々な準備を完成させながら、クリス先輩がやってくるであろう午後7:00時の今の時刻までに待たせていたが、俺達の会話が聞こえていたのか、すぐにオードリーとジュディ二人だけが出てきたようだ。
「し、失礼なのですねー!リリだって、最初はオケウエー様のご招待がかかったのを姉者から聞いた時はびっくりしたぐらいなのでしたよー。姉者もなんか躊躇してたみたいなのですし、来なくてもいいとリリが言ってたんですけれど、それでもオケウエー様には恩があるからって親切に招待してくれた彼の事を無下には出来ないと言い、緊張しながらもやってくる覚悟を決めたんですよ~。そこを何も知らない貴公二人に言われたくないのですね!」
オードリーとジュディにああ言われてむすっとしたのか、そう反発したリーリスちゃんがいるのだった。
「…まあ、そう突っかかってこなくてもいいわ、リーリス。別に喧嘩のつもりで言ったわけではなくて、ただ思ったままのことを述べたまでわよー?気に障るなら撤回するから、これで落ち着いてもらえるかしら?」
「私もごめんね、リーリスさんー!変な事言っちゃってー」
直ぐに場の空気を柔らかく、丸く収めようと付け加えた二人がいるので、
「…そ、そう言って頂けるのなら、リリだってすみませんでしたね。すぐに喧嘩腰になってしまいまして…」
「まあ、まあ、ジュディとオードリーもこれにて反省してくれたし、さっそく二人をダイニングルームに通して皆と合わせたいので、行こうか?…クリス先輩、さっきからぎこちない様子ばかりだったが、皆の前で緊張するなら深呼吸するんだぞ?」
なんかさっきから居心地悪くしていて、沈黙ばかり保ってきた先輩が可哀想なのでそう提言すれば、
「アあ…ソうするんデスよ。…ハあぁ……フぅぅ……ナんか悪いデスね、アタクシ…。今まで、……男性に対してずっと負の感情を抱いていたばかりデシタから、……今更、男のキミの家に入って、おめおめと良いおもてなしを受けるなど、イルレッドノイズ家の人間であり、【四大貴族】であるアタクシからすれば、ちょっと恥ずかしくて、複雑な気分デスな…」
それもそうか。
今まではずっと男を避けて生活してきたからな。
いくらここで俺とジェームズだけじゃなくて他に女の子も数人いるといっても、定着してきた習慣と心理はすぐには変えられないよな。
「別に難しく考えなくてもいいわ、クリスティーナ。…自然体でいれば、同じ【四大貴族】のよしみであるあたくしもちゃんと落ち着くでしょうし、だからそんなにしおらしい態度で縮こまってないで、本来の気高くて強気なあんたに戻ってみてもいいわよー?」
「但し、男嫌いの感情は戻らくていいですからね~?」
「「「「「あ~はははははははは~ーーーーー!!」」」」」
....................
ジュディの冗談でみんなが笑い合って、クリス先輩もなんか和んできてやっと笑みを見せて笑ってるのを見ると、俺も気分を良くして、さっそく歩きだしている二人を皆に会わせるようダイニングルームへと案内してやっているとー
『オケ兄ちゃん、オケ兄ちゃん』
ん?
イーズベリアは大聖霊の一人なので、数多な精霊の中でも『契約人間』以外の人にも『人間の言葉』が聞かせられる精霊なのだが、俺のすぐ隣にイーズがいながらも声に出して話しかけてきたりせず、ただ念話を直接に俺の頭の中へと飛ばしてきたから、何事かと思い、側にいるイーズの方を見下ろすと、
『イルレッドノイズ姉妹二人も訪れてくれて、……ラッキだったね?……お陰で、機会があれば一人になりそうな場面をついて、……リーリスを狙って『愛の渇望』をかけられるように、……そして力の糧にするため、……接吻できるようになるから……」
「(……)」
この子ー!
イルレッドノイズ姉妹が健気にも、慣れないことまでして頑張って【男】の俺の屋敷への招待を快く受けてくれたというのに、イーズときたらそればかりしか考えてないんだもんー!
だから、
「あはは、ごめんな、クリス先輩とみんな!俺、少しイーズとの重要な【大聖霊に関する】内緒話をしなくちゃいけないので、ちょっとキッチンへ行くんだけど、オードリーは先輩達をダイニングルームへ連れていって下さいね!じゃ、すぐ戻るから―!」
タタタ……
それだけいって、急いでキッチンへ行くと、
バシィ――――!!
『痛だ―――!』
「(さっきはなんてことを口走ってんだよ、もう~~!!)」
イーズが変な事を皆の前で念話を飛ばしてきたから、それで変に意識してしまい、不自然にもリーリスの唇の方へと目が吸い寄せられそうになったから慌ててイーズを拳骨で懲らしめるためにキッチンへと連れてきた。
リーリスとああいうことするなんて!
そんなの、俺がまるで鬼畜野郎みたいなやり方で女の子達を魅了しながら篭絡するばかりしか頭にない変質者みたいじゃないー!
魔神じゃあるまいし、俺はそういうことを常に四六時中で考えてる訳じゃないからなー!
……確かに、色んな女の子とキスしていって、短い間で強くなるためにはそうやって聖魔力量を上げていくしかないんだけど、時と場所、そして過程や人間関係も考慮した流れを心掛けないとなー!
じゃないと、取り返しのつかないことまでに俺の中の道徳心がどんどん堕ちていくばかりだからな!
前はクリス先輩が男全てを追い出すっていう理不尽な要求を押し付けながら険悪の仲として【敵】の立場で挑んできたから、キスされても文句は言えないけれど、こうして友達になったばかりのリーリスの信用を踏みにじってまで魅了しての接吻は駄目だ思う!
『痛たたた……オケ兄ちゃん、いつも殴ってばかり……しょぼん……』
呻いているイーズが殴られた銀髪一杯の頭に両手を当てて、スカートもくしゃくしゃになりながら床に女の子座りになるのを見て、可愛い奴めだなって思いながらも心を鬼にして『契約人間』としての権能を使って、こちらからも念話を飛ばす、
「(お前が変なこと言う、…いや、『思った』からいけないんだぞー!それに、眠っている俺の服を脱がして聖魔力を吸収するために乳首を吸ったりとか、いつも非常識なことばかりやってきたお前だから殴られても仕方ないんだぞー?)」
イーズをキッチンへ連れてきて正解だったね。
お陰で、『精霊を虐待する』なんて誤解をクリス先輩が見て思ってたら、それで盛大に怒られるだろうな。
精霊大好きの先輩のようだし、男に対する好感度が(-10)からやっと(0.1)、(0.4)にまで上げてもらったばかりなのに、いきなりまたも振り戻しになっていては堪らないからなー!
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「彼の家、ここで並んでいる邸宅のすぐ奥の方にあるなのかしら?」
「ウむ。場所は丁寧にこの地図を渡されてまで教えてもらったからな。間違えるはずがないデスぞ」
クリスティーナとリーリスが連れ立って歩いていくと、確認のためにそんな言葉を交わした。
「……しかし、姉者についてもびっくりしたのですね。…あれほど大の男嫌いだった姉者が、……いきなりオケウエー様に負けたからっといって、すぐに男性である彼ひとりだけを認めて、これから培ってきた【純粋なる淑女研鑽会】での理念も方針も姿勢も誇りも全部ドブに捨てるとは.....そして、一人の男子と良好な関係を築こうとするなんて……もしかして、オケウエー様の大聖霊のお力により、過去でも覗き込まれてしまったからなのですか?…ほら、エールム様のことが…」
妹の問いに、一瞬深刻そうに何か考え込んでいたクリスだったが、やがて微笑を浮かべると、
「…ウん、…モう過去に起きた最悪な経験に翻弄されずに、影響されぬように新たな人生への第一歩でも踏み出すべき時期がやってきたなって自覚させられた良い勝負デシタ。……ダが、決め手はやはり、キミの言う通りにオケウエーくんに『あれ』を見られたからな。デないと、キっとなんとか誤魔化して、お互いが持っていた姿勢を崩せないまま不器用で石頭なんデシタな、アタクシが…」
目を閉じて何か真剣に思いを馳せる姉に対し、
「でも、そのお陰で、リリはこうして、普通に姉者と話せるようになったのですし、いつも『リリの過去』のせいで嫌悪感ばかり向けてくることもなく今はその吹っ切れた感じの方が…好き、なのですよー?」
妹の言葉の意味が脳内で吸収されると、クリスはたちまち赤面して、そっぽを向きながらこういう、
「……アあぁ…ソのことに関しては、……今までキミにきつく当たっていたこと、…………済まないな。モうやらないって、モう犬も鳥も殺さないって、酷い扱いもしないって一キミが誓って、ソして一所懸命に【残虐なる衝動】を抑え込もうと頑張っているキミの努力を、……嘲笑ったりしてきたことを謝ろう。…確かにあまりにも愚かデシタ。……アタクシが自分の過去に対して、エールムくんを上手いこと更生させる努力も手放しながら、男性全てにい対して責任転嫁ばかりして嫌っているだけでなく、自分に対する嫌悪感も苦労していたキミの【残虐なる衝動】に対しても全てきつく当たり過ぎていて、事あるごとにキミを我が家の者として扱っていないことも詫びる。ドうか、……過去のことを忘れて、一度からやり直していかないデスか?姉妹として......」
切実そうな表情で斜め右の前を歩いているリーリスに訊いたクリスに、
「姉者がそう望んでいるのなら、リリも断る意味がないというか……まあ、とりあえず!好きにするがいいなのですよ。……うん!」
「ソう。ソう、…デスな……」
お互いの姉妹としての関係の修復はこれからも大変らしくて、片方が俯き、片方が両目を閉じて過去の出来事でも後悔するような浮かない顔になり、どっちでも急に沈黙し出すようだ。そんなギクシャクな様子を見せる二人は、
「ああー!ここなのですね、オケウエー様の家は!」
辛気臭い雰囲気を出している二人から気分転換にでもする最大の機会に、やっとオケウエー男爵のものと思しき屋敷がもうすぐ左にあるゲートの向こうに見えたので、そう声を弾ませたリーリスがいるのだった。
姉のクリスティーナもこう反応する、
「サっそく鈴を鳴らそう」
キーン!コーン!
門の横に設置されている鈴を鳴らしたクリス。続いて、
バ―タ!
「クリス先輩ー!リーリスちゃん!来てくれたんだね、俺の家へ!」
鈴の音につられるように、白髪の後ろ髪が冠みたいに三つ編みで締めくくられたショートヘアの小柄な女の子に伴われているオケウエーが出てきて、クリスティーナ達を出迎える!
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オケウエーの視点に切り替わった:
「さあ、上がって下さいね、クリス先輩にリーリスちゃん」
門を開けて中へ入るように手招きすると、クリス先輩が遠慮がちに足を踏み入れながら、控えめな表情で中へ入ってきたけど、リーリスちゃんに至っては姉よりも朗らかに笑みを見せながら、こう返事した、
「ありがとうございます、オケウエー様。さっき試合が終わったばかりなのに敵対チームであるリリ達をそちらが開催するパーティーにまでご招待してもらえるなんて嬉しいなのですよ~。……(ほら、姉者ー!なんとか言ってくださいよー!人の家なのですよ!)」
なにやら小声でクリス先輩とひそひそ話して囁き合っているリーリスちゃんのようだが、少し固まっている二人を見ていたら、
「ーソ、ソうデスな…。デは、コホン―!…オケウエーくん、喧嘩を売っていたアタクシ達にも関わらず、親切までに自分達をキミら【チーム・オケウエー】が開いている祝勝会へ招いてくれて感謝するんデスぞ。…約束した通り、妹のリーリスも連れてきたのデスし、コれからは良好な関係を築き上げられるよう尽力するつもりデスぞよ」
クリス先輩に面と向かって、スカートの裾を摘まみながら改まったような挨拶をされると、さすがにくすぐったいと感じるので、
「もう、クリス先輩ー、そんなに畏まって挨拶する必要はないだろうに~。俺達、もう友達だろうー?...さあ、気軽に入ってきて、入ってきて~!みんなが待っているよー!」
精一杯満面な笑みを浮かべて家の中へ入るようにドアの方へと歩き出していく俺に、
「それは楽しみなのです、オケウエー様~!ひひひ~。……あ、ところで、オケウエー様。貴公の側に付き添っているその子、誰なのかしら?内の学院の制服を着ているようですが、見ない顔なのですね…でも可愛い~なのですよ~!」
イーズのことかぁー。…緊張していたクリス先輩を見ていたから、俺まで慌てて彼女が笑顔になれるようにみんながいる中へと連れていきたいばかりで紹介するの忘れてしまったな!
よし!
「この子か?それなら彼女のことも紹介させてもらうね。何を隠そう、俺の自慢の契約精霊、大聖霊イーズベリアの【真体姿トゥール・フォーム】なのだからね?ほら、イーズ!お前からも彼女達に挨拶してやれ」
「了解……。では、クリス姉ちゃんとリー姉ちゃん、イーズこそはマイ―マスター、……オケ兄ちゃんの契約精霊である......イーズベリアだよー。……今後とも、よろしくお願いするね......」
淡々とした挨拶に見えるけれど、実際には伝えたい言葉をきっちりと丁寧に伝え終えたイーズに対して、
「わああおー!その子供っぽいたどたどしくて愛くるしい言葉遣いと言い、お人形さんみたいに可愛すぎるなのですよ~~!オケウエー様の大聖霊様の【真体姿】、素敵すぎて羨ましいなのですね~!」
イーズの愛らしい姿がたまらんのか、それだけ言いながら嬉しそうにイーズと握手したりハグしたりするリーリス。
...........
さっき、午後の5:17時辺りの時刻に保健室を訪れたが、ジェームズの奴が起き上がったばかりなので、急いでみんなと一緒に学院の敷地内を出て、俺の屋敷へとお風呂に入ったり、パーティーに向けての色々な準備を整っていた。
クリス先輩も参加すると皆に教えたら、最初は戸惑ったり、ヒルドレッドに至っては猛反対してきたメンバーもいたが、やってくるのはイルレッドノイズ姉妹だけだと知り、矛を収めたヒルドレッド。
「(やっぱり、レイーザリンもジュリアも来なくてほっとするよね……)」
なにせ、レイーザリンはまだ起き上がれないままで保健室で寝たきり状態だって聞かされたし、ジュリアに至っても、最後はオードリーの究極奥義によって氷漬けにされたがその後は気絶したままの身体を【特別治療遊撃隊】が女性用の保健室へと運んでいったそうなので、たとえ万が一にもジュリアまで来たいと言われても来られないんだが、未だにわだかまりが消えぬ中で二人が不在なのはいいことだと思う。
「(まだレイーザリンとヒルドレッドの仲は険悪のままだしな……)」
学則の規定により負けた方が勝った方のお願いごとを一度だけで聞く義務が『特殊な場面』だけで定められているので、学院の授業がある平日の月曜日になったら、レイーザリンは渋々ながらもヒルドレッドの要求を聞きにヒルドレッドのところへいく必要があるはず。
それまではずっと険悪のままかもしれないので、今は二人が出会わずに済むのは何よりだ。
ター!ター!ター!
「わあおー!ここはオケウエー様のお屋敷なのですねー!思ったより広いなのですね、リビングルームとキッチンとダイニングルームがあるだけの一階にしてはー!」
興味津々に目をキラキラさせながら家の中を見回しているリーリスだが、
「コら、リーリス!初めて戦ったことある人の家への訪問になるんデスし、少し自重しろー!」
「あ、~いたたた~~!」
右耳を摘ままれながら怒られたリーリスちゃんを見て可哀想だと思いながらもなんか微笑ましい姉妹だなってなって見ていると、
「あ、オケウエー!……『あいつら』、…本当に来ちゃったわよねー?…てっきり、最後は尻ごみでもしてすっぽかすかと思ってたわ」
「ほ、本当ですねー!な、なんか不思議ですよね、ついさっきの何時間前に戦ったばかりの……ただの敵対チームがこうして私達のパーティーに参加するなんて…あ、あ~はははは……」
ん?
さっき、ダイニングルームでみんなが色々な準備を完成させながら、クリス先輩がやってくるであろう午後7:00時の今の時刻までに待たせていたが、俺達の会話が聞こえていたのか、すぐにオードリーとジュディ二人だけが出てきたようだ。
「し、失礼なのですねー!リリだって、最初はオケウエー様のご招待がかかったのを姉者から聞いた時はびっくりしたぐらいなのでしたよー。姉者もなんか躊躇してたみたいなのですし、来なくてもいいとリリが言ってたんですけれど、それでもオケウエー様には恩があるからって親切に招待してくれた彼の事を無下には出来ないと言い、緊張しながらもやってくる覚悟を決めたんですよ~。そこを何も知らない貴公二人に言われたくないのですね!」
オードリーとジュディにああ言われてむすっとしたのか、そう反発したリーリスちゃんがいるのだった。
「…まあ、そう突っかかってこなくてもいいわ、リーリス。別に喧嘩のつもりで言ったわけではなくて、ただ思ったままのことを述べたまでわよー?気に障るなら撤回するから、これで落ち着いてもらえるかしら?」
「私もごめんね、リーリスさんー!変な事言っちゃってー」
直ぐに場の空気を柔らかく、丸く収めようと付け加えた二人がいるので、
「…そ、そう言って頂けるのなら、リリだってすみませんでしたね。すぐに喧嘩腰になってしまいまして…」
「まあ、まあ、ジュディとオードリーもこれにて反省してくれたし、さっそく二人をダイニングルームに通して皆と合わせたいので、行こうか?…クリス先輩、さっきからぎこちない様子ばかりだったが、皆の前で緊張するなら深呼吸するんだぞ?」
なんかさっきから居心地悪くしていて、沈黙ばかり保ってきた先輩が可哀想なのでそう提言すれば、
「アあ…ソうするんデスよ。…ハあぁ……フぅぅ……ナんか悪いデスね、アタクシ…。今まで、……男性に対してずっと負の感情を抱いていたばかりデシタから、……今更、男のキミの家に入って、おめおめと良いおもてなしを受けるなど、イルレッドノイズ家の人間であり、【四大貴族】であるアタクシからすれば、ちょっと恥ずかしくて、複雑な気分デスな…」
それもそうか。
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「別に難しく考えなくてもいいわ、クリスティーナ。…自然体でいれば、同じ【四大貴族】のよしみであるあたくしもちゃんと落ち着くでしょうし、だからそんなにしおらしい態度で縮こまってないで、本来の気高くて強気なあんたに戻ってみてもいいわよー?」
「但し、男嫌いの感情は戻らくていいですからね~?」
「「「「「あ~はははははははは~ーーーーー!!」」」」」
....................
ジュディの冗談でみんなが笑い合って、クリス先輩もなんか和んできてやっと笑みを見せて笑ってるのを見ると、俺も気分を良くして、さっそく歩きだしている二人を皆に会わせるようダイニングルームへと案内してやっているとー
『オケ兄ちゃん、オケ兄ちゃん』
ん?
イーズベリアは大聖霊の一人なので、数多な精霊の中でも『契約人間』以外の人にも『人間の言葉』が聞かせられる精霊なのだが、俺のすぐ隣にイーズがいながらも声に出して話しかけてきたりせず、ただ念話を直接に俺の頭の中へと飛ばしてきたから、何事かと思い、側にいるイーズの方を見下ろすと、
『イルレッドノイズ姉妹二人も訪れてくれて、……ラッキだったね?……お陰で、機会があれば一人になりそうな場面をついて、……リーリスを狙って『愛の渇望』をかけられるように、……そして力の糧にするため、……接吻できるようになるから……」
「(……)」
この子ー!
イルレッドノイズ姉妹が健気にも、慣れないことまでして頑張って【男】の俺の屋敷への招待を快く受けてくれたというのに、イーズときたらそればかりしか考えてないんだもんー!
だから、
「あはは、ごめんな、クリス先輩とみんな!俺、少しイーズとの重要な【大聖霊に関する】内緒話をしなくちゃいけないので、ちょっとキッチンへ行くんだけど、オードリーは先輩達をダイニングルームへ連れていって下さいね!じゃ、すぐ戻るから―!」
タタタ……
それだけいって、急いでキッチンへ行くと、
バシィ――――!!
『痛だ―――!』
「(さっきはなんてことを口走ってんだよ、もう~~!!)」
イーズが変な事を皆の前で念話を飛ばしてきたから、それで変に意識してしまい、不自然にもリーリスの唇の方へと目が吸い寄せられそうになったから慌ててイーズを拳骨で懲らしめるためにキッチンへと連れてきた。
リーリスとああいうことするなんて!
そんなの、俺がまるで鬼畜野郎みたいなやり方で女の子達を魅了しながら篭絡するばかりしか頭にない変質者みたいじゃないー!
魔神じゃあるまいし、俺はそういうことを常に四六時中で考えてる訳じゃないからなー!
……確かに、色んな女の子とキスしていって、短い間で強くなるためにはそうやって聖魔力量を上げていくしかないんだけど、時と場所、そして過程や人間関係も考慮した流れを心掛けないとなー!
じゃないと、取り返しのつかないことまでに俺の中の道徳心がどんどん堕ちていくばかりだからな!
前はクリス先輩が男全てを追い出すっていう理不尽な要求を押し付けながら険悪の仲として【敵】の立場で挑んできたから、キスされても文句は言えないけれど、こうして友達になったばかりのリーリスの信用を踏みにじってまで魅了しての接吻は駄目だ思う!
『痛たたた……オケ兄ちゃん、いつも殴ってばかり……しょぼん……』
呻いているイーズが殴られた銀髪一杯の頭に両手を当てて、スカートもくしゃくしゃになりながら床に女の子座りになるのを見て、可愛い奴めだなって思いながらも心を鬼にして『契約人間』としての権能を使って、こちらからも念話を飛ばす、
「(お前が変なこと言う、…いや、『思った』からいけないんだぞー!それに、眠っている俺の服を脱がして聖魔力を吸収するために乳首を吸ったりとか、いつも非常識なことばかりやってきたお前だから殴られても仕方ないんだぞー?)」
イーズをキッチンへ連れてきて正解だったね。
お陰で、『精霊を虐待する』なんて誤解をクリス先輩が見て思ってたら、それで盛大に怒られるだろうな。
精霊大好きの先輩のようだし、男に対する好感度が(-10)からやっと(0.1)、(0.4)にまで上げてもらったばかりなのに、いきなりまたも振り戻しになっていては堪らないからなー!
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