精霊術学院の死霊魔術使い

ワガドゥー男子

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第97話:策士のリーリス

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「赤の輪と青の刃の『ネトロファイッス=セデロ』よ弾けろ――!!」



「2律1体の凶鬼『ベリヘリアヤール 』様ー!鎖と錠で踊り尽して頂戴ー!!」



テーブルの席から立ち上がりダイニングルームの隅っこへ移動した姉妹。



それぞれの【契約精霊】を召喚しようとするクリス先輩とリーリスちゃんはどっちも右手を上から下へと下ろしていて、その後は閃光が走ったかと思うとー



「グナヨユグナ、ユグナグナヨーファイセデロ!ファイセデロー!」



「ベリベリクレイジ~~!ベリベリヤール~~?」



光が収まったと同時に、そこから現れたのはクリス先輩とリーリスの前に立っている契約精霊2体の姿がいる!



片方は変な言葉を発しながら二足歩行の人間みたいな体格をしているけど、頭だけが鳥みたいに嘴も鶏のような特徴も顕著で、 身体の方は毛皮も羽も生えないような人間らしい肌をしているけれど、肌色は人間らしくない赤色と青色が混じっているもので、股間に至ってはまるで小説によく出てくる【異界人】みたいなT字の形をしている様子だ(多分、精霊にはそれがないので、絶対に性器という類でもなく、多分は武器として使えそうな器官か何かだろう。T字のオーラを放ったりとか)。変な言葉らしき鳴き声だけれど、契約人間にだけ【本当の人間の言語】を聞かせられるという精霊の基本的性質は変わらないはずなので、きっと彼女達は念話とかで人間の言葉を使っての意思疎通もできるだろう。



あれはきっと先輩の【ネトロファイッス=セデロ】で間違いないようだな!というか、身長は俺達の誰よりも高くて細長い身体しているとは思わなかったー!なんか異質な存在に見えて、圧倒的な威圧感もあるっていうか……


「ベリベリクレイジ~~!」とかっていう訳の分からない鳴き声を上げるもう片方は恐らくリーリスの【ベリヘリアヤール】で、赤ん坊の小さな身体が2体も鎖と手錠と首輪でいっぱい左右で繋がっていて、片方は髑髏の姿をしているのに対して、もう別の身体は筋肉ばかり出来ているちょっとグロイ感じの一体で、今はその筋肉一杯の1体が立ちながら寝ているようで両目も口も閉じてイビキをしている様子だ。



それと違って、起きている方の髑髏は「ベリベリクレイジ~~!」っていう変な鳴き声を上げていて、鎖と手錠や首輪で一杯の身体が筋肉体の方と繋がりながらも強引に身体を揺すって踊っている最中だ!


「ベリベリクレイジ~~!ベリベリクレイジ~~!」


髑髏の方に揺すられながらも一向に起きる気配を見せないままの筋肉体の方を見ながら苦笑すると、



「独特な形をしている精霊を持ってるな、二人ともー!なんかホラー小説とか【異界探索系スートリー】に出てきちゃいそうなのばかりだ!」



そういう感想を口にした俺に、他の【チーム・オケウエー】のメンバ―達も続いて、



「本当だわー!可愛さとは無縁な2体...いや、3体だけれど、そのどっちもが放つ聖魔力は威圧感あって内包している力がどれほどのものか良く印象付けてくれた物なのだわ!まあ、あたくしのべネほどじゃないけれど、ふんー!」



最後の言い張りは余計だけど、先輩達の精霊に関してのオードリーの感想はさっき俺が思ったことを的確に言葉にしてくれたようだが、他は、



「あ~はははは…オードリーさんの言う通りに、確かにそうですね!……でも、【可愛くない】って表現するなら、私の【フロンデルヒート】も12本の触手ばかり生えていて見る人によっては気持ち悪がるかもしれませんね、あ~ははは…」



どうやら、さっき沈黙したばかりのジュディはもう思い詰めていたことから我に返ったか、この場で展開した流れを把握し始めている彼女はそれっぽい反応を示したようで、ちょっとほっとしちゃう。これで一人で思い悩むばかりせず、ここにいるみんなとの会話にも参加できそうだ!



「ふふふ……実に面白い姿をしている精霊達なのね。試合の最後を見ていたけれど、あれほどの大仰な姿に変身できる契約精霊だけあって、その子から感じる聖魔力は確かに莫大のようね。しかし、やっぱり【漆黒の魔王】の方の大聖霊には遠く及ばないのよ」



「む~!そんなの分かり切ったことじゃないですか、クレアリス様!何も姉者の精霊をそうやって辛辣にいう必要もないなのですが...」



「ヨせー、リリ!彼女が言ったのは事実だけなのデスぞー?都合の悪い事実を述べられて怒るのは子供のすることだけなのデスぞよー?」



「し、しかし!姉者ー!」



「あらまあ、微笑ましい姉妹の関係なのね、ふふふ……」



姉妹のやりとりを見て面白おかしく思っているのか、そういうことを小声で漏らしたクレアリス。



確かに、イルレッドノイズ姉妹がやってくる前に、オードリーとキッチンにてデリバリーで頼んだ料理の確認チェックと諸々な準備をしていた時に、彼女にこう言われたことがあったな:




………………………



「オケウエー、少しクリステイーナ達について話したいことがあるんだけど、あの姉妹はあたくしと同じ【四大貴族】の出なのだから良く聞いてくれるように。……学院内だけじゃなくて、全国において彼女達のイルレッドノイズ家の影響力も絶大なのよ?だから、もし彼女達をこちら側の友人として迎え入れられたら、もしかしてあんたもあの学院長との対話や関係についてもう少し強気に出れるかしら?」



ふむ、……確かにそうだな。…うん、オードリーの言う通りだ!



確かに、学院長からすれば、俺の成長力の全てと底力を試すがために、敢えて俺を氷竜マインハラーッドにぶつけたい気満々だったんだけど、討伐するためにあのバケモノと戦うって言ったのは元々俺だったし、学院長は最初からそう狙った訳じゃないかのように見えるが、実は……



何か、【そうなるように、俺が学院に転入して来る前に『氷竜と戦うことになる予定』を知っていたかのような顔をしていた事】も事実だ。



学院長め!………一体どんな裏があって、俺のことを最初から知った上で、俺に向けて敢えて嫌悪感を示す『振り』をしていたんだろう……



いずれにせよ、何を企んでいるのか知らなくても、学院長の娘達をこちらの味方につかせることが出来たら、これ以上ない抑止力とけん制になれるはず!



「だから、なんとしてもあの姉妹ともっと仲良くなっていきたいものなんだわ……。あたくし達【チーム・オケウエー】の学院での影響力を高めるためにも…」



真剣そうにそんなことを強調したオードリーをみて、この時の俺もオードリーの意見に共感して、自分と同じ考えを持つことについてちょっと嬉しくもある。




…………………………………




「それにしても、クリステイーナセンパイの最後のあれ。…確かに、【複数大門砲撃陣形凶強爆滅(ゴルゴメラー・アリンション=フィライズ)】というんでしたっけ?………オケウエーサンのあの『全てを真っ白く塗りつぶす』とんでもない級の神業もそうでしたけれど、センパイの【複数大門砲撃陣形凶強爆滅】もデタラメすぎでしたわね!……まあ、巨大な城を動かせられるような究極奥義を持つわたくしが言うのもなんですけれど~……」



「うっす!ヒルドレ嬢さんのあれもすごかったんっすよねー!?やっぱり、あの規格外な野郎ともデートできたご令嬢さんは自分自身も規格外であるということが証明されたいい例っすよなー?」



「ちょっと、ジェームズサンー?人をまるでバケモノみたいに言わないで下さいまし!わたくしもオケウエーサンも努力してきたから、一杯訓練してきたからこういう結果が出ますわよー?別段、産まれた瞬間から全てが出来たと言う訳ではありませんわよー!」



「おっと、二人とも、会話中邪魔しちゃ悪いが、今はあの精霊2体に注目すべきだと思うよ?なんか変なことをしようとしてるみたい!」



二人の会話があまりにも他愛のないこと過ぎるので、もうちょっとこの場の肝心な要点である今のイルレッドノイズ姉妹が召喚してくれた精霊達に意識を向けて欲しい!



「グナヨユグナ、ユグナグナヨーファイセデロ!」



「ベリベリクレイジ~~!ベリヤールー!」



どうやら、先輩の【ネトロファイッス=セデロ】はただ静かにこのダイニングルームにある唯一な長いソファへと歩いていて、腰かけると同時にどこか本を無から顕現させたのか、それを手に持って頁を捲りながら読み始める様子だ!



そして、【ベリヘリアヤール】に至っては髑髏の方が眠っているままの筋肉質な方を鎖で引っ張りながら踊り出していて、独特な舞踊を披露目しながらソファの前に設置してある丈が短くて細長いガラスのテーブルへと柔らかく飛んで着地して、今度は可愛い踊りを保つまま演目めいたものを見せている模様!



『見た目に反して、……あの二人の動き……が可愛い精霊達……だよね、オケ兄ちゃん?』



「うん!……さ~て、姉妹二人の契約精霊も見させてもらったし、これから本題に入らせてもらうけど、いいのかな?クリス先輩にリーリスちゃん!」



「本題?ナら、聞かせてみるがいいデスぞ。アタクシも妹もオケウエーくんからの大事そうな話を聞いたら、力になってあげられるものなら喜んでそうするんデスぞよ?」



「姉者ー!吹っ切れた心境にしてくれた恩人らしいオケウエー様に協力的な姿勢になるのは仕方ない事だと思うのですが、まずは聞いてからにして下さいなのですよー!そんな気軽に協力の申し出をするべきじゃないのでは?」



「…じゃ、まずは謝辞からね。クリス先輩とリーリスちゃん、先輩達に勝った我々【チーム・オケウエー】の祝勝会へのパーティー参加の招待に応じてくれて感謝する。じゃ、次には先輩達にお願いがあるんだが、これからは俺達の友達だけじゃなくて、正式にチーム同士での協力も共闘も受け入れるのか?1年と2年合同の野外授業とか、緊急事態での共闘とか……」



【先輩達】だと呼ぶのは、リーリスちゃんを除いてあちらのチームが殆ど2年生なので、期待を込めて改まってお二人にお願いを申し上げると、



「ソれだけ?ナらお安い御用デスぞー?ナ、リリー?」



「ええ!姉者の言う通りなのですね。そういうことなら良いなのですよ」



「でも、あんたんところのジュリアとレイーザリンはどうなのよー?今のままじゃダメでしょー?ヒルドレやあたくし達とまだ仲直りできてない限り…」



オードリーの尤もな指摘に、二人が、



「ジュリアなら、今はまださっきキミらとの戦いでまだ精神的ダメージが残っているままデスから、ソれで保険医からの連絡だとまだ気絶したままなんデスが、明日は彼女と一度会って、キミらのパーティーに参加したことを報告するついでに、キミらと仲直りするようにと助言をしてやるつもりなんデスぞ!」



「素直にいうこと聞けるといいのだけれど……」



クレアリスからの一言に、



「まあ、ジュリア様はなんだかんだで、姉者と最も親密な関係にある女学院生で、唯一【親友】とも呼べる女友達なのですよー?きっと、姉者がすべて説明できたら彼女も姉者の心の変化を許すと思うなのですねー!」



「問題はレイーザリンの方ね……ヒルドレからは昔の彼女のことを聞いたことがあるけれど、かなりの苛めっ子だって聞いたし、自分の家が統治している町にも傍若無人の限りを尽くして街中の子供たちをも自分の配下として従えさせる【小さな暴君】ってあだ名がつくくらい有名だったし、あたくしも独自の調査を通してそれが分かったんだけど、あれほどの問題児をどうやってクリスティーナの一存で更生させられると思うのー?」



オードリーからの疑問の言葉に、クリス先輩が、



「ソうデスな………レイーザリンに関しては最も因縁があるヒルドレッドくんに任せるしかないと思うんデスぞー?聞くと、学院の授業が再開される平日の月曜日になったら、ソちらの要求をなんでも飲むようにとの決まりがあるじゃないデスかー?アれで、仲直りにするいいチャンスなのデスぞよー!」



「なるほど!確かにクリス先輩の言う通りに妥当すぎて、最適な方法なんだなー!いう事を聞かせられるってことは、俺がオードリーに仲直りのチャンスを与える『友達になる』っていう要求みたいなことをヒルドレッドがレイーザリンに飲ませ、強引に俺らの仲間になるように『命令』すればいいってだけだな!」



後は、その正式な建前と【取引】が完成した直後、時間をかけて徐々に俺達と上手く打ち明けながら友情をすこしずつ育み上げていくしかないってだけ!



「……複雑な気持ちなんですけれど、それならわたくしにお任せくださいな!…でも、仲直り以前の問題に、まずは過去からの清算もまだして貰ったことありませんから、その前にあの悪女に意識があるままでわたくしからの足蹴で地面の土と泥を舐めさせてからでも仲直りは遅くないですわよー?お~ほほほほほほほほーーー!!」



「あ~ははははは……ヒルドレッドさんらしいと言えばらしいですが」



「ふふふ……そうね。まあ、あれは二人だけの問題なのだし、彼女二人の動向を横から見守るだけでいいのよ、うちらは」



「まったくっすねー!なんか前途多難に見えそうで、僕までお気の毒に思うっすよ!」



「ふーん!ヒルドレのことだし、いつものことだと言えばそこまでなんだけど、一応やりすぎないようにね!あんたの恨み一つで、あたくしの、………『彼女(イリーナ)』に似通っている『逆恨み』にまで発展してないとは限らないからねー!」



オードリーからくぎを刺されたヒルドレッドは、



「お~ほほほほほ!オードリーサンはご心配なく、わたくしに全部を委ねていいですわ!必ずいい雌犬の従順な下僕にして上げますから期待していて良いですのよ」



なんか物騒なことを言ったヒルドレッドを宥めるように、リーリスちゃんが、



「貴公の仲間であるオードリー様の言葉を聞かなかったのですか?『やりすぎないようにね』って言われたばかりじゃないのですかー!」



「おほ!その『やり過ぎ』の基準ってどのようのモノに従っていいんですの?オードリーサンの?それとも、わたくしの基準っていうんですの?」



「そ、…それは、………そう、なのですね……まあ、好きにどうぞ、なのですよ~!」



ヒルドレッドの負けず嫌いの反論に少し言葉に詰まったリーリスちゃんのようだが、次に先輩が、



「ほっとけー!リリ!………世の中には、たまには特定の人物ふたりがお互いが抱え合っている問題をお互いの間だけで解決する流れも必要なのデスぞよー!ソこで部外者が介入してきて、間を取り持つってお節介なことをしてもかえって状況を悪化させるだけデスぞ!」



この場における最年長の先輩らしくて、知恵に満ち溢れた助言をクリス先輩が妹に聞かせた模様。



「じゃ、仲直りの件はもうばっちりだって言ってもいいぐらいだし、次は先輩達の【純粋なる淑女研鑽会】のこれからの学院での振る舞いと方針転換になりそうな案件が山ほど残ってそうだが、どうやって収拾がつけると思うんだ?」



「確かにそうわよね!【女性学院生だけの女の園にして、切磋琢磨してお互いを高め合いながら、男性全てとの関わりを一切持つことなく素敵な学院ライフ】を送るっていう【理念】、そして共学化についても猛反対をずっと続けてきたあんたが、いきなりもういいデスって言ったら、部活とその『研鑽会』の掲げた理念に惹かれて側から応援してくれてる子も納得できそうにないんだし、どうやって上手い具合で全部に対しての落とし前をつける気なのよー、クリスティーナ?」



実際に、学院に編入してきて1年間も経ったクリス先輩なんだから、一年の期間を費やしてまで男嫌いの理念を掲げたことで有名な先輩が、いきなり男が率いる俺達の【チーム・オケウエー】に負けたからといって、『彼らの要求を呑まなくてはいけないから、仕方なくアタクシが男である彼らと仲良くなっていくしかない』って理屈がそう安々と通らないはず!



先輩の部活に対する行き過ぎた憧れを持つ子もそれなりにいると思うし、彼女達のような人間をも納得させられる新たな姿勢(俺達)ってどうするのかなー?



「ム、難しい問題ではあるが、当面の間はただ、相手のチームに負けたからそっちの【男とも仲良くしろ】という要求を呑むしかないって学則があったから、ソれで当分の間は強引に言い訳めいた説明で通るしかないデショウ……後は、『付き合っていく内に、男って案外すべてが悪い人じゃないって気づかされたから、【純粋なる淑女研鑽会】の理念も変えられるほどの意識改革をする時が来たんデスぞよ!』って最終的に持っていくつもりなのデス!」



「なるほどな!……筋の通った過程で実に妥当すぎる考えだ。先輩のそういう冷静的な思考ができる人間って素敵だね!」



なんとなく、ただ思ったままの言葉を言っただけなのに、先輩が、



「ナー!ナに変な褒め方をするんデス、キミはーー!?コれぐらい普通デショウに、なんでそうやって大袈裟にお、思うんデスかーーー!?」



意外と顔をほんのりと控えめながらも赤くしている先輩が半分慌てたような反応をしたものだから、もしかして【男に褒められる】のって、今までなかったから、思わぬ感情でも刺激されたのかな?



「俺はただ、先輩のそういうところが素敵だって言っただけなんだよー?なんでそんなにー」



「モういいデスぞ、まったく!コの話題もこれぐらいにするんデスから、後はこの精霊達を好きに遊んでもらい、デザートと行こうじゃないデスかー!」



デザート?



確かに、ケーキなら買っておいたんだが、まだメインデーィシュを食べ終えてない人もいるし、こんな早い時間にって思いながらもキッチンに行って、ケーキを取りに席を立つ俺に、



「オケウエー様、ご招待して下さって感謝しますが、もし宜しければ今夜はオケウエー様のここのお屋敷で皆がお寝泊まりしていって良いなのですか?今まで大きな対立を向け合いながら試合ではあれほどの苛烈な戦いをいっぱい潜る抜けてきた若き精鋭揃いの精霊術使いがこんなにも揃っているのですし、お近づきになれた印に、全員がもっと仲良くなるおまじないとして、今夜はみんなで【お寝泊まり会】を開かないのですか?」



………



ん?えー?




「「「「「「「えええーーーーー!!!??」」」」」」」




リーリスちゃんの爆弾級の提案に、俺達がただただ驚きな声を上げるしかなかった。



だって、俺達はみんな15歳か16歳までの年齢なのだぜー?この社会の文化からするには、確かに大人の監視もない状況下で、これほどの多い人数での同じ屋根の下での寝泊まりは【学生身分不純異性交遊禁止法】の法律にて禁止されてるんだって聞いたが、



「大人の監視が必要ですって言いたいなら、そんなこともばっちりなのですよー?ここへ来る前に、姉者に隠れて通信機で【精霊術学教師】のイリーズカ先生と話し合って、先生をこちらの【監視役】としてやってくるよう約束を取り付けておきましたから、これで文句は言えないなのですよねー?」



リーリスちゃんめ!そこまで考えたのか―!



あんな小っちゃい身長してるんだけど、俺達と同い年なのに抜け目ないね!



『リー姉ちゃん、……策士です……』



イーズも同じ事を思ったか、俺の側にて小声でそう口から漏らしたようだ。



姉といい妹といい、それぞれが特定の分野と趣味と『したいこと』に対してだけ良く頭が回る少女達だな。



まあ、死霊魔術使いであるという事実を隠してあれこれと一生懸命で苦労してきて、色んな事に対して気を配る必要の俺もそうだけど。





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