精霊術学院の死霊魔術使い

ワガドゥー男子

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第147話:アズリオン教会での食事時間、そして空から降ってきた伝説の竜

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同日の【ノキューリエム】の午後5:20時の頃:



【ノキューリエム】の噴水と巨大像のある大広場の奥に【アズリオン教会】があり、その教会の地下に広がる大きな共同食堂は、温かな光と食欲をそそる香りで満ちていた。



天井からは吊るされら古びたシャンデリアが下がり、その蝋燭の明かりが石造りの壁に柔らかな影を落としている。最近の【魔導シャンデリア】を使用しない辺り、どうやらこの教会は昔からの伝統を如何に愛して守っているかが窺えた。



食堂の一角には大きな暖炉が設けられ、その炎が凍てついた外の寒さを普通な人間のために優しくかき消してくれた。精霊術使いは【物理的攻撃や痛覚全般への耐性】もついてるため、寒さに影響したりはしない(こんなに契約精霊の有難みを感謝一杯の気分になったのは初めてだ)



長い木製のテーブルには、教会の関係者たちが集まり、賑やかな会話が飛び交っていただけじゃなくて、俺達三つのチームもがここにいて、食事を楽しむ最中だ(准将が火を放つタイミングは明日の午前7:00時と決まったそうなので、今夜はぐっすり眠れそうだ、この町のレイクウッド王国軍の駐屯してある基地の開き兵舎にて)



「まあ、そこそこ上手いけれど、あたくしの家の専属シェフには遠く及ばないわ。 肉の香ばしさとジューシーさはある程度予想済みだし。でも北の地の味って感じもするので悪くないわ」



脂の乗ったトナカイ肉のローストを頬張ったオードリーがここの長テーブルで俺の向かい席に座った。トナカイ肉ローストのその表面は香ばしく焼き上がり、ナイフを入れると中からはジューシーな肉汁が溢れ出るようだ。



「このスープ、甜菜の甘みと酸味のバランスが絶妙ね。普通なら、体が温まる効果だけれど、食べる前のと同じで体温の変化はあまり感じないのね……。」

オードリーの右隣には真っ赤なボルシチを味わってるクレアリスがいるのだ。



ん? いつもと違って、前のルネヨー・フラックシスに見せたあの豪華な食べっぷりを発揮せず、今回は控えめな食事ばかりしてるようなクレアリスなんだが、何でなんだろう......



ボルシチが大鍋から湯気を立てており、甜菜の甘みと酸味が絶妙に調和したそのスープは、普通な一般人ならば凍えた体を芯から温めてくれるだろう。



だが、俺達は精霊術使いであるので、そんな常識さえ通じないんだ。あくまで、味覚だけが俺達の普段通りの食べる際の感覚で、それに影響されたの体温変化は生じない。



「このシチューだけはたまらんっすよねー! 肉も野菜も柔らかくて、独特な北ならではの味も絡んできて最高っす!」

さらに、根菜と肉がたっぷり入ったシチューは、とろりとしたルーで濃厚な味わいを醸し出していたと、ジェームズが言った。



「俺もこのタルトが好みだぜ!サクサクサクって甘酸っぱい味して気持ち良い食べ感覚だ!はむはむはむはむはむーー!」

それだけ言って、貪欲にタルトの一個、2個、...6個を飲み込んでいく俺!



「このブルーベリーケーキも風味がしっかりしている割に甘さが控えめなんですね。飽きない味でちょっと新鮮です~!えへへへへ......」

ジュディはブルーベリーケーキを楽しんでいるようだ。



「お~ほほほほほほ!オードリー程じゃないけれど、わたくしもフィッシュアンドチップスの方がちょっと好みですわ~!サクッとした良い生地の衣に包まれてるこの魚料理は【オールドッス】のオールズティニア領にいた湖畔のマイホームにいた頃に食べたものとは程遠いデキだけれど、それでも美味しいですわよ、それなりに~!」



ヒルドレッドはフィッシュアンドチップスが大の大好物で、今はそれを口に運んでいっては頬が膨らむ程の良い微笑となってる様子だ!おおー!ヒルドレッドがああも食事を楽しんでいる様子のを見るのが初めてだ――!オードリーも前にフィッシュアンドチップスが大好物だと言ってたが、どうやらその影響もあってか、実はヒルドレッドもそれが隠れながらの大好物でついに食欲に負けてオードリーと同じもの好きでも構わないようになってるようだ!



俺もヒルドレッドといつか、口づけを交わす間柄となるために彼女の胃袋を掴むべくフィッシュアンドチップスの調理方法も学ばなきゃねー!新しい女の子とキスをしていく毎に、イーズの権能にて俺の聖魔力量が爆発的に増えていってるからね、この前戦ったクリスのように!まあ、でも俺も鬼畜じゃないので、なるべく前の魅了スキルみたいな【愛の渇望】を使ったりもせず、正々堂々と紳士的な方法でヒルドレッドに対して俺に惚れさせてみせるだけだ!



という訳で、あそこの【チーム・リルカ】もそこの【チーム・純粋なる淑女研鑽会】もさっきの労働と仕事ばかりやってた憩いのためにここで食事を取りに集まってきてるようだし、そろそろ俺一人の方だけで食べ終わったって感じなので、先に失礼させてもらおうとー!



「じゃ、みんな!俺はもう済ませたから!みんなもゆっくりと食事を楽しんでいってくれよなー!作戦が始まるの明日の明朝だしリラックスして損はないぜ!じゃ、この後、大広場で集合な!バイ!」

タタタタ――!



それだけ言って、【アズリオン教会】の地下食堂から駆け上がっていく俺だった!




.................................................





......................



「わおー!改めてみると、壮観の一言に尽きるな―!」

そう。



教会の外に出て改めてその外観を見上げてみたら、こんな感想しか浮かばん。

だって!



大聖堂ほどの壮大さはないものの、この【霜の礼拝堂】って呼ばれてる【ノキューリエム】での唯一な教会は、シンプルながらも堅牢な石造りで、屋根には薄く積もった雪が輝き、尖塔の先端には小さな鐘が吊るされていた。



その鐘は、風が吹くたびに微かに音を奏で、まるで街に安らぎを届けるかのようだった。



「厳格そうなアズリオン教だって先生から聞いたが、実際にはその教会の類の建築様式やデザインを見てると、本当に古からの幻想的な蠱惑を誘うような雰囲気があり、その伝統的なアクセントも加わると、こうも俺の心に安心感と心が落ち着くマイホームって感じの外観を誇るなんて.......」



さっき、入っていった時も思い出したが、教会の扉を開くと内部は歓迎してくれるような左右一列に並べられてる蝋燭の明かりに包まれていた。



壁には、地元の芸術家が描いた絵画が飾られ、その中には極寒の血にて氷の竜と戦う勇者の姿も描かれていた。ふむ。確かに昔から、氷竜マインハーラッドは【氷死の界獣地】から殆どその生息地帯から降りてくることなくずっとそこにいたが、最近となっては人間の住む町を襲うようにはなったか.....



祭壇は簡素ながらも丁寧に手入れされ、その前に立つ一人の女神官が、静かに祈りを捧げていたのを思い出していたな。



「ようこそ、遠方よりお越し頂いた聖エレオノール精霊術学院の精霊術使いの皆様。氷竜とお戦いになったと聞いた時はとても嬉しく思った最高なニュースでしたよ?ふふふ...そういえば名乗るの遅れましたね?では、私はこの【霜の礼拝堂】を預かる者、シスター・ミランダと申します。以後、お見知り置きを」



20代前半に見える彼女の声は柔らかく、まるで春の風のように心地よかった。彼女は祭壇から降り、真っ先に入ってきた【チーム・オケウェ―】の俺達の前に立つと、両手を丁寧に身体の前に揃うと軽く頭を下げた。



「この町は数か月間の前から、氷竜マインハーラッドの脅威に苦しめられてきました。竜の周辺村落と中規模な町への襲撃により、このアズリア地域全体の経済活動も必需品の生産活動も大いにと滞ってしまって大変なんです!空腹に苛んでる住民が増加してきてる中、あなた方の今日のご来場だけが、我々の苦しみを終わらせられる吉日となったことだと信じてます!」



「シスター、もう頭を下げずに上げてくれ?俺達は何があっても、必ずや氷竜の脅威に晒されてるこの地の平和を絶対に取り戻すと誓うよー!竜を倒してこの素敵な町に再び安寧の日々を取り返せるよう、ヤツをぶちのめしてみせるー!」

力強い宣言したつもりなんだけど、



「あんたは本や映画からの安受け売りで言ってる訳じゃないわよねー?」



とじっとした呆れた目を向けながら静かに囁いてきたオードリーだったんだが、無視してると、シスター・ミランダはさっきの俺の言葉に対して深く頷き、微笑を浮かべながらも両目を瞑って瞼の中から滲み出る潤んだ目からの雫を垂れ流してる様を確認して、シスターはその切ない仕草のまま祈るように手を胸の前で組んだことを目の前にすると、なんか胸に込み上がった感動的なものや心臓が締め付けられるような何かの強い使命感に駆られ始めたのを自覚した!絶対にシスターのためにも討伐任務を成功させないとー!



「どうか、アズリア=イロイン様のご加護があなた方と共にありますように。この礼拝堂は、あなた方の戦いの成功を祈り、そしてこの街の未来を願う場所なんです。どうか、ここで一時の安らぎを見つけてください」



と、言ってきたシスターなんだが、俺には自分の故郷の大陸に呪いをかけてきた神なんて信仰するのごめんまっぴりだから、素直にその言葉を受け取ることはできないが、ここで俺の意見を述べていても喧嘩だけに発展するので口を噤んで配慮してみることにした!



.........................................




................



「じゃ、おやすみなさい、みんなー!」



「おうよー!オケウエーも皆も明日で頑張れよなー!」



「言われるまでもないわ、最弱の癖に意気込み過ぎよー」



「あ~はははは...オードリーさんはもっとジェームズに対してそうやって厳しく当たらなくても....」



「大丈夫よ、ジュディ。オードリーはただ彼らの【男同士の友情】による気軽い感じに嫉妬してるだけなのよ?」



「あ~!あたくしは別にそんなことは~~!?クレアリスー!なんてこと言ってくれてるのよー!」



「お~~ほほほほほほー!そこのオードリーは昔からそうでしたわー!頑固ですし、人の弱さを過剰に敵視してるばかりですし、時には融通の利かない堅物で本当に困った令嬢ですこと!お~~ほほほほほほほほほー!お~!?こほこほ!」



「...ったく!お漫才するのほどほどにな、お前達!じゃ俺先に寝るぞー!」

と、五月蠅いやつらを無視して寝るためにこの基地の空き兵舎へと入ってく。ジェームズも俺に倣ってここに入ってきたし、女性はあっちの女性用の兵舎に入っていくようだ。それにしても、...緊張感のない奴らばかりだけど、まあ、変に怖気づいて戦闘に支障を来すよりかはマシかー...。



あ、いかん!明日の作戦開始に備えるため、早く寝ないとー!



....................................




...............





「ガオオオオオオオオオ――――――――――――!!!!!」

「「--!?」」



何事だー!こんな真夜中の時にその咆哮はー!

「オケウエー!」

「あ!外へ!」



2階建てのこの広大な兵舎の中には俺とジェームズの他に、三百人もの旅団の兵士も寝ていたので、彼らも2段ベッドばかりの部屋から乱暴にドアを開け放ったまま外へと飛び出していったようだ!この基地で建てられた兵舎の建物はここだけじゃないので、そこら中にある兵舎から飛び出していった者もいるはず!急ごう―!



「ガオオオオオオオオオ――――――――――――!!!!!」

ビュウウ―――――――――ン!!!!

バチャ――――――――ン!!!!



「「---!!?」

外に出てみると、上空を見上げたまま声を失った!

それもそのはず!



「ガオオオオオオオオオ――――――――――――!!!!!」

ビュウウ―――――――――ン!!!!

バチャ――――――――ン!!!!



首を真っすぐに上へと振り向け、この町より遥か上空から急降下してきては【自動的魔導障壁】に衝突しては阻まれ、急降下してきては【自動的魔導障壁】に衝突しては阻まれというパターンを何度も繰り返してる、.....なんて大きさだ!の途轍もなく、超巨大な全身が【氷雪大鱗】だっけ?で煌めいているかのような真っ白い雪のような表面して厳つい顔と頭してる氷の竜がそうやってこの町への攻撃を開始してきたようだー!



あれ下手すると、イリーズカ先生の契約精霊である、あの巨体を誇る超大型な大鳥【ハーミリー】よりも何倍も巨大な図体じゃんー!明らかに空高くこの町の障壁にぶつかってきてる最中なのに、まるで目と鼻の先にいるかのような近い距離に感じられて巨大なサイズを誇ってるじゃんかよー!

マインハーラッドめ!伊達に【伝説級の世界獣】って分類されてる訳じゃないってかー!



「くそ!俺達が明日の作戦を始める前に先制攻撃仕掛けられたか―――!?」

「思ったより賢い蜥蜴に見えちゃうんっすよなー!」



「マインハーラッドだーーー!!」

「全員戦闘準備しろーーー!絶対に障壁が突破されないよう各自それぞれの4箇所の最重要な防衛拠点に設置された【魔導聖魔発生器クロイツァー・グレヴェディー】の守護へ当たれ―――!」

「直ちに応戦だーー!障壁の中からでも反撃しかけられるから、火矢なり【魔導反飛行物体迎撃砲】なり【魔導銃】なり【魔導砲台】なりで撃ち落とせー!」



「「「「「「「「はああーーいッ!!」」」」」」」

支持を飛ばしてる各大隊を指揮してる中佐を横目に、俺とジェームズも彼らに倣って自分達の契約精霊で応戦するため、上空がより間近に臨める【アズリオン教会】の近くで建てられたそこの【戦術防衛青尖塔】へと【飛行魔術】で飛び移ろうとしたらー



「オケウエーー!大丈夫だった!?まだ突破されてないわねー?」

オードリーもあの兵舎から既に出てきたみたいで、【チーム・オケウェ―】の他の女性陣を引き連れて俺達二人の方に合流して来るようだ!



「この町で張られてる【自動的魔導障壁】を壊そうと猛攻を繰り返してるマインハーラッドなのだけれど、仮にも50人程度の魔術使いの合同詠唱を必要とした機器の4箇所の設置で発動された障壁よー?そう簡単に破られる心配はないのだけれど、ああやって何度も【反人力】の載せられてる突進で続けられてたら......」



「いずれどこかの箇所で衝突を受けまくった障壁の膜がより薄く削られていって、やがて突破されるまでそうそう時間が長くないってことですよねー!?」

ジュディの分析に対して、ヒルドレッドも、



「きっとそうに違いありませんわー!ですから、オケウェーサン!」



「え!【チーム・オケウェ―】は各自、この町の四方のそれぞれ中心から斜め最先端の4箇所で設置されてる【魔導聖魔発生器クロイツァー・グレヴェディー】を守りつつ、残り二人による遊撃用の隊員で氷竜の動きを正確に追いながら応戦するんだ!氷竜はもっと強力な攻撃手段があるから、たとえ【氷息の大槍群】で氷のブレスを吐きながらそれが瞬時に凍り付いた固体の凍槍の大群になって何百本も【魔導聖魔発生器クロイツァー・グレヴェディー】が下にある障壁の張られてる箇所で上空から集中的に狙われたら、さすがに【自動的魔導障壁】も容易く貫かれ、下にある【魔導聖魔発生器クロイツァー・グレヴェディー】も破壊されて、町全体の【自動的魔導障壁】が完全に崩れ去って無くなっただろう!だからー!」



「今から行動開始するわねー!」



「「「「「--おう!」」」」」



オードリーに声をかけられ、俺達全員も直ぐにそれぞれの持ち場の4箇所の防衛拠点の防衛に当たるよう、走り出していくのだった!



ん?あそこのジェームズを一瞥すると、なんかあっちこっちへ見回したりするが、そう言えば既にこの町の中へと寝るために戻ってきた恋人のシャルロットの身の安全を案じてるか、そうやって心配した動作をするみたいだけど、あれで大丈夫かー!?

一応、【チーム・オケウェ―】に属するお前は余念を頭から追い出して、支持に従事することが求められてる隊員の一人のはずだが......



恋人が心配だって、その気持ちは分からんでもないが、戦場での気の迷いは命取りだぞー!

シャルロットも精霊術使いなんだから、彼女の実力を信じるまでのことなんだぞー!

あっちのリルカってチーム・リーダーも無理な支持を出せないまともな女の子に見えそうだし...だからシャルロットなら大丈夫のはず!



「ガオオオオオオオオオ――――――――――――!!!!!」

ビュウウ―――――――――ン!!!!

バチャ――――――――ン!!!!



それと同時に、氷竜も同じところへ何度も猛突進してくの飽きたか、案の定、4箇所のいずれかの防衛拠点である北西の方に向かって飛んでいくのだった!確かに、【魔導聖魔発生器クロイツァー・グレヴェディー】がすぐ直下にある障壁の膜が最も薄い方になっていて、そこをあの賢い氷竜が気づいたようだ!畜生!



他のチーム二つはどこで何をやっているか分からんが、今は俺達で状況に対応するんだ!手元が一杯な状態で他人の心配してる場合じゃないよな!まずはあの4箇所の防衛拠点の防衛に当たるのが最優先だ!



クリス先輩たちなら上手く立ち回れるだろうからね!

と、もうすぐ北西の拠点に着く俺が脳内でそう思ったのだった!




............................................





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