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第157話:養子の日常生活を不安がる里親。そして恐慌状態のオードリー!
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キュルキュル、キュルキュル...
「ガランクレッド様、近くの小湖からお魚を釣ってきましたけれど、今日のご夕食はいつ頃になさいますか?」
フェクモのシンドレム森林地帯にあるガランクレッド・ケルガーの一家にて:
「いつもの揚げ魚でいいんだよ、エリーゼ嬢ちゃん」
「畏まりました。では、ワタクシはお魚を捌いて調理しに参りますので、料理が出来上がるまでにお寛ぎ下さいませ」
「ガははは!嬢ちゃんも真面目だなぁー!」
「仕事柄ですから」
「その割には昨夜はよくあんあんって可愛い声で聞かせてくれたんだが?」
「~っ!...そ、それはガランクレッド様が激しくてー、....だ、だからそのぅぅ、......」
「ガ~ハハハ!冗談だぜ、嬢ちゃん!赤面するまでもないはずだぞ、がーははは!」
「~もう!ガランクレッド様のいじわる~!」
いじらしくガランクレッドの褐色肌の腕を抓ってきた白い肌のメイド服姿のエリーゼの愛らしい表情が見えた。
「がはは、若い事はいいのう~。それに、オレは確かに40代だが、この通りピンピンなんだぜー!....ゼナテスって旦那のお陰でな―!」
木製な簡素な家でありながらもリビングに設置されたばかりの最新版の【魔導映像放送機】の前で買ってもらったばかりの豪華のソファーで身を寛がせてるガランクレッド。
フェクモでは魔術の類すべてが使えない大陸なので、聖魔力を【四元素魔術】、【物理的無視魔術】や【精霊魔術】の発動に消費することは不可能が、上手く練習すれば、体内にある微弱な聖魔力でありながらも【魔導兵器】や【魔導機器】の類は訓練されたものならば使える。
無論、もっと複雑な術式や制御が大変な【精練魔剣】は熟練度高い天才だけしか使えなくて、使えてもフェクモという土地柄の所為で【魔剣技】の類は一切使用できないらしい、大抵の場合では......
「ええ、ゼナテス様には良くして頂いてました。お蔭様で、孤児だったワタクシまでもがこうしてガランクレッド様のお家で雇わせて頂いた身になりましたから」
「ガハハハッ!確か嬢ちゃんは7年前、【レイクウッド王国】での【最悪な1年間】にて、母親も姉も、あのピンク野郎の所為で連れ去られ、そしてー」
「それ以上言わないで下さいませー!ガランクレッド様」
「むふ~!?」
「「.....」」
............
それから、二人はちょっと気まずい雰囲気になり、ガランクレッドもほとぼりが冷めるまでに自身の部屋へと本を読みに戻った。
エリーゼというメイドは【ギャラ―ルホルツ人】のレイクウッド王国出身の民で、7年前は12歳だったが、母親も大事な一人の姉も魔神アフォロ―メロによって攫われ、挙句の果てに一家の稼ぎ手であった父までもが抵抗の際で魔神に殺されたら、行く当てがなくなったあの頃のエリーゼは孤児院に身を寄せることしかできなかった。
でも、孤児院で過ごした時間も、とある顔の上半身だけを覆う仮面を被る変な男性に引き取られたことで幕を閉じた!
「けかかか....これから君は我が娘だ。我のために生き、我の手足となりて動いてもらおう。そしてどんな命令にも従ってもらおう。いいな?」
「はい。....ゼナテス様」
当日引き取ってもらった13歳だったエリーゼより6年も経った今年の【聖神歴895年の1月】に時間が巻き戻ると―
「大事な任務....ですか?」
「そうだよ、けけけ....。君には精霊術学院に転入してきたばかりのオケウェ―・ガランクレッドというフェクモ人の里親ガランクレッドの家で働いてもらおう」
「でも、ワタクシにはゼナテス様の【豚狩りのお仕事】の方が板についたと感じまー」
「異論は認めないよ?けけけ....我の良き駒である君が従っていればいいだけのことさー!それに、..ああいう仕事はスレールリャの方が何倍も得意だと感じてな」
「スレールリャ...様、ですか?」
「ええ、そうだとも。今まで、何度も【亜人共】の護衛に当たっていた聖神ニムヴァリスに仕えてきたアズリオン教会管理下にある【異端審問執行部隊】の精練魔剣使いも熟練度高い精霊術師も始末してきた我が最高な駒だからな、けけけかかかかー!!」
「【聖体正義戦獣】の改良型を大量生産するのに邪魔ですね、教会の連中は....」
「と、いう訳だから、亜人狩りは隠密行動に長けたスレールリャの方がぴったりってことさー!だから、君はただオケウェーの里親の身の回りの世話をしたり、彼の身に危険が及ばないよう見張ってくれたまえ!崇高なる【世界再構築計画】のために」
「承知致しました、我が主!全ては崇高なる【世界再構築計画】のために」
.............................................
.................
ガランクレッドが揚げ魚の美味しい料理をメイドのエリーゼと楽しんだ後の睡眠時間のベッドにて:
「ふふふ....さっきはすごかったですね、ガランクレッド様のテックで....」
「ったり前だー!50歳にもなってねえし、インポでもねえので、オレはこの通り、まだ若気の極みだぜー!ガははは!」
「....40代にもなったおっさんも同然なガランクレッド様が【若気の極み】だと仰るのには少々語弊があるように思えますが....」
「がははは!気にしない気にしない!お前も19歳な癖してその『おっさん』って呼んでる者の上で楽しみまくったじゃん、がははは!......で、本当にいいんだな、嬢ちゃん?....」
「ええ、ゼナテス様の仰る通りにすれば、少年もいずれ【新魔術】の開発に成功し、ガランクレッド様の【ケクル病】を完全に治すことができるでしょう」
ベッドに横向きで横たわってる、年齢差の激しくて裸も同然な二人の男女がお互いの目を見つめ合って話し合ってると、
「....でも、オケウェーのことだし、【死霊魔術】でなんとかならなかったのか、その【ホムンクルス】って器にオレの魂を移すのって....」
「それも相性のぴったりな者の魂でなければ、....そして、彼の遺伝子に合う、とっても精霊術使いとしての才能の飛び抜けた者でなければー」
「霊魂の移植は失敗、するかー?」
「....そういうことです」
「....やっぱりな」
「ですから、ガランクレド様には待ってもらうしかありません。あの子が【新魔術】の開発に成功するまでの間に」
「......」
(オケウェ―!)
(今のお前はどうしたのか?)
(オレはこの通り、元気だし。素敵な嬢ちゃんもゼナテスの計らいでこのオレと家のことを良く守ってくれてるし)
(ああ、オケウエー....元気にしてるよな?今でも....)
(一度だけでもいいから、お友達さんも連れて帰って見に来てくれてもいいのに....)
(きっと、女の子が一杯なあの学院で、楽しいハーレムライフを満喫してきたに違いねえー、ガハハハー!)
(可愛い精霊ちゃんもゲットしたとこの間のゼナテスからの画像で見たり連絡で聞いたばかりだったし....)
(オレはこの通り、美人も側仕えにいて、食も夜の営みも楽しみ放題だし、お前もオレに負けずに女の子とイチャコラしてこいー!がははははー!)
昔から、ブルークラール連邦からの彼女を二人までと別れて、現地のフェクモ人の妻を持っていても4カ月以内で離婚したという、女運がなかったオールグリン王国の元捜査官である、実の子供一人もいないような人生負け組だったガランクレッドにやっと春が訪れたのと同時に、養子の近況についても日が増すごとに知りたくなる様子だ。
男嫌いのジュリアが見たらきっと怒り出すようなその【年の差関係】は、きっと養子オケウエーが知るようになっても驚くことだろう。
....................................................
...................
未だに、氷竜をオケウエーとその仲間が討伐しなければならないっていう重大な情報をガランクレッドに教えないままのゼナテスである!
........................................................
.................
ガランクレッドの楽しめた深夜よりの翌日の北大陸、ギャラ―ルホルツの【ノキューリエム】というアズリア地域の主要都市の【氷竜討伐任務】の戦闘に切り替わった:
「ガプ――――――――!」
「「「「「「「「「「―――――!!!!」」」」」」」」」」
「お、....お、..オケウエー―――――――――――――――!!!!!!!ジュデイ――――――――――――――――!!!!!」
ター―――――――!!
障壁の外にある、氷竜マインハーラッドがオケウェーとジュディをその口に入れて閉ざしたことを見てしまったオードリーは恐慌状態になり、直ぐにヒルドレッドの張ってくれた【大守白霊防壁グレート・ホワイトスピリット・バリアー】から雷のような速度で飛び出ていったオードリーはー
「はあああああ―――――――――――――――――――!!!!!死になさいよ―――――――――――!!!その醜い面つらしてる害獣のトカゲ――――――――――――!!!」
ビュユウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥ―――――――――――――――!!!
今までよりも格段に巨大で、太すぎる氷の尻尾をその両腕で発生させ、纏いながら操作してる【氷の戦乙女】の状態のままのオードリーは、その2本のデカい氷の尻尾を激しくて音速も超えたであろう速度で以って、氷竜の頭目がけて仲間二人をその口から解放させるよう攻撃を開始したがー
グラチャアア――――――!!グラチャアア――――――!!
「グラアアオオオオオオオオオオオ――――――――――――――!!!!」
直撃させたので激痛の咆哮と共に、そのおデコも両目もオードリーのとてつもなく早過ぎた巨大な尻尾による叩き込みで深く鱗の何層もがたくさん抉られて奥の筋肉へとその衝突撃が到達し、大量な血を噴出させながらも直ぐに【超速再生】が発動しなかったのはオードリーのその尻尾による攻撃に冷気と氷の類を感じたマインハーラッドの自動機能が相応しく反応して、同質なものであると認定され再生を難しくしてしまったようだ―――!
「グラアアオオオオオ―――――――――!!!」
バサバサバサバサバサバサバサ――――――――――――!!!!!
ビュウウ――――――――!!!!
だからなのか、オードリーの猪突猛進にて深く頭部を傷つけられたマインハーラッドが怯んだかのように、素早い両翼による羽ばたきでー
ビュウウ―――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!
バサバサバサバサバサバサバサ――――――――――――!!!!
直ぐに、そこの上空からありったけの【反人力】も【集中力】も合わせて、いきなりその戦場となった空から遠くへと北に向かって離脱し、逃げていったのだった――――!(オケウェ―とジュディを飲み込んだままにして)
「待ちなさい―――!オケウェ―とジュディを吐き出させ返すまで逃がさないわよ――」
パチ―――!!
「えー!?」
どうやら、オードリーがその【氷の戦乙女】状態を保っていられる時間も切れて、瞬く間に普段通りの金髪オードリーの姿に戻ったようだ!
バサバサバサバサバサバサバサ――――――――――――!
氷竜マインハーラッドが遠くのもっと北にある、【氷死の界獣地】へと飛んでいき、その戦場から撤退したのを誰も止めることができないままなのであった!
「追うわよ皆―――――――!!大事な二人を取り返すまで――――!!」
尚も勇ましく意気込んだオードリーが追おうとした姿勢を諦めない様子だった!
しかしー!
ガシー!
「なー!なによあんた、放しなさい――!!オケウェ―達の命が危ないわよ―――!!絶対に吐き出させに行かないと―!!」
諦めずに駆け出していこうとした恐慌状態のオードリーの腕を力強く鷲掴かんでいるヒルドレッドがいるのだった!
......................................................
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「ガランクレッド様、近くの小湖からお魚を釣ってきましたけれど、今日のご夕食はいつ頃になさいますか?」
フェクモのシンドレム森林地帯にあるガランクレッド・ケルガーの一家にて:
「いつもの揚げ魚でいいんだよ、エリーゼ嬢ちゃん」
「畏まりました。では、ワタクシはお魚を捌いて調理しに参りますので、料理が出来上がるまでにお寛ぎ下さいませ」
「ガははは!嬢ちゃんも真面目だなぁー!」
「仕事柄ですから」
「その割には昨夜はよくあんあんって可愛い声で聞かせてくれたんだが?」
「~っ!...そ、それはガランクレッド様が激しくてー、....だ、だからそのぅぅ、......」
「ガ~ハハハ!冗談だぜ、嬢ちゃん!赤面するまでもないはずだぞ、がーははは!」
「~もう!ガランクレッド様のいじわる~!」
いじらしくガランクレッドの褐色肌の腕を抓ってきた白い肌のメイド服姿のエリーゼの愛らしい表情が見えた。
「がはは、若い事はいいのう~。それに、オレは確かに40代だが、この通りピンピンなんだぜー!....ゼナテスって旦那のお陰でな―!」
木製な簡素な家でありながらもリビングに設置されたばかりの最新版の【魔導映像放送機】の前で買ってもらったばかりの豪華のソファーで身を寛がせてるガランクレッド。
フェクモでは魔術の類すべてが使えない大陸なので、聖魔力を【四元素魔術】、【物理的無視魔術】や【精霊魔術】の発動に消費することは不可能が、上手く練習すれば、体内にある微弱な聖魔力でありながらも【魔導兵器】や【魔導機器】の類は訓練されたものならば使える。
無論、もっと複雑な術式や制御が大変な【精練魔剣】は熟練度高い天才だけしか使えなくて、使えてもフェクモという土地柄の所為で【魔剣技】の類は一切使用できないらしい、大抵の場合では......
「ええ、ゼナテス様には良くして頂いてました。お蔭様で、孤児だったワタクシまでもがこうしてガランクレッド様のお家で雇わせて頂いた身になりましたから」
「ガハハハッ!確か嬢ちゃんは7年前、【レイクウッド王国】での【最悪な1年間】にて、母親も姉も、あのピンク野郎の所為で連れ去られ、そしてー」
「それ以上言わないで下さいませー!ガランクレッド様」
「むふ~!?」
「「.....」」
............
それから、二人はちょっと気まずい雰囲気になり、ガランクレッドもほとぼりが冷めるまでに自身の部屋へと本を読みに戻った。
エリーゼというメイドは【ギャラ―ルホルツ人】のレイクウッド王国出身の民で、7年前は12歳だったが、母親も大事な一人の姉も魔神アフォロ―メロによって攫われ、挙句の果てに一家の稼ぎ手であった父までもが抵抗の際で魔神に殺されたら、行く当てがなくなったあの頃のエリーゼは孤児院に身を寄せることしかできなかった。
でも、孤児院で過ごした時間も、とある顔の上半身だけを覆う仮面を被る変な男性に引き取られたことで幕を閉じた!
「けかかか....これから君は我が娘だ。我のために生き、我の手足となりて動いてもらおう。そしてどんな命令にも従ってもらおう。いいな?」
「はい。....ゼナテス様」
当日引き取ってもらった13歳だったエリーゼより6年も経った今年の【聖神歴895年の1月】に時間が巻き戻ると―
「大事な任務....ですか?」
「そうだよ、けけけ....。君には精霊術学院に転入してきたばかりのオケウェ―・ガランクレッドというフェクモ人の里親ガランクレッドの家で働いてもらおう」
「でも、ワタクシにはゼナテス様の【豚狩りのお仕事】の方が板についたと感じまー」
「異論は認めないよ?けけけ....我の良き駒である君が従っていればいいだけのことさー!それに、..ああいう仕事はスレールリャの方が何倍も得意だと感じてな」
「スレールリャ...様、ですか?」
「ええ、そうだとも。今まで、何度も【亜人共】の護衛に当たっていた聖神ニムヴァリスに仕えてきたアズリオン教会管理下にある【異端審問執行部隊】の精練魔剣使いも熟練度高い精霊術師も始末してきた我が最高な駒だからな、けけけかかかかー!!」
「【聖体正義戦獣】の改良型を大量生産するのに邪魔ですね、教会の連中は....」
「と、いう訳だから、亜人狩りは隠密行動に長けたスレールリャの方がぴったりってことさー!だから、君はただオケウェーの里親の身の回りの世話をしたり、彼の身に危険が及ばないよう見張ってくれたまえ!崇高なる【世界再構築計画】のために」
「承知致しました、我が主!全ては崇高なる【世界再構築計画】のために」
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ガランクレッドが揚げ魚の美味しい料理をメイドのエリーゼと楽しんだ後の睡眠時間のベッドにて:
「ふふふ....さっきはすごかったですね、ガランクレッド様のテックで....」
「ったり前だー!50歳にもなってねえし、インポでもねえので、オレはこの通り、まだ若気の極みだぜー!ガははは!」
「....40代にもなったおっさんも同然なガランクレッド様が【若気の極み】だと仰るのには少々語弊があるように思えますが....」
「がははは!気にしない気にしない!お前も19歳な癖してその『おっさん』って呼んでる者の上で楽しみまくったじゃん、がははは!......で、本当にいいんだな、嬢ちゃん?....」
「ええ、ゼナテス様の仰る通りにすれば、少年もいずれ【新魔術】の開発に成功し、ガランクレッド様の【ケクル病】を完全に治すことができるでしょう」
ベッドに横向きで横たわってる、年齢差の激しくて裸も同然な二人の男女がお互いの目を見つめ合って話し合ってると、
「....でも、オケウェーのことだし、【死霊魔術】でなんとかならなかったのか、その【ホムンクルス】って器にオレの魂を移すのって....」
「それも相性のぴったりな者の魂でなければ、....そして、彼の遺伝子に合う、とっても精霊術使いとしての才能の飛び抜けた者でなければー」
「霊魂の移植は失敗、するかー?」
「....そういうことです」
「....やっぱりな」
「ですから、ガランクレド様には待ってもらうしかありません。あの子が【新魔術】の開発に成功するまでの間に」
「......」
(オケウェ―!)
(今のお前はどうしたのか?)
(オレはこの通り、元気だし。素敵な嬢ちゃんもゼナテスの計らいでこのオレと家のことを良く守ってくれてるし)
(ああ、オケウエー....元気にしてるよな?今でも....)
(一度だけでもいいから、お友達さんも連れて帰って見に来てくれてもいいのに....)
(きっと、女の子が一杯なあの学院で、楽しいハーレムライフを満喫してきたに違いねえー、ガハハハー!)
(可愛い精霊ちゃんもゲットしたとこの間のゼナテスからの画像で見たり連絡で聞いたばかりだったし....)
(オレはこの通り、美人も側仕えにいて、食も夜の営みも楽しみ放題だし、お前もオレに負けずに女の子とイチャコラしてこいー!がははははー!)
昔から、ブルークラール連邦からの彼女を二人までと別れて、現地のフェクモ人の妻を持っていても4カ月以内で離婚したという、女運がなかったオールグリン王国の元捜査官である、実の子供一人もいないような人生負け組だったガランクレッドにやっと春が訪れたのと同時に、養子の近況についても日が増すごとに知りたくなる様子だ。
男嫌いのジュリアが見たらきっと怒り出すようなその【年の差関係】は、きっと養子オケウエーが知るようになっても驚くことだろう。
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未だに、氷竜をオケウエーとその仲間が討伐しなければならないっていう重大な情報をガランクレッドに教えないままのゼナテスである!
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「ガプ――――――――!」
「「「「「「「「「「―――――!!!!」」」」」」」」」」
「お、....お、..オケウエー―――――――――――――――!!!!!!!ジュデイ――――――――――――――――!!!!!」
ター―――――――!!
障壁の外にある、氷竜マインハーラッドがオケウェーとジュディをその口に入れて閉ざしたことを見てしまったオードリーは恐慌状態になり、直ぐにヒルドレッドの張ってくれた【大守白霊防壁グレート・ホワイトスピリット・バリアー】から雷のような速度で飛び出ていったオードリーはー
「はあああああ―――――――――――――――――――!!!!!死になさいよ―――――――――――!!!その醜い面つらしてる害獣のトカゲ――――――――――――!!!」
ビュユウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥ―――――――――――――――!!!
今までよりも格段に巨大で、太すぎる氷の尻尾をその両腕で発生させ、纏いながら操作してる【氷の戦乙女】の状態のままのオードリーは、その2本のデカい氷の尻尾を激しくて音速も超えたであろう速度で以って、氷竜の頭目がけて仲間二人をその口から解放させるよう攻撃を開始したがー
グラチャアア――――――!!グラチャアア――――――!!
「グラアアオオオオオオオオオオオ――――――――――――――!!!!」
直撃させたので激痛の咆哮と共に、そのおデコも両目もオードリーのとてつもなく早過ぎた巨大な尻尾による叩き込みで深く鱗の何層もがたくさん抉られて奥の筋肉へとその衝突撃が到達し、大量な血を噴出させながらも直ぐに【超速再生】が発動しなかったのはオードリーのその尻尾による攻撃に冷気と氷の類を感じたマインハーラッドの自動機能が相応しく反応して、同質なものであると認定され再生を難しくしてしまったようだ―――!
「グラアアオオオオオ―――――――――!!!」
バサバサバサバサバサバサバサ――――――――――――!!!!!
ビュウウ――――――――!!!!
だからなのか、オードリーの猪突猛進にて深く頭部を傷つけられたマインハーラッドが怯んだかのように、素早い両翼による羽ばたきでー
ビュウウ―――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!
バサバサバサバサバサバサバサ――――――――――――!!!!
直ぐに、そこの上空からありったけの【反人力】も【集中力】も合わせて、いきなりその戦場となった空から遠くへと北に向かって離脱し、逃げていったのだった――――!(オケウェ―とジュディを飲み込んだままにして)
「待ちなさい―――!オケウェ―とジュディを吐き出させ返すまで逃がさないわよ――」
パチ―――!!
「えー!?」
どうやら、オードリーがその【氷の戦乙女】状態を保っていられる時間も切れて、瞬く間に普段通りの金髪オードリーの姿に戻ったようだ!
バサバサバサバサバサバサバサ――――――――――――!
氷竜マインハーラッドが遠くのもっと北にある、【氷死の界獣地】へと飛んでいき、その戦場から撤退したのを誰も止めることができないままなのであった!
「追うわよ皆―――――――!!大事な二人を取り返すまで――――!!」
尚も勇ましく意気込んだオードリーが追おうとした姿勢を諦めない様子だった!
しかしー!
ガシー!
「なー!なによあんた、放しなさい――!!オケウェ―達の命が危ないわよ―――!!絶対に吐き出させに行かないと―!!」
諦めずに駆け出していこうとした恐慌状態のオードリーの腕を力強く鷲掴かんでいるヒルドレッドがいるのだった!
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仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
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