精霊術学院の死霊魔術使い

ワガドゥー男子

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第164話:ジュディとオケウェーの新たな関係性

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「【黄金輪形態二種類攻勢体構メルアンヌ・アークシューラッス=スウーエド】―――――――――――――――――――――――――!!」


「ま、毎回みて思うんっすけど、本当に圧巻の一言に尽きるな!クリスティーナ嬢さんのその、...メルアンヌ・アークシューラッス=スウーエド(Meluanne Archshulasse-Suayde)って最終奥義の展開型精霊魔術って....」



ジェームズが感嘆とした声であそこを見つめていることも無理のない話。

なぜならー


実際に息を呑むような光景だけじゃなくて、【詠唱破棄】でそうやって唱えられたクリスティーナが目の前にいるからだ!



【詠唱破棄】をするということはもはや聖魔力量の温存も必要ないらしく、すぐにクリス先輩の左手が握り持っているリボンっぽい黄金色な波状なオーラと右手で握っているロングソードの先端からは黄金色の長い槍っぽいオーラが長く伸ばされ、その異様な権威を周囲に警戒させるように光を点滅させている。



それだけじゃなくて、クリスティーナの頭の上には黄金色の輪が浮いていて、そして彼女の身体を囲むようにいきなり出現した3本の輪が重ね重ねにクリスを護るように包囲体形となった。そして、クリスティーナの後ろには二つの黄金色の天使みたいな羽も出現した!



「戦術通りに行くけれど、そこのクリスティーナ嬢だけの見せ場にならずによく考えられてるものだわ、ヒルドレ!はあああー!【大災乱弾三十円陣撃、自身強化の凍氷戦女形態】――――――!!!」



バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!バ!バ!バ!バ!ババババババババババババババババーーーー!!!!!!!



ついさっき、一度だけ氷竜との戦いで既にオードリー自身の胴体にその全部の360弾の中型氷弾が着弾した方の【究極奥義の精霊魔術】を披露したので、今回も同じようにー



「はあああああ―――――――――――――!!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオゴゴゴ........................



オードリー自身の身体がまたも【氷の戦乙女】になって、元々金髪だったオードリーの髪の毛が真っ白く塗りつぶされ、元々長髪な彼女の髪が更に足の後ろにまで及ぶ長さに一時的伸ばされ、そして元々白い肌が更にミルクのように変色していて、爪もちょっとだけ長くなったオードリーが自身の纏っている莫大なる氷結を齎す聖魔力を迸らせながら、鋭い目つきでその奥の山の頂上の裏で休んでいるであろう氷竜マインハーラッドから発される莫大な【反人力】を感じ取って目を細めがながら、



「行くわよー、みんな!オケウェ―とジュディを助けるため!」



「「「「「「「「「「「-はいー!」」」」」」」」」」」



ター!ター!ター!ター!ター!「マー待って!」



「ん?どうしたの?エリス?」

さっきから行動を共にしたから既に覚えている彼女の名前を呼んだルミナリス王女に、



「王女様もこの、...【奪還作戦】に参加して下さるの、...ありがたいんですけれど、そ、そのぅ...ラニアさんを連れてこなくて、...いいんでしょう、...かぁ」



消え入りそうな自信なさげな口調で訪ねたエリスに、



「ウむ!ラニアならきっと妾が側にいなくともグラムズ准将の安全が保障されるように、上手いこと守ってくれると思うであるよ、にしっ!」



「で、でも、...王女様の援護射撃として、...一緒に来てくれた方が、...良かったんじゃー」



「それについても必要ないであるよ?なぜなら..」



ター!ター!ター!ター!



「そこには、妾の両側に並んでいても十分なぐらい、勢揃いな強力過ぎた能力を秘めている精霊術使いが数人いるからであるぞ?」



既に山の方へと駆け出していったクリスティーナとオードリー、リーリスやジュリアを交互に見ながら、まるで自分の自慢話でもするかのような得意顔になって不敵な笑みを見せているルミナリス王女がいるのだった!



「それに、...あやつの精霊の最も得意な分野は防御であるからな。....それをここで担当してくれるヒルドレッド殿一人さえいれば十分ってところでもあるしな、にしし....」



それだ付け加えたルミナリス王女は今度、



ター!



皆に倣って、王女自身もあの山の裏へと飛んでいき、氷竜との闘いにまたもその身を投じるなのであった!



「ま、待って!...私も行くんですよ、みんな!」



王女との話にちょっとだけ花を咲かせていたエリスだったが、慌ててエリスも既に駆け出していった他の【チーム・リルカ】二人を追っていくのだった!




..................................................





.......................




氷竜の胃袋の中にて:



「あ~はははは。..イーズの言う通りだね。は、早く皆のところに戻って、この竜をドカーンってやつけちゃおうかー?」



「うん!だが、その膜をぶち破ってここから出る前に、ちょっとジュディに話しておかなければならんことがある」



「え?話?それを今でしなきゃいけないほど大事なの?」



「え、ええ....。どうせ、皆のところに戻ってれば、賢い彼女たちのことだ。誰か一人二人、ひいては4人以上も俺達の関係の大きな変化を感じ取ってしまうことになるだろう」



「あ~はははは....それもそうなのね。....つ、つまり、オケウェーが言うには、皆の元に戻ると、どうやって振る舞ってるかって話だよね?」



「そうだね」



「え、えっと...死霊魔術については心配ないよー?私もオケウエー大好きガールになっちゃったから、先生たちと同じでオケウエーの秘密も守るよ!」



「うん!ありがたいが、今もっとも話したかったことは別にあって、とても大事なことなんだと思うよ」



「大事な....話、ねぇ....まあ、私たちの関係、....についてだよね?そ、それなら、いっそうのこと、私達が既に恋人同士って言っちゃえばいいと思わない?」



「...あ、それだね!俺の最も話したかったことを」



「聞かせて!恋人同士だから、オケウエーの話は何でも聞きたいんだし、えへへ....」



その『恋人』って言葉にちょっとびくってなった俺。

確かに、俺がついさっき、ジュディの告白を受けて、実際に彼女の気持ちを受け止めて、真摯に自分も彼女のことが好きだって言ったのは嘘なんかじゃなくて、紛れもない事実。



....だが、俺は。



俺は......ジュディの過去話におけるその辛い思い、健気な生き方について本当に尊くて、愛しい存在だって思えるようになっても......



たとえば心の底から、ジュディの事が大好きになったといっても、その....



実は、俺は既にオードリーとの先約、その、何て言うのかな、えっと....



約束、っぽいもの....なのかな?



オードリーの【契約人間】になろうって、言ったあの日のこと。



「それについてだが、良く聞くようにな?ジュディ....」



「~うん!」



ニコニコしての満面な笑顔ではにかみながら聞く姿勢になったジュディ、俺は、



....ついに、全てを話すことにした。



オードリーのお姉さんを助けてから、自信を無くしたオードリーを元気づけたあの日の夜で、泣きじゃくってしまったオードリーを宥めて、慰める際に、彼女と接吻を交わしたことを



それから、オードリーに、俺自身が彼女に対して、『俺はお前の契約人間になってやってもいい』って言ったことも。



オードリーが、俺に何の関係の変化を求めないまま接吻を交わしたことも....



そして、【愛の大聖霊イーズベリア】の【愛の渇望】って権能の元に、俺が違う女の子ともっと多くとキスを交わしていけばいくほど、聖魔力量が増えていく仕組みも......



おじちゃんのケクル病を直すために、それが有効的な方法だと肯定してしまったことも....



そして、まあ、確かにクリス先輩との、......あれは口が裂けても言えないけどね、あ~ははははは.....

魅了状態にしてキスをその自我のない、意識をコントロールできないクリス先輩に強要してしまったことも(勝つため、新しい【改:絶清大聖シリーズ】を学んで強くなるためとはいえ、紳士としてあるまじき行為だったって自覚あったし....仕方ないとはいえ....)



最後に、イリーズカ先生にもキスされたことって明かしてしまった。



ジュディに、殆ど全部をー!



だって、既に体も軽く重ねた今の俺達に、俺の方からちょっとぐらいの秘密を共有しないと、フェアじゃない......と、思うしね。



ジュディのことが好き。だが、オードリーも、その....同じぐらい、....惹かれるところも、...ある。



だから、...



...........................................




..............



「....そ、そうなんだ....」



「じゅ、ジュディ....」



なんだか思ったほど、精神的ダメージをあまり受けてない様子で、ただ真顔で俺の話を聞いて、真剣な表情のままで感情の揺れ動く様を悟らせないってポカーフェスのままだ。



「..まあ、いいんじゃない?私の呪いを解く今日という日、....以前の話だし」



「え?で、でも、ジュディはそれでもー」

「しー」

「んむふ?」



静かに、ジュディの白い指先だけが俺の唇に触れている。



「じゃ、今のオケウエーは何がしたいの?」

「え?」



ジュディからの思わぬ質問に、ちょっと心拍数が上がるのを感じながら、



「聞かせて下さい。今のオケウエーは、何がしたい?....誰のことが一番好き?....一生の伴侶として。....戦場でのパートナーだけじゃなくて、....精霊術同士の仲間としてだけでもなく、......将来を一緒に、二人で人生を生きていく夫婦としてを.....」



「....そ、れは..」



やっぱりそう来たか!



俺は今、まだ若いから、結婚の話となると何がなんだか、さっぱり分からないけど、少なくとも、今の俺にはそれを答えるための経験が少なすぎて、もっと知りたいって思うこともあるだろう。



「ねえ、聞いてよー?....オケウエーは、自分のおじちゃんのために、これから気に入られてる子とか、....キスを交わしていくのって、....我慢して、私の知らないところだけでやるってのも......仕方がないと思う。でもー」



「......」



「まだ答えたくないの?」



「俺、は...」



「ねえ、簡単な質問だけだよ?オケウェ―は、私とオードリー....どっちが一番好き?」



「...正直に話すと」



「うん」



「....りょ」



「え?」



「両方とも、同じぐらい好き、....だと思う」



「......」



「......」



緊張感マックスの静寂が少しだけ続く。



「「......」」



お互いを無言で見つめ合ってどれほど経ったか、定かじゃないけど、やがてー



「ぷ!」



「ほえ?」



「ぷくっ~!あぁ~はははははははははははは~~~!!!な、何それー!?オケウェ―?」



「あ、れぇ...」



「あはははは!だ、だって、いくら、りょ、りょうははははは~!....ごめん!両方を同じぐらい好きとかー!」



「...もう~!笑うことないのに~!」



ジュディの急な大笑いに対して拗ねた俺に、



「ごめんごめん!で、でも、....それっておかしい事だよね?」



「何がか?」



「だ、だって、このギャラ―ルホルツの他の国の事とかあまり知らないけど、今の私たちのこのレイクウッド王国にね?実は、....重婚は認められず、一夫一妻制だけの結婚が認められるんだよ?」



「あぁ」

確かに俺はそっち方面の文化的や法律的な話はまだ詳しくなかったって思い出したな。



「そうだよ。そして今の貴族家になったばかりの私たちも、元々は公爵家の令嬢であるオードリーも」



「そうだね。だ、だからー」



「この話を保留にし、どっちが一番好きか、確かめてから決める?」



「......そうしたい」



言ってしまった。



優柔不断だって思われてるかもしれないけど、だって仕方ないじゃない―!



俺にとって、ジュディもオードリーも同じぐらい好きって気持ちがあって、どっちか一人だけを選んで、もう一人は捨てる、みたいな話はしたくないもん!



二人も、今の俺にとっては大事な女の子だ!



「やっぱり、ね。...あ、あ~はははは......ま、まあ、そもそも、私だって、....最初から死ぬつもりでこの任務に参加してきたようなものだったし。......それを今更、私の英雄様、私の一生の悩みを解決して、騎士様となってくれたオケウエーの彼女になるかどうかって話自体!.......ちょっと前までは、考えられなかったんだよね?」



「そ、そう、....だね」

慎重に言葉を選びながら言ってしまうと―



「だ、だから、こんな恋愛話について、...そ、その....どっちかを選べって話自体、....なんか、私にとっても贅沢すぎるって話になっちゃうんじゃない?」



「そ、それもありか....」



「でしょでしょー?」



「ん」



「だ、だから、わ、私ー」



『これ以上の長話はめー......だよ?いつまでもこんなところ、......で、障壁をいつまでも......かけられないし。......だから、オケ兄ちゃんとジュディ、......姉ちゃん。......それでもしたいなら、せめて......ここを出てからに......して?』



「「...」」



まあ、確かにイーズの言う通りだ!



何か進路の事とか、これからの恋愛事情の話とか、深く考えてから決めるために、まずはここから出て竜を討伐してからにするんだね!



「では、イーズ!やるぞ?」



『うん!』



「オードリーは直ぐに俺の後ろに張り付いて、俺の背中をがしって掴んで抱きしめてくれ!放さないようにな!」



「は、はい!」



ジュディもここから出るタイムだって身構え済みだったか、既に普段通りの毅然とした凛々しい表情の戦闘をするような女の子のそれに切り替わって、そしてー



「はあああ――――――!!『改:絶清大聖魔術技、第1魔技段、【全身聖白潔実大波壁ヴェロヌア=ゼイレンハイハット】』-----!!!」



クリス先輩と戦った時の第3段階の【聖大海霊抱敵陣浄化清巨楔エリーヴァララー・オネッグスバーグ=カッレンガールト】じゃなくて、【グリーン・ジャイガント・スイーパー】と戦った時に使ったこの第1段階にしたのは理由がある。



パチイイイ―――――――――――!!!!



「受けてぶっ飛びやがれ―――――――!!」



それは、さっき死霊魔術を使った時に、俺が【死の骸】を始めて、ああも長く発動したことで、【死の息吹】の久しぶりに使ったっていうブランクのある状態で行使してしまったことで、俺の体内に宿る第2番目の力の源である【聖魔力】の保持量を半分までに低下させてしまい、この第1段階の方だけしか、当面の間、使えないようになったからだ!



【改:絶清大聖魔術シリーズ】のイーズベリア特有の究極聖霊魔術は、俺自身の聖魔力を【大聖魔力】という上位互換に変換してから使用できるものだ!



だから、聖魔力量が普段より半分に減らされれば、第3段階の発動に使う【大聖魔力】に変換できる聖魔力量が足りないからだ!



でも!



今、俺の身体を強烈で、【聖護守英防壁ホリー・ディーフェンシーヴ・エックセレント・ガーディングバリアー】に取って代わって上書きできるような神聖なる真っ白いオーラが直径30メートルに展開し、俺を中心に据える【全身聖白潔実大波壁ヴェロヌア=ゼイレンハイハット】のこれは、禍々しい全ての【反人力】を一切に無効化できる絶対的な聖なる光に包まれていれば―!



「ジュディはしっかり捕まってくれよなー!ここから出るぞ!やああああ―――――!!」



ビュウウウウゥゥ――――――――――――――――!!!!



カチャアアアァァァアアアアアアーーーーーーーーーーーーーアアァアーーンンンンン!!!!!!



俺のこの身体中から展開されている聖なる真っ白い巨大な光の障壁により、その膜にこれが振れた途端、激しい閃光と同時に発された耳鳴りな爆音と共に―!



ビュウウウー―――――――――――――――――――――!!!!



無事に竜の胃袋の壁にある膜を一瞬にして消滅でき、背中から抱きしめているジュディと共に、空を駆けて出てきた感覚を感じたのだった!もう出ちゃったねー!



「ん?」



「どうしたの、オケウエー」



「思ったより聖魔力量の消費があまり多くないねー。どうー、あ!?」



「忘れたのー?さっき、私たちキスしたばかりだよねー?それも、何度も何度も!」



ああ、確かにジュディを新たな器である今のこのホムンクルスへ移植する直前のあのバケモン状態のジュディとも接吻したな。



だから!



「イーズの【愛の渇望】って権能で、今の俺の聖魔力量も」



「上がったね?」



さっきはまるで【死の骸】の所為で聖魔力量の多くを消費されたって感覚だけれど、実際に改:絶清シリーズの聖霊魔術を発動すれば、それほど多くの聖魔力が減ってきてる訳じゃないよね。



「ちぇー!二つの異なる【力の源】を短い間隔で使ってきた所為で感覚が狂うかもしれないね!こうなると分かってれば、竜の腹にいたついさっきまでに【改:絶清大聖シリーズの第3段階】を発動した方が良かったのに、なんて勿体ないことしたな!」



「あ~~ははははは......」



ジュディの背中越しの乾いた笑いを聞いた俺も苦笑したくなる気分だぜ、ったく。



まったくだね!



損した気分だったぜ!



氷竜を一も早く、消滅させられた機会(多分)を逃すとかー



その所為で、第1段階を使ってしまったことにより、これからは聖魔力量が全快した明日からでなければ、もう第3段階とそれ以上のものを使えなくなっちゃったじゃない―!




...........................................................................





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