私達、怪奇研究部!!

たけまる

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弓道部編

第9怪

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 部室前で呆然としていると真野が走ってきた。

「美玲さん、大変です! この手紙を巡って生徒会室で部長と颯斗さんが……喧嘩してます!」

 生徒会室に直ぐに向かった。すると生徒会室には校長先生と生徒会長、青崎颯斗。お馴染みの怪研かいけんメンバーが集まっていた。

「どういうことだよ!」

「そのまんまだ! お前らは学校に勝手に侵入したり校長室ぶん取ったり、やりたい放題やりやがって、部活動じゃないだろ!」

 部長と颯斗が言い争っている。青い瞳は鋭く私たち怪奇研究部員を見つめている。

「校長が良いって言ったんだからいいんだよ! 入学式のとき、部員が少なくとも四人集まれば新規部活動として立ち上げて良いって言っただろ? 俺は一年我慢して去年! 美玲と真野を迎え入れ、晴れて新規部活動として怪奇研究部は立ち上がったのだ!」

「ん? それでも三人じゃね?」

 純がツッコむ。それにすかさず部長がメガネを輝かせて言った。

「なーにを言っている、ここに颯斗きゅんがいるじゃあないか!」

「俺は許可してねぇ! お前が勝手に俺の名前で入部届け出しただけだろ!」

「まっ、どちらにせよ今は京子がいるから条件は満たしているのサ」

 完全に部長のペースに巻き込まれている。怪奇研究部は確かにやっていることはおかしいが、それでも私の大切な部活だ。

「つーか、立ってるだけの校長の考えはなんなの? 俺はちゃんと約束守って怪奇研究部立ち上げたんだから文句ないよな?」

 少々手荒に立ち上げた気もしなくもないが、校長はゴホンと咳払いをし、話し始めた。

「怪奇研究部の皆さんは今まで散々やらかしてきましたからねぇ……反省文提出してないですし……簡単には許せませんよねぇ」

 ︎︎校長が怪奇研究部員を一人一人見渡す。部長が「何が言いたいんだよ」と言うと待ってましたかのように満面の笑みで言った。

「よって、怪奇研究部の皆さんにはとあることをして頂こうかと」

 とあること? 全校の掃除か、荷物運びか、はたまた。

「弓道部のヘルプに行っていただきたいのです! そうして頂ければ、今までのことは水に流して怪奇研究部は存続という事にしましょう」





 突然のことに呆然としつつ話はそれで終わり、私たちは弓道部へやってきた。

「さっきゅーん!」

 部長が弓道部部長の佐久間さくま先輩に抱きつく。

「うぉぉ、親友ー! マジで助かったぁぁぁ!!」

「俺たちいつから親友だった? まぁとにかく話を聞こうじゃないか」

 弓道部は秋の市内大会に出場予定だった。ギリギリ参加人数に達していたのだが二年のエースが階段から落ち、腕を骨折。このままでは大会に参加できないのである。

「本当、マジでめっちゃ申し訳ないです!」

 すると後ろから話しかけられた。その人物こそ二年のエース。

「や、山中くん?! あんたその腕」

 怪奇研究部をインチキ部活だと問題発言をしたクラスメイトだった。山中は純に駆け寄り、コソコソと耳打ちをした。

「純ー、聞いてくれよー。俺階段から落ちたんだけど、なんと足を引っ張られて落ちたんだよぉ。家帰って確認したら……ほら、足にこんな手形が」

 美玲はひっそりと会話を聞いていた、足を見ると確かに人の手の形がくっきり付いていた。しかし階段で足首を掴むのは不可能だろう。

「な、なぁ。これって幽霊……」

「怪研のことインチキって言ったからバチ当たったんじゃない?」

 美玲は思わず口をついてしまった。それをよりによって部長が聞いた。

「お? お前ちょっと外行くか」

「いーやーでーすー」

 三人で騒いでいる間、純は少し考えているようだった。





 弓道着に着替え、いよいよ弓道初挑戦。京子と真野は先に佐久間と練習をしていた。

「む、難しいです……」

「あはは! そうだろ、でも真野くん似合うじゃん。弓道部うちに来ても良いんだよー」

「コラーーー! 勝手にうちのやつ引き抜こうとしてんじゃねぇ!」

 部長は既に練習を始めていた。「あたりー、あたりー、あたりー!」と打つ矢全てが的に当たっている。

「えっ? なんで部長……」

 美玲の疑問に佐久間が答えた。

「あっ一、二年生は知らないか。怪奇研究部が出来る前、あいつは弓道部だったんだよ。他の先輩より出来ちゃってたから、あいつが怪奇研究部を作らなきゃ今頃弓道部の部長はあいつだったよ」

 知らなかった。あの腕前、一年ちょっとやったからと出来るようにはならないだろう。それを分かっていたからこそ、校長は怪奇研究部にヘルプを頼んだのか。すると部長がこちらに走ってきた。

「美玲、出来てる?」

「いや、まだ全然」

 教えてやるよ。と部長が美玲の後ろに周り、弓を引く手伝いをする。思っていたよりも硬く難しい。それよりも他の問題があった。本人はなんとも思っていないようなのが悔しい。今までは幼なじみとして特に気にかけていなかったが中学生、思春期真っ只中となると話は変わる。

「ち、ちょっと休憩! それより純どこ行ったんだろうなぁー!」

「便所だってさ、長い便所だなぁ」

「私ちょっと見てくる!」

「えっ、えっ?! 男子トイレに?!」





 弓道場を出て廊下を走る。あのままその場にいたらどうにかなりそうな予感がしたからだ。すると突き当たりの階段に純がいた。

「純、そんなところで何してるの?」

「あぁ、山中が転んだ階段がここらしくて。美玲も見ただろ、あのアザ。だから現場に何か痕跡があると思ってな」

「やっぱり幽霊?」

「断言出来ない。が、霊的な何かなのは確実」

 階段を登ったり降りたり、一段一段注意深く見たりと試行錯誤するが分からない。すると階段の上から颯斗が覗いていた。

「お前ら練習もしないで何やってんだ」

「勘弁。山中の代わりなら一人でいいだろ。なんでどうせ出ない俺たちまでならなきゃいけんの?」

 それもそうか、と颯斗が階段から降りる。すると上から三段目のところで止まった。

「ここだ……呪いの痕跡」

 一瞬の違和感に颯斗は気づいた。純は気がつけなかったようで颯斗の側に駆け寄り、より詳しく階段を視る。

「無理だ。お前は無意識に結界を張るから小さな痕跡に気づけないんだ」

 颯斗が純のひたいをデコピンする少し悔しそうにする純。

「にしても呪いか、まさか」

(赤坂家は呪殺を得意とする一族。呪いの達人)

 赤坂ルルカのこともある。もし今回も赤坂家が絡んでいたとしたら狙われるのは二人、円城寺美玲ともう一人。

「純平……」
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