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ゴミ活 第1話 令和の笑ゥ●ぇるすまん
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――あ゛~~~……5000兆円欲しい。
私、ミカは今、お金に困っている。
普通レベルの金欠ではない。
家賃を4か月ぐらい滞納して前の家を強制退去になり、年末のクソ忙しいタイミングで安いマンションに引っ越しを余儀なくされたのだが。
その前の家で滞納した家賃が、退去時のハウスクリーニングも含めて約47万円。
これと、引っ越し費用もプラスすると約50万円を月々分割で支払っているという訳だ。
もちろん今の生活が優先だから、月に返せる額は5千円とかの、相手からしたらふざけた額だがこっちは真剣にそれしかひねり出せない。
このペースが続けば大体8年4か月か……いざ数字にすると頭が痛いな。
コールセンターで派遣社員として時給1,300円。
シフト不定期の週5フルタイムなので手取りで月約17万円。
にもかかわらず一昨年の今頃、消費者金融から借りまくってまで遊んで自己破産して、それでも生活を立て直せずこのザマだ。
この破産履歴が響いて引っ越しの難易度が、まーあ高かった。
唯一良かった事といったら、奨学金も自己破産出来た事ぐらいである。
ともあれそんなだらしない性格だから、真面目に借金を返すためのダブルワークは考えず、たまに単発のミステリーショッパー系のユルいバイトをしたりフリマアプリで出品する程度で、今は現実逃避のターンというわけなのだ。
地面にポイ捨てされたタバコの吸い殻をぼーっと見つめながら妄想する。
――このゴミがお金になればな……。
なんていう独白をしながら、玄関のドアを開けると……。
「こんにちは。手軽にお金が欲しくありませんか?」
部屋の中にやべー奴が居た。
チェック柄のスーツに糸目という、某関西弁漫才師ラッパーのような出で立ち。
「……何なんですか?」
こういう状況の時、人は咄嗟に「誰ですか」ではなく「何ですか」と尋ねるらしい。
確かに氏素性は二の次で、取り敢えず何の目的で……自分がこれから何をされるのか、の方が重要だから。
あと、すぐに警察を呼ぼうとも思わないらしい。
取り敢えず話を聞いてみようという気になる。
話に興味があるからとかではなく、これも、頭ごなしに否定するより上辺だけでも同調しておいた方が、取り敢えず逆上して暴行を受ける可能性は少なくなるからだ。
「はい。嫌いな人にゴミを押し付けて、お金になったら素敵だと思いませんか?」
男は相変わらずの糸目のままだが、気持ちもう少し目を細めて笑いながら、自分のスマホを見せて来た。
画面は、よくあるポイ活サイトのマイページのように見える。
「まぁ……素敵ですね?」
「そのテスターになって欲しくて、こうしてお邪魔した次第です。失礼ながらお金に困っているように見えましたので」
あまりにも胡散臭すぎる。
けれど引き続き、話を聞いてみようという気になっている。
追い返し方が分からない、といった方が正しいかも知れない。
なんだか令和の笑ゥせぇ●すまんみたいだな。
「……えーっと……長くなるなら、先にお肉冷蔵庫に入れてからで良いですか?」
「どうぞどうぞ」
そう言って男は私を簡単にキッチンに行かせた。
包丁を持って来られたらどうしよう、なんて考えは無いのだろうか。
とはいえ私もそんな一矢報いるような勇気もなく、奪い返されるリスク優先で普通~に食材を冷蔵庫に入れるだけでリビングに戻って来た。
馬鹿だな。
「……で、取り敢えず分かるように説明してくれますか?」
「はい。簡単に言えばこのアプリをスマホにインストールして頂いて、嫌いな人の情報を入力し、カメラでお金に換えたいゴミの写真を撮るだけです。……嫌いな人、居ますよね?」
嫌いな人……と言われて、私の頭には、1人の人物が浮かんだ……。
→つづく
私、ミカは今、お金に困っている。
普通レベルの金欠ではない。
家賃を4か月ぐらい滞納して前の家を強制退去になり、年末のクソ忙しいタイミングで安いマンションに引っ越しを余儀なくされたのだが。
その前の家で滞納した家賃が、退去時のハウスクリーニングも含めて約47万円。
これと、引っ越し費用もプラスすると約50万円を月々分割で支払っているという訳だ。
もちろん今の生活が優先だから、月に返せる額は5千円とかの、相手からしたらふざけた額だがこっちは真剣にそれしかひねり出せない。
このペースが続けば大体8年4か月か……いざ数字にすると頭が痛いな。
コールセンターで派遣社員として時給1,300円。
シフト不定期の週5フルタイムなので手取りで月約17万円。
にもかかわらず一昨年の今頃、消費者金融から借りまくってまで遊んで自己破産して、それでも生活を立て直せずこのザマだ。
この破産履歴が響いて引っ越しの難易度が、まーあ高かった。
唯一良かった事といったら、奨学金も自己破産出来た事ぐらいである。
ともあれそんなだらしない性格だから、真面目に借金を返すためのダブルワークは考えず、たまに単発のミステリーショッパー系のユルいバイトをしたりフリマアプリで出品する程度で、今は現実逃避のターンというわけなのだ。
地面にポイ捨てされたタバコの吸い殻をぼーっと見つめながら妄想する。
――このゴミがお金になればな……。
なんていう独白をしながら、玄関のドアを開けると……。
「こんにちは。手軽にお金が欲しくありませんか?」
部屋の中にやべー奴が居た。
チェック柄のスーツに糸目という、某関西弁漫才師ラッパーのような出で立ち。
「……何なんですか?」
こういう状況の時、人は咄嗟に「誰ですか」ではなく「何ですか」と尋ねるらしい。
確かに氏素性は二の次で、取り敢えず何の目的で……自分がこれから何をされるのか、の方が重要だから。
あと、すぐに警察を呼ぼうとも思わないらしい。
取り敢えず話を聞いてみようという気になる。
話に興味があるからとかではなく、これも、頭ごなしに否定するより上辺だけでも同調しておいた方が、取り敢えず逆上して暴行を受ける可能性は少なくなるからだ。
「はい。嫌いな人にゴミを押し付けて、お金になったら素敵だと思いませんか?」
男は相変わらずの糸目のままだが、気持ちもう少し目を細めて笑いながら、自分のスマホを見せて来た。
画面は、よくあるポイ活サイトのマイページのように見える。
「まぁ……素敵ですね?」
「そのテスターになって欲しくて、こうしてお邪魔した次第です。失礼ながらお金に困っているように見えましたので」
あまりにも胡散臭すぎる。
けれど引き続き、話を聞いてみようという気になっている。
追い返し方が分からない、といった方が正しいかも知れない。
なんだか令和の笑ゥせぇ●すまんみたいだな。
「……えーっと……長くなるなら、先にお肉冷蔵庫に入れてからで良いですか?」
「どうぞどうぞ」
そう言って男は私を簡単にキッチンに行かせた。
包丁を持って来られたらどうしよう、なんて考えは無いのだろうか。
とはいえ私もそんな一矢報いるような勇気もなく、奪い返されるリスク優先で普通~に食材を冷蔵庫に入れるだけでリビングに戻って来た。
馬鹿だな。
「……で、取り敢えず分かるように説明してくれますか?」
「はい。簡単に言えばこのアプリをスマホにインストールして頂いて、嫌いな人の情報を入力し、カメラでお金に換えたいゴミの写真を撮るだけです。……嫌いな人、居ますよね?」
嫌いな人……と言われて、私の頭には、1人の人物が浮かんだ……。
→つづく
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