異世界転移したけど王様がクズなので旅をします。〜邪神に選ばれし男は神へと至る〜

悪鬼さん

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序章

迷宮に向かうらしい

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そろそろ十時かな?この本を最後まで読んだきたいんだけどなあ、にしてもやっぱり文字が読めん、ラプラスが居ないと全然読めないし、食事も味が薄いし、ベットは硬いしで、まだ異世界に来て特にいいことないな、まだ2日もたってないのに異世界チートヒャッホー!してた奴らもテンション下がってるし、基本的に城の中は自由行動出来るけど外には出してもらえないし、まあ二日ももたないのは流石に我慢が足りないと思うが…。

「おーい、みんな、そろそろ九時半になるぞ!」
時間か、書庫に時計はないし、そもそも時計自体が城の中で少ないから時間が分からないんだよな、わざわざ教えに来てくれたクラスメイトの佐藤君(仮)には感謝だな。
「てあっ!」
俺が立ち上がろうとすると、背後から近づいてくるもう1人のクラスメイトに気づかなかった!うん、日本語がおかしい、まあ、当たらんのだが。
俺は頭上から勢いよく落ちてくる本を華麗な横ステップで回避し、振り向いて本で攻撃してきた奴の腕を掴んだ。
攻撃してきた奴は明人だった、いきなり何してやがるんだコイツ。
「よし、勘は鈍ってないみたいだな、明日はしっかり戦闘訓練するらしいから、俺と戦って貰うぞー」
「は?戦わねえよ」
俺は目立ちたくないっていつも言ってんだろうが、昨日ガッツリ戦って魅せたお前と本気で戦ったら目立つだろうが。
「いつも目立ちたくないって言ってんだろうが明人、大体いきなり攻撃するな、その顔吹っ飛ばすぞアホ」
「あーすまんすまん、次から気をつける、あとお前の顔を吹っ飛ばすはシャレにならんから勘弁してくれ、下手したら体がぶっ飛ぶんじゃなくて頭だけボールみたいに飛んでくぞ」
「ホント勘弁してくれは俺の台詞だっての…さっきの防御も見られてるから目立たないか不安なんだよ…」
ホントに勘弁して欲しい…、ここ異世界だし殺しても証拠が残りにくいよな?ガチで口封じしてやろうかな本当に。
「分かったよ、まぁ行こうぜ」
…話しを切り上げて誤魔化しやがったな、まあ、時間無いしさっさと移動するか。
時間が無いのも明人のせいだがな。



********************************
 
「エルクス王!アルベルフ、転移者達を連れてここに参上しました」
「ふむ、ご苦労アルベルフ」 
王様とクソ騎士がやりとりを終わらせてクソ騎士が王様の玉座の横に待機する、早く話し終わらねえかな。
「さて、転移者達よ、ここに来てもらったのは今後の事について話すためだ」
お、今後の方針が決まったのか、俺は早くチート能力試してみたいから実戦したいんだが、まあ大体の奴が
そう思ってんだろうけど。
「今日より六日後、バルンテス大迷宮に行ってもらう」
おお!大迷宮!いかにもダンジョンっぽい名前じゃねえか、六日後か、楽しみだなぁ。
「それまでは訓練と勉学に励むようにし、その成果を出し、バルンテス大迷宮でレベルを上げ、魔族を倒す力を手に入れるのだ!」 
おー、いいこと言ってるなぁ、まあ中身は俺たちを利用する気しかないクズ野郎なんだけどな。
「これにて話しは終わりだ、自室に戻れ」
にしても相変わらず偉そうな…。

********************************

正午の鐘が鳴り、食堂で昼食を食べ終わり、しばらくして訓練をした、剣を使う者は素振りと戦技を、魔法を使う者は詠唱と魔力の使い方を訓練し始めた、明人は模擬戦をやりたがっていたな、まあ当たり前か、アイツ素振りとか毎日してるから飽きてる、それにバトルジャンキーなアイツはせっかく強い奴が近くにいるのに戦えないのは苦痛なんだろ、見た感じ一番蓮斗が頑張ってた、みんなのリーダー様は大変みたいだ、ちなみに俺は小手を着けて攻撃する訓練をした、そしてあっというまに6日間が過ぎた。






「んー、どんなところなんだろうな」
「何が?」
「いや、バルンテス大迷宮ってところ」
「噂では、石像が動くとか、ドラゴンが出るとか」
「ドラゴンクラッ痛っ!」
「やめろ、気持ちは分かるが」
なにいってんだか俺にはさっぱりわからない、一応チート持ちなのにビビってんのか?内心が本音に出そうだったけどギリギリのところで押さえた、急に話しに入ったら変な目で見られる、てか久し振りだなライトニング11か、あれってフットサルのアニメだったけか?ま、今はそんなこと関係ないな、そんな事を考えているといきなり明人が近寄ってきて話しかけてきた。
「緊張してるか?」
「そんな訳ないだろ、お前は?」
「流石だな、俺も平気だ、…まあ、やっぱり少し困惑してるが」
「戸惑いこそ人生だよ、明人君」
俺がドヤ顔+キメ顔で言うと。
「転移しちゃってるから、元の世界での人生終わってね?」
「急にマジな話するのはやめろ」
するとクソ騎士が近寄ってきた。
「これより、バルンテス大迷宮への遠征に出発してもらう、貴様等!準備を早く済ませろ!」
相変わらず上からだった。

    

全員が馬車に乗って移動が開始された、城の外に出るのは初めてだから景色を堪能することにするか。
馬車は床と壁と屋根は高価そうな木、履いてある絨毯は高級感があり、座ってるソファーはフカフカ、馬車ってよりキャンピングカーだな、舗装路じゃないから揺れが酷いが。

「にしても…」
外、田舎だなぁ…道路もないし、車も通ってない、建物も無いから綺麗な木々が並んでるのがよく見えて途中には畑があったりする、おばあちゃんの家を思い出すなぁ。

ガタンッ!
「うおっと!」
急に馬車が止まって大きく揺れた、外を見ると村に着いたみたいだった、目的地に着いたのか?
「転移者の方々、目的地のアミダラ村に到着しましたよ」
着いたのか、さてと、隣で寝てる赤ちゃんを起こさねえとな。
「赤也、起きろ!」
「うーん…あともうちょっと」
「起きろや!」
「ふぁっ!」
「ほら、着いたぞ、よくあの揺れの中寝れたなお前」
「あー、あ?あ!着いたのか」
反応遅いな、おい、ほんとに赤ちゃんみたいだな、オイ!
そんなんだから赤ちゃんって言われるんだよ、俺に。
「今失礼なこと考えなかったか?晃」
「き、気のせいだろ…」
何こいつ勘鋭すぎないか? 
「ほら、行こうぜ」
「むー…」







「よしお前ら!これから馬車では入れないバルンテス渓谷に入る!それぞれの班での隊列を崩さないようにしろ!」
馬車を降りるとゲトラが開いた大きな木の門の前に立っていた、馬車ごとに振り分けられた班で固まり、話を聞く。
「つまり、ダンジョンはここの渓谷を越えるとあるわけか」
赤也が呟き、よく分かんなかったゲトラの話がようやく理解できる。
渓谷は高い二つの崖の間にほとんど舗装されてない道が横幅5メートル位か?まあその位の大きさの道が続いている、崖や道の色は少し赤みの入った砂のような色で出来ている。

「よし、長ったらしい説明は終わりだ!渓谷に入るぞ!」
ゲトラがそう言うと、待ちきれなかったクラスの奴等から歓喜の声が聞こえた、ワクワクする気持ちは分かるけど、緊張感持てよ…これから命を奪うかもしれないのに。


「全員入ったぞ」

?、なんか建物の陰でコソコソ一人でなんかしてる奴がいるな…まあいいか。

**********************************


しばらく進むと、道の横にある岩の陰からボロボロなローブをまとった男が現れた。
「…何もんだ?テメェ…」
先頭に立ってたゲトラが警戒し、剣を構えるとロープの男は両手を挙げ、無力アピールをした後、
「今だ!」
と崖の上向かって叫んだ、その直後、上の方から爆発音が響いた。





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