異世界転移したけど王様がクズなので旅をします。〜邪神に選ばれし男は神へと至る〜

古の島編

ミインの切り札

「とっておき、か」
「うん、時間が掛かるし、さっきみたいに自分で植物を迎撃出来ない…」
「分かった、ミインへの攻撃も俺が引き受ける」
「ん、任せる…」

「都av〆＋の山pにtのまなこjl」
どうやら再生が終わったらしく、こちらに植物を生やし、攻撃を再開した。
「っ…やってやらぁ！」
まず、晃は自分に迫って来る蔦を避け、ミインに向かっていた物だけを掴んでいく。六本ほど掴んで、今度は地を張って自分に近付いたてきた蔦を踏みつける。そして今度は握っていた蔦を手刀で切り裂き、踏んだ蔦を脚に引っ掛けて引き千切る。
「5÷なの何÷手山かag＋中やJs」
今度は木の根と蔦が同時に来るが、“龍尾円脚”で一掃する。
青いオーラを全身に纏い、次の攻撃に備えていく。
少し前に気付いたことだが、龍拳法ドラゴンストライクによって纏われる青いオーラは攻撃力を上げる要であり、身体能力を上げることが出来るらしい。スピードもパワーも、纏っている間は飛躍的に上昇する。これのお陰で今もそこそこ戦えている。

「…これだけか？」
意味が伝わるとは思っていないが、晃は挑発をする。
それが伝わったのか、トレントは攻撃を晃に集中させた。

これは本音でもある。
このトレントにはあの時の…俺が死んだ時ほどの脅威を感じない、確かに植物を使った攻撃をするが、あの距離から巨木を生やしたように大規模でも無ければ破壊力も無い。そして俺を即死させたレーザーも撃ってこない…本当にコイツが番人か…？
「替え玉…？塔から出て来た上に、これだけ強いのにか？冗談だろ…？」
植物の攻撃は段々と激しくなっていき、その代わりにミインへの攻撃は少なくなっている。
「…術式、かん、せい」
「OKだミイン、お前の切り札、見せてみろ」
ミインは複雑な術式と膨大な魔力を制御し、詠唱を開始した。
「… 我、神法に近き理を呼び出す、天は下り暁に沈む、大地からは掛け離れし空大地に訪れ、星々の奇跡を呼び起こせ……」

ミインの叫びと同時に、巨大な魔法陣が地面に現れる。その魔法陣の八方から眩い光が飛び出し、空中の一点に集結した。
「gな○舐め5ks4kgg！？」
光は凝縮されるように小さくなり、最終的に握り拳程の大きさの球となった。その球はゆっくりと降りて来て、トレントの目の前で浮いたまま停止する。
「アキ、ラ…離れ、て…」
ミインは顔を下げて、片腕だけを魔法陣側に突き出していた。どうやら制御しているようで、途切れ途切れの言葉でこちらに伝えた。
「…分かった、何か今までに無いくらいヤバそうだしな」
晃はミインを担いで走ろうとする、しかしトレントは周囲に植物を生やし、行手を阻む。晃はミインに衝撃がいかないように注意しながら“龍尾円脚”で道を開き、縮地法で一気に駆け抜けた。

ミインは距離が取れたことを確認すると、制御するために開いていた手を、命令する様に強く閉じた。

「“星法　超新星スーパーノヴァ”」
そして光の球は音も無く炸裂し、眩い爆発が起きた。