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出会い
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満月が光る春の夜。
桜が咲き誇り想いを馳せながら晩酌するには丁度良い雰囲気が私の身を包んだ。
その時私は水面に映った月をただ呆然と見ていた。
「今宵も良い月。」
それからも何も考えずただひたすら月を見ていた。
刻一刻と時は過ぎ私はふとある事を思った。
「彼が居たらもっと美しかったのかな?」
そういえばあんな事もあったな。違う日にはこんな事もあったな。
そして私は昔のことを思い出しているうちにいつの間にか寝てしまった。
そうして夢を見る。
これから綴られるのは天邪鬼な私と彼の物語。
悲しくも前に進もうと決めた一人の女性の別れの物語である。
私はその日、今日みたいに一人で水面に映る満月を見ていた。
隣には誰もいない。
昔から素直になれない性格つまり天邪鬼だったため周りから避けられずっと独りだった。
そして今日もただ独り月を見ているといきなり後ろから話しかけられた。
「君は誰?なんでこんな場所に居るの?」
話しかけられるだなんて思ってもいなかったから少し驚いたが何食わぬ顔で声の主の方を向く。
後ろを振り向くとそこには女性を思わせるような華奢な腕と日焼けなどしてない真っ白な肌をした男だった。
「誰あんた?あんたこそなんでこんな所に来たの?」
すると男は少し悩んだ素振りを見せ言った。
「ここがお気に入りの場所だからかな?」
「なんで疑問系なのよ・・・。」
「正確には『お気に入りになった』なんだけどね。」
「ここには初めてきたからさ。君はどうなの?」
「なんで見ず知らずのあんたなんかにそんなこと言う必要があるの?さっさとどっか行きな。」
「えぇ~。冷たいなぁ。」
夜も更け私も帰ろうと歩き出す。
すると後をついてくる奴がいた。
「後をついてくるな!自分の家に帰れ!」
私は後ろを向き怒鳴った。
すると男は微笑を浮かべながら言った。
「僕もこっち方面に家があるからさ。途中まで一緒に行こうと思って・・・。」
その言葉を聞いた私は更に速度を上げた。
男も急いでついてきていた。
帰る途中も私に向かってずっと話題を振ってきていたが私はそれを悉く無視した。
1時間ぐらいだろうか。そのぐらいの時間歩いたあと男は不意に私の目の前にまでやってきた。
「ここが僕の家なんだ!凄いでしょ!」
男が指差した方向を向くと一軒家が立っていた。
見るからに平凡。『質素』という単語が最初、頭に浮かんだ。
「たまには遊びにきてね!」
「言い忘れてた!僕の名前はショウ!よろしくね!」
「ふん・・・。」
私は興味なさげにそっぽを向いて自分の家へと歩き出した。
・・・先ほども言ったが私はずっと独りだった。
親はいない。私が生まれてすぐに死んだのだ。
この性格も親の愛情をほとんど受けずに育ったせいで歪んだのだろうと自分は考えている。
親を憎んではいない。生きていればいつかは死ぬし病気だったのだから仕方ないことだった。
そして私は薄暗い部屋の中で夕食も食べず布団を敷いて深い眠りにつくのだった。
桜が咲き誇り想いを馳せながら晩酌するには丁度良い雰囲気が私の身を包んだ。
その時私は水面に映った月をただ呆然と見ていた。
「今宵も良い月。」
それからも何も考えずただひたすら月を見ていた。
刻一刻と時は過ぎ私はふとある事を思った。
「彼が居たらもっと美しかったのかな?」
そういえばあんな事もあったな。違う日にはこんな事もあったな。
そして私は昔のことを思い出しているうちにいつの間にか寝てしまった。
そうして夢を見る。
これから綴られるのは天邪鬼な私と彼の物語。
悲しくも前に進もうと決めた一人の女性の別れの物語である。
私はその日、今日みたいに一人で水面に映る満月を見ていた。
隣には誰もいない。
昔から素直になれない性格つまり天邪鬼だったため周りから避けられずっと独りだった。
そして今日もただ独り月を見ているといきなり後ろから話しかけられた。
「君は誰?なんでこんな場所に居るの?」
話しかけられるだなんて思ってもいなかったから少し驚いたが何食わぬ顔で声の主の方を向く。
後ろを振り向くとそこには女性を思わせるような華奢な腕と日焼けなどしてない真っ白な肌をした男だった。
「誰あんた?あんたこそなんでこんな所に来たの?」
すると男は少し悩んだ素振りを見せ言った。
「ここがお気に入りの場所だからかな?」
「なんで疑問系なのよ・・・。」
「正確には『お気に入りになった』なんだけどね。」
「ここには初めてきたからさ。君はどうなの?」
「なんで見ず知らずのあんたなんかにそんなこと言う必要があるの?さっさとどっか行きな。」
「えぇ~。冷たいなぁ。」
夜も更け私も帰ろうと歩き出す。
すると後をついてくる奴がいた。
「後をついてくるな!自分の家に帰れ!」
私は後ろを向き怒鳴った。
すると男は微笑を浮かべながら言った。
「僕もこっち方面に家があるからさ。途中まで一緒に行こうと思って・・・。」
その言葉を聞いた私は更に速度を上げた。
男も急いでついてきていた。
帰る途中も私に向かってずっと話題を振ってきていたが私はそれを悉く無視した。
1時間ぐらいだろうか。そのぐらいの時間歩いたあと男は不意に私の目の前にまでやってきた。
「ここが僕の家なんだ!凄いでしょ!」
男が指差した方向を向くと一軒家が立っていた。
見るからに平凡。『質素』という単語が最初、頭に浮かんだ。
「たまには遊びにきてね!」
「言い忘れてた!僕の名前はショウ!よろしくね!」
「ふん・・・。」
私は興味なさげにそっぽを向いて自分の家へと歩き出した。
・・・先ほども言ったが私はずっと独りだった。
親はいない。私が生まれてすぐに死んだのだ。
この性格も親の愛情をほとんど受けずに育ったせいで歪んだのだろうと自分は考えている。
親を憎んではいない。生きていればいつかは死ぬし病気だったのだから仕方ないことだった。
そして私は薄暗い部屋の中で夕食も食べず布団を敷いて深い眠りにつくのだった。
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