Live with you 〜貴方とともに〜

レン

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 彼女ーー池野 瑠璃(いけの るり)が死んだ日の光景を夢に見て俺は飛び起きてしまった。
「ちくしょう・・・。またあの光景か。」
 時は過ぎ、彼女が死んで11ヶ月余りが経ち今や俺ーー池神 レン(いけがみ れん)も高校二年生になり自分の進路を考えないといけない時期にある。
 元より朝が苦手なのも相まって少しばかり憂鬱な気分に浸っていると一階から妹である池神 沙耶(いけがみ さや)の声が聞こえてきた。
「お兄ちゃ~ん。ご飯できたよ~。
「分かった、分かった。今行く。」
眠い目を擦りながらも、一階に行くと味噌汁のいい匂いが鼻腔を突き抜けた。机に座り合掌する。
「いただきま~す!」
「いただきます。」
 言い忘れていたが、この家に住んでいるのは現状二人だけである。理由は単純で両親ともに海外で仕事をしているからである。お金の仕送りはしてもらっているから特段、生活が苦しいというわけではない。
 何も喋らずただ黙々と食べていると不意に妹から声を掛けられた。
「どうしたの?なんか顔色悪いよ?」
 妹は咀嚼しながらも顔を覗き込んでくる。
「悪夢を見ただけだ。」
「またあの日の光景を見たの?」 
 心配そうな顔でこちらを見つめてくる妹。  
「あぁ。そうだよ。」
 妹は俺の返事を聞いた後、
「あんまり無理しちゃダメだよ。」と声を掛けてくれた。
 こんなだらしない兄のことも気遣ってくれる妹には感謝することばかりである。そんなことを考えながら朝食を食べ終え自室に向かった。
 自室にたどり着くと少しの間ベットに仰向けになった。数秒間たったあと面倒ながらも学校に行く準備を始めた。
 俺が今、通う高校に決めた理由はシンプルに家から近かったから。それ以上でもそれ以下でもない。
 遠いところより近いところの方が個人的にはいいと思っている。なにせ疲れないから!
 などとそんなくだらないことを考えながら歩いていると突然、後ろから頭をものすごい力で叩かれた。
「いってぇ~!?なんなんだよ!!」
 後ろを振り向くと、クラスメイトである鈴原 麗華(すずはら れいか)が立っていた。
「出会い頭に何すんだよ!怪力女!」
 そんな言葉を放つと共に足を踏みつけられる。
「いってぇ~~~!!!」
 悲鳴にも近い声が辺りを反響するのであった。
そんなこんなで学校に着き、窓際にある自分の机にうつ伏せになり時間を潰していると、担任が入ってきた。
 ちなみに俺たちの担任は少しばかり歳をとっており耳の聞こえが悪いが生徒には好評である。
 朝会が始まり朝から眠くなりそうな担任の長い話を聞いている傍ら俺は今日も青い空を眺めながら物思いに耽るのであった・・・。
 
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