紡ぎゆく物語

初投稿から1年 今から綴られるは過去のお話

𝟏𝒔𝒕 𝑨𝒏𝒏𝒊𝒗𝒆𝒓𝒔𝒂𝒓𝒚 🎊 𝑺𝒑𝒆𝒄𝒊𝒂𝒍 𝑬𝒑𝒊𝒔𝒐𝒅𝒆 🎉

　とある日の帰り道、俺は半ば強制的に皐月と一緒に帰っていた。
「ねぇ？レン君ってさ？こんな噂知ってる？」
「どんなだよ？」
　どうやら聞いたところによると奇妙は噂が巷では広まっているらしい。
　内容はいきなり目の前が白く光って何か別の空間に飛ばされるみたいな。
　映画やアニメでもあるまいしそんなことが起きるわけがない。　
　噂などくだらないと内心バカにしながらもう少しで家が見える所の最後の曲がり角を曲がる。
　するといきなり目の前が思わず目を閉じてしまうほど強くそして白く光ったのであった・・・。
　次に目を開けると周りには見渡す限り真っ白な空間が広がっていた。
「・・・・・？」
　言葉も出ないとはこの事か。驚きすぎて開いた口が塞がらない状態である。
　少し冷静さを取り戻したので改めて自分の置かれている状況について思考する。
　そして次は大声を出すのだった。
「何処だよここは～！？」
　は？なんで？意味が分からん。どうしてこうなった？俺なんか悪いことしたか？
　起きるわけがないとか思っちゃったからか？それがフラグだったと言うのか？
　待て。もう一回落ち着こう。
「そういえば皐月は？俺の近くにいたはずだがあいつはどうなったんだ？」
　また再度あたりを見渡してみる。するとすぐそこに皐月も倒れていた。
　さっきまで居なかったのにいつの間に・・・？俺が見落としただけか？
　疑問もあったが俺は皐月のそばにまでいき肩を揺らしてみる。
「おい皐月。起きろ。」
　何度か揺らすと皐月は目を開け起きた。
「おはよう。レン君。」
「寝惚けているのか？そんなこと言ってる場合じゃないぞ。周りをよく見てみろよ。」
　俺の言われた通り皐月も周りを見る。
　今になってあの白い光のことを思い出したのか困惑の表情を浮かべていた。
　そして皐月は困惑の表情を浮かべながらも俺に質問してきた。
「レン君。ここどこ？」
「俺にも分からん。とりあえず他に人がいないか探してみよう。」
　そうして俺たちは他に人がいないから探すため少し歩くのだった。
　30分は歩いただろうか？どれだけ進んでも白一色。代わり映えのない景色が続いた。
　すると目の前に4人ほど人がいるのを確認した。
　俺たちは人がいると言う事実に少し感動しながらも手を振った。
　あちらの4人も俺たちの存在に気付いたようで手を振りかえしてくれた。
　俺と皐月は走ってその人たちのいる場所にようやく辿り着いた。
　見ると俺たちと同じ高校生ぐらいだろうか？男女2人ずつの計4人であった。
「あんた達の名前を聞いても良いか？」
　俺はひとまず4人の名前を聞いた。
　すると4人の中で一番人当たりが良さそうな奴が元気よく答えた。
「俺の名前は佐々木　煌！そして後ろのやつが斗真に奈津に天音だ。よろしく！」
「俺の名前は池神　レン。そしてこいつが瑠花だ。こちらこそよろしくな。」
　互いに名前を名乗ると煌から質問された。
「君たちはどうやってここにきたか覚えているの？」
　その質問に対して俺は覚えているのを全て話した。
　道を歩いていたらいきなり目の前が白く光ったことや気が付いたらいきなりこの場所にいたことなどを。
　話すとどうやら煌たちも同じ感じらしい。
　煌と奈津そして斗真で集まって話しながら帰っていたところいきなり目の前が白く光ったようだ。
　天音も同じらしい。
　ここから分かることは一つ。俺たちは何者かに意図してここに連れてこられたと言うことだ。
　近くにいなかった天音が連れてこられたと言うことは狙われたと考える方が妥当だろう。
「とりあえず他にも人がいないか探してみよう。」
　そうして俺たちは再び歩き出した。
　歩く途中で色々なことを聞いた。
　一番衝撃的だったのは煌がいた世界には『能力』と呼ばれるものが存在すると言うことだ。
　にわかに信じがたかったがこの目で見たのだ。いやでも信じてしまう。
　どうやら別の世界の人間のようだ。
　それからも煌たちの世界について色々聞きながら歩いているとまたもや人の姿を視認した。
　今度は2人か。見るからにどちらも高校生のようだ。
　その人たちにも名前を聞いた。
　1人目は燈。出会って初っ端、女の子と思い聞いてみたら男だと怒られた。
　2人目は零餓。何となく俺の似ている感じがした。
　これで合計8人になった。
　お互いに自己紹介しているといきなり白い空間が歪み出した。
「何だ！？」
　そして次の瞬間8人は眩しい光と共にリビングのような場所に飛ばされた。
　目を開け周りを見る。すると見知った場所が目に飛び込んだ。
「ここは俺たちの家のリビングだ。」
　俺は思わず声を上げた。
　戻ってきたのか？いや。煌や零餓がここに居るところを見るとそう言うわけではないらしい。
　まじまじとリビングを見ているとテーブルを挟んだ向こう側に黒い影が現れた。
「！！！？？？」
　煌と天音そして燈が前に出る。能力持ちと言うのは何と頼もしいことだろう。
「お前は誰だ！？」
　煌が声を荒げ影に問いかける。
　影はニヤリと笑みを浮かべながら楽しげ声をあげる。
「安心しろ。俺からはお前たちに危害を加えない。」
「ただ少しゲームをしてもらいたいだけなんだ。」
　その言葉に煌が訝しげに質問する。
「どんなゲームをするんだ？」
　影はより一層、口角をあげてゲームの内容を告げた。