最弱な奴が実は最強?

レン

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恐怖

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 いつも通りニュースを見ていると不意にキャスターが悲鳴を上げた。テレビ画面に血が飛び散る。
 スタジオが騒然としている最中、一人の女が目の前に現れ告げた。
「私の名はネメシス。ブレエドと呼ばれる組織のトップです。」
「え・・・・?」 
 その言葉に俺は少しだけ驚いてしまった。そんな俺をよそにまだ話は続く。
「今ここに改めて宣言する。今一度、あの時の様な絶望を味あわさせてやる。」
 その様なことを話しているうちにネメシスと名乗る女は警察に周りを包囲されていた。
 女は危機的状況に陥っているにも関わらずひどく冷静だった。
 次の瞬間、目の前でありえない事が起こった。
 警察の人間が全員、気を失い倒れたのだ。
 目に見えないスピードも驚愕したが更に驚くべきことに女は自身の能力を使用していないのだ。
「では諸君。また会おう。」
 その言葉を最後に女は去っていった。
 去っていったあと俺は残りのご飯を一気に食べ急いで学校に向かった・・・。
 早歩きしている途中、俺は女が言っていた言葉について考えていた。
 それは「あの時の様な絶望」と言う言葉。奴らはきっとあの事件のことを言っているのだろう。
 それはみんなが寝静まった夜中に突如として起こった。
 いきなり空が赤色に変わり周りの建物は忽然と姿を消し周りにいた人間も塵となって消えた。
 空は歪み大地は揺れまるでこの世の終わりを告げているようであった。
 そうして一つの町が一晩にして地図から消え失せた。
 その町は西側にあり本当の名前はないが皆んながその町の荒れ果てようから「スラム」と名付け呼んでいた。
 その事件によって多くの死者が出てこの事件は歴史史上、最も最悪な事件として残ることになった。
 ちなみにこの事件の原因は未だ不明となっている。
 そうしてこの事件はそれまで平和に暮らしていた人々を恐怖のどん底に突き落とし絶望を与えたのだった。
 学校に着くと案の定、生徒たちは騒然としていた。
 クラスにつき居眠りをしていると煌から話しかけられた。
「お前はあんな事があったのによく居眠りできるな。」
 顔を上げてみると煌は少し呆れた顔で俺を見ていた。
 平気そうな顔をしていても内心では恐怖を抱いているのが煌の顔を見ると分かった。
 無理もない。なにせ例の事件の様な事がまた起こるかもしれないのだから。
 この学校の生徒にもあの事件のせいで家族を失った経験のある奴が多数いる。
 だからこそ今の状況に恐怖を抱き半ばパニック状態になったりするのである。
 俺は煌との会話を終え再びブレエドについて少しだけ考える事にしたのであった・・・。
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