最弱な奴が実は最強?

レン

文字の大きさ
29 / 53

余裕

しおりを挟む
 俺はネメシスを追っていた。
 ネメシスは奈津を殺した後、すぐにその場を立ち去ったからだ。
 階段を登り重厚感のある扉を押し開くと屋上に出た。         
 そしてそこにはネメシスがいた。
「ここにいたのか」
 俺はネメシスに言った。
 するとネメシスは余裕のある表情で答えた。
「ここは私が一番好きな場所です。夜空が綺麗でしょう?」
 確かに。見上げるとそこには満天の星空が広がっていた。これから始まる事にはあまりにも似つかわしくなかった。
「それにしても貴方の中で何があったのですか?」
「何だ?変なこと聞くな。」
 正直に言うと私は驚いている。目の前の男の変化に。
 外見な先ほどと変わりはない。ただ「何かが変わってる」と言う確証だけがあるのだ。
 殺意は感じるのだが先程感じた燃え盛る炎のような 殺意ではない。
 冷静を保ちつつもその心は激しい闘争心を宿していた・・・。
「雑談はこれくらいにして始めますか?」
「そうだな・・・。」
 俺は持ってきていたナイフを構えた。ネメシスも戦闘準備をしていた。
 最初に飛び込んできたのはネメシスだった。
 多分、先程の攻防で俺に勝てると確信しているのだろう。
 確かに負けるかもしれない。力の差があった。けどそれはさっきまでの話だ。
 俺はネメシスの拳を難なく受け止めた。そして持っていたナイフでネメシスの顔面めがけて突きを繰り出した。
 腕を振り解かれ距離を取られた。
「女の顔に傷をつけるなんて最低ですね。」
 ネメシスの頬が少し切れてそこから血が垂れていた。
「それにしても予想外です。先程までとは比べ物にならないほど速くなりましたね。」
「仕方ない。私も能力を使いましょう。」
 するとネメシスの体が宙に浮いた。
「私の能力は『顕現させる能力』です。」
「そうですね。例えば『剣山』なんてどうでしょう?」
 次の瞬間、俺の足元から大量の剣が出現した。
「くっ・・・。」
 致命傷は免れたものの所々、切られてしまったが気にするようなことでもない。
 なるほど。そう言うことか。言葉通り口にしたものを顕現させているのだ。
「次は『雷電』と『火炎』。」
 その言葉を放ったと同時に空に暗雲が立ち込め雷が降り注いできた。
 そして俺の周りには炎が燃え上がる。
 それを俺は造作もなく避けた。先程は喰らってしまったが来ると分かっていれば避けるのは容易い。
 にしても手を抜いているな。ネメシスほどの奴ならこれ以上の数のものを一度に顕現できるはずだ。
 それをしないと言うことは様子見でもしているのだろう。
「さて。様子見は終わりました。本気でいきます。」
「『炎剣』と『雷剣』。」
 ネメシスの手に炎と雷を纏いし二つの剣が現れた。
 見たところ直に当たるのはやばそうだ。即死とまでは行かなくとも致命傷を負わされることだろう。
 でもそんな危機的状況に陥っていても依然として俺の心には余裕があったのだった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...