最弱な奴が実は最強?

レン

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二章 最強の叛逆

決意

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 決行日までの一週間。それまで何もしないと言うわけではない。
 なにせ学校がある。ズル休みしても良いのだが杏花に怒られそうなのでやめておく。
 学校が楽しいと思う人などいるのだろうか?いるとしてもそいつは別の世界の人間なのかもしれないな。
 俺には理解できん。憂鬱だ・・・。
 愚痴をこぼしながら朝の身支度をしているといつもみたいに杏花から呼ばれた。
「お兄ちゃ~ん!朝ご飯できたから早く降りてきて~。じゃないと冷めちゃうよ~。」
 朝から元気な奴だな。
 俺は急かされながらも準備を済ませるとリビングに向かった。
「おはよう杏花。」
「おはよう!お兄ちゃん!早くご飯食べよう!」
 いつも通り席に座り一緒にいただきますの挨拶をし食べ始める。
 食事の最中も杏花がハイテンションで煩かったが無視して食べ物を口に運び続けた。
 そして朝食も食べ終わり時間も経ったので家を出て学校に向かった。
 学校に向かう道中で煌と会った。
「煌。お前大丈夫なのか?一人で歩いてきて?」
 今の煌ははっきり言って酷い状況にある。
 傷は治ったのだが失った部位は戻せなかった。
 だから今の煌は右腕がない。しかも右下腹部が少し抉れている状態だ。
 それでも死ななかったのはこいつの生命力が凄かったのが要因の一つだろう。
 だから今は腕なしで過ごし義手ができるのを待っているのだ。
 煌の能力は熱なので使用する際に溶けないようにするため加工が必要らしく少し時間がかかるらしい。
「大丈夫だ!歩くくらいなら心配しなくていい。」
「そうか。」
 内心ホッとした俺はそのまま煌と学校へと向かった。
 それから時は過ぎ朝から眠ってしまいそうな授業を受け夕方になってようやく全日程が終わった。
「はぁ~。やっと帰れる。」
 俺は立ち上がり背伸びした。
 俺も帰ろうと荷物をまとめ昇降口に向かおうと歩いていると廊下で煌と出会った。
「煌か。お前ももう帰るのか?」
「いや。これから傷の経過を診てもらうために病院に行かないといけないんだよ。」
 なるほど通院の日か。
 ならば一言だけ言っておきたいことがある。
「煌。一つだけいいか?」
「なんだ?」
 俺は煌の目をじっと見ながら言った。
「お前はもう頑張らなくていいんだ。」
「どういう意味だ?」
「今までお前はこの学校で『最強』として頑張ってきた。危険度の高い任務はお前が必ず行っていた。」
「だがお前の体はもうボロボロだ。義手をつけたとて以前と同じようには戦えないだろう。」
「今のお前が役立たずとは言わない。今でも『最強』と言われたらお前の名が上がるだろう。」
「これからの未来。多分、ブレエドの時よりも酷い戦争が起こると思う。」
「そして俺はその戦いでお前を死なせるような事はしたくない。」
「もし戦うことがあっても自分では勝てないと思ったら逃げろ。」
「この言葉忘れるなよ。煌。」
 その言葉を最後に俺は煌の反応も見ないままその場から去った。
「何を言っているんだ?斗真?戦争って何だ?」
「教えてくれ!斗真!お前は一体何を考えている!?」
 背後から煌の悲痛な叫びが聞こえてきたが俺はそれを無視した。
 天音にも会って煌と同じような話をしたが反応は似たようなものだった。
 帰宅し自室のベットに寝転んだ俺は天井を眺めながら決意を固めた。
 決行日まであと少し必ず成功させてやる!
 
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