クリエイティブ・ストーリーズ

シグマΖ

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後悔

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ここは……どこだろうか……。
ぼんやりとした頭でそんなことを考える。
鮮明ではなく、かといってぼやけているわけでもない。
そんな不思議な感覚に、夢であることを自覚する。

「またせたね」

そのどこか懐かしい声に振り返ると、1人の男の子の姿が見えた。

「ううん、こっちこそ。時間を取ってごめんね」

自分の意図には関係なく、言葉が発せられる。

「----」

僕のその言葉に男の子は少し驚いた顔をする。

「気持ちわりぃんだよ」

その声にびくりと肩を震わせ、後ろ、そして上を見上げる。
校舎、その2階から多くの顔が覗いている。
好奇心、はたまた別の感情か。
数多くの罵声が僕に向かって飛んでくる。
やがて男の子の姿が回りだし、遠ざかっていく。

(まって……行かないで……やだよ……いやだ……いやだ……)

「いやだっ!」

掛け布団をはねのけ飛び起きる。
呼吸は荒く、全身が汗でびしょびしょになっている。

(また……あの夢だ……)

数ヶ月前のあの時から、度々繰り返される悪夢は、僕が異端であることを認識させ続ける。

(いつか必ず、こんな生活が変わる日が来るはずだから……)

それがいつなのかは分からない、だけど、近いうちにきっと。
そんな確信に近い感覚。

(でも今は……そうじゃない……今はまだ……)

そんなことを考えながら濡れたパジャマを取り外すと、洗濯をしに向かうのだった。
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