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第一章 カラス色の聖女
星を落とす1
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小鳥はしょんぼりした気持ちを抱えながら、とぼとぼと部屋へと帰ってきた。温室で出会ったレイアに、あそこまで下に見られているとは思っていなかったのだ。
(私が無能な限りあの調子なんだろうなぁ…)
本日何度目か分からないため息を吐くと、リサが心配そうな顔で尋ねてくる。
「温室で何かありました?やはり私がご一緒しなかったのが良くなかったのでしょうか……」
「辛気臭い顔をしてすみません。リサさんのせいではありません。……実は温室でレイアさんと会ったんです。それでちょっと色々言われまして――」
小鳥は温室であったことを話してゆく。大袈裟にならないようになるべく簡潔に。
「そのようなことがあったのですか……」
「レイアさんは聖女としての力が強いみたいだし、魔力も何もない私が気に食わないんだと思います。でも、アンジェリカさんはこんな私とも仲良くしてくれるので、それだけは救いです」
「私のような者に出来ることは限られていますが、気になることがあったらおっしゃってください。相談に乗ったり、司教様に進言する程度のことは出来ますので…」
そう言うとリサは優しく微笑んだ。彼女の言う通り、その立場からして小鳥のために出来ることはけして多くはないだろう。しかし、味方がいるというだけで何とも心強く感じるのだ。リサのその気持ちだけで小鳥の心はほんのりと暖かくなった。
「さて!お約束していた読み書きの教材お渡ししますね。また私がお教えしますので、こちらの教本で文字を覚えましょう。そのほかに何冊か簡単な絵本も選んできましたので、教本を学び終えたらこちらも読んでみてください」
先程までの空気を切り替えるようかのに、リサは教材をテーブルに並べてゆく。小鳥はその本を手に取ると中身をパラパラと捲ってみる。
本に書かれている基本文字程度であれば、丸一日ほどで一通りの文字は覚えられるだろう。特別優秀な頭は持っていないが、現役大学生として勉強をすることには慣れているのだ。
「リサさん、ありがとうございます。夕食の後少しだけでいいので教えてもらえますか?」
小鳥のそのお願いに、にっこりと笑ったリサが力強く頷いてくれた。
テーブルに広げた教材を一度片付けると、夕食の準備が始まった。
食材の野菜たちはきっと今日見た畑で作られている物だろう。野菜がごろごろとたっぷり入ったシチューは何とも美味しそうである。野菜だけでなく鶏肉も入っており食べ応えは抜群だ。そのシチューにパンと酢漬け野菜、果物を少し添えれば夕食の準備が整う。
小鳥が食事を始めると、リサは明日の予定について話してくれた。魔術の訓練や魔術を使った薬についての座学など、魔力のない小鳥には難しい内容ばかりであった。
「どれもこれも、魔術を使うこと前提のものばかりなのですね…。私は文字の練習をしていた方が良いような気がしてきました…」
「いずれ魔術が使えるようになるかも知れませんし、そう言わずにお勉強頑張ってください。私も出来る限りお手伝いいたします」
くすりと笑うリサがそう言うと、小鳥はガクリと小さく項垂れた。自分にマジカルな素養が開花する日は果たしてくるのだろうか、そんなことを考えながら温かいシチューを頬張った。
もうすぐ日を跨ごうかという時間。小鳥は一人黙々と勉強をしている真っ最中であった。月明かりと燭台の灯りを頼りに文字の練習をしてゆく。
こちらでは魔石を用いた灯りもあるが、魔力のない小鳥には使えない。そのためリサが蝋燭の燭台を用意してきてくれたのだ。
「ん~~。一通り全部の基本文字の練習はしたけど、完璧に覚えるまでもう少しかかるかなぁ」
勉強の手を止めると大きく背伸びをする。二時間ほどだろうか。集中して見知らぬ文字と対面していたため、少々疲れたようだ。
水差しからグラスへ水を注ぎ入れると、コクリとそれを飲み干した。温かいお茶が飲みたい気分ではあったが、こんな夜更けにリサを呼びつけるのは申し訳ないため我慢だ。
「ここは周りが暗いから星が良く見えるなぁ…」
椅子から立ち上がり外に目を向ければ、月明かりにも負けず多くの星々が輝いていた。そんな満点の星空を眺めていたら、ふと夜の空気に触れたくなってきた。
白いシンプルな寝巻きの上に、羊毛で編まれたラベンダー色のショールを肩に羽織る。今から部屋の外に出て一階の庭まで降りるのは気が引けるが、自室のベランダならば出ても問題はないだろう。
ガラスがはめ込まれた両開きの扉に手をかけ、かちゃりとその扉を開ければ、冷えた夜風が頬を撫でてゆく。
小鳥が与えられている二階の部屋から続くベランダはニ畳ほどの広さがあり、石で出来た手摺りは腰までの高さがあった。そこにはテーブルや椅子は置かれておらず広々としている。
「星が綺麗……」
夜風に舞った柔らかな黒髪を片手で抑えながら、星々が輝く夜空を見上げた。こんな時間だからか人気はなく、辺りは寝静まっている。遠くの森の方からホゥホゥ、とフクロウの声だけが響いていた。
行儀が悪いと思いつつ、人目がないことを良いことによいしょと手摺りに腰を掛ける。足はベランダ側にぶらりと下ろしたまま身体を捻り、森と夜空が溶け合う方へと顔を向ける。
手を伸ばせば天高く輝くあの星々の光に届きそうなほどの満点の星空だ。
静かな夜の帳のなか、どこまでも穏やかな光のヴェールを纏わせるかのように、月と星が小鳥を優しく照らす。
ぼぅっと星空に身を委ねていると、何故だか急に元の世界で好きだった歌がふと思い浮かんだ。それは以前学校で習ったなんてことのない歌だ。
それは、夜空に輝く星を歌った何の変哲もない合唱用の歌。
いつもの小鳥であれば、こんな夜更けに歌うなんて迷惑以外の何ものでもないと考えるのだが、どういうわけか今日は歌いたい気分なのだ。
異世界に来て浮かれているせいなのか、はたまたリサ達にその歌声を褒められたせいなのか。
「小声で少し歌うくらいなら周りにも聞こえないよね。こんな時間だからきっともうみんな寝てるはずだし」
夜空を見上げながら、そう小さく呟いた小鳥の黒い瞳には星々の煌めきがチラチラと瞬いており、まるでもう一つの星空のようであった。
瞳に星を宿しながら夜の澄んだ空気のなか、小鳥はゆっくりと口を開いた。
〈金の月 銀の星――
瞬く光は 白百合を染めて――〉
ふわりふわりと柔らかな黒髪を夜風に揺らしながら、穏やかにそして伸びやかに歌い上げてゆく。どこまでも透き通るような歌声が夜のしじまに溶ける。
(この歌が星に届いたらいいのに)
そんなことを考えていたからか、歌いながら無意識に星空へと手を伸ばしていた。すらりと細く白い指先の間からはキラキラと光が溢れてくる。まるで木漏れ日のような光を見つめて、ふと疑問を抱く。
(星ってこんなに明るいものだっけ…?異世界だから??……いや、これは何かおかしい!!)
急いで天にかざしていた手を退け星空を眺める。するとどうだろうか。流れ星のような光がこちらに近づいて来るではないか。
その光はゆっくりとしたスピードで降ってくる。キラキラとした輝きは、燭台の灯りなどよりもよっぽど明るい。
もう少しで手が届くという距離まで、キラキラふわりと星の光が近づいて来た。
それは素手で触っていいのか、果たして安全な物なのか、疑問はいくつも浮かんだ。しかし、星の輝きに見惚れているとそのような疑問はすっかり忘れてしまった。
小鳥は光に引き寄せられるかのように、その身を乗り出し左手を伸ばす。
指先が僅かに星の光に触れたその瞬間、手摺りに置いていた右手がツルリと滑った。星へと左手を伸ばしていた小鳥の身体は、その滑った右手を支えにして身の乗り出していたのだ。
支えを失った身体は黒髪をなびかせながら、重力の法則に則って手摺りの外へと落ちてゆく。
(星空に包まれてるみたい。あぁ、夜空に舞った花びらみたいで綺麗だなぁ…)
落ちながら見上げた星空は相も変わらず美しい。肩から外れ、ひらりと空に舞ったラベンダー色のショールを眺めながら小鳥はそんなことを考えていた。
(私が無能な限りあの調子なんだろうなぁ…)
本日何度目か分からないため息を吐くと、リサが心配そうな顔で尋ねてくる。
「温室で何かありました?やはり私がご一緒しなかったのが良くなかったのでしょうか……」
「辛気臭い顔をしてすみません。リサさんのせいではありません。……実は温室でレイアさんと会ったんです。それでちょっと色々言われまして――」
小鳥は温室であったことを話してゆく。大袈裟にならないようになるべく簡潔に。
「そのようなことがあったのですか……」
「レイアさんは聖女としての力が強いみたいだし、魔力も何もない私が気に食わないんだと思います。でも、アンジェリカさんはこんな私とも仲良くしてくれるので、それだけは救いです」
「私のような者に出来ることは限られていますが、気になることがあったらおっしゃってください。相談に乗ったり、司教様に進言する程度のことは出来ますので…」
そう言うとリサは優しく微笑んだ。彼女の言う通り、その立場からして小鳥のために出来ることはけして多くはないだろう。しかし、味方がいるというだけで何とも心強く感じるのだ。リサのその気持ちだけで小鳥の心はほんのりと暖かくなった。
「さて!お約束していた読み書きの教材お渡ししますね。また私がお教えしますので、こちらの教本で文字を覚えましょう。そのほかに何冊か簡単な絵本も選んできましたので、教本を学び終えたらこちらも読んでみてください」
先程までの空気を切り替えるようかのに、リサは教材をテーブルに並べてゆく。小鳥はその本を手に取ると中身をパラパラと捲ってみる。
本に書かれている基本文字程度であれば、丸一日ほどで一通りの文字は覚えられるだろう。特別優秀な頭は持っていないが、現役大学生として勉強をすることには慣れているのだ。
「リサさん、ありがとうございます。夕食の後少しだけでいいので教えてもらえますか?」
小鳥のそのお願いに、にっこりと笑ったリサが力強く頷いてくれた。
テーブルに広げた教材を一度片付けると、夕食の準備が始まった。
食材の野菜たちはきっと今日見た畑で作られている物だろう。野菜がごろごろとたっぷり入ったシチューは何とも美味しそうである。野菜だけでなく鶏肉も入っており食べ応えは抜群だ。そのシチューにパンと酢漬け野菜、果物を少し添えれば夕食の準備が整う。
小鳥が食事を始めると、リサは明日の予定について話してくれた。魔術の訓練や魔術を使った薬についての座学など、魔力のない小鳥には難しい内容ばかりであった。
「どれもこれも、魔術を使うこと前提のものばかりなのですね…。私は文字の練習をしていた方が良いような気がしてきました…」
「いずれ魔術が使えるようになるかも知れませんし、そう言わずにお勉強頑張ってください。私も出来る限りお手伝いいたします」
くすりと笑うリサがそう言うと、小鳥はガクリと小さく項垂れた。自分にマジカルな素養が開花する日は果たしてくるのだろうか、そんなことを考えながら温かいシチューを頬張った。
もうすぐ日を跨ごうかという時間。小鳥は一人黙々と勉強をしている真っ最中であった。月明かりと燭台の灯りを頼りに文字の練習をしてゆく。
こちらでは魔石を用いた灯りもあるが、魔力のない小鳥には使えない。そのためリサが蝋燭の燭台を用意してきてくれたのだ。
「ん~~。一通り全部の基本文字の練習はしたけど、完璧に覚えるまでもう少しかかるかなぁ」
勉強の手を止めると大きく背伸びをする。二時間ほどだろうか。集中して見知らぬ文字と対面していたため、少々疲れたようだ。
水差しからグラスへ水を注ぎ入れると、コクリとそれを飲み干した。温かいお茶が飲みたい気分ではあったが、こんな夜更けにリサを呼びつけるのは申し訳ないため我慢だ。
「ここは周りが暗いから星が良く見えるなぁ…」
椅子から立ち上がり外に目を向ければ、月明かりにも負けず多くの星々が輝いていた。そんな満点の星空を眺めていたら、ふと夜の空気に触れたくなってきた。
白いシンプルな寝巻きの上に、羊毛で編まれたラベンダー色のショールを肩に羽織る。今から部屋の外に出て一階の庭まで降りるのは気が引けるが、自室のベランダならば出ても問題はないだろう。
ガラスがはめ込まれた両開きの扉に手をかけ、かちゃりとその扉を開ければ、冷えた夜風が頬を撫でてゆく。
小鳥が与えられている二階の部屋から続くベランダはニ畳ほどの広さがあり、石で出来た手摺りは腰までの高さがあった。そこにはテーブルや椅子は置かれておらず広々としている。
「星が綺麗……」
夜風に舞った柔らかな黒髪を片手で抑えながら、星々が輝く夜空を見上げた。こんな時間だからか人気はなく、辺りは寝静まっている。遠くの森の方からホゥホゥ、とフクロウの声だけが響いていた。
行儀が悪いと思いつつ、人目がないことを良いことによいしょと手摺りに腰を掛ける。足はベランダ側にぶらりと下ろしたまま身体を捻り、森と夜空が溶け合う方へと顔を向ける。
手を伸ばせば天高く輝くあの星々の光に届きそうなほどの満点の星空だ。
静かな夜の帳のなか、どこまでも穏やかな光のヴェールを纏わせるかのように、月と星が小鳥を優しく照らす。
ぼぅっと星空に身を委ねていると、何故だか急に元の世界で好きだった歌がふと思い浮かんだ。それは以前学校で習ったなんてことのない歌だ。
それは、夜空に輝く星を歌った何の変哲もない合唱用の歌。
いつもの小鳥であれば、こんな夜更けに歌うなんて迷惑以外の何ものでもないと考えるのだが、どういうわけか今日は歌いたい気分なのだ。
異世界に来て浮かれているせいなのか、はたまたリサ達にその歌声を褒められたせいなのか。
「小声で少し歌うくらいなら周りにも聞こえないよね。こんな時間だからきっともうみんな寝てるはずだし」
夜空を見上げながら、そう小さく呟いた小鳥の黒い瞳には星々の煌めきがチラチラと瞬いており、まるでもう一つの星空のようであった。
瞳に星を宿しながら夜の澄んだ空気のなか、小鳥はゆっくりと口を開いた。
〈金の月 銀の星――
瞬く光は 白百合を染めて――〉
ふわりふわりと柔らかな黒髪を夜風に揺らしながら、穏やかにそして伸びやかに歌い上げてゆく。どこまでも透き通るような歌声が夜のしじまに溶ける。
(この歌が星に届いたらいいのに)
そんなことを考えていたからか、歌いながら無意識に星空へと手を伸ばしていた。すらりと細く白い指先の間からはキラキラと光が溢れてくる。まるで木漏れ日のような光を見つめて、ふと疑問を抱く。
(星ってこんなに明るいものだっけ…?異世界だから??……いや、これは何かおかしい!!)
急いで天にかざしていた手を退け星空を眺める。するとどうだろうか。流れ星のような光がこちらに近づいて来るではないか。
その光はゆっくりとしたスピードで降ってくる。キラキラとした輝きは、燭台の灯りなどよりもよっぽど明るい。
もう少しで手が届くという距離まで、キラキラふわりと星の光が近づいて来た。
それは素手で触っていいのか、果たして安全な物なのか、疑問はいくつも浮かんだ。しかし、星の輝きに見惚れているとそのような疑問はすっかり忘れてしまった。
小鳥は光に引き寄せられるかのように、その身を乗り出し左手を伸ばす。
指先が僅かに星の光に触れたその瞬間、手摺りに置いていた右手がツルリと滑った。星へと左手を伸ばしていた小鳥の身体は、その滑った右手を支えにして身の乗り出していたのだ。
支えを失った身体は黒髪をなびかせながら、重力の法則に則って手摺りの外へと落ちてゆく。
(星空に包まれてるみたい。あぁ、夜空に舞った花びらみたいで綺麗だなぁ…)
落ちながら見上げた星空は相も変わらず美しい。肩から外れ、ひらりと空に舞ったラベンダー色のショールを眺めながら小鳥はそんなことを考えていた。
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