15 / 61
第一章 カラス色の聖女
星を落とす4
しおりを挟む
「――くしゅんっ」
肌寒い夜風に当たっていたため、少々身体が冷えてしまったようだ。小鳥が小さくくしゃみをすると、彼はハッとした様子でこちらの服装に目を留める。
淑女らしからぬ、薄い寝巻き一枚という格好だ。
肩にかけていたはずのラベンダー色のショールは、小鳥と一緒に夜空へ舞ったため今はない。さて私のショールはどこに落ちたのだろうか、と視線を巡らせれば、近くの植栽にパサリと見覚えのある色が引っかかっている。
小鳥が拾おうと踵を上げるより早く彼が動き出した。素早く植栽からショールを拾い上げ落ち葉を払うと、小鳥の方へと戻ってくる。
腕にかけたショールを大きく広げると、背後からふわりと肩に掛けてくれた。
(紳士として当たり前の行動なんだろうけど!そういう文化で育ってこなかった私には刺激が強いよ……)
ベランダから落ちて今に至るまで、彼の行動に小鳥の心臓は鼓動を早めてばかりいる。顔が綺麗な男性であることはもちろん、異性からここまで接触されたことはないのだ。
高校時代に付き合った彼氏とすら、このような触れ合いはしなかった。
(昔、彼氏とキスした時よりよっぽどドキドキするわ…)
高校時代の彼とは、手を繋いで触れ合うだけのキスをするような至極健全な仲であった。そしてその関係はいつの間にか消滅したが、特に残念とも思わなかった。その後はもう人付き合いに時間を掛ける余裕もなく、バイトと受験勉強三昧の日々であったからだ。
「失礼した。君の服装に気が回っていなかった」
「いえ、私もすっかり忘れていましたから。助けていただいてありがとうございました。そろそろお部屋に戻りますね」
「そうだね。少しずつ暖かくなってきたとはいえまだ冷える。早く部屋に戻った方が良いだろう」
そう言うとすっと腕を差し出してきた。日本で生活していた小鳥には馴染みのない行動であるが、このような場面で差し出される腕となれば一つしかないであろう。
(これは……多分エスコートしてくれるって事でいいんだよね?こんな平凡な私をこんな綺麗な人が………)
「宿舎の入り口まで送ろう。こんな夜中に女性一人では良くないからね」
どうぞ、と言われしばしの逡巡の後、おずおずとその腕へと手を伸ばす。
そっと触れた小鳥の手から伝わる彼の温かな体温と、服の上からでは分からなかったしっかりと筋肉のついた腕。さらりとした上着の生地の質もなかなか良さそうだ。
こちらにどのような階級があるかは分からないが、おそらく彼は貴族やそれに準ずるような高位の人なのではないか、と小鳥は考える。ミサにも高位と思われる服装の人たちがいたので、もしかしたら彼もこの神殿へ祈りに来た信徒の一人なのかも知れない。
(流石に高位と思われる人に身分を尋ねるのは気が引けるわ)
そんな事を考えながら、月明かりに照らされたどこまでも静かな中庭を彼のエスコートで歩く。
横に並ぶと随分と背が高い男性であることに改めて気がつく。彼の肩の高さに小鳥の頭がギリギリ届くくらいの高さで、きっと180cm以上あるのであろう。
小鳥の歩幅に合わせて歩いてくれているその足は、どこぞのコレクションのモデルかと思うほどすらりと長い。
(こんな人と並んで歩くと私がいかに平凡なのか思い知らされるな。周りに人がいなくて良かった…)
「ここが入り口だね。本当は部屋まで送るべきなのだろうが…」
神殿にある宿舎は基本的に2つに分かれている。男性用と女性用だ。各宿舎は異性の立ち入りを禁止しているため、彼が言い淀んだのだろう。
「いえ、こちらまでで十分です。部屋すぐ近くですし。ここまで送っていただいてありがとうございました」
「では僕はここで。おやすみ」
「はい。おやすみなさい」
エメラルドグリーンの瞳を見つめながら就寝の挨拶をする。初対面の男性にこのような挨拶をするとはなんとも変な気分だ。
そしてきっともう会う機会もないのだろうと思うと、小鳥は少しだけ寂しさを感じてしまった。
彼と過ごしたのはほんの僅かな時間であったが、随分と親切にしてもらったからだろうか。どきりとする触れ方をされたりもしたが、その行為に下心はなく小鳥を不安にさせることはなかった。
(ここまで親切にしてもらったのに私の名前さえ伝えてない…!)
「――あの!」
宿舎の扉に掛けていた手を解き振り返るとそこにはもう、エメラルドグリーンの瞳も柔らかに揺れる黒緑色の髪もなかった。
翌日、召喚された三人は回復薬についての講義を受けていた。どのような薬草があり、どのような効能があるかについてである。魔力のない小鳥はいきなり回復薬を作ったりはしないようでほっとしていた。
(昨日の彼は一体誰だったんだろうな…)
昨夜色々とあった小鳥は寝不足気味である。少しだけぼーっとした頭でそんなのことを考えながら、講義の内容を紙に書き写していく。
薬草学の教本はもちろんあるが、やはり自分の手で書きまとめた方が覚えられるのだ。日本の教育で培われたノートへのまとめ方がここで活きてきた。
「薬草は神殿の森にも生えている物ばかりですが、温室や畑で栽培しておりますので、皆様が森は入られることはないでしょう。最初は学習のために温室で薬草を採っていただきますが、それ以降はこちらで全てご用意致します」
どうやら基本的に勝手に素材を用意してくれて、聖女である我々はただ回復薬を作るだけでいいらしい。魔力がなく、回復薬が作れない可能性が非常に高い小鳥にはピンチである。回復薬を作る時間を他のことをする時間に変えてもらおうと心の中で決意した。
「回復薬の作り方についてはまた後日といたします。午後からは温室へとご案内致しますので、実際の薬草をご覧になってください。その際に何種類か採取していただこうと思っております」
「質問よろしいかしら?それは側仕えの者ではなく私がやらなくてはいけないことなのでしょうか?」
薔薇色の髪をふわりと揺らしながら、レイアがそんな質問の体をしたクレームを口にする。彼女の白魚のような手が、荒れたり傷付きそうなことは避けたいらしい。
「いえいえ!聖女様方にご見学いただくだけでも十分ですのでご安心ください。もしご興味がおありでしたら採取を、と思いまして……」
その回答にレイアが満足そうに笑うとチラリと小鳥を見遣る。
「そうでしたらきっと小鳥さんがやってくださると思うの。適材適所と言うでしょう?私は聖女として回復薬を作ったりしなくてはいけないけれど小鳥さんは……ねぇ?」
可愛らしい微笑みの向こう側には微かな蔑みの感情が見える。やはり小鳥のことはあまり好ましくないようだ。
魔力がなくても出来る手伝いは率先してやるつもりではあるが、ここまで言われるとその気持ちも萎えてしまう。
(アンジェリカさんのお手伝いだけ頑張ろう)
小鳥がその思いを固めた頃、昼食の時間を告げる鐘の音が響いた。
肌寒い夜風に当たっていたため、少々身体が冷えてしまったようだ。小鳥が小さくくしゃみをすると、彼はハッとした様子でこちらの服装に目を留める。
淑女らしからぬ、薄い寝巻き一枚という格好だ。
肩にかけていたはずのラベンダー色のショールは、小鳥と一緒に夜空へ舞ったため今はない。さて私のショールはどこに落ちたのだろうか、と視線を巡らせれば、近くの植栽にパサリと見覚えのある色が引っかかっている。
小鳥が拾おうと踵を上げるより早く彼が動き出した。素早く植栽からショールを拾い上げ落ち葉を払うと、小鳥の方へと戻ってくる。
腕にかけたショールを大きく広げると、背後からふわりと肩に掛けてくれた。
(紳士として当たり前の行動なんだろうけど!そういう文化で育ってこなかった私には刺激が強いよ……)
ベランダから落ちて今に至るまで、彼の行動に小鳥の心臓は鼓動を早めてばかりいる。顔が綺麗な男性であることはもちろん、異性からここまで接触されたことはないのだ。
高校時代に付き合った彼氏とすら、このような触れ合いはしなかった。
(昔、彼氏とキスした時よりよっぽどドキドキするわ…)
高校時代の彼とは、手を繋いで触れ合うだけのキスをするような至極健全な仲であった。そしてその関係はいつの間にか消滅したが、特に残念とも思わなかった。その後はもう人付き合いに時間を掛ける余裕もなく、バイトと受験勉強三昧の日々であったからだ。
「失礼した。君の服装に気が回っていなかった」
「いえ、私もすっかり忘れていましたから。助けていただいてありがとうございました。そろそろお部屋に戻りますね」
「そうだね。少しずつ暖かくなってきたとはいえまだ冷える。早く部屋に戻った方が良いだろう」
そう言うとすっと腕を差し出してきた。日本で生活していた小鳥には馴染みのない行動であるが、このような場面で差し出される腕となれば一つしかないであろう。
(これは……多分エスコートしてくれるって事でいいんだよね?こんな平凡な私をこんな綺麗な人が………)
「宿舎の入り口まで送ろう。こんな夜中に女性一人では良くないからね」
どうぞ、と言われしばしの逡巡の後、おずおずとその腕へと手を伸ばす。
そっと触れた小鳥の手から伝わる彼の温かな体温と、服の上からでは分からなかったしっかりと筋肉のついた腕。さらりとした上着の生地の質もなかなか良さそうだ。
こちらにどのような階級があるかは分からないが、おそらく彼は貴族やそれに準ずるような高位の人なのではないか、と小鳥は考える。ミサにも高位と思われる服装の人たちがいたので、もしかしたら彼もこの神殿へ祈りに来た信徒の一人なのかも知れない。
(流石に高位と思われる人に身分を尋ねるのは気が引けるわ)
そんな事を考えながら、月明かりに照らされたどこまでも静かな中庭を彼のエスコートで歩く。
横に並ぶと随分と背が高い男性であることに改めて気がつく。彼の肩の高さに小鳥の頭がギリギリ届くくらいの高さで、きっと180cm以上あるのであろう。
小鳥の歩幅に合わせて歩いてくれているその足は、どこぞのコレクションのモデルかと思うほどすらりと長い。
(こんな人と並んで歩くと私がいかに平凡なのか思い知らされるな。周りに人がいなくて良かった…)
「ここが入り口だね。本当は部屋まで送るべきなのだろうが…」
神殿にある宿舎は基本的に2つに分かれている。男性用と女性用だ。各宿舎は異性の立ち入りを禁止しているため、彼が言い淀んだのだろう。
「いえ、こちらまでで十分です。部屋すぐ近くですし。ここまで送っていただいてありがとうございました」
「では僕はここで。おやすみ」
「はい。おやすみなさい」
エメラルドグリーンの瞳を見つめながら就寝の挨拶をする。初対面の男性にこのような挨拶をするとはなんとも変な気分だ。
そしてきっともう会う機会もないのだろうと思うと、小鳥は少しだけ寂しさを感じてしまった。
彼と過ごしたのはほんの僅かな時間であったが、随分と親切にしてもらったからだろうか。どきりとする触れ方をされたりもしたが、その行為に下心はなく小鳥を不安にさせることはなかった。
(ここまで親切にしてもらったのに私の名前さえ伝えてない…!)
「――あの!」
宿舎の扉に掛けていた手を解き振り返るとそこにはもう、エメラルドグリーンの瞳も柔らかに揺れる黒緑色の髪もなかった。
翌日、召喚された三人は回復薬についての講義を受けていた。どのような薬草があり、どのような効能があるかについてである。魔力のない小鳥はいきなり回復薬を作ったりはしないようでほっとしていた。
(昨日の彼は一体誰だったんだろうな…)
昨夜色々とあった小鳥は寝不足気味である。少しだけぼーっとした頭でそんなのことを考えながら、講義の内容を紙に書き写していく。
薬草学の教本はもちろんあるが、やはり自分の手で書きまとめた方が覚えられるのだ。日本の教育で培われたノートへのまとめ方がここで活きてきた。
「薬草は神殿の森にも生えている物ばかりですが、温室や畑で栽培しておりますので、皆様が森は入られることはないでしょう。最初は学習のために温室で薬草を採っていただきますが、それ以降はこちらで全てご用意致します」
どうやら基本的に勝手に素材を用意してくれて、聖女である我々はただ回復薬を作るだけでいいらしい。魔力がなく、回復薬が作れない可能性が非常に高い小鳥にはピンチである。回復薬を作る時間を他のことをする時間に変えてもらおうと心の中で決意した。
「回復薬の作り方についてはまた後日といたします。午後からは温室へとご案内致しますので、実際の薬草をご覧になってください。その際に何種類か採取していただこうと思っております」
「質問よろしいかしら?それは側仕えの者ではなく私がやらなくてはいけないことなのでしょうか?」
薔薇色の髪をふわりと揺らしながら、レイアがそんな質問の体をしたクレームを口にする。彼女の白魚のような手が、荒れたり傷付きそうなことは避けたいらしい。
「いえいえ!聖女様方にご見学いただくだけでも十分ですのでご安心ください。もしご興味がおありでしたら採取を、と思いまして……」
その回答にレイアが満足そうに笑うとチラリと小鳥を見遣る。
「そうでしたらきっと小鳥さんがやってくださると思うの。適材適所と言うでしょう?私は聖女として回復薬を作ったりしなくてはいけないけれど小鳥さんは……ねぇ?」
可愛らしい微笑みの向こう側には微かな蔑みの感情が見える。やはり小鳥のことはあまり好ましくないようだ。
魔力がなくても出来る手伝いは率先してやるつもりではあるが、ここまで言われるとその気持ちも萎えてしまう。
(アンジェリカさんのお手伝いだけ頑張ろう)
小鳥がその思いを固めた頃、昼食の時間を告げる鐘の音が響いた。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
異世界に行った、そのあとで。
神宮寺 あおい
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる