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第一章 カラス色の聖女
アンジェリカの忠告2
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部屋の窓から外を見上げれば曇り空の中、薄闇のヴェールを被ったような月が浮かんでいた。
小鳥は夜にでも一雨来るかなと思ったが、結局どんよりとした空模様のまま雨は降らなかった。
「星の欠片と回復薬は小さいからポケットに入れておいても目立たないね。ナイフは……やっぱり足に括り付けるしかないのかな?紐、どこかにあるかな……」
小鳥は紐、紐と小さく独り言を呟きながら、部屋の中をあちこち物色する。昼間にアンジェリカの忠告を聞いたため、万が一の事態に備えて準備を整えている真っ最中だ。
「あ、これいいかも」
閉められたカーテンの陰にかけられているカーテンタッセルに目をつける。両端に房が付いた白いロープ状のそれは、太すぎず細すぎず使いやすそうだ。
小鳥は椅子に腰掛けスカートをたくし上げる。アンジェリカと同じように、右足の太ももの中程にナイフをグルグルと括り付けてみる。
「うーん。私が太ももに付けてもイマイチ格好良くないかも。アンジェリカさんだから様になってたんだろうなぁ」
その場で跳ねたり歩いてみたりして、ナイフがずり落ちてこないか確認をする。パッとスカートをたくし上げすぐに取り出せるかどうか試してみたが、そのような動作に慣れていない小鳥には難しいようであった。落ち着いてナイフを抜かないと自分の肌を切ってしまいそうだ。
立ったりしゃがんだり色々と動作を試しながらふと、今日は朝の支度以降、小鳥の身の回りの世話に色々と気を使ってくれているリサに会っていない事を思い出す。
「リサさんは午後からお休みなのかしら?ここに来てからずっとお世話してもらってたし、しっかり休んで欲しいな」
――コンコンコン
「失礼致します。お食事をお持ちしました」
(え…?食事?)
小鳥がスカートを直し呼び掛けに応答すると、扉からワゴンを押して入った来たのは初めてみる女性であった。服装はリサと同じことから、彼女の代わりに来たのだろうと小鳥は判断した。しかし、ここ数日食事はアンジェリカと共に食堂で摂っている。
(食事は食堂で食べてるって事、リサさんがうっかり引き継ぎするの忘れちゃったのかしら?)
食事の伝達ミスについて指摘するつもりはないが、いつものように食堂の入り口で待ってるアンジェリカをそのままにしてはおけない。
「あの、食事は普段食堂でアンジェリカさんといただいているんです。今日もきっと食堂で待っていると思うのですが…」
「伺っております。本日はアンジェリカ様も自室で召し上がるようでしたので、お部屋にお持ち致しました」
「そう、でしたか」
(おかしい)
小鳥は直感的にそう思った。
昼間共にいた時にそのような話は一切していなかった。昼食を一緒に食べるようになってから格段にアンジェリカとの会話は増えた。もし、夕食の予定変更があったのならば、その事について話題に上がらないはずがない。
ましてや今日、あのような忠告をしたばかりのアンジェリカだ。些細なことでも何か伝えてくるはずである。
そんな小鳥の疑問をよそに、次々と温かな湯気を立てる食事が机に用意されていく。野菜スープ、焼き立てのパン、瑞々しい新鮮な果物。メニューは至っていつも通りであった。
「お食事がお済みの頃にまた参りますので、ごゆっくりお召し上がりください」
「…はい。ありがとうございます」
深々と礼をして退出して行く見知らぬ彼女を見送ると小鳥は食事へと目を向ける。いつも通り美味しそうな香りだが、この食事は果たして安全なのだろうか。
「まさか毒が入ってるとか…?でもこのまま残すのも不自然すぎるし……。うーん」
小鳥は今空腹だ。すぐにでもほかほかと湯気を立てている食事に手をつけたい。しかし、このように不自然な状況である以上、むやみに手を出すのは不用心である。
「毒を混ぜ込むとしたらスープかパンだよね?切っただけの果物なら多分大丈夫だよね?」
くし切りにカットされ皿に盛られたオレンジのような柑橘に手を伸ばす。見た目も香りもおかしな点はない。ぱくりと一口齧り付けば爽やかな酸味と甘味が口いっぱいに広がった。
「うん。美味しい。これは大丈夫そうかな…?」
手早く果物を食べるとテーブルに残されたスープとパンをどうするか考える。このまま残しては怪しまれてしまうかもしれない。
「パンはゴミ箱に隠して捨てればバレないと思うけど……。スープはどうしよう。食欲がないってことでこのまま残しても変じゃないかな…?あぁ、食べ物を粗末にする事になるなんて……」
果物だけでは満たされない胃袋と食べ物を粗末にする罪悪感を抑えながら、パンをゴミ箱の奥へと見えないように隠す。スープはそのまま手を付けずに机に放置し、何か使える物はないかと部屋を探す。
ペンや紙はあるが、基本的に必要な物があった場合はその都度リサに用意してもらっていたため、使えそうな物は見当たらない。
「あ、手紙を書いておけばアンジェリカさんなら見つけてくれるかも……!」
そう思い立つと素早く手紙を書く準備をする。夕食を部屋で取るようにと言われたこと、リサではなく他の者が部屋に来たこと。なるべく簡潔に分かりやすく書く。覚え立ての慣れない言葉で書くため、詳しく丁寧に書くことは出来ない。
少し雑な文字だが手早く書き上げ終えた時、扉をノックする音が部屋に響いた。手早く手紙を折り畳むとポケットへと押し込む。
「お食事はお済みですかな?」
扉を開いたのは優しげな笑顔を浮かべたバレンド司祭であった。先ほど食事の準備をしてくれた女性は何やら手に持ち後ろに控えている。
「驚きました。まさか、バレンド司祭がお部屋にいらっしゃるとは思いませんでした」
「驚かせてしまい申し訳ありません。今夜は儀式がありますので私がこちらに参った次第です」
バレンド司祭のその言葉に小鳥の心臓が早鐘を打った。手先がひんやりと冷えてきたのは肌寒いこの気温のせいだけではないだろう。
「……儀式ですか?そのような大事な事、私は誰からも聞いていないと思うのですが…」
「おや。どうやら少々不手際があったようですね。申し訳ないことをしました。しかし、今夜の儀式は特に難しい事をしていただく訳ではありません。どうぞご安心ください」
「その儀式は私だけなのですか?アンジェリカさんやレイアさんも参加するのですよね?」
優しげな笑顔を浮かべたまま、バレンド司祭は答えない。その答えの代わりとばかり机の上へと金色に輝く小振りな杯を置く。色とりどりの宝石を埋め込んである黄金の豪華な杯に、バレンド司祭は何かを注いだ。そして、小鳥の目の前にその杯を静かに差し出した。
「どうぞ、こちらをお召し上がりください」
目の前に置かれた豪華な杯には、赤ワインのような液体が注がれていた。
(何これ。怪しすぎる……。飲みたくない……)
「これは飲まなくてはいけない物ですか?食事をしたばかりですので遠慮したいです」
「そうおっしゃらずに。さあ」
もしここで小鳥が飲むのを拒否したとしても、きっと二人掛かりで飲まされてしまうだろう。外へ逃げようにも二階のこの部屋からでは脱出は困難だ。
(この状況ではどうやっても逃げられない…。もう覚悟を決めなきゃ。せめてアンジェリカさんへの手紙だけでもどうにかしたかったな……)
小さく折り畳んだアンジェリカ宛の手紙は小鳥のポケットの中だ。バレンド司祭たちが目の前にいる以上、今からどこかへ置くことは難しい。
小鳥は覚悟を決めると机に置かれた黄金の杯を手にし、一気に喉へと流し込んだ。
小鳥は夜にでも一雨来るかなと思ったが、結局どんよりとした空模様のまま雨は降らなかった。
「星の欠片と回復薬は小さいからポケットに入れておいても目立たないね。ナイフは……やっぱり足に括り付けるしかないのかな?紐、どこかにあるかな……」
小鳥は紐、紐と小さく独り言を呟きながら、部屋の中をあちこち物色する。昼間にアンジェリカの忠告を聞いたため、万が一の事態に備えて準備を整えている真っ最中だ。
「あ、これいいかも」
閉められたカーテンの陰にかけられているカーテンタッセルに目をつける。両端に房が付いた白いロープ状のそれは、太すぎず細すぎず使いやすそうだ。
小鳥は椅子に腰掛けスカートをたくし上げる。アンジェリカと同じように、右足の太ももの中程にナイフをグルグルと括り付けてみる。
「うーん。私が太ももに付けてもイマイチ格好良くないかも。アンジェリカさんだから様になってたんだろうなぁ」
その場で跳ねたり歩いてみたりして、ナイフがずり落ちてこないか確認をする。パッとスカートをたくし上げすぐに取り出せるかどうか試してみたが、そのような動作に慣れていない小鳥には難しいようであった。落ち着いてナイフを抜かないと自分の肌を切ってしまいそうだ。
立ったりしゃがんだり色々と動作を試しながらふと、今日は朝の支度以降、小鳥の身の回りの世話に色々と気を使ってくれているリサに会っていない事を思い出す。
「リサさんは午後からお休みなのかしら?ここに来てからずっとお世話してもらってたし、しっかり休んで欲しいな」
――コンコンコン
「失礼致します。お食事をお持ちしました」
(え…?食事?)
小鳥がスカートを直し呼び掛けに応答すると、扉からワゴンを押して入った来たのは初めてみる女性であった。服装はリサと同じことから、彼女の代わりに来たのだろうと小鳥は判断した。しかし、ここ数日食事はアンジェリカと共に食堂で摂っている。
(食事は食堂で食べてるって事、リサさんがうっかり引き継ぎするの忘れちゃったのかしら?)
食事の伝達ミスについて指摘するつもりはないが、いつものように食堂の入り口で待ってるアンジェリカをそのままにしてはおけない。
「あの、食事は普段食堂でアンジェリカさんといただいているんです。今日もきっと食堂で待っていると思うのですが…」
「伺っております。本日はアンジェリカ様も自室で召し上がるようでしたので、お部屋にお持ち致しました」
「そう、でしたか」
(おかしい)
小鳥は直感的にそう思った。
昼間共にいた時にそのような話は一切していなかった。昼食を一緒に食べるようになってから格段にアンジェリカとの会話は増えた。もし、夕食の予定変更があったのならば、その事について話題に上がらないはずがない。
ましてや今日、あのような忠告をしたばかりのアンジェリカだ。些細なことでも何か伝えてくるはずである。
そんな小鳥の疑問をよそに、次々と温かな湯気を立てる食事が机に用意されていく。野菜スープ、焼き立てのパン、瑞々しい新鮮な果物。メニューは至っていつも通りであった。
「お食事がお済みの頃にまた参りますので、ごゆっくりお召し上がりください」
「…はい。ありがとうございます」
深々と礼をして退出して行く見知らぬ彼女を見送ると小鳥は食事へと目を向ける。いつも通り美味しそうな香りだが、この食事は果たして安全なのだろうか。
「まさか毒が入ってるとか…?でもこのまま残すのも不自然すぎるし……。うーん」
小鳥は今空腹だ。すぐにでもほかほかと湯気を立てている食事に手をつけたい。しかし、このように不自然な状況である以上、むやみに手を出すのは不用心である。
「毒を混ぜ込むとしたらスープかパンだよね?切っただけの果物なら多分大丈夫だよね?」
くし切りにカットされ皿に盛られたオレンジのような柑橘に手を伸ばす。見た目も香りもおかしな点はない。ぱくりと一口齧り付けば爽やかな酸味と甘味が口いっぱいに広がった。
「うん。美味しい。これは大丈夫そうかな…?」
手早く果物を食べるとテーブルに残されたスープとパンをどうするか考える。このまま残しては怪しまれてしまうかもしれない。
「パンはゴミ箱に隠して捨てればバレないと思うけど……。スープはどうしよう。食欲がないってことでこのまま残しても変じゃないかな…?あぁ、食べ物を粗末にする事になるなんて……」
果物だけでは満たされない胃袋と食べ物を粗末にする罪悪感を抑えながら、パンをゴミ箱の奥へと見えないように隠す。スープはそのまま手を付けずに机に放置し、何か使える物はないかと部屋を探す。
ペンや紙はあるが、基本的に必要な物があった場合はその都度リサに用意してもらっていたため、使えそうな物は見当たらない。
「あ、手紙を書いておけばアンジェリカさんなら見つけてくれるかも……!」
そう思い立つと素早く手紙を書く準備をする。夕食を部屋で取るようにと言われたこと、リサではなく他の者が部屋に来たこと。なるべく簡潔に分かりやすく書く。覚え立ての慣れない言葉で書くため、詳しく丁寧に書くことは出来ない。
少し雑な文字だが手早く書き上げ終えた時、扉をノックする音が部屋に響いた。手早く手紙を折り畳むとポケットへと押し込む。
「お食事はお済みですかな?」
扉を開いたのは優しげな笑顔を浮かべたバレンド司祭であった。先ほど食事の準備をしてくれた女性は何やら手に持ち後ろに控えている。
「驚きました。まさか、バレンド司祭がお部屋にいらっしゃるとは思いませんでした」
「驚かせてしまい申し訳ありません。今夜は儀式がありますので私がこちらに参った次第です」
バレンド司祭のその言葉に小鳥の心臓が早鐘を打った。手先がひんやりと冷えてきたのは肌寒いこの気温のせいだけではないだろう。
「……儀式ですか?そのような大事な事、私は誰からも聞いていないと思うのですが…」
「おや。どうやら少々不手際があったようですね。申し訳ないことをしました。しかし、今夜の儀式は特に難しい事をしていただく訳ではありません。どうぞご安心ください」
「その儀式は私だけなのですか?アンジェリカさんやレイアさんも参加するのですよね?」
優しげな笑顔を浮かべたまま、バレンド司祭は答えない。その答えの代わりとばかり机の上へと金色に輝く小振りな杯を置く。色とりどりの宝石を埋め込んである黄金の豪華な杯に、バレンド司祭は何かを注いだ。そして、小鳥の目の前にその杯を静かに差し出した。
「どうぞ、こちらをお召し上がりください」
目の前に置かれた豪華な杯には、赤ワインのような液体が注がれていた。
(何これ。怪しすぎる……。飲みたくない……)
「これは飲まなくてはいけない物ですか?食事をしたばかりですので遠慮したいです」
「そうおっしゃらずに。さあ」
もしここで小鳥が飲むのを拒否したとしても、きっと二人掛かりで飲まされてしまうだろう。外へ逃げようにも二階のこの部屋からでは脱出は困難だ。
(この状況ではどうやっても逃げられない…。もう覚悟を決めなきゃ。せめてアンジェリカさんへの手紙だけでもどうにかしたかったな……)
小さく折り畳んだアンジェリカ宛の手紙は小鳥のポケットの中だ。バレンド司祭たちが目の前にいる以上、今からどこかへ置くことは難しい。
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