魔王死天は血に染まる。

ハーミット

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闇に喰われた男

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最近不穏な噂を聞く。

どうやら伝説の元勇者達が段々と暗殺されているらしい。

伝説の元勇者が殺された。その噂を伝説の元勇者が聞けば、その時には死ぬとされている。現在伝説の元勇者は半数にまで減っている。

事故にあった者と、センは対象外なので、十三人の対象の内、七人が死んでしまった。

もう、死んでしまった人の事は正直どうにもならない。

現在生きているのは飛星、アルタ、タム、バスラン、ファルムス、タルスの六人。

飛星は王都で騎士をしている。

アルタは辺境の村で開拓をしている。

タムは富豪の護衛をしている。

バスランは放浪の旅をしている。

ファルムスはアルタと同じ辺境の村で大工をしている。

そして、タルス。彼こそが伝説の元勇者を暗殺しているのだった。

***

ジャガイモ畑があるだけの道。バスランは一人道の奥の町の屋敷に用があったので歩いていた。

ドンッ!と強い衝撃に襲われたバスランは、それと同時に異変に気づく。

体が軽い…。内臓を取られた。

バスランもあくまで人間。勇者の時からの能力で獣化する事はできるが、内臓を抜き取られれば死んでしまう。

唐突だが、バスランはタルスの能力。壁を通過する能力で心臓を掴まれ、そのまま心臓も体というから壁を無視して外へ飛び出したのだった。

その噂は、その道の先の町の領主の豪邸にいるタムの耳にも届いた。

その事件が起きた距離の近さで、タムは諦めた。

タムの能力は堅固な壁を作り出す事。

壁を無視してくるタルスには勝てない。

タムは死を悟るが冷静だった。

タルスが自分達を殺す目的を聞こうと思ったのだった。

「来たねタルス。」

「オマエヲコロス。」

その返答にタムは事情を把握した。
タルスは既に正気を失ったいる。たしかにタルスは元々おかしい喋り方ではあるが、雰囲気が違うことを察した。

殺されることを覚悟していたタムは、抗う事はせずに、ただ考えていた。

そして、彼から漂う魔の悪気から、タルスはもう魔物に取り込まれて、既に手遅れと理解した。

もちろんその答えに辿り着いたところで、タムの心臓は奪い取られる。

そして、タムの意識は薄れていく。

薄れていく意識の中でタムは一つだけ願った。

「きっと誰かが、タルス、君を解放してくれるよ。それまでの辛抱だよ。」

そして、声には出なかったが、タムは残った伝説の元勇者の検討を祈った。
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