魔王死天は血に染まる。

ハーミット

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暗殺に動く色男

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飛星達が、まだ勇者だった頃の事。彼らには頼れる仲間がまだ一人いた。

その者の名はレン。魔王城の一階で魔獣と戦ったセンの兄だ。

彼は現在、アルタやファルムスがいる村で酒屋を経営している。

そうなってしまったのには訳がある。

弟のセンは飛び抜けて仲間の中で一番強かったのだった。

センは女神と契約したらしく、女神の力を使う事ができたために、特に能力もなく、体術だけで勝負していたレンには弟に勝る術がなかった。

彼は病んだ。病んでいた所をある女性に救われて、今は酒屋をしている。

レンは星を殺すために動いている訳だが、それはある意味逆らえない運命だった。

レンと仲のよかった飛星を殺すのは心苦しいが、恩人である女性の弟が殺したいほど飛星を憎んでいるらしく、レンは飛星を殺すしかなかった。

***

という事は知らず、飛星はレンの営む酒屋に遊びに来ていた。

「いいマヨネーズが手に入ったんだよね。お酒に合うマヨネーズとか。」

レンとしては、飛星はなんでもマヨネーズと合わせるので、適当な酒で釣れたのでおびき出すのは楽だった。

「あぁ、これがその酒だよ。」

レンは適当に安い酒をとり、それを渡す。

「美味しそうだね。」

そう言って飛星はマヨネーズを、自分の持っているカバンから取り出す。

「さぁ、どうぞ呑んでくれ。」

飛星は乗せられて、酒を呑み出す。

あまり酒に強くない飛星は、段々と酔ってくる。

そうなってしまえば、レンは槍の名手で、おそらく実力では五分。もしくは自分の方が劣っているだろう相手と公平な条件で戦わなくて良くなる。

マヨネーズバカの飛星はとても簡単に暗殺できるだろうと思ってしまった。

もちろんすぐに飛星はデロデロになって、マヨネーズの歌を歌いだした。

「うわぁ、すげぇ歌だな。よくそんな歌を思いつくよ。」

「やったねぇ。うぉーぉーぉー。そんな時にはマヨネーズー。せーかいを救うマーヨネーズー。」

「これが、酒の力か。恐るべしだな。酒…。」

レンは呑みすぎないようにと自分に改めて誓う。

これで暗殺の準備はできた。あとは適当な山にでも連れて行って殺すだけだ。

レンは少し、思い出に更けていた。

レンと飛星は結構昔からの付き合いなので、少し躊躇いがうまれるが、彼は殺す以外の選択肢を失っていると思っている。

そして、ついに言い出す。

「酔いを冷ますために外の山にでも行こうか。」

レンはもう引き返せない。
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