【完結】後輩男子の、嘘と罠。【R18】

古都まとい

文字の大きさ
8 / 14

(8)

しおりを挟む
 うっすらとした淡いオレンジの明かりが、芽衣めいの身体に陰影を落とす。
 坂田さかたに優しい手つきでガウンや下着を取り払われ、芽衣はなにも身につけずにベッドに横たわっている。坂田も、なんのためらいもなくガウンを脱ぎ捨て黒のトランクスだけを身につけている。

 服を着ている時は、身長の高さも相まって線が細い印象を与えるが、脱ぐとしっかりと鍛え上げられた腹筋や、厚い胸板が目に入る。二の腕も、芽衣の腕とは比べものにならないくらい太い。
 その身体つきは、坂田が男性である、ということを否応なしに意識させられる。
 芽衣はますます恥ずかしくなって、ベッドの上でぎゅっと縮こまった。

「隠さないで、ちゃんと見せてくださいよ」

 坂田が芽衣の両手を取って、シーツに縫いつける。胸の形をなぞるように舌を這わされ、芽衣は無意識のうちに両膝を擦り合わせる。
 ふいに、芽衣の唇に坂田の指が押しつけられた。なにをするべきなのか、戸惑っていると指先は唇を割り、芽衣の舌をなぶるようにもてあそぶ。
 芽衣の口から指を引き抜くと、坂田は唾液でじっとりと濡れたその指を芽衣の秘部へと押し当てた。

「痛かったら、ちゃんと言って」

 坂田は短く断ってから、芽衣のナカへと指を埋める。とろけきったそこは、いとも簡単に坂田の指を飲み込んだ。息を吐くたびに、坂田の目を見るたびに、芽衣の意識とは別に下腹部の筋肉がぎゅっと縮まり、埋められた指の形がはっきりと分かるようになる。
 芽衣が異物に慣れたと分かると、坂田の指が少しずつうごめき出した。丹念にナカを擦られ、その快感を逃そうと、芽衣はシーツを握りしめる。

「こっち見て。先輩の気持ちいいところ、俺に教えて」

 坂田が空いた手で、芽衣の頭をやさしく撫でる。恥ずかしくて、目をらしたいのに、逸らせない。
 ナカで蠢いていた指が、トンと一点を叩く。痺れるような快感に、芽衣は思わず身をよじり、坂田の腕にしがみつき、首を振った。

「ま、まって、そこだめ」
「ここ?」

 坂田がもう一度、同じ一点を擦る。そのたびに、芽衣の意識とは裏腹に太ももが痙攣し、腰が揺れる。

「先輩は、ここが気持ちいいんですね」

 一点だけを集中して、同じリズムでトントンと擦られると、芽衣は坂田の腕にしがみつきながら漏れ出る声を我慢できなかった。
 快感の中に、耐え難い尿意のようなものが襲ってくる。

「坂田くんっ、だめ、っなんか! 漏らしそうだからぁっ……」
「いいですよ、漏らしても」

 坂田が震える芽衣の唇にキスを落とす。そのまま、芽衣の嬌声を飲み込むように、深く、舌を潜り込ませる。
 芽衣は内ももにぎゅっと力を入れ、溢れ出る快感を必死に押し留めた。
 キスの合間に、坂田が呻く。

「やば、指ちぎれるって……」

 芽衣の身体がぶるりと大きく震える。大きな波のような快感が去り、芽衣は呆然と坂田の顔を見つめた。
 よかった、漏らさなかった。芽衣の頭にはそれしか残っていない。ぼうっとする頭で坂田を引き寄せ、まじまじとその顔を見る。

 既視感が、芽衣を襲った。眼鏡を外した坂田の顔を、芽衣はどこかで見たことがある。目の悪い坂田が大学で眼鏡を外すことなど、ありえない。
 自分は一体、どこでなにを見たのか?

 芽衣に呆けたような表情で見つめられていることに気づいた坂田は、芽衣のナカからずるりと指を引き抜いた。引き抜かれた時の刺激と、喪失感で甘い痺れが走る。

「俺の顔に、なんかついてます?」
「ちがうの。なんだか、眼鏡をかけてない坂田くんのことを、どこかで見たことある気がして」
「……大学で眼鏡外したことないし、気のせいじゃないっすか」

 坂田は芽衣の雑談に応じながらも、手早く用意を済ませていた。
 わずかなゴムのカサカサとした感触と、ひたりと熱い熱が芽衣の秘部に押しつけられる。その熱さに、芽衣はぎゅっと胸が詰まる思いがした。
 直視するのもはばかられ、きちんと見たわけではないが、坂田のものは相当大きいように思う。比べる対象が伊織しかいないため、あまり参考にならない話ではあるが。

「本当に、いいんすか」

 坂田はここまで来て、さらに芽衣に確認する。芽衣が「はい」と言わない限り、坂田は引き返し、今日のことはなかったことになるだろう。
 それだけ坂田は、芽衣のことをまるでお姫様と接するかのように丁重に扱った。

「いいよ」

 坂田の首に腕を回しながら、ささやく。坂田は一瞬、息を飲んでから芽衣の頭を撫で、ぐっと下半身を押しつけてきた。
 指とは比べものにならないほどの圧迫感と異物感。坂田のものが、芽衣のナカをメリメリと拡げ、押し進む。
 坂田は絶えず芽衣の唇を食み、頭を撫でる。

「力、抜いてください。っ、深呼吸して」

 芽衣が大きく息を吐くと、坂田は一気に芽衣のナカへ押し入った。腹の中にみっちりと詰まった質量を感じるが、不思議と痛くはない。むしろ、坂田の熱が溶け合ったように、奥からどっと蜜が溢れ出してくるのを感じる。
 坂田を受け入れたまま、芽衣はぞくぞくと這い上がる熱を持て余し、肩を震わせた。ナカに入った坂田のものが、グンと質量を増す。

「先輩ほんと……その顔、だめだって」

 坂田が苦しそうに呟くものの、芽衣にはなんのことか分からない。自分の顔を確認する術もない。
 芽衣は眉を寄せる坂田の頭を、よしよしと撫でる。

「動いて、いいよ」

 年上らしくリードしようと思ってそんなことを言ったが、坂田はふるふると頭を振った。

「だめです、馴染んでからじゃないと」

 芽衣のナカは、とっくに坂田のものをがっちりと咥え込み、絶え間なくじわじわと蜜を溢れ出させている。
 早く動いて欲しい。この大きなものがずるりと抜かれ、また穿たれる感覚を芽衣は欲している。坂田のもので、ぐちゃぐちゃにかき回して欲しい。
 芽衣は、坂田に組み敷かれたまま、ゆるゆると腰を動かした。けれど、刺激は弱く、あのずるっとした抜ける感覚もない。

 坂田が詰めていた息を吐き出し、芽衣の頭を抱え込む。
 汗の匂いとともに、太いそれがゆっくりと抜かれる感触がした。空虚を感じたのは一瞬で、すぐに勢いよく奥まで打ち込まれる。
 ぱんっ、と素肌がぶつかり合う音がして、芽衣は予想以上の快感に、身をよじった。
 しかし、坂田に抱え込まれた身体はびくともしない。
 立て続けに二度、三度と打ち込まれ、逃れようとした爪先がシーツを蹴る。

「ま、だめっ、だめ! も、っと、やさしくっ……!」
「先輩が、動いていいって、言ったんじゃない、っすか……!」
「言ったけど、っ! 言ったけど、こんな……ぁ!」

 奥を突かれるたびに、全身がぶるぶると震える。しっかりと坂田の腕に抱き抱えられ、逃げ場がない。ただひたすら、打ち込まれるその熱を、波のように押し寄せる快感を、全身に浴びて、耐えるしかない。

 坂田は執拗に、芽衣の一番奥に穿ち、入り口ぎりぎりまで引き抜くと、また打ち込む。
 決して早いペースではない。乱暴に、突き入れているわけでもない。一定のペースで、トントンと奥を突かれるたびに、芽衣のナカはぎゅうっと締まり、終わりの見えない快感にさいなまれるのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

独占欲全開の肉食ドクターに溺愛されて極甘懐妊しました

せいとも
恋愛
旧題:ドクターと救急救命士は天敵⁈~最悪の出会いは最高の出逢い~ 救急救命士として働く雫石月は、勤務明けに乗っていたバスで事故に遭う。 どうやら、バスの運転手が体調不良になったようだ。 乗客にAEDを探してきてもらうように頼み、救助活動をしているとボサボサ頭のマスク姿の男がAEDを持ってバスに乗り込んできた。 受け取ろうとすると邪魔だと言われる。 そして、月のことを『チビ団子』と呼んだのだ。 医療従事者と思われるボサボサマスク男は運転手の処置をして、月が文句を言う間もなく、救急車に同乗して去ってしまった。 最悪の出会いをし、二度と会いたくない相手の正体は⁇ 作品はフィクションです。 本来の仕事内容とは異なる描写があると思います。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです

沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...