異世界転移した俺の、美味しい異世界生活

yahagi

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開店準備

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 料理を作り終わったので、審査室へ入る。
 すると、変わらない面々が出迎えてくれた。

「ハヤト、ようこそ。今日もたくさんの料理が並んでいるな」

「ジノリンさん、こんにちは。今日も宜しくお願いします!」

「ふむ、宜しい。では、物珍しいこれらからいこうかのう」

「はい。左からマルガリータ、じゃがマヨコーンピザ、炭火焼き照り焼きチキンピザ、ホワイトソースの魚介類ピザです」

 みんながピザを食べるのを黙って見つめる。

「うむ、美味い。儂はじゃがマヨコーンピザが一番うまいのう」

「炭火焼き照り焼きチキンピザもなかなかですよ」

「マルガリータが一番好きよ」

「ホワイトソースの魚介類ピザも美味しいですね」

「では、決を取るぞい。この4種類のピザを登録して良いと思うものは、手を挙げろ」

 六名全員が手を挙げた。

「合格じゃ。次に行くぞ。次はこれらじゃな」

「左から、グレイトボアのステーキの玉ねぎソース、チキンソテーのトマトソース、ローストビーフ、チキンのトマト煮込み、醤油味のモツ煮込みと豆板醤のモツ煮込みです」

「普通のステーキかと思ったらソースがうめえな」

「モツ煮込み、両方とっても美味しいわ」

「チキンソテーもトマトソースとよく合っている。チキンのトマト煮込みとはまた違ったうまさだな」

「ローストビーフは柔らかくて新しいのう。実に美味い。……では、決を取る。この6種類のレシピを登録する場合は手を挙げろ」

 六人全員が手を挙げた。

「合格じゃ。では、次に行こうかのう。この丼達は何じゃ?」

「親子丼、天津丼、八宝菜丼、エビ天丼です」

「ふうむ、親子丼はチキンじゃの。柔らかくてうまい」

「天津丼は甘酸っぱさがたまらないわね」

「八宝菜の豪華さを見よ。食べ応えも十分だ」

「エビ天丼はエビがぷりぷりで実に美味い」

「よし、この4種類をレシピ登録する場合は手を挙げろ」

 六名全員が手を挙げた。

「合格じゃ。では次じゃな。これは何じゃ?」

「白身魚のムニエル、ホワイトソースがけです」

「ふむ、ホワイトソースが大変美味だな。淡白な白身魚に濃厚なホワイトソースが合っている」

「そうね、女性でも軽く食べられそうだわ」

「実に美味い。あっと言う間に食っちまう」

「うむ。では決を取る。白身魚のムニエルをレシピ登録して良いと思う者は手を挙げろ」

 六名全員が手を挙げた。

「合格じゃ。では次にこれらじゃな。これは何じゃ?」

「アップルパイとスコーン、紅茶のスコーンになります。スコーンは木苺のジャムをつけて召し上がって下さい」

「うぬぬ、アップルパイはパリパリで美味い!」

「スコーンも美味しいわ。紅茶に合うわね」

「紅茶のスコーンも香りが良いね」

「ふむ、この3種類を登録する場合は手を挙げろ」

 六名全員が手を挙げた。

「合格じゃ。ハヤト、合計180枚の金貨を授与する。どうじゃ、飯屋のほうは出来ておるか?」

「はい。レストランのほうは三日後にプレオープンで、鰻丼は屋台で好評頂いています」

「ほっほっほ。そうか。オープンしたらぜひ行きたいからのう」

「あっ、では皆さんをプレオープンにお呼びします。招待状を料理ギルド宛てに送っても良いですか?」

「勿論大歓迎じゃ。待っておるぞ」

「今日もありがとうございました。失礼します」

 俺は皆さんに頭を下げて、帰路についた。
 アラブレヒトに声をかけて、メニューの手直しをした後、プレオープンの招待状を6名分、料理ギルドに出して貰った。

「ありがとう、アラブレヒト」

「どういたしまして」

 アラブレヒトはにこやかに笑っていた。
 俺はメニューを持ってレストランに出かけた。

 レストランにはアラブレヒトに呼ばれた絵師がもう来ていて、料理を一品ずつ出して絵を描いて貰っているという。
 俺は挨拶する為に声をかけた。

「初めまして、オーナーのハヤトです」

「おお、絵師のエルランドだ。アラブレヒトには世話になっとる。メニューはあるか?」

「はい、こちらです」

 俺はアラブレヒトの書いたメニューを差し出した。

「なるほど、30点以上あるな。全部新規レシピなのか?」

「ええ、そうです」

「では、全部描こう。その方が分かりやすいだろうしな」

「宜しくお願いします」

「今日中には無理だ。明日いっぱい使って最終確認をして、本塗りに入る。メニューの作成依頼はどこに出すか決まっているか?」

 そうか、メニューは二十部以上必要なんだ。
 アラブレヒトに頼むわけにはいかない。

「まだ決まっていないよ」

「じゃあ、知り合いに頼んでも良いか? 字も綺麗だし、仕上がりも早い」

「じゃあ、お願いするよ」

「よしきた。すぐに呼んでくる!」

 言うなり、エルランドは飛び出していった。

 そこへ、ウェント兄弟のガイザーさんがやってきた。

「おう、オーナーさんよ。内装もキッチリ出来上がったぞ。ちょっと見に来いや」

「はい、伺います」

 俺はドキドキしながら入り口に回って、ドアを開けた。
 すると、とても広いレストランが現れた。
 入り口に看板もある。
 レストラン ミトレーチェ。
 うん、いい感じだ。

 テーブルも椅子も高そうに見える。
 テーブルクロスは真っ白で、ナプキンが畳んである。
 これは素晴らしい。
 
「ガイザーさん、最高です! 本当に広くて素敵なレストランですね!」

「そうだろう。テーブルは5台、椅子は20脚余分に作って倉庫に置いてある。こんなもんで良いだろう」

「はい! ありがとうございました。報酬をお支払いしますね」

「おう! ありがとよ! そんでなあ、良ければ俺達もプレオープンに呼んでくれねえか?」

「もちろん良いですよ! 何人分作りましょうか」

「8人分頼む。ずっと良い匂いがしてて、辛かったんだ。思う存分食って飲むぞ」

「はい。プレオープンは明後日です。招待状を建築ギルド宛てに出しますね」

「おう! 待ってるぜ」

 ガイザーさん達はドヤドヤと帰って行った。
 キッチンに戻ってみると、エルランドさんが絵を描いていた。
 その横で文字を書いている女性がいた。

「初めまして、オーナーのハヤトです」

「あっ! 私はメニュー作成を承ったヘンリエッタと言います。作るのは何部ですか?」

「25部お願いします。出来れば明後日使いたいんですが、大丈夫でしょうか?」

「はいっ! 勿論間に合わせます!」

 ヘンリエッタは再び文字を書き始めた。
 邪魔しないように料理長に話し掛ける。

「料理長、困ってる事はないかい?」

「今の所ないです。皆必死で頑張っているし、さばくのも苦戦してた鰻丼も美味しく作れるようになったんですよ」

「そりゃあいい。鰻丼を一つ作ってくれないか。今日は忙しくて昼食を抜いているんだよ」

「そりゃあ駄目だ。蒸し物担当! 鰻丼一丁!」

「はいっ!」

 俺は鰻丼が出来るまでゆっくり皆の話を聞き、出来上がった鰻丼に舌鼓を打った。
 
「本当に美味しいよ。炭火焼きの焦げ目がたまらないね。それでね、明後日プレオープンするから、そのつもりでいてね」

「はいっ!」

 明日一番でカウンター担当とメイドさんも呼び寄せねばなるまい。
 俺はデザートにチーズケーキを出して貰い、紅茶を飲んだ。
 打ち合わせは夜までかかり、俺は支店に帰り着くなり寝てしまった。
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