異世界転移した俺の、美味しい異世界生活

yahagi

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揚げ物屋ロース

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 それから二日経ち、揚げ物屋ロースが完成した。
 早朝から従業員二名も集まっている。
 必要な食材も配達を頼んでいたので、どんどん届いていた。

「どうじゃ、オーナー。お洒落に仕上げてみたぞい。緑と金色で縁取られたメニューが綺麗じゃろう」

「本当ですね、凄くお洒落でいいと思います。外観も赤煉瓦で素敵だし、このショーウィンドウが特に格好良いですね」

 店先に置かれた足付きのガラスの戸棚。
 ここには揚げたての揚げ物を入れる予定なのだ。

「飾りも入れてあるし、見た目以上に頑丈だ。面白い依頼じゃったよ、あっはっは!」

「ガストンさん、ありがとうございました。これ、報酬です」

 ガストンさんはニコッと笑って帰って行った。

「さて、二人とも。まずはコロッケから教えようか。まずじゃがいもを剥こう」

 俺は午前中いっぱいかけて、二人にトンカツ、メンチカツ、ハムカツ、コロッケを教えた。
 揚げたてを頬張る二人は顔を輝かせ、更に意欲高く学んでいく。

 昼食は揚げ物とバケット。
 食後のお茶を飲みながら、豆腐の作り方を説明していく。

「あの魔道具を使うんですね」

「豆腐も食べてみたいですね」

「よし、これから作ろう。水に浸けておいた大豆がこれだよ。つけ汁も全部使うから、水の量には気をつけて」

「はい!」

 そして豆腐が出来上がり、まずそのままで食べてみた。

「醤油をちょっと垂らすと、美味しいよ」

「本当だ、美味しい」

「ちょっとアレンジメニューを作ってみようか。麻婆豆腐、肉豆腐、豆腐サラダ。さあ、食べてみて」

「これはうまいですね。俺は麻婆豆腐が好きです」

「豆腐サラダはあっさり食べれていいですね」

「煮ても焼いても美味しいんだよ。揚げても美味しいんだけど、今水切りしてるから、ちょっと待ってね。おさらいで揚げ物を作ってみようか」

「はい!」

 揚げ物のおさらいが一段落した頃、鐘3つが鳴った。
 おやつ時、甘いものが食いたかった俺は、チョコレート屋ピスタチオに二人を連れて行った。

「おやつ時だし、甘いものを食べよう。何でも好きなものを頼んでよ。ここ、俺の店なんだ。ちょっとキッチンを見てくるね」

 ひょい、と顔を出すと、アレックスがにこやかに挨拶をした。

「お久しぶりです、オーナー。ちょうど良かった。ジャムチョコレートは、形になりましたよ。三種類出来たので、食べてみて下さい」

 ふむ、パキッと割れてジャムが出てくる。
 ブドウと木イチゴと梨か。
 どれも美味い。

「良くやったな、このチョコレートは採用だ。メニューに載せて良い。次はエクレアという菓子を作って欲しい。皮は薄く、細長く焼いて中にカスタードクリームを詰める。上からチョコレートを掛けて冷やし固める。どうだ、作れそうか?」

「作ってみますよ。まずはエクレアの皮作りです」

「頼んだぞ。じゃあ、俺は戻る」

 俺は二人の元に戻ってチョココロネとホットチョコレートを頼んだ。

「うーん、揚げ物も美味いけど、甘いもんも美味いな!」

「はい。そのホットチョコレートも頼んで良いですか?」

「いいぞ。飲んで見ろ。すげえ美味いぞ」

「本当だ、美味しいですね。タブレットのチョコも美味しかったけど、飲んでも美味しいですね」

「パンケーキも美味しかったですよ。良いお店が知れて良かったです」

 二人も大満足の休憩を経て、店に戻る。
 さて、まずは油揚げから作ろう。
 そして、次はがんもどき。

「どうだ? 意外と美味いだろ?」

「すごく美味しいですよ。生姜と味噌の風味がたまりませんね」

「これは煮ても美味しそうですね。甘辛く煮付けたら良いおかずになりそうです」

「おっ、わかってるねえ~。間違い無く美味しいよ」

 和気あいあいとがんもどきを食べていたら、軒先から声がかかった。

「すいませーん」

 おっと、お客さんかな?

「はい、お待たせしました。何かお求めですか?」

「あの、トンカツっていうのは何かしら」

「グレイトボアの肉を衣をつけて揚げたものです。美味しいですよ」

「じゃあ、二枚頂戴」

「毎度ありがとうございます。銅貨4枚になります」

 キッチンでは店主が慌てて肉を叩いている。

「もうすぐ夕飯時だ。がんもどきも含めて全種揚げてショーケースで売ろうか」

「はい!」

「トンカツ二枚揚がったよ!」

「お客様、お待たせしました。仕上げにソースをかけると、より美味しいですよ」

「ありがとう、いい匂いね。美味しかったらまた来るわ」

「あのう、あのがんもどきってありますか?」

「今揚げますので、少々お待ちいただけますか?」

「はい」

「がんもどき一丁!」

「あいよ!」

「すいませーん、コロッケ5個下さい」

「はい、コロッケ5個お願いします!」

「あいよっ」

「がんもどき揚がったよ!」

「お待たせしました、銅貨2枚です。ありがとうございました!」

 それからもオーダーは入り続け、作り置きする余裕もなく、作りたてを渡し続けた。
 鐘7つが鳴り、ようやく人が切れる。

「オーナー。結構人気の店になるかもしれませんね?」

「そうだな。開店は鐘11にして、朝はとにかく仕込みを頑張れ。十二分に作り置きを作って、開店するんだ。パン屋に納品する揚げ物4種類50個ずつも忘れるな」

「オーナー。揚げ立てのオーダーを受けるなら、従業員を増やしてくれませんか? もう一人欲しいです」

「わかった。明日求人を出してくる。お前が店長をやってくれ。雇い次第連れてくる」

「宜しく頼みます。閉店は鐘8つでいいですかね」

「良いぞ。売上は月に一度、支店まで持ってきてくれ。両替も頼むぞ」

「はいっ!」

「明日も様子見にくるから。腹が減ったし、冷えた揚げ物のアレンジメニューを教えてやる」

 俺は三枚トンカツを揚げさせると、玉ねぎを炒めて卵と出汁で煮込んだ。
 それにバケットを切って添える。

「へえ、煮ても美味しいんですね」

「簡単だし、教えやすいです。明日は作り置きも売れるように頑張りますよ」

「ああ、その意気だ。頑張ってくれ」

 俺も出汁の染みたカツを食べて腹を満たす。
 バケットに汁を吸わせて食べつつ、しばし歓談を楽しむ。

 鐘8つ。
 閉店である。
 俺達は後片付けをして、店を出た。

「じゃあ、お疲れ様でした」

「お疲れ様。また明日ね」

「お疲れ様でしたー」

 俺は空にぽっかり浮かぶ二つの月を見ながら家に帰った。
 リカルドのいない日々に慣れてきたけど、どうしても寂しい気持ちはある。
 今夜も晩酌して寝るかな。

 俺は家に着くとまずゆっくり風呂に浸かり、風呂上がりに晩酌をした。
 今日は結構飲んだぞ。
 俺はカナッペをつまみながら、明日はレバーペーストを作るぞ……と心に決めた。

 ベッドルームで、淫具を使って三発抜いた。
 乳首をローターで毎夜刺激しているから、服にこすれるだけでびくりとする。
 ああ、リカルドに舐められたい。

 今日もリカルドの道中の安全を祈って、俺はゆっくりと眠りについた。
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