異世界転移した俺の、美味しい異世界生活

yahagi

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競いハヌーンを見に行ったよ

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 翌日、ぱちりと目が覚めた。
 天気は雪がちらほら降っている。
 
「おはよう、ハヤト」

「おはよう、リカルド」

 朝食はベーコンエッグとトマトサラダ、バタートースト。
 俺は木イチゴのジャムをたっぷり乗せて食べた。

 カッパを着て家を出る。
 リカルドと手を繋ぎ、競いハヌーン会場まで歩いていく。
 町の外に出ると、風がぴゅうっと吹きつける。
 頬で溶けていく雪を感じながら、競いハヌーン会場まで歩いた。

 VIP席に入ると、ぐっとあったかい。
 俺達はカッパを脱いで、壁際のハンガーにかけた。

 ポップコーンを買ってきた俺達は、エールを飲みながらポップコーンをつまむ。
 そうこうしていると、貴族が6名入ってきた。
 最前列に座った貴族は、侍従にポップコーンを買いに行かせ、赤ワインで乾杯した。

 そこに賭け窓口の担当者がやってきた。

「本日の走者は、端から1番ルナウド騎士団長、2番ヨーデル、3番リクドー、4番ブラウン、5番エプリコット、6番ミダル。どなたかにお賭けになりますか?」

 貴族は続々と賭けていく。
 1番ルナウド騎士団長に賭ける人が多い。

「俺は1番に金貨1000枚賭ける」

「俺は1番と3番に金貨100枚ずつで」

 リカルドのルナウド騎士団長への信頼は厚い。
 俺はリカルドにすら勝つ3番リクドーが気になっている。
 楽団の楽しげな曲と共に走者入場。
 
「騎士団長ーっ! 今日も頼むぞーっ!」

「リクドー、勝ち上がれーっ! お前に賭けたぞーっ!」

「ブラウン、負けるな! 応援してるぞーっ!」

 それぞれのファンから声援をもらい、走者は手を振って応える。
 さあ、ハヌーンに跨がり、レース開始だ!

「さあ、高らかにラッパが吹き鳴らされ、第一レース開始です。開始の鐘が鳴りました! 前に出たのは3番リクドーと5番エプリコット、6番ミダル!」

「はじめのコーナーを曲がりました! 順位変動して1位3番リクドー、2位6番ミダル、3位2番ヨーデル!」

 今日は雪で少し視界が悪い。
 それにしても、3番リクドーって格好良い男だな。
 黒髪で細身で顔に傷があった。
 いかにも裏の人みたいな雰囲気が素敵。
 俺ってアウトローに惹かれるのかな。
 誓ってリカルド一筋だけど、良い男は鑑賞するのもいいよね。

「次のコーナーを曲がり、直線です! 4番ブラウン、走り込んできたーっ! 1番ルナウド騎士団長は最下位! ここからどう動くのか!」

「2周目に入りました。1位3番リクドー、2位4番ブラウン、3位6番ミダル! さあここから首位争いに入ります。コーナーを曲がり、直線です!」

 皆すごい迫力だ。
 貴族も見入っているよ。

「6番ミダル、追い上げる! おおーっと2人抜いて1位6番ミダル、2位3番リクドー、3位4番ブラウン! 3番リクドーは、ハヌーンが休みたい時は休むと公言しています!」

「おっと3番リクドー、休憩かーっ?! っとここで3周目に入りました。おおっと待っていました、1番ルナウド騎士団長が走り込んでくるーっ!」

 とうとう3周目、ルナウド騎士団長が走り込んできた。
 ルナウド騎士団は何人も抜いていく。

「おおっと速い、速いぞ、1番ルナウド騎士団長ーっ! あっと言う間に3位に入りました。そしてコーナーを曲がります! どの走者も素晴らしいコーナリングです!」

「さあ、最後の直線です! 1番ルナウド騎士団長が1位に躍り出るっ! 2位に走り出した3番リクドーがつく! 3位は6番ミダル、必死に追いかけるが順位は変動しないまま、ゴォォーーーーール!」

 ルナウド騎士団長の勝利だ。
 俺は飛び上がって喜んだ。

「やったね、リカルド!」

「ああ。払い戻しは3倍だってさ」

 リカルドは一気に金貨3000枚である。
 俺も金貨100枚損して金貨200枚増えた。

「次も1番に金貨1000枚賭ける」

「俺は1番と3番に金貨100枚ずつで」

 さて、結果はいかに。
 第2レースは3番リクドーの勝ち。
 払い戻しは4倍だ。

 次は第3レース、貴族が次々に賭けていく。

「1番に金貨1000枚賭ける」

「俺は1番に金貨100枚で」

 さあ、ルナウド騎士団長、頼みますよっ!
 期待を込めた第3レース、勝者は1番ルナウド騎士団長。
 払い戻しは3倍だ。

「やったね、リカルド」

「ああ。さすがルナウドだ」

 さて、お昼休憩である。
 俺とリカルドはホットドッグを買って、VIP席でぬくぬく食べた。
 この天候なのに、観覧席には人がギッシリだ。
 観覧席には暖房もないのに、凄い。

「午後からは若干走者が変わります。端から1番ルナウド騎士団長、2番キース、3番リクドー、4番ブラウン、5番ガリウス、6番ミダルです。どなたかにお賭けになりますか?」

 貴族はどんどん賭けていく。
 1番ルナウド騎士団長と、3番リクドーが人気あるみたい。

「俺は1番ルナウド騎士団長に金貨3000枚賭ける」

「俺は1番と3番に金貨100枚ずつ」

 リカルドは思い切ったな。
 俺は第4ゲームの始まりを、エールを飲みながら待った。

 楽団の勇壮な曲と共に走者入場だ。
 やっぱりリクドー格好良いな。
 影のある人ってどうして格好良いんだろうね。

「さあ第4ゲーム、スタートです。開始の鐘が鳴りました! 1位2番キース、2位3番リクドー、3位5番ガリウス! はじめのコーナーを曲がります!」

「さあコーナーを曲がり直線です。スピードを上げてきたのは、4番ブラウン。凄い気迫です。おおっと、3位に食い込んだ! 1位2番キース、2位3番リクドー、3位4番ブラウン!」

 まだ1周目だから気楽だな。
 2番キースはあまり聞かない名だ。

「さあ2周目です。おおっと6番ミダルが全力疾走だ。速い速い! あっと言う間に2位に躍り出ました。コーナーを曲がり、3番リクドーが走り込む!」

「おおーっと、1位3番リクドー、2位6番ミダル、3位4番ブラウン! 直線コースを皆凄いスピードで駆けてゆきます! コーナーを曲がり、運命の3周目だーっ!」

 とうとう3周目だ。
 皆強そうだけど、大丈夫かな。

「3周目、やはりこの人が駆けてきました、1番ルナウド騎士団長、堂々と走り込んで参りました、まずは3位につけています。コーナーを曲がり、次は最後の直線だーっ!」

「ものすごい速さで首位を奪還したのは、1位1番ルナウド騎士団長、2位3番リクドー、3位4番ブラウン! この順位のまま、ゴォォーーーーール!」

 ルナウド騎士団長はやってくれた。
 流石騎士団長だ。

「やったぁ!  騎士団長の勝利だよ」

「ああ。払い戻しは3倍だ。なかなかの金額になったな」

 俺とリカルドはルナウド騎士団長の勝利を喜んだ。

 第5ゲームに貴族が次々賭けていく。

「俺は1番に金貨1000枚賭ける」

「俺は1番と3番に金貨100枚ずつで」

 さあ、第5レースの結果は、3番リクドーの勝ち。
 払い戻しは4倍だ。

 そして第6レース、貴族がどんどん賭けていく。

「俺は1番に金貨3000枚賭ける」

「俺は1番に金貨1000枚賭けます」

 この後はレースもないし、思いっきり走れるはず!
 俺にしては思い切った掛け金に、リカルドがニヤリと笑った。

「賭けハヌーンの面白さにハマったか?」

「うん。騎士団長を信じてみたよ」

 さて、結果は1番ルナウド騎士団長の勝利。
 払い戻しは3倍だ。

「やったね、リカルド!」

「ああ。ルナウドは期待に応えてくれたぜ」

 俺達は走者控え室に入り、騎士団長を呼び出した。

「お疲れ、ルナウド。今日も稼がせて貰ったぜ」

「リカルド! いつからレースに出れるんだ?」

「4日後からで頼む。今回は1週間弱しか出れねえから、半分は競いスケートだな」

「わかった。お前が出ると客が沸くから、ぜひ出てくれ。手続きは俺がしておく」

 そこに、ふらっとリクドーがやってきた。

「お疲れ様でした。お先に失礼します」

 わっ。至近距離で見てもいい男だ。

「ああ、お疲れ。こちら、リカルドの奥さんだ。ハヤト、この男はリクドー。元冒険者から転向した男だ。今日も強かったろ?」

「ああ、そうなんですね。リカルドには世話になってる。どうぞお見知りおき下さい」

「どうも、ハヤトです。レース頑張ってください」

 そしてふらりと、リクドーは帰って行った。

「愛想は良くないが強い男だ。リカルドのライバルでもある。今後のレースに期待してくれ」

 ルナウド騎士団長はにっこりと笑っていた。

 リカルドと二人、手を繋いで家に帰る。
 雪で寒かったから、夜ご飯は鍋。
 重い金貨はリカルドが持ってくれてる。

 家に着いてカッパを脱ぎ、ハンガーにかける。
 暖炉に火を灯して部屋をあたためる。

 リカルドはコタツに入って、ソリティアを始めた。
 俺はキッチンに入り、鍋の準備である。
 生姜を刻み、鳥肉も刻んで調味料と共に練って丸める。
 ねぎと白菜を大量に切って、きのこと豆腐も切る。
 鍋にお湯を沸かし、調味料を入れて鳥つみれを煮る。
 色が変わってきたら野菜を入れて、きのこと豆腐も入れる。

 コタツのミカンをどかし、ソリティアをしまって、鍋を置く。

「今日は鳥つみれ鍋だよ。ポン酢かごまだれでどうぞ」

「うまそうだ。頂きます……あちっ、鳥つみれが生姜がきいててうまいな。ポン酢でサッパリ食える」

「うん、美味しい。ポン酢はあっさり食べれるね。野菜も美味しい」

 俺達は美味しいお鍋をつつき、エールを飲んだ。
 リカルドと二人の夜は、美味しくて楽しい。
 俺は追加のお肉を入れながら、リカルドに冒険の話をせがむのだった。
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