異世界転移した俺の、美味しい異世界生活

yahagi

文字の大きさ
106 / 111

回転寿司屋イチローの準備

しおりを挟む
「まず、プールはあるよ。ただ、7代前の当主が作らせたもので、今は廃墟になっている。周囲は荒れ地だけど、広さはあるよ。君達の問題にしている場所については、これでクリアーだね」

 ハインケルはにこやかに話を続けた。
 
「夏の水遊びの為でもあるし、釣り堀でもあるなんて、画期的だね。水着のデザインも出来ているし、来年の夏、プールは稼働しよう。あとは釣りの許可だけれど、場所がうちの私有地だからね。許可がなくとも釣りは出来るよ。ただ、私有地だから貴族が担当しないと後々揉めるんだ。企画自体を買い上げさせてくれるかい」

「勿論さ。楽しみにしているよ」

「プレオープンには二人を呼ぶからね。友人と一緒に来てよ」

「わかった。みんなで魚釣りに来るよ」

「この、釣った魚を鍋に出来るサービスも使わせて貰うよ。鍋のレシピもありがとう」

 俺はハインケルに笑顔を返し、出された紅茶を飲み干して、町長宅を出た。

「企画を大金で買って貰えて良かったね。ハヤトは次何するの?」

「回転寿司屋をやろうと思ってる。ただ、一皿1銅貨では高いと思っているんだ」

「じゃあ、一皿半銅貨かな。6枚で3銅貨。妥当じゃない?」

「ありがとう、アラブレヒト。半銅貨っていうのがあるんだね。じゃあ、俺は不動産屋に寄っていくよ」

 俺はアラブレヒトと別れ、不動産屋にやってきた。
 大通りを一本奥に行った所に良さげな店があった。
 俺は店を買い上げ、建築ギルドにやってきた。
 担当してくれるのは、ガストンさん。
 俺は店内の絵を書いて、イメージを細かく伝えた。

「店の外観に一皿半銅貨と書くんだな。回転寿司屋イチロー、よし、4日くれ」

 ガストンさんの書いたデッサンを持って、魔道具屋サンラクにやってきた。
 
「サンラクさん~。いませんか~」

「おお、ハヤト。何ぞ入り用か」

「実は、回転寿司の回転する部分を作って欲しいんです」

 俺は絵も見せつつ、細かく伝えた。
 
「ふむふむ、4カ所に必要なわけだな。それで皿を取って食べると。曲がるときに寿司のネタが落ちねえように、繊細に曲がる必要があるな」

 俺は覚えている限りの細工をサンラクさんに伝えて、後はお任せした。

「任せとけ、最高の回転寿司にしてやるよ」

 サンラクさんは自信たっぷりだ。
 俺はサンラクさんと別れ、商業ギルドにやってきた。
 俺は従業員を8名募集した。
 キッチン担当4名、カウンター担当4名である。

 支店に戻ったら、お昼だった。
 お揚げのうどんを美味しく食べた。

 午後、リカルドの名前でツナ缶が大量に届いた。
 半年経っても新鮮なままという触れ込みである。
 俺は回転寿司用に大量に買い上げた。

 アラブレヒトが今後も取り引きすると言っていたので、期待している。

 今日のおやつは、ホットケーキだ。
 バターを乗せて、蜂蜜をかける。
 あまーいおやつは、至福の味だ。

 俺はアラブレヒトに海苔を知らないか、聞いてみた。
 海藻を固めて乾かしたものだと説明すると、思いついたようで、倉庫に消えた。

「以前に、海辺の町で買った乾海苔だよ。これじゃないかい?」

 小さく切って、食べさせて貰った。
 すっごく美味い海苔だ!
 思ってたより厚みがあるけれど、十分使える。

「アラブレヒト! これたくさん欲しいんだけど、ある?」

「在庫は300枚程度。早駆けハヌーンで海辺に買いに行って往復2週間ってとこかな」

「宜しくお願いします! 全部買い取るから!」

 アラブレヒトは急いで手紙と発注書を書き、早駆けハヌーンの手配をした。

「これでよし。入荷したら店に送るね」

 アラブレヒトは頼もしい笑顔だ。
 俺は頷いて、カッパ巻きも作ろうと心にメモした。

 夜ご飯は鍋だった。
 肉をたっぷり食べて、豆腐をフーフーして食べる。
 野菜も食べ尽くしたら、〆のうどんだ。
 とても美味しかった。

 食後は、リカルドの待つ家に帰る。
 明かりのついた家に帰る幸せ。
 リカルドはコタツでソリティアをしていた。

「ただいま、リカルド」

「お帰り、ハヤト」

 俺はリカルドにチュッとキスをして、コタツに座った。

「今日から競いハヌーンに復帰した。やっぱりルナウドとリクドーがつええ。4勝だった」

「4勝出来れば凄いじゃないか。今日はちょっと雪がちらついてたけど、大丈夫だった?」

「ああ。あれくれえなら問題ねえな。これから春になっていくから、レースはやりやすくなるな」

「レース楽しそうだもんね、リカルド」

「ああ。冒険者卒業したら、競いハヌーンの走者になるかな。40歳までは現役でやるつもりだから、それからになるが」

「良いじゃん、それ。そしたら、ずうっと一緒にいられるね」

「俺に飽きちまわないようにしてくれよ。一生そばにいるんだからな」

「飽きるわけないでしょ。一生そばにいるよ」

 リカルドを愛してる。
 この気持ちは変わらない。

「一緒に風呂に入ろうぜ。洗いっこしよう」

 俺達は浴室に向かい、長いキスの後、服を脱いだ。
 洗いっこして泡を流し、湯船に浸かる。
 しっかり暖まってから、浴室を出た。
 ベッドルームに入り、ベッドでもつれ合う。
 深いキスをして、抱き締め合った。
 
 3発セックスして、快感の余韻に浸る。
 胸には媚薬の軟膏がたっぷり塗られている。
 もうピークは過ぎたけれど、弄られると気持ち良い。
 リカルドは俺の乳首を弄りながら、ぽつりぽつりと話をした。
 暖かなリカルドの胸に抱かれた俺は、いつしか夢の世界に旅立っていた。





 それから4日が過ぎた。
 オセロ大会とボウリング大会があった。
 オセロ大会は、リカルドとアラブレヒトが決勝で当たった。
 結果は、アラブレヒトの勝ち。
 アラブレヒトは本当に強い。

 ボウリング大会も、決勝はアラブレヒトとリカルドだった。
 なかなか勝負がつかなかった。
 それくらいパーフェクトが出続けた。
 スペアを取ったのはアラブレヒトだった。
 優勝はリカルド。
 流石である。

 さて、今日は回転寿司屋イチローが出来ている筈である。
 俺は店に足を向けた。

 店の外観にでかでかと、一皿半銅貨と書いてある。
 俺は店に入り、回転寿司レーンをチェックした。
 
「外観と内装は終わっとるよ。どうだい?」

「気に入りました。ありがとうございました、ガストンさん」

 俺はガストンさんに報酬を支払うと、伝言屋に頼んでエルランドさんと、ヘンリエッタを呼んだ。

 回転寿司レーンの調整をしていたサンラクさんが、こちらを見る。

「寿司を乗せてみてえんだが、いくつか握ってくれるか?」

「わかりました、少々お待ちください」

 俺は米を炊いて、寿司酢を作る。
 乗せる具材は、玉子、天ぷら、なすとミートボール。
 軍艦でとろろとコーンも作った。

 レーンに乗せて、後を追って見てみる。
 うん、崩れてないな。
 俺は崩れやすそうな海老アボカドを作ってレーンに乗っけた。
 曲がるところで……崩れない!

「大丈夫そうです、サンラクさん」

 俺はサンラクさんに報酬を支払い、礼を言った。
 サンラクさんは帰って行き、絵師とメニュー屋の二人がやってきた。
 すしネタを一個ずつ作り、メニューに載せる。
 デザートはちっちゃいプリンと、小さなチョコレートケーキと小さなアップルパイ。

 俺は備品を出しながら時間を過ごした。
 気付けばお昼時である。

「エルランドさん、ヘンリエッタ。お昼だから、何か握るよ。好きなものをオーダーしてね」

「じゃあ、ベーコンと玉子、ミートボールと白身魚の天ぷら」

「私はコーンとなす、とろろとベーコンで」

「あいよっ! 流していくので、取って下さいね」

 俺はキッチンに下がって各種寿司を握った。
 二人に緑茶を出し、俺も白身魚の天ぷら握りを食べる。
 とっても美味しい。
 玉子、なす、カッパ巻き。
 レーンの内側で食べつつ、良さげな頃に声をかける。

「追加握りますよ。どうですか?」

「美味い。カッパ巻きとウィンナー、玉子ととろろ。デザートにアップルパイ」

「美味しいですよっ! ミートボールとカッパ巻き、デザートにプリン下さい」

「あいよっ」

 俺は次々握っていき、レーンに乗せる。
 レーンから取る二人の動作もスムーズだ。
 デザートも出し終わり、俺もミートボールの握りを食べ、海老の天ぷらの握りを食べて、チョコレートケーキを食べた。

 プレオープンの招待状は、メリッサさんが書き上げてくれた。
 その日の鐘4つ、メニューが書き終わった。
 二人に報酬を支払い、店を閉める。

 支店に帰り着くと、夜ご飯だった。
 今夜のメニューは、カルボナーラ。
 とても美味しかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。

ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。 異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。 二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。 しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。 再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる

おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。 知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

炊き出しをしていただけなのに、大公閣下に溺愛されています

ぽんちゃん
BL
 希望したのは、医療班だった。  それなのに、配属されたのはなぜか“炊事班”。  「役立たずの掃き溜め」と呼ばれるその場所で、僕は黙々と鍋をかき混ぜる。  誰にも褒められなくても、誰かが「おいしい」と笑ってくれるなら、それだけでいいと思っていた。  ……けれど、婚約者に裏切られていた。  軍から逃げ出した先で、炊き出しをすることに。  そんな僕を追いかけてきたのは、王国軍の最高司令官――  “雲の上の存在”カイゼル・ルクスフォルト大公閣下だった。 「君の料理が、兵の士気を支えていた」 「君を愛している」  まさか、ただの炊事兵だった僕に、こんな言葉を向けてくるなんて……!?  さらに、裏切ったはずの元婚約者まで現れて――!?

非力な守護騎士は幻想料理で聖獣様をお支えします

muku
BL
聖なる山に住む聖獣のもとへ守護騎士として送られた、伯爵令息イリス。 非力で成人しているのに子供にしか見えないイリスは、前世の記憶と山の幻想的な食材を使い、食事を拒む聖獣セフィドリーフに料理を作ることに。 両親に疎まれて居場所がないながらも、健気に生きるイリスにセフィドリーフは心動かされ始めていた。 そして人間嫌いのセフィドリーフには隠された過去があることに、イリスは気づいていく。 非力な青年×人間嫌いの人外の、料理と癒しの物語。 ※全年齢向け作品です。

処理中です...