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終幕の舞台
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三位一体教会教会教皇から、ルシファ王国の聖女を確認したいのでということで、聖都への招集の命令がきた。
再洗礼教会派信徒であるガブリエルには、その信徒が大半であるルシファ王国にには、教皇の命令に従ういわれはない。ただ、いたずらな対立を嫌う再洗礼派教会は、かならずしも教皇の権威や意向は、それなりに尊重していた。また、教皇も一応は命令としてはいたが、内容は要請のような形にはなっていた。他の聖典唯一派教会、運命論派教会との対立の有る中で、特に対立のない、一応権威を尊重し、三位一体教会信徒を抑圧しない再洗礼派教会、三位一体教会派諸国と対立より協調、平和路線をとるルシファ王国との関係は大事にしたかったからだ。その上、ルシファ王国は聖典唯一派教会のアスタロト連合女王国等の諸国と戦争していたし、ガブリエルはその戦争で陣頭に立って戦ってきた。それだけに、ガブリエルのことを無下にすることはできなかった。
ルシファ王国の聖女が、隣国ベゼルブブ王国王妃になっている、ルシファ王国は偽聖女を聖女と偽っているとの情報を得ていた。ベゼルブブ王国からは、そのことを各国に明らかにさせ、元凶の王太子ガブリエルを各国首脳の前でその罪を明らかにしたいという要請が強く寄せられた。さらに、真の聖女が婚約破棄破棄し、追放した仕打ちに対する報いを受けさせたいと願っているということも言ってきていた。
三位一体教会の大国であるベゼルブブ王国の要請を入れざるを得なかったが、かと言ってルシファ王国との対立を喚起するのも躊躇した。それで、ルシファ王国の大主教に諮問したところ、
「問題ないかと思います。ガブリエル様は、聖女様をご同行して教皇猊下に拝謁されるでしょう。」
と回答した。
「そなたは、王太子ガブリエルとの関係は良好であると聞いていたが?」
教皇は不思議そうな顔で尋ねた。初老のやや小柄な落ち着いた感じの端正な顔立ちの金髪の大司教は、ガブリエル、王太子との関係は良好であるというよりも、よく語り合う仲であるはずだった。さらに、ガブリエルが知的欠陥で廃嫡の議論が高まった時でもガブリエルを擁護したのは彼だった。ちなみに、知的欠陥を持ったガブリエルを打倒すべく三位一体教会教徒に帰依することを前提に、一時、将来新王太子候補となったルシファ王国の大公が、教皇の支援を求めてきた。大司教は反対していたし、教皇も彼の言葉を取り上げなかった。
「お前は、ガブリエルのことが心配ではないのか?」
「このことで、ガブリエル王太子殿下が困難に見舞われることはないと確信しております。」
彼の自信の理由がわからなかったが、その自信ある顔になんとなく成り行きに任せることになった。
そして、聖都でのルシファ王国聖女の教皇への拝謁の日が近づいてきた。教皇は複雑な気持ちだった。
「ガブリエルが助かる可能性はあるだろうか?」
教皇は自問するしかなかった。何度か教皇は、ガブリエルとも会って、話しを親しくしたことがある。再洗礼派教会の信徒であることを越えて、彼には親しみを抱いていた。
ベゼルブブ王国の王妃が、聖女ミカエラであることは教皇に、ベゼルブブ王国大司教から伝えられている。ただし、正式な結婚はまだしていないから、ミカエラは正式な王妃ではない。それでも、王妃としての扱いを受けており、誰もが王妃と認めている、ベゼルブブ王国では。そして、彼女はベゼルブブ王国に加護を与えている。ルシファ王国王太子ガブリエルの婚約者であった聖女ミカエラが、婚約破棄されて国外追放になり、ベゼルブブ王国に保護され、国王の求婚に応じたということを聞いていた。ではなぜ結婚式を挙げ、正式な王妃となる正式な手続きをしないのはミカエラの願いからということだった。ガブリエルと偽聖女に復讐してから・・・ということらしい。
「気持ちはわかるが、女とは恐ろしいものだな。」
とルシファ王国総修道女長に語ったが、彼女は、
「女とは、教皇猊下が考えておられるより恐ろしいかもしれませんよ。」
と不思議な笑顔を浮かべて答えた。
再洗礼教会派信徒であるガブリエルには、その信徒が大半であるルシファ王国にには、教皇の命令に従ういわれはない。ただ、いたずらな対立を嫌う再洗礼派教会は、かならずしも教皇の権威や意向は、それなりに尊重していた。また、教皇も一応は命令としてはいたが、内容は要請のような形にはなっていた。他の聖典唯一派教会、運命論派教会との対立の有る中で、特に対立のない、一応権威を尊重し、三位一体教会信徒を抑圧しない再洗礼派教会、三位一体教会派諸国と対立より協調、平和路線をとるルシファ王国との関係は大事にしたかったからだ。その上、ルシファ王国は聖典唯一派教会のアスタロト連合女王国等の諸国と戦争していたし、ガブリエルはその戦争で陣頭に立って戦ってきた。それだけに、ガブリエルのことを無下にすることはできなかった。
ルシファ王国の聖女が、隣国ベゼルブブ王国王妃になっている、ルシファ王国は偽聖女を聖女と偽っているとの情報を得ていた。ベゼルブブ王国からは、そのことを各国に明らかにさせ、元凶の王太子ガブリエルを各国首脳の前でその罪を明らかにしたいという要請が強く寄せられた。さらに、真の聖女が婚約破棄破棄し、追放した仕打ちに対する報いを受けさせたいと願っているということも言ってきていた。
三位一体教会の大国であるベゼルブブ王国の要請を入れざるを得なかったが、かと言ってルシファ王国との対立を喚起するのも躊躇した。それで、ルシファ王国の大主教に諮問したところ、
「問題ないかと思います。ガブリエル様は、聖女様をご同行して教皇猊下に拝謁されるでしょう。」
と回答した。
「そなたは、王太子ガブリエルとの関係は良好であると聞いていたが?」
教皇は不思議そうな顔で尋ねた。初老のやや小柄な落ち着いた感じの端正な顔立ちの金髪の大司教は、ガブリエル、王太子との関係は良好であるというよりも、よく語り合う仲であるはずだった。さらに、ガブリエルが知的欠陥で廃嫡の議論が高まった時でもガブリエルを擁護したのは彼だった。ちなみに、知的欠陥を持ったガブリエルを打倒すべく三位一体教会教徒に帰依することを前提に、一時、将来新王太子候補となったルシファ王国の大公が、教皇の支援を求めてきた。大司教は反対していたし、教皇も彼の言葉を取り上げなかった。
「お前は、ガブリエルのことが心配ではないのか?」
「このことで、ガブリエル王太子殿下が困難に見舞われることはないと確信しております。」
彼の自信の理由がわからなかったが、その自信ある顔になんとなく成り行きに任せることになった。
そして、聖都でのルシファ王国聖女の教皇への拝謁の日が近づいてきた。教皇は複雑な気持ちだった。
「ガブリエルが助かる可能性はあるだろうか?」
教皇は自問するしかなかった。何度か教皇は、ガブリエルとも会って、話しを親しくしたことがある。再洗礼派教会の信徒であることを越えて、彼には親しみを抱いていた。
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「気持ちはわかるが、女とは恐ろしいものだな。」
とルシファ王国総修道女長に語ったが、彼女は、
「女とは、教皇猊下が考えておられるより恐ろしいかもしれませんよ。」
と不思議な笑顔を浮かべて答えた。
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