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知っていたら婚約破棄はしなかった・・・?(サムロ語る)
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それがどういうわけで、彼女が結婚を同意して、誓のキスをすることになったのかわからない。俺の目も点になったと思うが、彼女の目も点になっていたのだが。もうその後は勢いで、
「女の私が、申し込みを受けたのですから、撤回などはなさりませんわよね?」
「もちろんです。それはデュナ嬢も同様ですよ。」
もう半ば、いやそれ以上にやけになって言ってしまっていた。彼女も同様だったのかもしれないが、もう止めることはできなかった、俺も彼女も。
そして、そのキスをしたら、単なる唇を重ねるだけでなく、互いに貪るように、争うように、主導権を取り合うかのように、舌をこじ入れて、強く締め付けるように絡ませあい、唾液を吸い、注ぎ込み、きつく抱き合い、体をしならせながら、何度も何度も長い口付けを交わすことになったのかは、さらにわからない。
そのまま互いの服を脱がせあい、全裸に近い姿で抱き合い、互いに学んでいた技巧を尽くして、舌を指を動かし、しまいには、俺が彼女を後ろから抱きかかえ、彼女の大振りの両乳房を両手で揉んで、二人で体をぶつけ合うように動き、哀れもない声を上げる彼女のうなじとかに舌を這わせたりを、汗びっしょりになりながら、延々と続けることになったのは・・・、これはわかる、もう欲情がとまらなくなった、止められなくなっただけである。彼女は敏感に反応して感じまくり、俺はその快感に酔いしれ、快感を感じる彼女の姿にさらに触発されて、それにまた彼女は反応して快感を感じて・・・悪循環と言うべきか否かはわからないが、それが続き、とめどもない快感の波に飲み込まれたのだ。どの段階だったか定かではないが、この女に俺を、これ以上ないほど刻み込まなければならない、刻み込まなければ、また失ってしまう、失いたくないから・・・とも思った、どういうわけか。だから、その波に身を任せて、抗おうとしなかった、できなかった。そういうことを考えるほどの女か、大して知らない女に、と当然の思いが頭の片隅によぎった。だが、それ以上に、もう、この女とこれからを作っていくんだという、という気持ちが強く、押し流してしまった。まあ、気持ちよくて止まらなかっただけだろう、結局、この助平野郎、と言われたらその通りでしかないが。それなら、この女も天性の淫乱女となるのだろうか?それだって、どうでもいいことだ。とにかく、俺達は激しく愛し合った?、延々と、という事なのだ、事実は。
最後?に向かい合って、下半身を擦り付け合わせるように動き、きつく抱きしめ、彼女の胸を自分の胸に感じて、唇を貪りあったが、その時には完全に俺はもう彼女を手放したくないと思った。
お互いに動きが止まって、唇を離した時。
「君は素晴らしいよ。もう離したくない。大公が君のすばらしさを知っていたら、婚約破棄なんか絶対しなかったろうね。大公が、婚約破棄してくれたことを神に感謝するよ。」
本心さ。
「私も。ガマリアが知っていたら、王太子様なんかと・・・。愚かな彼女に感謝するわ。」
本心だよね。
まあ、他の二組も同じことを言いあっている、いう事になるのかもしれない。本当は、ガマリアやゼハンプリュ嬢の方がデュナ嬢よりずっといいのかもしれない。あるいは、女は全て、このようなものなのかもしれない。それでも、この心地よさ、体の相性の良さを、こいつだけのものと考えることにした。とにかく、いいものはいい、いいと思ったのだからいいんだ。自分の幸せは、これでいいと思えばいいんだ。こいつのうっとりしている顔を見たら、こいつの言葉も本当だと思う、思いたい、思う事にする。
「二人で、結婚して、溺愛しあって、幸せになって、見返してあげましょう。」
「そういうのもいいね。」
と言いあって、ゆっくりと労わるような口付けをしているうちに、また・・・と思ってしまった、その時だった。
「はいはい。それでは、結婚式の準備をしましょうね。」
「お二人とも、やることがいっぱいありますよ。」
聞きなれた声が響き、拍手がした。開いたままの戸の方を見ると、私達の侍女達や護衛達が並んでいるのが見えた。
「え?何時から?」
二人して、間の抜けたことを言ってしまった。
「艶めかしい声が聞こえる方向を辿ってきたら、裸のお付き合いをされているお二人がおられました。」
「止めるに止められませんでしたから・・・。」
「声をかけても、聞こえなかったでしょうから。」
「周辺が熱くてたまらないくらいでしたよ。」
「終わられるまで、他の者が来ないようにした方がいいということになって。さすがに、こんなに長く続くとは思ってませんでしたから・・・。」
さすがに、デュナは真っ赤になって恥ずかしがった。まあ、俺もそうだったが。
しかし、にやにや笑うような、うんざりして怒っているような面々の着衣が乱れているのが目に入った。お前ら・・・。しかも、それぞれ他家同士で並んでいるのは・・・まあ、両家の使用人、家臣が仲良くなることもいい事だ・・・よ。それに今咎めたら、
「お二人だけには言いわれたくありません。」
と言われかねないから、とりあえず、今は黙っていよう、黙認しよう。
とにかく、今日は忙しくなる。二人の新しい日々のためにやることがいっぱいあるからな。とりあえず、裸のままじゃ不味いから、服を着よう。
「女の私が、申し込みを受けたのですから、撤回などはなさりませんわよね?」
「もちろんです。それはデュナ嬢も同様ですよ。」
もう半ば、いやそれ以上にやけになって言ってしまっていた。彼女も同様だったのかもしれないが、もう止めることはできなかった、俺も彼女も。
そして、そのキスをしたら、単なる唇を重ねるだけでなく、互いに貪るように、争うように、主導権を取り合うかのように、舌をこじ入れて、強く締め付けるように絡ませあい、唾液を吸い、注ぎ込み、きつく抱き合い、体をしならせながら、何度も何度も長い口付けを交わすことになったのかは、さらにわからない。
そのまま互いの服を脱がせあい、全裸に近い姿で抱き合い、互いに学んでいた技巧を尽くして、舌を指を動かし、しまいには、俺が彼女を後ろから抱きかかえ、彼女の大振りの両乳房を両手で揉んで、二人で体をぶつけ合うように動き、哀れもない声を上げる彼女のうなじとかに舌を這わせたりを、汗びっしょりになりながら、延々と続けることになったのは・・・、これはわかる、もう欲情がとまらなくなった、止められなくなっただけである。彼女は敏感に反応して感じまくり、俺はその快感に酔いしれ、快感を感じる彼女の姿にさらに触発されて、それにまた彼女は反応して快感を感じて・・・悪循環と言うべきか否かはわからないが、それが続き、とめどもない快感の波に飲み込まれたのだ。どの段階だったか定かではないが、この女に俺を、これ以上ないほど刻み込まなければならない、刻み込まなければ、また失ってしまう、失いたくないから・・・とも思った、どういうわけか。だから、その波に身を任せて、抗おうとしなかった、できなかった。そういうことを考えるほどの女か、大して知らない女に、と当然の思いが頭の片隅によぎった。だが、それ以上に、もう、この女とこれからを作っていくんだという、という気持ちが強く、押し流してしまった。まあ、気持ちよくて止まらなかっただけだろう、結局、この助平野郎、と言われたらその通りでしかないが。それなら、この女も天性の淫乱女となるのだろうか?それだって、どうでもいいことだ。とにかく、俺達は激しく愛し合った?、延々と、という事なのだ、事実は。
最後?に向かい合って、下半身を擦り付け合わせるように動き、きつく抱きしめ、彼女の胸を自分の胸に感じて、唇を貪りあったが、その時には完全に俺はもう彼女を手放したくないと思った。
お互いに動きが止まって、唇を離した時。
「君は素晴らしいよ。もう離したくない。大公が君のすばらしさを知っていたら、婚約破棄なんか絶対しなかったろうね。大公が、婚約破棄してくれたことを神に感謝するよ。」
本心さ。
「私も。ガマリアが知っていたら、王太子様なんかと・・・。愚かな彼女に感謝するわ。」
本心だよね。
まあ、他の二組も同じことを言いあっている、いう事になるのかもしれない。本当は、ガマリアやゼハンプリュ嬢の方がデュナ嬢よりずっといいのかもしれない。あるいは、女は全て、このようなものなのかもしれない。それでも、この心地よさ、体の相性の良さを、こいつだけのものと考えることにした。とにかく、いいものはいい、いいと思ったのだからいいんだ。自分の幸せは、これでいいと思えばいいんだ。こいつのうっとりしている顔を見たら、こいつの言葉も本当だと思う、思いたい、思う事にする。
「二人で、結婚して、溺愛しあって、幸せになって、見返してあげましょう。」
「そういうのもいいね。」
と言いあって、ゆっくりと労わるような口付けをしているうちに、また・・・と思ってしまった、その時だった。
「はいはい。それでは、結婚式の準備をしましょうね。」
「お二人とも、やることがいっぱいありますよ。」
聞きなれた声が響き、拍手がした。開いたままの戸の方を見ると、私達の侍女達や護衛達が並んでいるのが見えた。
「え?何時から?」
二人して、間の抜けたことを言ってしまった。
「艶めかしい声が聞こえる方向を辿ってきたら、裸のお付き合いをされているお二人がおられました。」
「止めるに止められませんでしたから・・・。」
「声をかけても、聞こえなかったでしょうから。」
「周辺が熱くてたまらないくらいでしたよ。」
「終わられるまで、他の者が来ないようにした方がいいということになって。さすがに、こんなに長く続くとは思ってませんでしたから・・・。」
さすがに、デュナは真っ赤になって恥ずかしがった。まあ、俺もそうだったが。
しかし、にやにや笑うような、うんざりして怒っているような面々の着衣が乱れているのが目に入った。お前ら・・・。しかも、それぞれ他家同士で並んでいるのは・・・まあ、両家の使用人、家臣が仲良くなることもいい事だ・・・よ。それに今咎めたら、
「お二人だけには言いわれたくありません。」
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