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まずは腹ごしらえして
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「ちょっと、私、お腹がすいてしまったわ。」
昨晩のパーティーでは、あまり食べてはいなかったし、婚約者、もとい元婚約者アイオンに食い意地の張った、食いしん坊な私を見せられない、見せてはいけないと思ったから、そろそろ朝食の時間だし、お腹が鳴りそうだから、その音を聞かれる恥辱よりはましだと思って、私は侍女に手伝ってもらって服を着ている最中にサムロに言ったの。
彼はというと、脇で侍女から差し出された上着を着ているところだった。
私も彼も、パーティーのドレスや将校の礼服ではなく、通常の外出着を着ているところだった。帰りはパーティー用のドレスを着ていくわけにはいかないし、卒業式の時は学校の制服でと、着替えを侍女達にいくつも持たせてあった。着替えの持参、実際に着替えるのは、貴族も平民も同様だけど、一部の平民の特待生を除いて・・・あ、名ばかりの貧乏貴族もそうね・・・あの曽祖父がいなければブード伯爵家の令嬢もそうなっていたわね。
え、裸のまま、男達の目の前で・・・恥ずかしかったわよ。でも、すっかり痴態を見られていたわけだから、もう開き直ってました。どうよ!私の見事な裸体は?もう一生見られないから、たっぷり鑑賞なさい。うんうん、目をそらしながらしっかり見ているわね、すぐに隣から手が伸びて抓られているけど。痛さを我慢しなさい。
「取り合えず、俺の屋敷で簡単な朝食をとる、というのでいいだろう?」
コリアンダー公爵家の朝食ですって?まあ、しかたがないわね、そっちの方が近いし。
「わかったわ。そうしましょう。」
私が同意すると、彼は頷いた。それからすぐに、付き人の一人を呼んで、
「悪いが先に行って、食事の準備をさせておいてくれ。ピール公爵家ご令嬢同伴の朝食ということで。」
と命じたわ。若い少しごつい顔の男だったけど、すぐに駆けだしたわ。そうだ、私も。
「イオ。ちょっと来て。」
童顔のかわいい若者、機知にも富んでるのよね。だから、
「父上、母上に私のことを伝えにいってちょうだい。それから、コリアンダー公爵と朝食をとったら、結婚のご報告にまいります、とうまく伝えてちょうだい。」
さすがに一瞬困惑した表情を見せたけど、すぐに頷いて、やはり駆けだしたわ。
「なんですの?朝食をとったら、私の屋敷に連れていっていただけるのでしょう?」
ふふ、少しと惑っているわね、ざまあみろだわ。ちゃんと、私の両親にも、できるだけ早く説明してもらうんだからね。
「そうだったね。それもあった。ありがとう。」
と言って、着替え終わった私の手を取ったわ。
ふん、コリアンダー公爵家の朝食、洗練されていないわね、まあ急いで簡単なもので、ということではあるけど。雑穀パンですって?笑っちゃう。でも、挟んでいるチーズとか、ハム、結構おいしいわね。ハムは、鹿の?牛や豚じゃないの?牧場があまりないって、本当だったのね。スープ?味噌汁の間違えじゃないの?まあ、スープ風でおいしいけど。あれ、あっという間に完食しちゃった。く、空腹だったからよ、そう、うん。
「お急ぎでということはわかりますが、ピール公爵家ご令嬢のデュナ様へのお食事には、少し貧相すぎませんか?」
私の侍女頭。うん、よく言ってくれたわ。
「急ぎということで失礼いたしました。でも、美味しそうに完食なされてから、そのようなこといわれましてもねえ・・・。」
サムロ付きの年配の侍女が、嫌みっぽいまなざしで~。だから、空腹だったからだってば―。
「まあ、まあ。」
サムロが割って入ったわ。
「慌ただしく急ごしらえの食事を完食してくれて嬉しいですよ。お互い、夫婦として馴れていきましょう。」
私の方を見て、にっこり笑ったわ。しかたがないわね。
「両家の良いところを取って、理想の夫婦になりましょうね。」
とにっこりしてやったわ。おー、おー、私の美しい顔を見て、ドキッとしたわね。感心、感心、そしてざまあみろ。
まあ、確かにこいつの家の家風に染まってやらないといけないわよね。わかっているわよ。でも、あなたも私の家の家風に染めてあげるからね、絶対。
「サムロ・・・公爵様・・・。ん?」
と女達が、どやどやと入ってきたのは、食後のお茶を二人で飲んで、さらに今後の予定を話し合っているところだったわ。女達は、彼の叔母達や従妹、妹。
「え~と。ピール公爵家ご令嬢デュナ様?」
既に聞いてはいるはずだけど、やはり困惑しているのね。彼は質問される前に立ちあがり、
「昨日は申し訳ありませんでした。ところで、こちらにいらっしゃるピール公爵家ご令嬢デュナ殿に結婚を申し込み、応諾してもらいました。それで、結婚し、夫婦となりました。」
おいおい、約束を交わしたではなくて、もうなっちゃったって・・・。は、恥ずかしいじゃない?もう抱き合って、くんずほぐれつしたとか言っているようで・・・。まあ、そのとおりだし、既成事実で押し通した方がいいか。私も立ち上がって、頭を深々と下げて、
「ふつつかものですが、よろしくお願いします。」
と言ってやったわ。
目が点。それが回復すると、まず彼女らが言ったのは、
「我が家の嫁としてふさわしいか、試させてもらいます。」
ど、どういうことよ。何するのよ?聞いてないわよ。サムロ、なに、仕方がないとあきらめた顔しているのよ。
「大丈夫、君の腕なら。」
と耳元で囁かれて、腕を握られても困るわよ。
「だあー。」
「や―!」
私はコリアンダー公爵家の女達と、剣(練習用木剣だ)や槍、体術で試合させられ、弓、鉄砲の試射までさせられたわ、邸内の広場で。試合はさわりだけって感じだったし、鉄砲はうまく扱えるかを見るって感じだったけど、何よこれ?
「よし、合格です。我が家の嫁にふさわしい方です、デュマ様は。」
「よい嫁を、こんなに早く見つけてくるなんて・・・安心しましたよ。」
「兄上。お義姉さまは、なかなかの腕前ですわ。感心いたしました。」
大満足そうな女達に、ちなみにこの家の侍女達も同感、という風に頷いている。こっちが目が点。我が家の侍女、護衛も左に同じ。武芸の腕はわかった、性格とかは剣などを交わして、弓鉄砲の扱いを見てわかったという顔して、あんたら、なんなのよ、この脳筋女ども―!コリアンダー公爵家の連中は・・・。でも、とにかく私達の結婚は、コリアンター公爵家から認められたことだけは確からしい。
昨晩のパーティーでは、あまり食べてはいなかったし、婚約者、もとい元婚約者アイオンに食い意地の張った、食いしん坊な私を見せられない、見せてはいけないと思ったから、そろそろ朝食の時間だし、お腹が鳴りそうだから、その音を聞かれる恥辱よりはましだと思って、私は侍女に手伝ってもらって服を着ている最中にサムロに言ったの。
彼はというと、脇で侍女から差し出された上着を着ているところだった。
私も彼も、パーティーのドレスや将校の礼服ではなく、通常の外出着を着ているところだった。帰りはパーティー用のドレスを着ていくわけにはいかないし、卒業式の時は学校の制服でと、着替えを侍女達にいくつも持たせてあった。着替えの持参、実際に着替えるのは、貴族も平民も同様だけど、一部の平民の特待生を除いて・・・あ、名ばかりの貧乏貴族もそうね・・・あの曽祖父がいなければブード伯爵家の令嬢もそうなっていたわね。
え、裸のまま、男達の目の前で・・・恥ずかしかったわよ。でも、すっかり痴態を見られていたわけだから、もう開き直ってました。どうよ!私の見事な裸体は?もう一生見られないから、たっぷり鑑賞なさい。うんうん、目をそらしながらしっかり見ているわね、すぐに隣から手が伸びて抓られているけど。痛さを我慢しなさい。
「取り合えず、俺の屋敷で簡単な朝食をとる、というのでいいだろう?」
コリアンダー公爵家の朝食ですって?まあ、しかたがないわね、そっちの方が近いし。
「わかったわ。そうしましょう。」
私が同意すると、彼は頷いた。それからすぐに、付き人の一人を呼んで、
「悪いが先に行って、食事の準備をさせておいてくれ。ピール公爵家ご令嬢同伴の朝食ということで。」
と命じたわ。若い少しごつい顔の男だったけど、すぐに駆けだしたわ。そうだ、私も。
「イオ。ちょっと来て。」
童顔のかわいい若者、機知にも富んでるのよね。だから、
「父上、母上に私のことを伝えにいってちょうだい。それから、コリアンダー公爵と朝食をとったら、結婚のご報告にまいります、とうまく伝えてちょうだい。」
さすがに一瞬困惑した表情を見せたけど、すぐに頷いて、やはり駆けだしたわ。
「なんですの?朝食をとったら、私の屋敷に連れていっていただけるのでしょう?」
ふふ、少しと惑っているわね、ざまあみろだわ。ちゃんと、私の両親にも、できるだけ早く説明してもらうんだからね。
「そうだったね。それもあった。ありがとう。」
と言って、着替え終わった私の手を取ったわ。
ふん、コリアンダー公爵家の朝食、洗練されていないわね、まあ急いで簡単なもので、ということではあるけど。雑穀パンですって?笑っちゃう。でも、挟んでいるチーズとか、ハム、結構おいしいわね。ハムは、鹿の?牛や豚じゃないの?牧場があまりないって、本当だったのね。スープ?味噌汁の間違えじゃないの?まあ、スープ風でおいしいけど。あれ、あっという間に完食しちゃった。く、空腹だったからよ、そう、うん。
「お急ぎでということはわかりますが、ピール公爵家ご令嬢のデュナ様へのお食事には、少し貧相すぎませんか?」
私の侍女頭。うん、よく言ってくれたわ。
「急ぎということで失礼いたしました。でも、美味しそうに完食なされてから、そのようなこといわれましてもねえ・・・。」
サムロ付きの年配の侍女が、嫌みっぽいまなざしで~。だから、空腹だったからだってば―。
「まあ、まあ。」
サムロが割って入ったわ。
「慌ただしく急ごしらえの食事を完食してくれて嬉しいですよ。お互い、夫婦として馴れていきましょう。」
私の方を見て、にっこり笑ったわ。しかたがないわね。
「両家の良いところを取って、理想の夫婦になりましょうね。」
とにっこりしてやったわ。おー、おー、私の美しい顔を見て、ドキッとしたわね。感心、感心、そしてざまあみろ。
まあ、確かにこいつの家の家風に染まってやらないといけないわよね。わかっているわよ。でも、あなたも私の家の家風に染めてあげるからね、絶対。
「サムロ・・・公爵様・・・。ん?」
と女達が、どやどやと入ってきたのは、食後のお茶を二人で飲んで、さらに今後の予定を話し合っているところだったわ。女達は、彼の叔母達や従妹、妹。
「え~と。ピール公爵家ご令嬢デュナ様?」
既に聞いてはいるはずだけど、やはり困惑しているのね。彼は質問される前に立ちあがり、
「昨日は申し訳ありませんでした。ところで、こちらにいらっしゃるピール公爵家ご令嬢デュナ殿に結婚を申し込み、応諾してもらいました。それで、結婚し、夫婦となりました。」
おいおい、約束を交わしたではなくて、もうなっちゃったって・・・。は、恥ずかしいじゃない?もう抱き合って、くんずほぐれつしたとか言っているようで・・・。まあ、そのとおりだし、既成事実で押し通した方がいいか。私も立ち上がって、頭を深々と下げて、
「ふつつかものですが、よろしくお願いします。」
と言ってやったわ。
目が点。それが回復すると、まず彼女らが言ったのは、
「我が家の嫁としてふさわしいか、試させてもらいます。」
ど、どういうことよ。何するのよ?聞いてないわよ。サムロ、なに、仕方がないとあきらめた顔しているのよ。
「大丈夫、君の腕なら。」
と耳元で囁かれて、腕を握られても困るわよ。
「だあー。」
「や―!」
私はコリアンダー公爵家の女達と、剣(練習用木剣だ)や槍、体術で試合させられ、弓、鉄砲の試射までさせられたわ、邸内の広場で。試合はさわりだけって感じだったし、鉄砲はうまく扱えるかを見るって感じだったけど、何よこれ?
「よし、合格です。我が家の嫁にふさわしい方です、デュマ様は。」
「よい嫁を、こんなに早く見つけてくるなんて・・・安心しましたよ。」
「兄上。お義姉さまは、なかなかの腕前ですわ。感心いたしました。」
大満足そうな女達に、ちなみにこの家の侍女達も同感、という風に頷いている。こっちが目が点。我が家の侍女、護衛も左に同じ。武芸の腕はわかった、性格とかは剣などを交わして、弓鉄砲の扱いを見てわかったという顔して、あんたら、なんなのよ、この脳筋女ども―!コリアンダー公爵家の連中は・・・。でも、とにかく私達の結婚は、コリアンター公爵家から認められたことだけは確からしい。
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