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荷物はこっちよ!
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私の荷物を、コリアンダー公爵家にもっていかなければならないから、コリアンダー公爵家からも馬車を出してもらったわ。もちろん、我が家、ピール公爵家でも手配しているけど、急なことで業者に依頼している時間がなかったから、自分達の手持ちでやらないといけなかったからだ。
それに、私だけでなく、侍女達使用人、私の文武の付き人達も連れていくわけだから、大事なのよね。ゆっくりなんてしてられないわ。着の身着のままで、コリアンダー家から、色々借りて・・・なんて嫁、ピール公爵家の私が、そんなことできるわけないでしょう?ピール公爵家からの嫁にふさわしい物をもっていって、生活を始めないといけないの。
しばらく実家に居て、という方法もあったけど、それでは結婚した、という事実が薄れて、パイン大公、ミカエル王太子、ゼハンプリュ嬢、ガマリアを見返せないように思えてならなかったから。一日も早く、彼ら、彼女らより、
完全な夫婦になってやらなければならない、と思えたのね。
コリアンダー公爵邸のどこを使うかとか、サムロは家臣達と急いで打ち合わせたりしていたわ。漏れ聞こえてきた声から察すると、ガマリアの嫁入りで検討していたことを流用するつもりのようだった。ただ、荷物も、さらに、ついて来る人間達の数が多いから、かなり修正、ということになったようだった。
実家の屋敷に向かう私、私か陣頭指揮しなくちゃならないのよね、とともにサムロは馬車に乗ったわ。私がどの程度の物、人を持ってくるか、連れてくるかを見て、確認して、自分の家臣に命じなければならないからだった。必要なら、減らせ、と交渉もしないといけないし、部屋を増やすなど想定の修正を命じないといけないわけ、彼が。妥協なんかしないわよ、いや少しくらいはしてあげるけど。
「お嬢様のお相手にふさわしいか、試させていただけませんか?」
と言い出したのは、我が家の騎士達だった。一瞬、頷いてしまったけど、ここは王都よ、そんなこと言い出したら、コリアンダー公爵家と同様な田舎者だと思われちゃうじゃないの!お父様も、止めて頂戴!なに、自分も見たいなんて顔してるのよ!
でも、流石にお母さま、すぐに気が付いて、お父様に耳打ち。はっと気づいたお父様が、間に入る前に、
「私より腕が落ちる者では、私や私の愛する妻の護衛を安心して任せられないからな。私より上かどうか、見させてもらおうか?」
なんて言い出して、サムロは上着を脱いで側近に渡しちゃった。何格好つけているのよ。あんたなんか、コリアンダー公爵家の連中なんか、我が家の騎士達の相手になるはずないじゃないの!もう知らない、痛い目でもあいなさい。せいぜい怪我をしないようにね。
「いや~、まいったまいった。これなら安心だよ。」
「いえ、公爵様もなかなかでしたよ。」
と剣(練習用の木剣)で、何合も合わせて、笑いあったり、
「お恥ずかしい・・・。」
と負けて悔しがる我が家の騎士に、
「弓では君の方が上手じゃなかったかい?」
「勝負は時の運。君には、私達夫婦の背を任せられると確信したよ。」
とか言って励ましたり、
「公爵閣下の鉄砲の腕前は、感心しましたよ。」
と皆に認めさせたりしていた。
「お嬢様の旦那として合格ですよ。」
「大公様は、絶対立ち合いはしませんでしたから・・・。」
なんて和気あいあいになっていた。まあ、ホットしたけど、あんたら、その脳筋ぶり。コリアンダーの連中と同じだと、王都の連中から笑われるわよ、田舎者だって。それになによ、その言いぶりは、私がコリアンダーの女達のような脳筋女みたいじゃないの?
余計なことで時間を使ってしまったけど、持っていく荷物や連れていく家臣達、パパイ大公との結婚で予定していたものから減らしたりしたけど、
「少し減らしてくれないか?せめて後日にしてくれないか?部屋が、今は足りない。」
「では、近いうちに屋敷の増設を、改築をしていただけるのね?それは何時?何時まで、荷物と人間を実家に留めておけばよろしいの?」
「多少の増設、改築は考えるよ。でも、1/3はとにかく留めてくれ。」
「大公様への嫁入り分から随分削ったのよ。」
そこまで言ってしまったと思ったわ。さすがに彼は、嫌な顔をしたけど、それについては言及しなかったわ。現実の広さを考えてほしいと言ったので、私もそれに同意したわ。その後、ああでもない、こうでもないと、散々口論して、お母さまも介入してきて、ピール公爵家の体面に関わる品だといってきたりしてまとまりかけたことまで壊しかけたけど、何とか妥協が成立したわ。積み込みが始まり、馬車が行ったり来たりするようになったわ。
そうこうしているうちに、暗くなってきちゃったので、我が家で夕食ということになった。
王都の洗練された、それでいて我が領内の食材、料理も交えた晩餐を堪能なさい、田舎者のコリアンダー公爵閣下、と思ったら、両親たら、昨日の夕食の仕返しとばかりに、我が家の領内の食事をだしちゃった~。
まあ、美味しいんだけどね。麦飯も黒パンも。鯛の唐揚げやブリの照り焼きとか・・・。お、美味しそうに食べているわね。空腹だからって言わせないわよ。地方料理だっていっても、あんたらの田舎料理と違うんだからね、どうよ。食後のワインだって、我が領内の上品質の赤ワインよ、甘くておいしいでしょう?
その後、コリアンター公爵邸に帰るために馬車に乗って出たら、外は人人・・・。婚約破棄劇が王都中に広まっていて、その最大の被害者の結婚、嫁入りを見ようと、野次馬が押しかけたらしい。恥ずかしいと言うか、頭にくるというか・・・どうしたらいいかわからなくなって、サムロも目が点になっていた、私も同様だったようだけど、とにかく二人して抱き合って、幸せそうに笑って野次馬の男女に手を振るしかなかったわ。本当に幸せそうな表情だったかしら?
後日、能天気に幸せそうな二人の姿という評判だったわ。それはそれでいて、腹がたってしかたがなかったけど。
それに、私だけでなく、侍女達使用人、私の文武の付き人達も連れていくわけだから、大事なのよね。ゆっくりなんてしてられないわ。着の身着のままで、コリアンダー家から、色々借りて・・・なんて嫁、ピール公爵家の私が、そんなことできるわけないでしょう?ピール公爵家からの嫁にふさわしい物をもっていって、生活を始めないといけないの。
しばらく実家に居て、という方法もあったけど、それでは結婚した、という事実が薄れて、パイン大公、ミカエル王太子、ゼハンプリュ嬢、ガマリアを見返せないように思えてならなかったから。一日も早く、彼ら、彼女らより、
完全な夫婦になってやらなければならない、と思えたのね。
コリアンダー公爵邸のどこを使うかとか、サムロは家臣達と急いで打ち合わせたりしていたわ。漏れ聞こえてきた声から察すると、ガマリアの嫁入りで検討していたことを流用するつもりのようだった。ただ、荷物も、さらに、ついて来る人間達の数が多いから、かなり修正、ということになったようだった。
実家の屋敷に向かう私、私か陣頭指揮しなくちゃならないのよね、とともにサムロは馬車に乗ったわ。私がどの程度の物、人を持ってくるか、連れてくるかを見て、確認して、自分の家臣に命じなければならないからだった。必要なら、減らせ、と交渉もしないといけないし、部屋を増やすなど想定の修正を命じないといけないわけ、彼が。妥協なんかしないわよ、いや少しくらいはしてあげるけど。
「お嬢様のお相手にふさわしいか、試させていただけませんか?」
と言い出したのは、我が家の騎士達だった。一瞬、頷いてしまったけど、ここは王都よ、そんなこと言い出したら、コリアンダー公爵家と同様な田舎者だと思われちゃうじゃないの!お父様も、止めて頂戴!なに、自分も見たいなんて顔してるのよ!
でも、流石にお母さま、すぐに気が付いて、お父様に耳打ち。はっと気づいたお父様が、間に入る前に、
「私より腕が落ちる者では、私や私の愛する妻の護衛を安心して任せられないからな。私より上かどうか、見させてもらおうか?」
なんて言い出して、サムロは上着を脱いで側近に渡しちゃった。何格好つけているのよ。あんたなんか、コリアンダー公爵家の連中なんか、我が家の騎士達の相手になるはずないじゃないの!もう知らない、痛い目でもあいなさい。せいぜい怪我をしないようにね。
「いや~、まいったまいった。これなら安心だよ。」
「いえ、公爵様もなかなかでしたよ。」
と剣(練習用の木剣)で、何合も合わせて、笑いあったり、
「お恥ずかしい・・・。」
と負けて悔しがる我が家の騎士に、
「弓では君の方が上手じゃなかったかい?」
「勝負は時の運。君には、私達夫婦の背を任せられると確信したよ。」
とか言って励ましたり、
「公爵閣下の鉄砲の腕前は、感心しましたよ。」
と皆に認めさせたりしていた。
「お嬢様の旦那として合格ですよ。」
「大公様は、絶対立ち合いはしませんでしたから・・・。」
なんて和気あいあいになっていた。まあ、ホットしたけど、あんたら、その脳筋ぶり。コリアンダーの連中と同じだと、王都の連中から笑われるわよ、田舎者だって。それになによ、その言いぶりは、私がコリアンダーの女達のような脳筋女みたいじゃないの?
余計なことで時間を使ってしまったけど、持っていく荷物や連れていく家臣達、パパイ大公との結婚で予定していたものから減らしたりしたけど、
「少し減らしてくれないか?せめて後日にしてくれないか?部屋が、今は足りない。」
「では、近いうちに屋敷の増設を、改築をしていただけるのね?それは何時?何時まで、荷物と人間を実家に留めておけばよろしいの?」
「多少の増設、改築は考えるよ。でも、1/3はとにかく留めてくれ。」
「大公様への嫁入り分から随分削ったのよ。」
そこまで言ってしまったと思ったわ。さすがに彼は、嫌な顔をしたけど、それについては言及しなかったわ。現実の広さを考えてほしいと言ったので、私もそれに同意したわ。その後、ああでもない、こうでもないと、散々口論して、お母さまも介入してきて、ピール公爵家の体面に関わる品だといってきたりしてまとまりかけたことまで壊しかけたけど、何とか妥協が成立したわ。積み込みが始まり、馬車が行ったり来たりするようになったわ。
そうこうしているうちに、暗くなってきちゃったので、我が家で夕食ということになった。
王都の洗練された、それでいて我が領内の食材、料理も交えた晩餐を堪能なさい、田舎者のコリアンダー公爵閣下、と思ったら、両親たら、昨日の夕食の仕返しとばかりに、我が家の領内の食事をだしちゃった~。
まあ、美味しいんだけどね。麦飯も黒パンも。鯛の唐揚げやブリの照り焼きとか・・・。お、美味しそうに食べているわね。空腹だからって言わせないわよ。地方料理だっていっても、あんたらの田舎料理と違うんだからね、どうよ。食後のワインだって、我が領内の上品質の赤ワインよ、甘くておいしいでしょう?
その後、コリアンター公爵邸に帰るために馬車に乗って出たら、外は人人・・・。婚約破棄劇が王都中に広まっていて、その最大の被害者の結婚、嫁入りを見ようと、野次馬が押しかけたらしい。恥ずかしいと言うか、頭にくるというか・・・どうしたらいいかわからなくなって、サムロも目が点になっていた、私も同様だったようだけど、とにかく二人して抱き合って、幸せそうに笑って野次馬の男女に手を振るしかなかったわ。本当に幸せそうな表情だったかしら?
後日、能天気に幸せそうな二人の姿という評判だったわ。それはそれでいて、腹がたってしかたがなかったけど。
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