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みんな、常在戦場よ!
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「みんな、常在戦場の精神を忘れないでよ!」
私は、秘書官と侍女達に向って訓示?した。侍女の大半は、ピール公爵家から連れてきた者達だけど、コリアンダー公爵家出身の者いるわ。やはりコリアンダー公爵家領にいる時には、よく知っている者がいないと困るし、連絡役も必要だからである。どちらも、直立不動。秘書官も同様。彼女は、護衛官でもあるから当然。両家の侍女達は、軍事貴族の精神で貫かれているのよね。戦闘技術だって、国軍の一般兵士以上。どこぞの妖しい貴族とか組織やらが、戦闘メイドとか名づける女達がいるけど、心身共にくらべものにならないのよ。みんな、表情がいいわね。
「はい。奥様。」
いい返事。
「頼んだわよ。」
"戦場"は王宮、いざ。
第一王子誕生でパパイ大公様は、王都にお祝いのためやってくることになっている。そう、私達もその名目でやってきたわ。王宮で待ち受けて、別室にお連れして説得をすること計画した。こういうような、貴族同士がお茶を飲んだり、歓談したり、打ち合わせをするための部屋がある。部屋も確保したし、おもてなしの準備も整えている。ゼハンプリュ夫人も一緒だ。ただ、パパイ大公様は、家臣達を多数引き連れている。もちろん、王宮内での武器の所持は衛兵以外は基本的に禁止されている。ただし、貴族本人は短剣程度は所持が許されているし、武装した護衛の一人くらいが認められている。ただし、そういう者の行動範囲などは厳しい制限がある。パパイ大公は、特別な家柄ということで、武装した護衛が数人認められている。それでも、王宮の奥には護衛でも武器は所持できない。それでも護衛は護衛であり、腕っぷしは強い。私とサムロの護衛は二人、それに対してパパイ大公は十人の護衛を連れている。
ただし、侍女は別。大公様は戦闘メイド達をその中に入れて連れているようだけど、我が家やコリアンダー家の侍女からみけば物の数ではないし、大公家の護衛の男達だってそう。無論、護衛は質がずっと上よ。侍女達と秘書を加えれば、こちらが質量ともに圧倒している。
え?王宮で、おめでたい場所で何を考えているかって?喧嘩でもするってか?そのとおり。大公様は、私を連れて行こうとするかもしれないからだ。え?どうして?私が美しすぎるから・・・それはそのとおりなのだけど・・・それが理由ではないわ、残念だけど。まあ、私への愛情から、未練から、その気持ちがあったらいいな、とは思うけど・・・。ピール家が目的。私を連れて行ってしまって、私を助けたと言って、私を妻とする、ピール家を自分の陣営にいれる。
コリアンダー家は潰す、当然サムロは抗議するだろうから、それを逆手にとって、彼の罪を言い立てて、糾弾、断罪して取り潰す、いや、王家に、政府に取り潰させる。そのための外堀を埋めようとしている、実際に。
私を連れて王宮外に出られる?私を連れだす苦労を、リスクをかなり低く見誤っている、過小評価しているだろうけど、大公様の特別な地位、特権で王宮の衛兵は手を出せないだろう。それに、王宮の役人に働きかけている、金を与えて。まあ、色々な便宜もあって、どの貴族も大なり小なり出しているけれど、大公様はかなり自分の意志を通せるように金を掴ませている。連れだされる私を見て、衛兵達が迷っている時に、彼らがすかさず、
「大公閣下に手を出してはいけない。」
「コリアンダー公爵閣下。王宮内での騒ぎは慎んでいただきたい。」
「衛兵。コリアンダー公爵閣下が騒動を起こすようであれば、取り押さえるように。」
となるだろう。
衛兵にも、彼らを通じて話が通じている、金が流れている。
私の"拉致"が具体的に計画されているわけではないようだけど、少なくとも、コリアンダー公爵との間にもめごとがあったら、大公閣下に無礼をはたらかせるな、コリアンダー公爵は取り押さえてもという指示が出ていることは確かである。両家の情報網、そしてイチジーク書記官のそれ、なんとガマリア王妃からも、そのことを得ている。私達の説得で、大公様の、それが誘発するかもしれない、それはサムロ、イチジーク書記官、ガマリア王妃だけではない意見だったわ。
公式な第一王子への"謁見"で、他の貴族が見ている中、大公様は先頭で、ご挨拶。抱かせてほしいと、大公様。流石にミカエル国王陛下も不快そうな顔になった。でも、ガマリア王妃はにこやかに応じて、侍女を経て大公様の腕の中に。号泣、慌ててゼハンプリュ夫人の手に。一層大きな鳴き声で・・・。地獄に落ちていくような、悪魔の軍団の来襲か、世界が地獄の業火で焼かれ、炎上、滅亡しているかのような鳴き声。ざま―あみろ、ね。私の時の比じゃないわ~。え、そうでしょう、サムロ?その顔は何よ?
「パパイ大公閣下。お久しぶりです。」
と謁見の間の外の廊下で、夫婦で大公様に声をかけて、頭を下げた。
「おお、デュナ・・・いや、ピール公爵閣下だったね、元気そうで何よりだ。え・・・と、コリアンダー公爵殿だったかな、何か用かね。今、最愛のピール公爵閣下と歓談しているところなんだ、時と場所をわきまえてくれないかね。私に用件があれば、後日申し入れてくれないかね?」
あ~、火花が。う、この痛い視線・・・睨んでる、ゼハンプリュさん。でも流石に、同時に牽制するように、
「コリアンダー公爵閣下。お久しぶりです。奥様ともども、お元気そうで何よりです。」
とちゃんと言ってくれました。偉そうな口調だけど。
「それで?」
という目の二人。
「お話があるので・・・部屋を用意してありますので。」
と私。
「お忙しいところですが、どうかお時間を少しばかりいただけないでしようか。」
とサムロ。
「ピール公爵閣下のためであれば、時間を優先してとろうじゃないか。そういうわけで、コリアンダー公爵、さっきも言った通り、別の機会にでも、時間が取れれば話を聞いてもいいから、家のものに申し入れてくれないか。」
大公様は。
「大丈夫。大公殿下も私も、急ぎの用件はありませんから。」
「ありがとうございます。奥様。」
とのサムロに、にっこり微笑んだゼハンプリュ。軽く会釈。この二人、ちょっと微かに雰囲気が醸し出ているな。大公様は気が付いていないようだけど。この一瞬を私はとらえて、
「夫コリアンダー公爵サムロと私、2人から大公閣下にお話しがあるのです。是非、奥様にもご同席いただければと思いますわ。」
と私が、サムロの腕にしがみついて言ったのに対して、
「コリアンダー公爵、君と言う男はなんと・・・。わかった、ピール公爵閣下と私からも君に言っておくことがあるから、一緒にきたまえ。」
と私の方に腕を伸ばしたけれど、私はサムロにしがみついて離れず、それに応じなかった。私が大公様と、ゼハンプリュがサムロと腕を組んで歩いてもおかしくないけど、大公様はゼハンプリュとサムロが腕を組むことを赦さないでしょうけど。でも、大公様の腕をすかさずゼハンプリュが取ったわ、グッジョブよ、ゼハンプリュさん。
え~と、護衛が9人、秘書官1、侍女3人。護衛1人は秘書官1人と侍女5人と残ったわね。あの3人の侍女、戦闘メイドと見たわ。こちらは護衛2名、秘書官2名うち1名女、侍女10人。あの小太りの秘書官は戦力ゼロ。大公様は戦わないから16対12で数も優勢、質はそれ以上。さあこの、勢いで行きましょうか。
私は、秘書官と侍女達に向って訓示?した。侍女の大半は、ピール公爵家から連れてきた者達だけど、コリアンダー公爵家出身の者いるわ。やはりコリアンダー公爵家領にいる時には、よく知っている者がいないと困るし、連絡役も必要だからである。どちらも、直立不動。秘書官も同様。彼女は、護衛官でもあるから当然。両家の侍女達は、軍事貴族の精神で貫かれているのよね。戦闘技術だって、国軍の一般兵士以上。どこぞの妖しい貴族とか組織やらが、戦闘メイドとか名づける女達がいるけど、心身共にくらべものにならないのよ。みんな、表情がいいわね。
「はい。奥様。」
いい返事。
「頼んだわよ。」
"戦場"は王宮、いざ。
第一王子誕生でパパイ大公様は、王都にお祝いのためやってくることになっている。そう、私達もその名目でやってきたわ。王宮で待ち受けて、別室にお連れして説得をすること計画した。こういうような、貴族同士がお茶を飲んだり、歓談したり、打ち合わせをするための部屋がある。部屋も確保したし、おもてなしの準備も整えている。ゼハンプリュ夫人も一緒だ。ただ、パパイ大公様は、家臣達を多数引き連れている。もちろん、王宮内での武器の所持は衛兵以外は基本的に禁止されている。ただし、貴族本人は短剣程度は所持が許されているし、武装した護衛の一人くらいが認められている。ただし、そういう者の行動範囲などは厳しい制限がある。パパイ大公は、特別な家柄ということで、武装した護衛が数人認められている。それでも、王宮の奥には護衛でも武器は所持できない。それでも護衛は護衛であり、腕っぷしは強い。私とサムロの護衛は二人、それに対してパパイ大公は十人の護衛を連れている。
ただし、侍女は別。大公様は戦闘メイド達をその中に入れて連れているようだけど、我が家やコリアンダー家の侍女からみけば物の数ではないし、大公家の護衛の男達だってそう。無論、護衛は質がずっと上よ。侍女達と秘書を加えれば、こちらが質量ともに圧倒している。
え?王宮で、おめでたい場所で何を考えているかって?喧嘩でもするってか?そのとおり。大公様は、私を連れて行こうとするかもしれないからだ。え?どうして?私が美しすぎるから・・・それはそのとおりなのだけど・・・それが理由ではないわ、残念だけど。まあ、私への愛情から、未練から、その気持ちがあったらいいな、とは思うけど・・・。ピール家が目的。私を連れて行ってしまって、私を助けたと言って、私を妻とする、ピール家を自分の陣営にいれる。
コリアンダー家は潰す、当然サムロは抗議するだろうから、それを逆手にとって、彼の罪を言い立てて、糾弾、断罪して取り潰す、いや、王家に、政府に取り潰させる。そのための外堀を埋めようとしている、実際に。
私を連れて王宮外に出られる?私を連れだす苦労を、リスクをかなり低く見誤っている、過小評価しているだろうけど、大公様の特別な地位、特権で王宮の衛兵は手を出せないだろう。それに、王宮の役人に働きかけている、金を与えて。まあ、色々な便宜もあって、どの貴族も大なり小なり出しているけれど、大公様はかなり自分の意志を通せるように金を掴ませている。連れだされる私を見て、衛兵達が迷っている時に、彼らがすかさず、
「大公閣下に手を出してはいけない。」
「コリアンダー公爵閣下。王宮内での騒ぎは慎んでいただきたい。」
「衛兵。コリアンダー公爵閣下が騒動を起こすようであれば、取り押さえるように。」
となるだろう。
衛兵にも、彼らを通じて話が通じている、金が流れている。
私の"拉致"が具体的に計画されているわけではないようだけど、少なくとも、コリアンダー公爵との間にもめごとがあったら、大公閣下に無礼をはたらかせるな、コリアンダー公爵は取り押さえてもという指示が出ていることは確かである。両家の情報網、そしてイチジーク書記官のそれ、なんとガマリア王妃からも、そのことを得ている。私達の説得で、大公様の、それが誘発するかもしれない、それはサムロ、イチジーク書記官、ガマリア王妃だけではない意見だったわ。
公式な第一王子への"謁見"で、他の貴族が見ている中、大公様は先頭で、ご挨拶。抱かせてほしいと、大公様。流石にミカエル国王陛下も不快そうな顔になった。でも、ガマリア王妃はにこやかに応じて、侍女を経て大公様の腕の中に。号泣、慌ててゼハンプリュ夫人の手に。一層大きな鳴き声で・・・。地獄に落ちていくような、悪魔の軍団の来襲か、世界が地獄の業火で焼かれ、炎上、滅亡しているかのような鳴き声。ざま―あみろ、ね。私の時の比じゃないわ~。え、そうでしょう、サムロ?その顔は何よ?
「パパイ大公閣下。お久しぶりです。」
と謁見の間の外の廊下で、夫婦で大公様に声をかけて、頭を下げた。
「おお、デュナ・・・いや、ピール公爵閣下だったね、元気そうで何よりだ。え・・・と、コリアンダー公爵殿だったかな、何か用かね。今、最愛のピール公爵閣下と歓談しているところなんだ、時と場所をわきまえてくれないかね。私に用件があれば、後日申し入れてくれないかね?」
あ~、火花が。う、この痛い視線・・・睨んでる、ゼハンプリュさん。でも流石に、同時に牽制するように、
「コリアンダー公爵閣下。お久しぶりです。奥様ともども、お元気そうで何よりです。」
とちゃんと言ってくれました。偉そうな口調だけど。
「それで?」
という目の二人。
「お話があるので・・・部屋を用意してありますので。」
と私。
「お忙しいところですが、どうかお時間を少しばかりいただけないでしようか。」
とサムロ。
「ピール公爵閣下のためであれば、時間を優先してとろうじゃないか。そういうわけで、コリアンダー公爵、さっきも言った通り、別の機会にでも、時間が取れれば話を聞いてもいいから、家のものに申し入れてくれないか。」
大公様は。
「大丈夫。大公殿下も私も、急ぎの用件はありませんから。」
「ありがとうございます。奥様。」
とのサムロに、にっこり微笑んだゼハンプリュ。軽く会釈。この二人、ちょっと微かに雰囲気が醸し出ているな。大公様は気が付いていないようだけど。この一瞬を私はとらえて、
「夫コリアンダー公爵サムロと私、2人から大公閣下にお話しがあるのです。是非、奥様にもご同席いただければと思いますわ。」
と私が、サムロの腕にしがみついて言ったのに対して、
「コリアンダー公爵、君と言う男はなんと・・・。わかった、ピール公爵閣下と私からも君に言っておくことがあるから、一緒にきたまえ。」
と私の方に腕を伸ばしたけれど、私はサムロにしがみついて離れず、それに応じなかった。私が大公様と、ゼハンプリュがサムロと腕を組んで歩いてもおかしくないけど、大公様はゼハンプリュとサムロが腕を組むことを赦さないでしょうけど。でも、大公様の腕をすかさずゼハンプリュが取ったわ、グッジョブよ、ゼハンプリュさん。
え~と、護衛が9人、秘書官1、侍女3人。護衛1人は秘書官1人と侍女5人と残ったわね。あの3人の侍女、戦闘メイドと見たわ。こちらは護衛2名、秘書官2名うち1名女、侍女10人。あの小太りの秘書官は戦力ゼロ。大公様は戦わないから16対12で数も優勢、質はそれ以上。さあこの、勢いで行きましょうか。
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