厄介払いされたハーフエルフの王女は嫁ぎ先の人間至上主義国で男装して国王になる

転定妙用

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人間至上主義を改革します

新しい目で見ると

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 布団引きこもり事件から3か月後。夏の暑い季節になっていた。サラスは、汗びっしょりで、やはり汗びっしょりになり、彼女と同じように荒い息をしているガマリエルの隣に仰向けになっていた。当然彼も仰向けだった。2人は、夏の離宮で過ごしていた。
「あの日から、全てが変わってしまった。」
と彼女は心の中で呟いた。

 あの日から、全てが違って見えるようになった・・・。もちろん、
「あなたのことを愛しています。」
と1000回言ったからでもないわ。
 ましては、心置きなく、
「あー、感じるー。」
とか、
「お願いです、きてー。」
とか、
「奥にあたる。」
とか、
「もう死ぬ―。だめー。」
「いっちゃうー。」
等々大きな声で悶えるようになったからでも、もう尿意を我慢できず、ガマリエルの見ている前で・・・したからでないわよ。あー、思い出したくない。記憶削除の魔法はないのー?

 私が秘密だと思っていたことが、だれもが敢えて口には出さないということで周知のことであったり、私が知らないことが、やはり口には出さないが誰もが知っているということを知って・・・、恥ずかしくなって布団の中に3日間引き篭もって・・・私ったら夫の前で夫の幽閉だとか、国外追放まで言って、得々として人間至上主義などのナルシス王国の国制改革語ったりしていたのだ・・・もう忘れたい、なかったことにしたい・・・夫の、ガマリエルの、国王の言ったように改めてナルシス王国を見ていくと、観察してゆくと、以前とは違ってみえるようになっていた。
 王妃が男装して、しかもハーフエルフが、正体を隠して人間の国王の代理をする、国王を装う。人間至上主義の国の浅はかな形式的な習慣と思えたことが、だれもが知っている、国民周知のことだと知ると全くちがってみえるようになったわ。
 同様に、人間至上主義の国であるナルシス王国と対立するような夜の女王国の存在、その両者は共存はしているとは言え、本来は対立している存在だと思えたが、夜の女王が女装した国王で、これまた、それは国民周知のことだと分かると、それ以前に思っていたものとは、全てが違って見えてきたわ。

 きれいごとだけではないし、どの国だった問題がある。この国だって、みんながみんな幸福というわけではない。でも、この国の制度が、人間もエルフをはじめとする亜人も全てが認められている、ということで見ると、聖樹・神樹の件も人間とエルフが協力し合っているということがわかるわ。どちらが上ということではない、人間が強制している、一方的に成果を横取りしている、エルフを無視している、ということではないのだ。考えてみると、エルフは、ハイエルフからダークエルフまで互いに反目をすてられないだけでなく、母の部族でもまとまることができないどころか反目し合っていて、国家としてまとまることができない。エルフは、みんなそうだ。エルフだけではない、亜人はみなそうなのだ。人間だって多くの国に別れて反目しあっているとは言っても、亜人達はその比ではない。だから、人間が圧倒的な優位をえているわけだ。その人間に反発しながらも、極端な場合、人間の支配によりエルフ間の対立・反目・抗争が抑えられ、相互の繁栄を享受できている場合すらある。

 中央集権或いは強力な王権なり国家は、ある意味必要である。そうであっても、エルフ以下亜人にとっては、自分達の自治を侵されては困るというところもあるし、人間にあまりにも依存したくないという気持ちもある。人間だって、貴族、地方にとっても、都市にとってもあまりに大きい王権は困る。それでいて王権は安定してほしいと願う。王権は、王権とある意味対立しているとされる夜の女王に、実は国王に帰属する奴隷、錬金術師、亜人達に支えられている。それが、強い王権が維持されているのである。複雑な関係を、周知のことを敢えて口にせず、気が付いていない風を装う制度の上にたって、人間と亜人達が市中で分け隔てなく交流しているのである。
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