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こちらから敵を攻撃する。
やはりそうなってしまうか。
キリ、と痛む頭を押さえる。
「・・・すみません。もっと早く完成させられれば良かったんですが・・・」
カラスは首を横に振った。
「私の考えが甘かったんです。迎撃をしている間、研究が完成し解決するのが理想でしたが・・・こうなった以上、我々に敵対する種を潰していく方が良い」
「できるでしょうか・・・」
ツバメは不安そうだ。
「敵のねぐらは既に何ヶ所か把握している。その内の1つに洞窟があるんだが・・・、私が囮になり相手をおびき寄せ、力を二分化させる。敵は奇襲を受けたと、混乱するだろう。君はそれに乗じて中に入り、その速さを生かして一気に叩く。そこに出入りしている数は多くはないから、私達だけでも制圧できる」
「待って下さい」
私はカラスの話を遮った。
「数は少ないと言っても、今までと違って敵の懐に飛び込むんです。何が起こるかわかりません。増援を頼み陽動はそちらに任せて、2人一緒に突入した方が、何かあった時に対応できると思います」
私の提案に、カラスは眉を寄せて黙る。
なら囮は誰がやるのか?
彼ならすぐにそう返すかと思った。
むしろこの提案を彼自身がしてもおかしくないのに、それも無い。
何かできない理由があるのだろうか。
黙ったままのカラスに代わって、ツバメが質問する。
「じゃあ陽動は・・・誰に頼むんですか?」
「いつも事後処理をしてくれている、自衛隊と警察にお願いしようと思ってる」
「・・・まあ、そうなるでしょうが」
カラスが重い口を開いた。
「・・・彼らが囮など、引き受けるでしょうか」
「以前から、力になりたいと言ってくれています。私達だけに頼るのは、申し訳ないと」
「・・・気に食わないだけでは?」
「それもあるかもしれません。でも目的は同じです。この町を、人を守る為に、敵を倒す。その為に、この作戦が一番安全で確実だと、わかってくれると思います」
そう重ねて言っても、カラスの態度は煮え切らないままだ。
この作戦が最善だと、わかっているだろうに。
「・・・何かあったんですか?」
「・・・いいえ、大したことじゃありませんよ」
カラスは苦笑するだけで、その理由を語ろうとしない。
「・・・何か思う所があるなら、教えて下さい。何もできないかもしれませんが、話を聞くぐらいならできますから・・・」
「・・・その気持ちだけで、充分です」
ありがとうございます。
そう微笑まれてしまって、それ以上聞くことはできなかった。
大丈夫だろうかと心配になるが、本人に言う気が無い以上、引き下がるしかない。
いつでも話を聞くからと伝え、改めて提案をすると、カラスはそれを受け入れる。
「彼らも、いつまでも片付けだけじゃ気の毒だ。良い所を見せたいでしょうね・・・ツバメも良いかい?」
「あ、はい!大丈夫です!」
2人の了承をもらったので、カラスの事が気がかりではあったが、
気持ちを切り替え、早速彼らに連絡を取った。
やはりそうなってしまうか。
キリ、と痛む頭を押さえる。
「・・・すみません。もっと早く完成させられれば良かったんですが・・・」
カラスは首を横に振った。
「私の考えが甘かったんです。迎撃をしている間、研究が完成し解決するのが理想でしたが・・・こうなった以上、我々に敵対する種を潰していく方が良い」
「できるでしょうか・・・」
ツバメは不安そうだ。
「敵のねぐらは既に何ヶ所か把握している。その内の1つに洞窟があるんだが・・・、私が囮になり相手をおびき寄せ、力を二分化させる。敵は奇襲を受けたと、混乱するだろう。君はそれに乗じて中に入り、その速さを生かして一気に叩く。そこに出入りしている数は多くはないから、私達だけでも制圧できる」
「待って下さい」
私はカラスの話を遮った。
「数は少ないと言っても、今までと違って敵の懐に飛び込むんです。何が起こるかわかりません。増援を頼み陽動はそちらに任せて、2人一緒に突入した方が、何かあった時に対応できると思います」
私の提案に、カラスは眉を寄せて黙る。
なら囮は誰がやるのか?
彼ならすぐにそう返すかと思った。
むしろこの提案を彼自身がしてもおかしくないのに、それも無い。
何かできない理由があるのだろうか。
黙ったままのカラスに代わって、ツバメが質問する。
「じゃあ陽動は・・・誰に頼むんですか?」
「いつも事後処理をしてくれている、自衛隊と警察にお願いしようと思ってる」
「・・・まあ、そうなるでしょうが」
カラスが重い口を開いた。
「・・・彼らが囮など、引き受けるでしょうか」
「以前から、力になりたいと言ってくれています。私達だけに頼るのは、申し訳ないと」
「・・・気に食わないだけでは?」
「それもあるかもしれません。でも目的は同じです。この町を、人を守る為に、敵を倒す。その為に、この作戦が一番安全で確実だと、わかってくれると思います」
そう重ねて言っても、カラスの態度は煮え切らないままだ。
この作戦が最善だと、わかっているだろうに。
「・・・何かあったんですか?」
「・・・いいえ、大したことじゃありませんよ」
カラスは苦笑するだけで、その理由を語ろうとしない。
「・・・何か思う所があるなら、教えて下さい。何もできないかもしれませんが、話を聞くぐらいならできますから・・・」
「・・・その気持ちだけで、充分です」
ありがとうございます。
そう微笑まれてしまって、それ以上聞くことはできなかった。
大丈夫だろうかと心配になるが、本人に言う気が無い以上、引き下がるしかない。
いつでも話を聞くからと伝え、改めて提案をすると、カラスはそれを受け入れる。
「彼らも、いつまでも片付けだけじゃ気の毒だ。良い所を見せたいでしょうね・・・ツバメも良いかい?」
「あ、はい!大丈夫です!」
2人の了承をもらったので、カラスの事が気がかりではあったが、
気持ちを切り替え、早速彼らに連絡を取った。
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