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1人ずつ自己紹介していき、隣に座る美少年の番がきた。


「僕はティト=エーダ=イリーシャです。得意属性は風と光です。よろしくお願いします。」


途端にクラスがザワつく。
それもそう、『五大属性貴族』と呼ばれる魔法の名門貴族がイリーシャ家なのだから。
美少年...ティトが気まずそうにしていると、エルザーク先生が制して自己紹介が再開された。
そして俺の番がきた。


「レイク=エイダー。得意属性は水。以上。」


よろしく、も言わぬまま素っ気なく自己紹介して終わらせた。
そうして自己紹介は終わり、エルザーク先生が教壇へ立つ。


「先程の自己紹介だが、ここは学園だ。規律で貴族平民関係なく接するよう決められている。だから俺も属性貴族だろうが平民だろうが関係なく叱るし褒める。この規律を無視した奴は注意、理事長からの厳重注意、停学もありえなくもない。だから仲良くしとけよ。この学園に1日でも長く居たいならな。以上、LHRは終わり。解散。」


ササッとエルザーク先生は出て行った。
ザワザワと席を立ち始めるクラスメイト。
俺は関係なくまた窓の外を眺める。
すると隣から自信なさそうに声をかけられる。


「僕...変、だよね。光の名門貴族であるイリーシャ家がCクラスに居るんだから...」


なんとなく面倒に感じたので俺は素っ気なく返した。


「別に。先生が言ったとおりに関係なく話せばいいんじゃない?」


返事がない。
俺は見ない事にした。


「そう、だよね…僕の気にしすぎかも…」


へへっ、と笑ったティトは先程より良い笑顔だった。
次の授業なんだったかな、と時間割を見始めた彼にもう言葉は必要ないようだと思って頬杖をついた。


「次の授業は魔法倫理?」
「うん、それ来週からな?」
「あれ?来週の見てた?」
「ちゃんと生徒手帳確認して?」
「あぅ~」


思ったより大丈夫じゃなさそう。
てゆーかこの人、よくここ受かったな。


「あった!召喚魔法だって!」
「召喚魔法って理論だったかな…」
「普通に実技って書いてるよ?」
「移動教室どこにも書かれてないのは嫌がらせかな?」


移動先が分からずクラスがザワザワしている所へ先程のエルザーク先生がやってきて「第二!第二修練場!ごめ!ごめーん!」と去っていった。
実力だけあるタイプの先生かな…?
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