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7.旦那様(ニセ)とのなれそめを思い出す嫁(ニセ)。
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もう、『好き』っていう気持ちだけじゃ、どうにもやっていけない大人になってしまった。
小さい頃は一緒におかずを取り合って、一緒にお風呂入って、グリーンバンブーで一緒に雑魚寝して、半分一緒に暮らしているみたいで楽しかった。
あんな楽しい日が、永遠に続けばいいのにと思っていた。
でも、それはもう無理なんだね。
高い身分の壁が、私と貴方の間に聳える様に立っているんだもの。
三成家を知れば知るほど、その重圧や壁が絶対に私では越えられるものでは無いと、思い知らされる。
だったらせめて、私がニセ嫁の間に、男女関係を持てないかな。
もし、もしも一矢の子供を宿す事ができたら、私は一矢をあきらめなくて済むのかな――?
――私ったら、なんて卑劣な事を考えているの!
慌てて頭を振った。最低な考えを頭に浮かべただけで、あまりの愚かさに涙が滲んだ。
どうせ子を宿したとしても、一矢を繋ぎ止めておくことなんかできっこない。
そんなものは受け取る気はないが、手切れ金で終わりか、下手をすれば中絶費用の支払いで終わり、なんて最悪なシナリオが頭に浮かぶ。この家は、幼い一矢に平気で恐ろしい仕打ちができるのだから、私みたいな無血統の女には、ことさら容赦ないだろう。
ただ一矢が好きなだけなのに、こんなにも苦しい。
きっと彼に抱かれたら、一矢が私の中でもっともっと特別になってしまって、二度と忘れられなくなる。
だから、男女の関係だけは絶対に結んだりしないように気を付けよう。
好きになった人に初めて、心も身体もささげたいという女の願望が、これ程悲しく、切ないものだなんて。
決して叶う事は無い願いなんだ、と。改めて思い知る。
だから、努力しなければ。
貴方をこの先、忘れられるように。
契約が終わる時、我儘言わずに、ちゃんと別れる為に――
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