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9.なりふり構わない意地悪令嬢に、ニセ嫁タジタジざまぁーす。
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「きゃあっ、止めてっ! いたいっ! いたぁーいっ!!」
何じゃこの女! なりふり構わないにも程があるでしょーがああああ!
むんずと掴まれた髪の毛が引きちぎられそうになったので、必死に抵抗した。本気で痛い。なんなの、この令嬢! 頭おかしいわよっ! どうかしている!!
「何の騒ぎですか!」
様子を見に来てくれた中松が、飛んできてくれた。
やああーん。救世主―!
この時ばかりは、彼が鬼じゃなくて神に見えた。今だけ神松になった。
神松が私と極悪令嬢の間に割って入り、彼女から引き剥がしてくれた。
「花蓮様、何事ですか! 仮にも一矢様がお選びになられた女性に対して、このような仕打ち・・・・御父上にご報告させてもらいますよ!」
「あ、これはその・・・・」
花蓮様がオロオロと泣きそうな顔を見せた。「急に一矢様が婚約されると聞いて・・・・幼い頃からお慕いしておりましたのに、ずっと、わたくしを選んで頂けるとそれを信じて今日まで生きてまいりました。それなのに・・・・それなのに・・・・」
遂に彼女が泣き崩れた。酷い髪になり、ボロボロになった私の方が泣きたいわ!
一矢がロングヘアが好きという謎の情報を手に入れてから、一生懸命手入れしながら長く伸ばしていた髪が、この悪令嬢のお陰でブチブチと悲惨に引きちぎられたのよお――――っ!!
もおぉっ! ハゲたらどーしてくれんのよおおおお――――っ!!
「それとこれとは話が別です。さあ、行きましょう。きちんと一矢様にもこの様な事がなされたと、報告させていただきますから」
「それだけは・・・・どうかそれだけは・・・・」
ボロボロと泣きながら令嬢が私に向かって土下座してきた。「ごめんなさい、伊織様。貴女が羨ましくて・・・・何の家柄も無い貴女が選ばれたことが、妬ましくて・・・・」
えらく正直な人だな。どうせ無血統ですよ。
「つい、無礼を働いてしまいました。本当に申し訳ございません。どうか、一矢様には言わないで・・・・」
こんな事しておきながら、言わないでとか、バカじゃないの。報告されないワケないのに。
ご令嬢だから、パッパラパーなのね。脳内お花畑なんだわ。
でも、このお嬢様も一矢をずっと好いてきたのよね。それなのに、急にニセ令嬢がぽーんと出てきちゃあ、面白くないわよね。解る、うん、解るよその気持ち。それだけは同情できるけど、他はできませんからぁー!
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