【R18】幼馴染の専業ニセ嫁始めましたが、どうやらニセ夫の溺愛は本物のようです

さぶれ@6作コミカライズ配信・原作家

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13.旦那様(ニセ)、鈍感嫁(ニセ)にプロポーズ大作戦です!

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「伊織、どうしたのだ。もしや、身体が辛いのか?」


 気が付くと、泣いていた。醜い嫉妬できっと嫌な顔をしている。見られたくないから慌てて顔を覆ったが、一矢に腕を取られた。「性急にやりすぎたか? 何せ・・・・初めてなものでな。お前が悦んでいるとばかり思っていたのだが、気が付かなくて悪かった。本気で嫌がらせ、泣かせたりするつもりは無かったのだ。嫌な思いをさせてしまって、すまない」

「はっ、初めて!?」

 今の言葉に、耳を疑った。

「お前も初めてなのだろう。私も初めてだが、何か問題でも?」

「あ、いや・・・・無い・・・・けど」

 じっと一矢を見つめた。

「何だ」

「もしかして、一矢ってドーテ・・・・」

「その屈辱禁句のワードを言うな!」私の言葉をブッた切られた。「私の初めてはお前でないと嫌だとゴネて言い出せずにいるうちに、こんな年齢になってしまったのだ! 本当はもっと早くにお前としたかったのだ! それの何が悪い!? こら、伊織! 何を笑っている!!」

 思わず嬉しくて笑ってしまった。本気を出さなくても女性なんかよりどりみどりの一矢が、私を初めて抱くためだけに自身の純潔を守ってくれていたなんて。信じられない!

「笑っているのはね」一矢の胸に飛び込んで、彼をぎゅうっと抱きしめた。「嬉しいからだよ! さっき、顔も見えない女の人に嫉妬していたの。一矢はどれだけの女性とこんな風に過ごしてきたんだろうって考えたら、悲しくなっちゃって」


 一矢を見つめた。「あの・・・・今日まで純潔を守ってくれて下さって、嬉しいです。旦那様」


 もう、ニセってつけなくていいのよね。
 本当の、本物の旦那様に・・・・なってくれるのよね?


「伊織」


 一矢が真剣な眼差しを向けた。男の顔。私の初めて見る、欲望を孕んだ瞳をした、男の顔――

「早くお前を、私だけのものにしたい。いいか? きっと無理を強いると思う。途中で止めれなくるだろうが、それでも――」

 今度は私が一矢の台詞を奪った。口づけして遮ってやったの。「絶対止めないで。私を、早く一矢のものにして。繋がりたい。貴方と・・・・」

 貪るようにキスをした。柔らかい唇に身も心も蕩けさせられる。

「キスも・・・・初めてだったの?」怖かったけど、思い切って聞いてみた。

「そうだ。お前と同じだ。あの時の伊織とのキスが、私の初めてだ。今まで誰にも触れさせたことは無い。お前以外、必要ないからな」

「嬉しい・・・・」

 大きく足を割り開かされた。一矢が私にのしかかり、体重を預けてくる。



 ゆっくり、ゆっくりと――




「伊織」



 甘く名前を呼ばれ、同時に初めての彼の侵入を受け入れ、切なく身体がきゅんとなった。


 一矢。



「愛している――」



 甘い言葉と共に、解(ほぐ)れた体内を貫くように彼が押し入ってきた。
 痛みと快楽と同時に訪れる。頭を金属バットで殴られたような、悲惨な衝撃が体内で起こった。あまりの痛さに顔を歪め、思わず一矢の背中に爪を立てた。
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