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1.私、完璧執事のニセカノに立候補しました!
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フロントマンがガタガタ震えて何も喋れないのを尻目に、使えねえヤツ、と無情に吐き捨て、中松さんは悪者の宿泊先の部屋を聞き出すより先に、万が一の為にとお姉ちゃんに仕込んでおいたGPSで場所をチェック。締め上げた意味がないじゃん、って思ったけれど、それは言わないお約束。
そりゃ、突然美形の執事が豹変して鬼ヤ〇ザみたいになっちゃったら、普通の人は喋れないよねぇー。怖いもん。
締めあげられ損のホテルマンに同情しつつも、私の敬愛する萬田銀次郎様ばりの凄みと頭の回転の速さに、惚れ惚れしちゃった。
結局お姉ちゃんの居場所は中松さんが早々に突き止めて、事なきを得たし。
なーんか傍から見ていたら、中松さんはどうもお姉ちゃんに特別な感情を抱いている様な――早い話が、好きなんじゃないかって思ってみたり。
でも、お姉ちゃんはずーっとずーっと昔から、バカみたいに幼馴染のイチ君一筋だったし、中松さんが入り込む隙は、残念ながら全く無かったというわけなの。
だから、だからこそ、私にもチャンスがあると思っていたのに!!
怒り心頭の私は、イチ君に電話を掛けた。
『はい』
早速イチ君が電話に出た!
「イチ君のバカヤロ――――!! 何で中松さんにお見合い組んじゃうのっ!! 私のキモチ知っているクセにっ! もしお見合い成功したら、一生恨むから! 責任取ってもらうぞコラぁー」
いけない。つい、コラぁー、とか語尾に付いちゃった。
仮にもヒロインなのに。ヲホホ。
でもこれは、任侠映画見すぎ、好きすぎが故だと思う。こういう言葉遣いがたまに出ちゃうのよ。そしたら、ふわふわ系女子みたいな私のお母さんに、「みおちゃんっっ、言葉遣い悪―い。えーん、お母さん泣いちゃうー」って、言われちゃう。そうなると、はぁ、うっせえわ、コラ、って思う悪循環。私の愛らしい見た目だけは、お母さんによく似ているんだけどねー。ここだけの話、性格は全然違うの。
『なんだ美緒。鼓膜が破れるかと思ったぞ!』
イチ君に文句を言われた。
「当然じゃん! イチ君だって、私がお姉ちゃんのお見合い組んだりしたら、怒るでしょお――っ!!」
『まあ、そうだな。怒るかな』
「だったら――」
『まあ、聞け。この縁談は、中松の為じゃない。どちらかと言えば、美緒――お前の為だ』
「私の・・・・? どういう意味?」
『お前も伊織も、すぐ勘違いしてコトを進めるから、話がややこしくなるのだ。伊織が美緒に告げ口なんかするから。はあ、やれやれ』
ふうー、と大きなため息を吐かれた。悪かったわね・・・・!
「あっそ。そんな事言うなら、こっちにだって考えがあるわ。イチ君の秘蔵写真、ツイッターで拡散して、お姉ちゃんの秘蔵写真だって――」
『おい。なんだ、その秘蔵写真というのは。しかも、私のものだけじゃなく、伊織の秘蔵写真とは?』
「おしえなーい」
イチ君は大金持ちのお屋敷に住んでいるご子息だけれど、小さなころからお姉さまたちに意地悪をされて、家に帰り難かった過去があるから、よくこの狭い実家に遊びに来て、ご飯を食べていたの。家のアルバムに秘蔵写真なんか、ゴロゴロ転がっているわ。
そんな経緯があるから、うちの家は誰もイチ君をお金持ちのお坊ちゃま扱いをしないのだ。そういえば、お金持ちだったね、という低認識。
『その秘蔵写真、美緒の言い値で買い取ろう』
言っている傍から出た! お金持ち発言。庶民、ナメんなよ?
そりゃ、突然美形の執事が豹変して鬼ヤ〇ザみたいになっちゃったら、普通の人は喋れないよねぇー。怖いもん。
締めあげられ損のホテルマンに同情しつつも、私の敬愛する萬田銀次郎様ばりの凄みと頭の回転の速さに、惚れ惚れしちゃった。
結局お姉ちゃんの居場所は中松さんが早々に突き止めて、事なきを得たし。
なーんか傍から見ていたら、中松さんはどうもお姉ちゃんに特別な感情を抱いている様な――早い話が、好きなんじゃないかって思ってみたり。
でも、お姉ちゃんはずーっとずーっと昔から、バカみたいに幼馴染のイチ君一筋だったし、中松さんが入り込む隙は、残念ながら全く無かったというわけなの。
だから、だからこそ、私にもチャンスがあると思っていたのに!!
怒り心頭の私は、イチ君に電話を掛けた。
『はい』
早速イチ君が電話に出た!
「イチ君のバカヤロ――――!! 何で中松さんにお見合い組んじゃうのっ!! 私のキモチ知っているクセにっ! もしお見合い成功したら、一生恨むから! 責任取ってもらうぞコラぁー」
いけない。つい、コラぁー、とか語尾に付いちゃった。
仮にもヒロインなのに。ヲホホ。
でもこれは、任侠映画見すぎ、好きすぎが故だと思う。こういう言葉遣いがたまに出ちゃうのよ。そしたら、ふわふわ系女子みたいな私のお母さんに、「みおちゃんっっ、言葉遣い悪―い。えーん、お母さん泣いちゃうー」って、言われちゃう。そうなると、はぁ、うっせえわ、コラ、って思う悪循環。私の愛らしい見た目だけは、お母さんによく似ているんだけどねー。ここだけの話、性格は全然違うの。
『なんだ美緒。鼓膜が破れるかと思ったぞ!』
イチ君に文句を言われた。
「当然じゃん! イチ君だって、私がお姉ちゃんのお見合い組んだりしたら、怒るでしょお――っ!!」
『まあ、そうだな。怒るかな』
「だったら――」
『まあ、聞け。この縁談は、中松の為じゃない。どちらかと言えば、美緒――お前の為だ』
「私の・・・・? どういう意味?」
『お前も伊織も、すぐ勘違いしてコトを進めるから、話がややこしくなるのだ。伊織が美緒に告げ口なんかするから。はあ、やれやれ』
ふうー、と大きなため息を吐かれた。悪かったわね・・・・!
「あっそ。そんな事言うなら、こっちにだって考えがあるわ。イチ君の秘蔵写真、ツイッターで拡散して、お姉ちゃんの秘蔵写真だって――」
『おい。なんだ、その秘蔵写真というのは。しかも、私のものだけじゃなく、伊織の秘蔵写真とは?』
「おしえなーい」
イチ君は大金持ちのお屋敷に住んでいるご子息だけれど、小さなころからお姉さまたちに意地悪をされて、家に帰り難かった過去があるから、よくこの狭い実家に遊びに来て、ご飯を食べていたの。家のアルバムに秘蔵写真なんか、ゴロゴロ転がっているわ。
そんな経緯があるから、うちの家は誰もイチ君をお金持ちのお坊ちゃま扱いをしないのだ。そういえば、お金持ちだったね、という低認識。
『その秘蔵写真、美緒の言い値で買い取ろう』
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