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7.自分の気持ちを再確認(今更どうにもできない)
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変態社長に振り回されながらも、いつも通りきっちりと仕事を終え、約束の時間に一人で神原の下を訪れた。
相変わらず商業施設のような大きなマンション。家というよりギャラリーのようだ。
インターフォンを鳴らすと、早速対応される。オートロックの自動ドアが開き、昨日来た時と同じ手順でエレベーターに乗った。五階で降り、角部屋の一室を目指す。
再度インターフォンを押すと電子扉が開錠されたので、玄関に足を踏み入れると神原が現れた。「お待ちしておりました」
「単刀直入に言いますね。まどろっこしいのは嫌いなもので。神原さんとの結婚、お受け致します。但しこちらも条件を提示させていただきます」
玄関先で矢次に告げた。
「賢明なご判断だと思いますよ。条件とは何でしょうか?」
早速尋ねられた。
「はい。お伝えいたします。先ずはフクシを訴えるというお考えの取り下げを願います。そしてこれ以上、フクシの妨害をしない事をお約束下さい。それから、秋の展示会までこの話は内密にして頂きたいこと、現在私が携(たずさ)わっているプロジェクトの新商品を完成を見届けてから、フクシに退職願いを出したいと思います。引継ぎ等もありますから、年内いっぱいまで働く事を赦して下さい。世話になった会社に突然退職と告げて仕事を辞めるのは、社会人としてルール違反だと思います。そういった事は自身の性格上、赦せません。なので、これらの条件を許可頂けるなら、結婚はお引き受け致します」
業務報告するように、淡々と告げた。
「フクシの妨害とは心外ですね。まあいいでしょう。杉浦さんが私の妻になるというなら、フクシのラインに我が社の商品が押される事もなくなると思いますからね。神原でしっかり働いて貰いますよ。退職されましたら、早速来年から神原の製造ラインの責任者になって貰います」
神原の方は相変わらず挑戦的だ。食えない男。
「あと、高丸さんの金型は諦めて下さい。もうフクシと契約を交わしております。その代わり、私がもっといい靴を神原で作りますから、そちらでご辛抱頂けますか」
「成程。それは楽しみです」
神原には好感触だ。これで交渉を一気に取り付けよう。
「パンプスはスギウラが一番得意とするゴムです。スギウラが使えなくても、私がゴムの配合を記憶しております。スギウラは無くとも、神原社長の役に立てると思いますので、ご安心を」
これでフクシにも、スギウラにも手は出されないだろう。
「私からは以上です。この条件で約束をお守り頂けますね、神原社長?」
「いいでしょう。約束致します」
「それでは、私はこれにて失礼致します」
「杉浦さん。それはあまりにも失礼では? 仮にもこれから結婚を約束した同士となるのですから、お茶くらいご一緒していただきたいのですが」
「・・・・解りました」
「どうぞ、おあがりください」
神原に無機質な空間――というか部屋――に招き入れられた。
相変わらず商業施設のような大きなマンション。家というよりギャラリーのようだ。
インターフォンを鳴らすと、早速対応される。オートロックの自動ドアが開き、昨日来た時と同じ手順でエレベーターに乗った。五階で降り、角部屋の一室を目指す。
再度インターフォンを押すと電子扉が開錠されたので、玄関に足を踏み入れると神原が現れた。「お待ちしておりました」
「単刀直入に言いますね。まどろっこしいのは嫌いなもので。神原さんとの結婚、お受け致します。但しこちらも条件を提示させていただきます」
玄関先で矢次に告げた。
「賢明なご判断だと思いますよ。条件とは何でしょうか?」
早速尋ねられた。
「はい。お伝えいたします。先ずはフクシを訴えるというお考えの取り下げを願います。そしてこれ以上、フクシの妨害をしない事をお約束下さい。それから、秋の展示会までこの話は内密にして頂きたいこと、現在私が携(たずさ)わっているプロジェクトの新商品を完成を見届けてから、フクシに退職願いを出したいと思います。引継ぎ等もありますから、年内いっぱいまで働く事を赦して下さい。世話になった会社に突然退職と告げて仕事を辞めるのは、社会人としてルール違反だと思います。そういった事は自身の性格上、赦せません。なので、これらの条件を許可頂けるなら、結婚はお引き受け致します」
業務報告するように、淡々と告げた。
「フクシの妨害とは心外ですね。まあいいでしょう。杉浦さんが私の妻になるというなら、フクシのラインに我が社の商品が押される事もなくなると思いますからね。神原でしっかり働いて貰いますよ。退職されましたら、早速来年から神原の製造ラインの責任者になって貰います」
神原の方は相変わらず挑戦的だ。食えない男。
「あと、高丸さんの金型は諦めて下さい。もうフクシと契約を交わしております。その代わり、私がもっといい靴を神原で作りますから、そちらでご辛抱頂けますか」
「成程。それは楽しみです」
神原には好感触だ。これで交渉を一気に取り付けよう。
「パンプスはスギウラが一番得意とするゴムです。スギウラが使えなくても、私がゴムの配合を記憶しております。スギウラは無くとも、神原社長の役に立てると思いますので、ご安心を」
これでフクシにも、スギウラにも手は出されないだろう。
「私からは以上です。この条件で約束をお守り頂けますね、神原社長?」
「いいでしょう。約束致します」
「それでは、私はこれにて失礼致します」
「杉浦さん。それはあまりにも失礼では? 仮にもこれから結婚を約束した同士となるのですから、お茶くらいご一緒していただきたいのですが」
「・・・・解りました」
「どうぞ、おあがりください」
神原に無機質な空間――というか部屋――に招き入れられた。
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